主 要 な 資 産

特集 実務のギモンが氷解
時価下落により「主要な資産」
を見直す?
加藤 圭介
には、連結財務諸表上のグルーピン
グが個別財務諸表と異なる場合があ
項)。
る( 意 見 書 四 2 ⑹ ① な お 書 き、 減 損
適用指針
⑵ 主要な資産
主要な資産とは、資産グループの
将来キャッシュ・フロー生成能力に
とって最も重要な構成資産であり
どの類似性等によって、複数の店舗
が、製品やサービスの性質、市場な
キャッシュ・フローを生み出す最小
シュ・フローからおおむね独立した
資産または資産グループのキャッ
は、翌期以降も継続して主要な資産
が、当期に主要な資産とされた資産
グルーピングを行う際に決定される
(減損会計基準注解
(注3))、資産の
のキャッシュ・イン・フローが相互
項 )。 ま た、 主 要 な 資 産 を 決
年のいずれか短いほうである
わが国における土地等の比重から
(減損会計基準二2⑵)。
数と
この主要な資産の経済的残存使用年
シュ・フローの総額を見積る期間は、
判定するために割引前将来キャッ
減損損失を認識するかどうかを
② 当該資産を物理的および経済的
に容易に取り替えないかどうか。
かどうか。
① 当該資産を必要とせずに資産グ
ループの他の構成資産を取得する
めて総合的に判断する必要がある。
定するにあたっては、次の要素も含
指針
と す る こ と が 原 則 で あ る( 減 損 適 用
新日本有限責任監査法人
公認会計士
資産のグルーピング、
主要な資産、
共用資産
概 要
10
の単位が複数の連結会社を含む場合
企業
補完的であり、ある店舗を切り離し
イン・フローに大きな影響を及ぼす
たときには他の店舗のキャッシュ・
減損会計の適用にあたっては、そ
と考えられる場合には、それらの複
⑴ グルーピング
の検討の単位である資産グループを
る こ と が 原 則 と さ れ( 減 損 適 用 指 針
数の店舗にてグルーピングを行う
キャッシュ・フローを生み出す最小
9項)
、グルーピングの変更を検討
決定する必要があるが、資産グルー
の単位である
(減損会計基準二6)
。
する場合には、事業の再編成による
(減損適用指針7項)(図表1参照)。
グルーピングは、管理会計上の区
管理会計上の区分の変更、主要な資
プとは、他の資産グループのキャッ
分や投資の意思決定
(資産の処分や
産の処分、セグメント情報における
資産のグルーピングは毎期継続す
事業の廃止に関する意思決定を含
事業セグメントの変更等との整合性
シュ・フローからおおむね独立した
む )を 行 う 際 の 単 位 等 を 基 礎 に 決 定
に留意する必要がある。
また、連結グループにおいて、複
一体としてグルーピング
一体としてグルーピング
店舗D
店舗C
店舗B
店舗A
相互
補完的
相互
補完的
22
20
する
(意見書四2⑹①参照)
。
たとえば、資産と対応して継続的
数の連結会社を対象に管理会計上の
区分や投資意思決定の単位が設定さ
に収支の把握がなされている単位が
店舗である場合には、個々の店舗を
れ て い る な ど の 理 由 に よ り、 他 の
経理情報●2017.2.1(No.1469)
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グルーピング単位決定の基礎とする
(図表1) 複数の単位が相互補完的な場合のグルーピング
Ⅲ
減損会計の重要論点Q&A