第2章 地域福祉計画に関する現状と課題 [1650KB pdfファイル]

第2章
1
地域福祉に関する現状と課題
第2次吉川市地域福祉計画の取り組み
第2次吉川市地域福祉計画(平成24~28年度)では、「互いを認め合い
支え合いの
輪を広げ 地域のきずなを育む」を基本理念とし、3つの基本目標に向かって各施策に取り
組んできました。これらの主な取り組みと成果について整理しました。
目標1
互いに認め合う社会の実現
1-1 相互理解への取り組み
関連施策
啓発・広報の充実
主な取り組みと成果
市の広報紙やホームページを活用して人権に関する啓発を行っ
たほか、
「認知症サポーター養成講座」や「ゲートキーパー講習」
を実施し、高齢者の病気や介護、心の病気、に対する理解を深め
ました。
また、子どもの発達に不安のある保護者を対象に、子どもとの
より良い関わり方を学ぶ「ペアレントトレーニング」を実施しま
した。
福祉教育の推進
小中学校での総合的な学習において、各学年に応じた福祉に関
する体験活動を通じて、高齢者や障がい者に対する理解を深めま
した。
また、社会福祉協議会においてボランティア体験を実施し、児
童生徒のボランティアへの参加のきっかけづくりを行いました。
ふれあいの機会の拡充
「よしかわふれあいスポーツ大会」
、
「高齢者スポーツ大会」
、
「市
民体育祭」を実施しました。
また、平成28年度は、障がいの有無にかかわらずスポーツを
通じて交流を深めるスポーツフェスタを開催しました。
1-2 権利擁護への取り組み
関連施策
日常生活自立支援事業
の活用
成年後見制度の周知と
活用
主な取り組みと成果
社会福祉協議会が行う福祉サービス利用援助事業の各種サービ
スにより、援助を要する人の日常生活の支援を図りました。
成年後見制度について窓口案内やチラシにより周知するととも
に、必要に応じて審判請求の申立てや利用に係る費用助成を行い
ました。
人権教育の推進
小中学校における人権教育(道徳)や保護者などの成人を対象
とした人権セミナーや講座を実施し、人権への理解を深めました。
11
第2章
地域福祉に関する現状と課題
1-3 自立支援への取り組み
関連施策
相談支援体制の充実
主な取り組みと成果
地域包括支援センターや障がい者相談支援センター、子育て支
援センター、配偶者暴力相談センターなどの関係機関と、問題解
決のための情報共有・連携を図りました。
また、平成28年度から「生活困窮者自立支援相談」の窓口を
設置し、住まいや仕事に関し困窮している人々の相談支援体制を
拡充しました。
生活福祉資金の活用
社会福祉協議会において、生活困窮者に対し生活資金を貸付す
るとともに、民生委員の協力を得て、制度周知や社会福祉協議会
へつなぐことで、生活困窮者の生活の安定や自立を支援しました。
ホームレス支援
年 2 回(夏・冬)市内の実態調査を行い、生活支援の制度を案
内したほか、必要に応じて生活保護制度による住居支援を行いま
した。
1-4 必要な時に必要な方への情報提供
関連施策
多様な情報提供方法
主な取り組みと成果
市広報紙やホームページのほか、
「ⅰ広報誌」や「デジタルサイ
ネージ」を新たに導入し、また「安全・安心メール」
「防災情報ツ
イッター」など、インターネットを活用した防災情報を発信し、
情報の提供方法の充実を図りました。
情報のバリアフリー化
ボランティア団体の協力のもと「声の広報」や「声の社協だよ
り」を作成し、視覚障がいをお持ちの人に市や社会福祉協議会の
情報を届けました。また、障がい福祉課が使用する封筒に点字を
付しました。
福祉情報の一元化
認知症や子育てに関する一元化したサービスガイドとして、
「認
知症ケアパス」や「子育て応援ガイドブック」を発行し、福祉情
報の一元化に努めました。
協働による情報発信
市内NPO法人と市との協働事業として、子育て行政情報専用
サイトを開設しました。
12
第2章
目標2
地域福祉に関する現状と課題
みんなで参加する地域福祉
2-1 市民活動の推進
関連施策
主な取り組みと成果
ボランティア団体や福祉
ボランティアセンターが中心的な役割を果たしながら、ボラン
団体への支援と連携強化
ティア団体の活動支援や、ボランティアを求める人と活動したい
人とのコーディネートを行いました。
また、NPO法人設立に関して必要に応じ立上げに向けての支
援を行いました。
さらに、民生委員・児童委員協議会・保護司会・更生保護女性
会の活動を支援しました。
ボランティア活動への
参加機会の拡充
ボランティアセンターが行う、広報活動や各種講座・体験の実
施によって、ボランティア活動への参加の機会の充実を図りまし
た。
また、介護支援ボランティア制度を導入し、高齢者自身の社会
参加活動を通じて介護予防を推進しました。
地域人材を活かす仕組み
づくり
介護予防体操指導者養成講座を実施し、地域リーダーを育成し
ました。
また、平成28年度に「市民シンクタンク」を創設し、専門的
な知識や知見を有するシニア世代など、多くの市民が研究員とな
って地域課題を解決する方策を市に提言するしくみを整えまし
た。
市民と協働の福祉活動の
研究と推進
市内に3カ所ある地域子育て支援拠点のうち、2カ所を子育て
支援活動団体と市との協働で事業実施しました。
2-2 福祉人材の育成
関連施策
福祉従事者の育成と資質
向上
福祉実習生への効果的な
実習の実施
主な取り組みと成果
職員や関係者の各種研修や勉強会を行うことで、福祉従事者の
スキルアップを図りました。
将来、社会福祉士や保育士、保健師などを目指す学生のために、
福祉事務所や保育所、保健センターなどで実務実習を行いました。
13
第2章
地域福祉に関する現状と課題
2-3 地域で取り組む見守り活動
関連施策
要援護者見守りネットワ
ークの活用
主な取り組みと成果
協定事業所の拡充を図るとともに、高齢者に多い消費者被害防
止を新たな目的に加え、機能の充実を図りました。
2-4 地域で取り組む健康づくり
関連施策
身近な仲間との健康づく
り
互いの気遣いで疾病・自
殺予防
主な取り組みと成果
地域型介護予防体操指導者養成講座を開催し、地域リーダーを
育成し、各自治会単位で行う「なまらん体操」を推進しました。
「認知症サポーター養成講座」や「ゲートキーパー講習」を実
施し、高齢者の病気や介護、心の病気に対する理解を深めました。
【再掲】
14
第2章
目標3
地域福祉に関する現状と課題
地域コミュニティを育む
3-1 地域活動の支援
関連施策
自治会活動や地域活動の
推進
主な取り組みと成果
自治会への加入率増加を目指し、平成26年に市・自治会・不
動産業者の3者協定を締結し、転入・転居者に対し自治会加入の啓
発を行いました。
また、地域サロンや介護予防事業、地域寺子屋事業などの地域活
動を推進し、多くの市民が関わる機会が増えました。
3-2 交流の場の拡大
関連施策
地域交流の機会を拡充
主な取り組みと成果
地域の子どもは地域で育てることを目的に、子どもの居場所づ
くり及び地域の活性化を図る地域寺子屋事業を推進しました。
地域包括支援センター主催による、認知症カフェ「オレンジな
まりんカフェ」を平成27年度から開催し、認知症の人とその家
族・地域住民・介護専門職員など、だれもが気軽に参加し情報交
換や居場所づくり、認知症への理解を深める機会となりました。
集いの場の整備
社会福祉協議会において、ふれあい・いきいきサロンの実施団
体の普及支援を行い、地域住民が集える場が増えました。
3-3 虐待の早期発見への取り組み
関連施策
虐待防止のための啓発を
実施
主な取り組みと成果
「高齢者虐待」「障がい者虐待」「児童虐待」「配偶者への暴力」
の防止のための啓発や相談窓口について、市広報紙やチラシなど
を活用し周知しました。
また、必要に応じて相談員や地域包括支援センターや民生委員
などと連携しながら被害者の支援を行いました。
速やかな通報の推進
同上
15
第2章
地域福祉に関する現状と課題
3-4 災害時の支え合い体制づくり
関連施策
防災意識の啓発
主な取り組みと成果
防災訓練の実施や、市広報紙、安全安心メール・防災ツイッタ
ーなどのSNSを活用した周知活動を実施し、市民の防災意識を
高めました。
地域での防災活動の
取り組み
防災リーダー認定講習会を実施し、自主防災組織の設立や設立
団体に対する活動を支援し、平成28年12月現在56自治会で
自主防災組織が結成されました。
また、市広報紙や民生委員の協力を得ながら災害時避難行動要
支援者名簿への登録の推進を図りました。
16
第2章
3
地域福祉に関する現状と課題
市民アンケートの結果から
第3次地域福祉計画の策定に当たり、市民の皆様の地域福祉に対する関心や考え、意向な
どを把握するため、地域福祉市民アンケート(以下、
「市民アンケート」という。
)を実施し
ました。
〇市民アンケートの実施概要
実施時期
平成28年7月8日~8月3日
配布・回収方法
調査票の郵送による発送・回収
対象者
平成28年5月1日現在20歳以上の市民
配布数
1,000票(無作為抽出)
回答票(回答率)
385票(38.5%)
参考:回答者の構成
① 年齢層と性別
性別
男性
女性
計
上段:人数(人)
20-29 歳
30-39 歳
40-49 歳
50-59 歳
60-64 歳
17
17
20
26
15
43
12
150
11.3%
11.3%
13.3%
17.3%
10.0%
28.7%
8.0%
100.0%
20
45
39
35
23
46
27
235
8.5%
19.1%
16.6%
14.9%
9.8%
19.6%
11.5%
100.0%
37
62
59
61
38
89
39
385
9.6%
16.1%
15.3%
15.9%
9.9%
23.1%
10.1%
100.0%
② 年齢層と住まいの地域
地域
65-74 歳 75 歳以上
下段:構成比
上段:人数(人)
下段:構成比
20-29 歳
30-39 歳
40-49 歳
50-59 歳
60-64 歳
1
3
4
4
6
10
4
32
3.1%
9.4%
12.5%
12.5%
18.8%
31.3%
12.5%
100.0%
7
6
3
4
2
9
5
36
19.4%
16.7%
8.3%
11.1%
5.6%
25.0%
13.9%
100.0%
吉川
16
27
40
33
20
50
19
205
中央
7.8%
13.2%
19.5%
16.1%
9.8%
24.4%
9.3%
100.0%
吉川
7
12
9
13
7
16
10
74
南部
9.5%
16.2%
12.2%
17.6%
9.5%
21.6%
13.5%
100.0%
吉川
6
14
3
7
3
4
1
38
美南
15.8%
36.8%
7.9%
18.4%
7.9%
10.5%
2.6%
100.0%
37
62
59
61
38
89
39
385
9.6%
16.1%
15.3%
15.9%
9.9%
23.1%
10.1%
100.0%
旭
三輪野江
計
17
65-74 歳 75 歳以上
計
計
第2章
地域福祉に関する現状と課題
地域
町名
旭
上内川,下内川,八子新田,鍋小路,川藤,南広島,拾壱軒
三輪野江
三輪野江,三輪野江1~2丁目,土場,飯島,半割,加藤,吉屋,
吉屋1~2丁目,関新田,関新田1~2丁目,上笹塚,上笹塚1~3丁目,会野谷, 会野谷
1~2丁目,中井,中井1~3丁目,鹿見塚,皿沼1~2丁目,中島,中島1~3丁目,小松
川,二ッ沼,二ッ沼1~2丁目,平方新田,深井新田
吉川中央
須賀,川野,川富,関,吉川,吉川1~2丁目,平沼,平沼1丁目,保,
保1丁目,共保,栄町,栄町1~2丁目,新栄1~2丁目,中野,きよみ野1~5丁目,吉川
団地
吉川南部
木売,木売1~3丁目,高富,高富1~2丁目,高久,高久1~2丁目,中曽根,中曽根1~
2丁目,道庭,道庭1~2丁目,富新田,木売新田,中川台
吉川美南
美南1丁目~5丁目
〇市民アンケートの調査項目
大項目
1)日常生活のこと
小項目
① 助けを求めるとき頼れる人
② 助けを求める人に対し支援するか否か
③ 市のサービスを利用するか
④ 利用しない理由
⑤ 利用する場合の情報入手
2)ご近所との関わり
① 近所と付き合いの程度
② 近所付き合いの考え方
3)社会活動への関心
① 自治会活動の参加状況
② ボランティア等への参加状況
③ ボランティア等への参加しない理由
④ ボランティア等の活動の内容
⑤ 今後活動したい社会活動分野
⑥ 社会活動に参加するときの情報入手
4)災害に対する考え方
① 災害時の不安なこと
② 災害時の頼りにする人
③ 自主防災組織の考え方
④ 災害に備えたとりくみとして必要なこと
「2025年問題」「高齢者の社会的孤立の問題」
5)近年の社会問題に対する認識
「アルコール関連問題」
「若者の引きこもり問題」
「生活困窮者の問題」
「子どもの貧困問題」
「自殺問題」
6)地域社会の役割への期待
自治会などの地域社会の役割に期待すること
18
第2章
地域福祉に関する現状と課題
1)日常生活のこと
◆
日常生活の場面で困ったとき、身の回りで頼れる人は、看病や介護、子どもの見守りや世話
などの困りごと全般で「家族・親族」が最も高く、次いで「友人・知人」となるが、その割
合は大きな差が生じている。これは、厚生労働省が実施した「2012年社会保障・人口問
題基本調査生活と支え合いに関する調査」結果と同様である。 (図表1・図表2)
◆
看病や介護、子どもの見守りや世話などの困りごと全般で、「家族・親族」に対して手助け
をする(しようとする)割合が最も高い。
「近所の人」への手助けは「愚痴を聞いてもらう」、
「喜びや悲しみを分かち合うこと」がやや高いものの、全般的に低い割合である。
(図表3)
◆
困りごとを解決するために、市の制度やサービスを利用する割合は55.6%で半数以上。
その情報の入手方法は「市の広報やホームページ」が81.8%と最も高く、次いで「市役
所の窓口」である。市の制度やサービスを「利用しない」と回答した理由として、「サービ
スの内容や利用の仕方がわからない」が31.9%で最も高い。
(図表4・図表5・図表6)
図表1
助けを求めるとき頼れる人
家族・親族
看病や介護、子どもの見守りや世話
健康、介護、育児に関する相談
家庭内でのトラブルに関する相談
就職・転職など仕事に関する相談
愚痴を聞いてもらうこと
喜びや悲しみを分かち合うこと
いざという時の少額のお金の援助
いざという時の高額のお金の援助
家具の移動・庭の手入れなどの手伝い
図表2
300
77.9%
262
68.1%
199
51.7%
165
42.9%
231
60.0%
302
78.4%
211
54.8%
162
42.1%
253
65.7%
上段:人数(人)
友人・知人
近所の人
23
6.0%
111
28.8%
108
28.1%
133
34.5%
209
54.3%
193
50.1%
14
3.6%
5
1.3%
50
13.0%
11
2.9%
19
4.9%
4
1.0%
6
1.6%
20
5.2%
21
5.5%
1
0.3%
1
0.3%
17
4.4%
職場の人
8
2.1%
36
9.4%
18
4.7%
102
26.5%
49
12.7%
44
11.4%
5
1.3%
3
0.8%
3
0.8%
医療・福祉・
教育関係の
専門家
109
28.3%
129
33.5%
36
9.4%
25
6.5%
4
1.0%
1
0.3%
5
1.3%
18
4.7%
64
16.6%
下段:構成比
頼れる人は
いない
その他
4
1.0%
1
0.3%
2
0.5%
2
0.5%
1
0.3%
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
19
4.9%
15
3.9%
24
6.2%
12
3.1%
14
3.6%
8
2.1%
21
5.5%
44
11.4%
16
4.2%
n385
人に頼らな
い
11
2.9%
7
1.8%
41
10.6%
42
10.9%
25
6.5%
12
3.1%
106
27.5%
122
31.7%
44
11.4%
厚生労働省「2012年社会保障・人口問題基本調査生活と支え合いに関する調査」結果より
家族・親族
友人・知人
近所の人
職場の人
医療・福祉・
教育関係の
専門家
頼れる人は
いない
その他
人に頼らな
い
看病や介護、子どもの見守りや世話
80.0%
11.9%
5.5%
2.2%
14.3%
0.8%
4.1%
4.0%
健康、介護、育児に関する相談
73.6%
30.5%
5.9%
9.5%
23.4%
0.9%
3.0%
3.6%
家庭内でのトラブルに関する相談
53.7%
30.2%
2.2%
6.6%
2.1%
3.6%
4.6%
13.6%
就職・転職など仕事に関する相談
46.3%
26.8%
1.2%
12.1%
1.5%
2.1%
4.3%
18.9%
愚痴を聞いてもらうこと
66.0%
52.1%
7.1%
17.1%
1.1%
1.7%
2.5%
6.2%
喜びや悲しみを分かち合うこと
78.6%
47.3%
7.5%
12.8%
0.7%
1.6%
2.0%
2.9%
いざという時の少額のお金の援助
68.0%
8.4%
0.4%
2.1%
0.1%
0.5%
5.0%
16.3%
いざという時の高額のお金の援助
49.8%
2.0%
0.1%
0.4%
0.3%
0.6%
16.2%
21.9%
家具の移動・庭の手入れなどの手伝い
72.0%
18.9%
10.9%
3.4%
0.7%
3.4%
4.2%
8.6%
19
第2章
図表3
地域福祉に関する現状と課題
助けを必要としている場合、あなたは必要な事柄をしますか。またはしようと思いますか。
上段:人数(人)
看病・介護、子 健康、介
ども見守りや 護、育児に
世話
関する相談
300
77.9%
62
16.1%
29
7.5%
家族・親族
友人・知人
近所の人
家庭内での
トラブルに
関する相談
274
71.2%
108
28.1%
57
14.8%
就職・転職
など仕事に
関する相談
219
56.9%
100
26.0%
32
8.3%
愚痴を聞い
てもらうこ
と
172
44.7%
110
28.6%
28
7.3%
220
57.1%
221
57.4%
100
26.0%
喜びや悲し
みを分かち
合うこと
お金の援助
255
66.2%
219
56.9%
107
27.8%
187
48.6%
19
4.9%
5
1.3%
図表4 困りごとを解決するため、市の制度やサービスを利用しますか。
未回答,
2.1%
n385
単位:人
わからな
い, 31.4%
内容
回答
利用する,
55.6%
55.6%
利用しない
42
10.9%
わからない
121
31.4%
8
2.1%
385
100.0%
未回答
計
利用しな
い, 10.9%
図表5 市の制度やサービスを「利用する」と回答した人の情報の入手方法
単位:人
「利用する」と回答した人の情報の入手方法
回答
n214
割合
市の広報やホームページ
175
81.8%
市役所の窓口
109
50.9%
友人、知人
93
43.5%
社会福祉協議会の広報誌やホームページ、窓口
65
30.4%
新聞、テレビ、ラジオ、情報誌など
57
26.6%
医療機関、薬局
53
24.8%
ケアマネジャー(介護支援専門員)
41
19.2%
地域包括支援センター
35
16.4%
福祉サービス事業者
27
12.6%
民生委員・児童委員、主任児童委員
15
7.0%
図表6
市の制度やサービスを「利用しない」と回答した理由
単位:人
サービスを利用しない理由
回答
n42
割合
サービスの内容や利用の仕方がわからない
28
66.7%
使いたいサービスがない
11
26.2%
家族で対応できる
10
23.8%
経済的な負担が心配
3
7.1%
他人の世話になりたくない
3
7.1%
家族や親族への気兼ねがある
1
2.4%
その他
0
0.0%
20
割合
214
利用する
下段:構成比
家具の移
動・庭の手
入れなど
234
60.8%
157
40.8%
145
37.7%
n385
しない
15
3.9%
39
10.1%
111
28.8%
第2章
地域福祉に関する現状と課題
2)ご近所との関わり
◆
近所の人との付き合いの程度は、年齢や地域を問わず「あいさつをする程度」が高い。 (図
表7・図表8)
◆
すべての地域において「あいさつをする程度」の割合が高いが、旭地域や三輪野地域では「誰
とでも親しく付き合っている」割合が、他の地域と比べ比較的高い。 (図表8)
◆
近所付き合いに対する考え方は、
「親しく相談したり助け合ったりするのは当然である」、
「わずらわしいと思うが、日常生活に便利なことが多いので必要である」の割合が合わせて
58.0%であり、年齢別に見ると、高齢になるほどその割合が高くなっている。
(図表9)
◆
地域別では、
「親しく相談したり助け合ったりするのは当然である」
、
「わずらわしいと思う
が、日常生活に便利なことが多いので必要である」の割合が、吉川美南地域を除く地域で
5割以上である。
図表7
(図表10)
近所と付き合いの程度(年齢層別)
年齢層
気の合った人とは親しくしている
あいさつをする程度
ほとんど付き合いがない
その他
計
誰とでも親しく付き合っている
気の合った人とは親しくしている
あいさつをする程度
ほとんど付き合いがない
計
40-49歳
2
3.3%
16
26.2%
36
59.0%
7
11.5%
0
0.0%
61
3
5.1%
14
23.7%
36
61.0%
6
10.2%
0
0.0%
59
近所と付き合いの程度(地域別)
地域
その他
上段:人数(人)
30-39歳
3
8.1%
4
10.8%
19
51.4%
10
27.0%
1
2.7%
37
誰とでも親しく付き合っている
図表8
20-29歳
旭
8
25.0%
9
28.1%
15
46.9%
0
0.0%
0
0.0%
32
50-59歳
2
3.3%
20
32.8%
32
52.5%
7
11.5%
0
0.0%
61
60-64歳
4
10.5%
10
26.3%
21
55.3%
3
7.9%
0
0.0%
38
上段:人数(人)
三輪野江
吉川中央
13
36.1%
5
13.9%
14
38.9%
4
11.1%
0
0.0%
36
21
23
11.2%
65
31.7%
104
50.7%
12
5.9%
1
0.5%
205
吉川南部
6
8.1%
21
28.4%
40
54.1%
7
9.5%
0
0.0%
74
吉川美南
1
2.6%
5
13.2%
22
57.9%
10
26.3%
0
0.0%
38
65-74歳
24
27.0%
27
30.3%
38
42.7%
0
0.0%
0
0.0%
89
下段:構成比
計
51
13.2%
105
27.3%
195
50.6%
33
8.6%
1
0.3%
385
75歳以上
13
32.5%
14
35.0%
13
32.5%
0
0.0%
0
0.0%
40
下段:構成比
計
51
13.2%
105
27.3%
195
50.6%
33
8.6%
1
0.3%
385
第2章
図表9
地域福祉に関する現状と課題
近所付き合いの考え方(年齢層別)
年齢層
上段:人数(人)
20-29歳
30-39歳
7
18.9%
10
27.0%
8
21.6%
9
24.3%
3
8.1%
37
親しく相談したり助け合ったりするのは当然である
わずらわしいと思うが、日常生活に便利なことが多いので必要である
わずらわしいことが多いので、あまりしたくない
近所付き合いしなくても困らないので、したくない
その他
計
8
13.3%
22
36.7%
20
33.3%
4
6.7%
6
10.0%
60
40-49歳
9
15.5%
18
31.0%
19
32.8%
7
12.1%
5
8.6%
58
図表10 近所付き合いの考え方(地域別)
地域
親しく相談したり助け合ったりするのは当然である
わずらわしいと思うが、日常生活に便利なことが多いので必要である
わずらわしいことが多いので、あまりしたくない
近所付き合いしなくても困らないので、したくない
その他
計
50-59歳
12
19.7%
21
34.4%
19
31.1%
5
8.2%
4
6.6%
61
60-64歳
上段:人数(人)
旭
三輪野江
10
31.3%
12
37.5%
6
18.8%
2
6.3%
2
6.3%
32
22
13
37.1%
11
31.4%
4
11.4%
4
11.4%
3
8.6%
35
吉川中央
49
24.1%
74
36.5%
48
23.6%
21
10.3%
11
5.4%
203
吉川南部
17
23.3%
23
31.5%
21
28.8%
9
12.3%
3
4.1%
73
65-74歳
8
21.1%
13
34.2%
8
21.1%
4
10.5%
5
13.2%
38
32
36.4%
31
35.2%
16
18.2%
6
6.8%
3
3.4%
88
下段:構成比
吉川美南
5
13.2%
7
18.4%
15
39.5%
3
7.9%
8
21.1%
38
計
94
24.7%
127
33.3%
94
24.7%
39
10.2%
27
7.1%
381
下段:構成比
75歳以上
18
46.2%
12
30.8%
4
10.3%
4
10.3%
1
2.6%
39
計
94
24.7%
127
33.3%
94
24.7%
39
10.2%
27
7.1%
381
第2章
地域福祉に関する現状と課題
3)自治会やボランティア活動など社会活動への関わり
◆
自治会の活動に「参加している」割合は、全体では42.3%になっているが、20歳代が
8.1%と最も低く、30歳以上の人は4割から5割程度である。しかし、自治会の活動に
「参加している」
、
「現在は参加していないが、過去に参加していたことがある」、
「参加した
ことはないが、今後参加したい」を合わせた割合(潜在力)でみると、年齢別では、65歳
から74歳が88.8%と最も高く、次いで60歳から64歳、50歳代である。 (図表
11)
◆
地域別では、自治会の活動に「参加している」、
「現在は参加していないが、過去に参加して
いたことがある」、
「参加したことはないが、今後参加したい」を合わせた割合が、旭地域、
三輪野江地域で8割を超えて最も高い。 (図表12)
◆
ボランティア活動や PTA 活動、消防団などの社会活動について、
「活動したことはなく、今
後も活動しないと思う」と20歳代、30歳代、75歳以上の約5割が回答している。しか
し、「活動している」
、
「活動していないが、過去に活動したことがある」
、
「活動したことは
ないが、今後活動したい」を合わせた割合(潜在力)は、50歳代と64歳から74歳が約
8割、60歳から64歳が約7割である。
◆
(図表13)
ボランティア活動などの社会活動をしない理由について、20歳代から40歳代の約7割が
「仕事や家事などで時間に余裕がない」と回答しており、男性よりも女性のほうがポイント
が高い。また、男性は「趣味など自分の時間や家庭での時間を優先している」と回答して
いる人が多い。 (図表14)
◆
社会活動に参加するときの情報の入手方法は、「市や社会福祉協議会の広報誌やホームペー
ジ」、「友人・知人に聞いて」が約5割弱である。 (図表15)
図表11
自治会活動の参加状況(年齢層別)
年齢層
参加している(役員としての参加、行事への参加など)
現在は参加していないが、過去に参加していたことがある
参加したことはないが、今後参加したい
参加したことはなく、今後も参加しないと思う
未回答
潜在力
(参加している+過去に参加していた+今後参加したい)
20-29歳
3
8.1%
5
13.5%
6
16.2%
22
59.5%
1
37
14
37.8%
上段:人数(人)
30-39歳
26
41.9%
5
8.1%
11
17.7%
19
30.6%
1
62
42
67.7%
23
40-49歳
22
37.3%
12
20.3%
6
10.2%
18
30.5%
1
59
40
67.8%
50-59歳
30
49.2%
15
24.6%
6
9.8%
9
14.8%
1
61
51
83.6%
60-64歳
15
39.5%
14
36.8%
4
10.5%
4
10.5%
1
38
33
86.8%
65-74歳
50
56.2%
24
27.0%
5
5.6%
10
11.2%
0
89
79
88.8%
下段:構成比
75歳以上
17
43.6%
10
25.6%
1
2.6%
10
25.6%
1
39
28
71.8%
計
163
42.3%
85
22.1%
39
10.1%
92
23.9%
6
385
287
74.5%
第2章
図表12
地域福祉に関する現状と課題
自治会活動の参加状況(地域別)
地域
現在は参加していないが、過去に参加していたことがある
参加したことはないが、今後参加したい
参加したことはなく、今後も参加しないと思う
未回答
吉川中央
24
66.7%
5
13.9%
1
2.8%
6
16.7%
0
84
41.0%
49
23.9%
19
9.3%
49
23.9%
4
20-29歳
30-39歳
2
5.4%
8
21.6%
7
18.9%
19
51.4%
1
37
17
45.9%
活動している
現在は活動していないが、過去に活動していたことがある
活動したことはないが、今後活動したい
活動したことはなく、今後も活動しないと思う
無回答
潜在力
(活動している+過去に活動していた+今後活動したい)
26
35.1%
14
18.9%
11
14.9%
21
28.4%
2
下段:構成比
吉川美南
計
10
26.3%
10
26.3%
7
18.4%
11
28.9%
0
163
42.3%
85
22.1%
39
10.1%
92
23.9%
6
40-49歳
12
19.4%
7
11.3%
10
16.1%
31
50.0%
2
62
29
46.8%
11
18.6%
15
25.4%
9
15.3%
24
40.7%
0
59
35
59.3%
50-59歳
8
13.1%
20
32.8%
18
29.5%
13
21.3%
2
61
46
75.4%
上段:人数(人)
60-64歳
65-74歳
5
13.2%
11
28.9%
8
21.1%
12
31.6%
2
38
24
63.2%
26
29.2%
18
20.2%
18
20.2%
21
23.6%
6
89
62
69.7%
ボランティア活動などの社会活動に参加しない理由
年齢層
20-29歳
30-39歳
13
68.4%
5
26.3%
6
31.6%
6
31.6%
19
仕事や家事などで時間に余裕がない
趣味などの自分の時間や家庭での時間を優先している
参加するための情報が得られずどのように参加してよいかわからない
活動の意欲や興味がない
活動したことはなく、今後も活動しないと思うと回答
40-49歳
21
67.7%
6
19.4%
2
6.5%
9
29.0%
31
17
70.8%
9
37.5%
4
16.7%
10
41.7%
24
男性
62.5%
30-39
37.5%
58.3%
40-49
20.0%
60-64
20.0%
65-74
25.0%
20.0%
25.0%
50.0%
66.7%
50-59
75以上
下段:構成比
75歳以上
8
61.5%
2
15.4%
1
7.7%
4
30.8%
13
60-64歳
65-74歳
4
33.3%
3
25.0%
2
16.7%
6
50.0%
12
4
19.0%
9
42.9%
2
9.5%
10
47.6%
21
69
17.9%
87
22.6%
71
18.4%
139
36.1%
19
39
385
14
35.9%
上段:人数(人)
50-59歳
計
5
12.8%
8
20.5%
1
2.6%
19
48.7%
6
227
59.0%
下段:構成比
75歳以上
計
3
15.8%
7
36.8%
0
0.0%
7
36.8%
19
70
50.4%
41
29.5%
17
12.2%
52
37.4%
139
女性
20-29
図表15
吉川南部
ボランティア活動などの社会活動への参加状況(年齢層別)
年齢層
図表14
三輪野江
19
59.4%
7
21.9%
1
3.1%
5
15.6%
0
参加している(役員としての参加、行事への参加など)
図表13
上段:人数(人)
旭
33.3%
33.3%
40.0%
77.8%
20-29
72.7%
30-39
73.7%
15.8% 10.5%
40-49
73.3%
46.7%
50-59
20.0% 20.0%
62.5%
37.5%
60-64
12.5%
42.9%
75以上 14.3% 35.7%
単位:人数(人)
回答
割合
市や社会福祉協議会の広報誌やホームページを見て
128
46.2%
友人・知人に聞いて
125
45.1%
活動している人を見たり、話を聞いて
100
36.1%
ボランティア団体等のチラシ等を見て
48
17.3%
本、新聞、テレビ、インターネットで
47
17.0%
その他
14
5.1%
24
27.3% 27.3% 27.3%
87.5%
10.5%
13.3% 20.0%
25.0%
28.6% 28.6%14.3%
65-74 15.4% 38.5%
60.0%
社会活動に参加するときの情報入手
情報の入手方法
11.1%
40.0%
80.0%
40.0%
37.5%
46.2% 7.7%
28.6%
12.5%
第2章
地域福祉に関する現状と課題
4)災害に対する考え方
◆
災害が発生した場合不安なことについて、どの地域でも「家族や友人の安否確認」、
「避難所
での生活」の割合が高い。
◆
(図表16)
災害が発生した場合、主に頼りにする人は「家族・親族」の89.6%、「行政(市役所、
消防、警察、自衛隊など)
」が67.8%と続く。
「近所の人」、
「友人・知人」、
「自治会、町
会、町内会」は3割程度である。 (図表17)
◆
自主防災組織に対する考え方について、「身近な支援体制としてとても必要だと思う」
、「必
要だと思う」の割合は合せて85.7%である。 (図表18)
◆
災害に備えた取組みとして必要なことについて、「市が情報発信を行い、災害時に必要な対
応や備蓄品など周知すること」が81.0%と高く、次いで「地域で避難訓練や学習会を行
い、地域の協力体制を整備すること」、
「地域で避難支援が必要な方(要支援者)を日頃から
把握すること」に続く。 (図表19)
図表16
災害時の不安なこと
上段:人数(人)
地域
家族や友人の安否確認
避難所での生活
医療・福祉サービス
災害情報の入手方法
避難所までの避難方法
その他[ペット・仕事・生活再建までの保障など]
図表17
旭
三輪野江
24
75.0%
19
59.4%
13
40.6%
17
53.1%
13
40.6%
3
9.4%
28
77.8%
25
69.4%
18
50.0%
23
63.9%
17
47.2%
1
2.8%
災害時の頼りにする人
③自主防災組織の考え方
25
吉川中央
172
83.9%
162
79.0%
114
55.6%
102
49.8%
90
43.9%
8
3.9%
吉川南部
62
83.8%
57
77.0%
36
48.6%
35
47.3%
30
40.5%
3
4.1%
下段:構成比
吉川美南
33
86.8%
26
68.4%
22
57.9%
21
55.3%
19
50.0%
1
2.6%
計
319
82.9%
289
75.1%
203
52.7%
198
51.4%
169
43.9%
16
4.2%
第2章
地域福祉に関する現状と課題
図表18 「自主防災組織」に対する考え方
n385
図表19
災害に備えた取り組みとして必要なこと
市が情報発信を行い、災害時に必要な対応や備蓄品など周知すること
81.0%
地域で避難訓練や学習会を行い、地域の協力体制を整備すること
55.8%
地域で避難支援が必要な方(要援護者)を日頃から把握すること
48.1%
市が避難訓練や学習会を行い、個人の意識を高めること
37.4%
自主防災組織をすべての自治会で設置すること
23.9%
災害ボランティアを育成すること
その他
26
21.3%
2.9%
第2章
地域福祉に関する現状と課題
5)近年の社会問題に対する認識
◆
近年の社会問題について、「自分自身がこの問題に直面している」、「自分のまわりで直面し
ているのを知っている」
、
「直面していないが社会問題になっていることは知っている」を合
せた認知度は、「子どもの貧困問題」85.5%、「自殺問題」84.9%、「生活困窮者問
題」82.6%と割合が高い。そのうち、
「自分自身がこの問題に直面している」のは「2025
年問題」が25.5%、
「自分のまわりで直面しているのを知っている」は「生活困窮者問
題」、「子どもの貧困問題」が50%台と高い。 (図表20)
◆
社会問題に対する考えについて、約7割が「支援したいが、自分のことで精一杯なので余裕
がない」
、
「支援したいが、何をすればよいかわからない」、
「近所に住む者として、できる範
囲で支援したい」と、支援したい気持ちを抱いている。 (図表21)
図表20
近年の社会問題に対する認識や状況
上段:人数(人)
自分自身がこ
の問題に直面
している(直
面したことが
ある)
2025年問題
高齢者等の社会的孤立の問題
アルコール関連問題
若者の引きこもり問題
生活困窮者の問題
子どもの貧困問題
自殺問題
図表21
自分のまわり
で直面してい
る(直面し
た)のを知っ
ている
98
25.5%
32
8.3%
7
1.8%
12
3.1%
16
9.1%
4
3.6%
8
2.9%
近年の社会問題に対する考え
24
6.2%
47
12.2%
13
3.4%
39
10.1%
35
55.6%
14
59.0%
11
55.1%
直面していな
い(直面して
いる人もいな
い)が、社会
問題になって
いること
は知っている
知らない。聞
いたこともな
い。
141
36.6%
217
56.4%
191
49.6%
206
53.5%
214
17.9%
227
22.9%
212
27.0%
85
22.1%
46
11.9%
121
31.4%
81
21.0%
69
13.2%
88
13.5%
104
13.0%
単位:人数
回答
n385
割合
142
36.9%
支援したいが、何をすればよいかわからない
81
21.0%
近所に住む者として、できる範囲で支援したい
66
17.1%
わからない
47
12.2%
余計なお世話になってしまうので、支援しない
26
6.8%
支援は行政の仕事なので、近所の者はあまり支援しなくてもよい
12
3.1%
その他
10
2.6%
無回答
1
0.3%
支援したいが、自分のことで精一杯なので余裕がない
27
下段:構成比
無回答
37
9.6%
43
11.2%
53
13.8%
47
12.2%
51
0.0%
52
0.0%
50
0.0%
n385
「自分自身」+
「自分のまわ
り」+
「知ってい
る」
68.3%
76.9%
54.8%
66.8%
82.6%
85.5%
84.9%
第2章
地域福祉に関する現状と課題
6)自治会などの地域社会の役割に期待すること
◆
自治会などの地域社会の役割に期待することについて、
「緊急事態が起きたときの対応」
48.1%、
「防災・防犯などの日頃の協力」32.2%へと続く。 (図表22)
図表22 自治会などの地域社会の役割に期待すること
28
第2章
4
地域福祉に関する現状と課題
団体アンケートの結果から
第3次地域福祉計画の策定に当たり、市内で活動する団体の日頃の状況や、地域福祉に対
する考え方などを把握するため、地域福祉団体アンケート(以下、
「団体アンケート」とい
う。)を実施しました。
〇団体アンケートの実施概要
実施時期
平成28年8月4日~8月26日
①調査票の郵送による発送・回収
配布・回収方法
②市民活動サポートセンター内設置による周知・郵送に
よる回答
市内でボランティアや地域サロン等を行って「いる団体
対象者
やNPO法人など
回答票
30票
〇団体アンケートの調査項目
大項目
1)団体の活動状況
小項目
① 現在の活動状況
② 充実した活動が行えている要素や秘訣
③ 活動するうえでの問題や課題
④ 問題や課題を解決するために必要だと思うこと
2)地域活動についての意見
① 市民活動やボランティア活動など様々な主体が
増えるためには、どのようなことが必要か
② 市民の地域参加の意欲を高めるためには、どのよう
なことが有効か
29
第2章
地域福祉に関する現状と課題
〇回答のあった団体
№
種
団体名
1
朗読サークル
2
別
きんもくせい
№
団体名
種
別
ボ
16
保4区なまらん会(健康体操)
地
吉川そば打ちめいじん会
ボ
17
いこいの広場(健康体操)
地
3
みどりの会
ボ
18
楽楽サロン(地域サロン)
地
4
子育て広場プーさん
ボ
19
新中エンジョイサロン(地域サロン)
地
5
環境ネットワークよしかわ
ボ
20
介護者カフェよりみち(地域サロン)
地
6
すみれ会
ボ
21
川藤友遊サロン(健康体操)
地
7
吉川クリーン会
ボ
22
きよみ野くらぶ
サ
8
災害ボランティアなまずの会
ボ
23
吉川ハイキングクラブ
サ
9
シャボン玉クラブ
ボ
24
吉川グラウンドゴルフ
サ
10
民友会
ボ
25
NPO 法人 なまずの里福祉会
N
11
さつき会・榎戸(地域サロン)
地
26
NPO 法人 よしかわ子育てネットワーク
N
12
モアステージ談話クラブ(地域サロン)
地
27
NPO 法人 シビルサポートネットワーク
N
13
ネオポリスふれあいサロン(地域サロン) 地
28
NPO 法人 たすけあい・よしかわ
N
14
輪っはっはサロン(地域サロン)
地
29
NPO 法人 あおいはる
N
15
高久1区ふれあい健康サロン(健康体操) 地
30
NPO 法人 フリースペースPEACE
N
種別の説明
ボ
ボランティア活動を行う団体
地
自治会などの範囲で地域住民同士の交流の
場づくりを行う団体
30
サ
趣味などの活動を目的に行う団体
N
特定非営利活動法人として活動する団体
第2章
地域福祉に関する現状と課題
1)団体の活動状況について
◆
「特に問題なく充実した活動が行えている」
「やや問題があるが、概ね充実した活動が行え
ている」は 30 団体中 25 団体(83.4%)である。
◆
(図表23)
「特に問題なく充実した活動が行えている」
「やや問題があるが、概ね充実した活動が行え
ている」と回答した 25 団体の充実した活動が行えている要素や秘訣について、次の回答(自
由意見)があった。 (図表24)
活動内容に関すること(8件)
、役割分担に関すること(6 件)
、
コミュニケーションに関すること(5件)
、リーダ-に関すること(3件)、
意識に関すること(1件)
◆
「やや問題があるが、概ね充実した活動が行えている」
「問題や課題があり、活動が困難な
状況である」と回答した 15 団体の活動における課題等について、次の回答(自由意見)が
あった。 (図表25)
人材に関すること(11 件)、資金・資材に関すること(5 件)、高齢化に関すること(4 件)、
移動手段に関すること(2 件)、活動内容に関すること(2件)
◆
「やや問題があるが、概ね充実した活動が行えている」
「問題や課題があり、活動が困難な
状況である」と回答した 15 団体の、課題等を解決するために必要なことについては次の回
答(自由意見)があった。
(図表26)
PRに関すること(4 件)、人集めに関すること(3 件)、活動内容に関すること(3 件)、
支援に関すること(3 件)
図表23
現在の活動(運営)状況としてあてはまるもの
特に問題ない
充実した活動
上段:人数(人)
やや問題や課題あり
概ね充実した活動
問題・課題あり
活動困難
下段:構成比
未回答
サークル活動団体
2
1
0
0
小地域活動団体
8
1
1
1
ボランティア団体
3
5
2
0
1
14
46.7%
4
11
36.7%
1
4
13.3%
0
1
3.3%
NPO法人
計
図表24
充実した活動が行えている要素や秘訣
回答のキーワード
主な意見
・指導にあたっているメンバーもいろいろ考えて行っているが、メンバーのニーズを
聞いて、何でも取り入れてコミュニケーションの輪を大きくしていこうと考えてス
活動内容に関すること
(延べ8件)
タート。年 4 回の行事になる。
・行事の年度計画が年度初めに発表されており個人の予定が立てやすい。各自が無理
をせずに参加できるコミュミュニケーションで長続きしている。
・各行事の日程計画が前月末までに発表されており、個人の予定が立てやすい。
31
第2章
地域福祉に関する現状と課題
・他の運営状況を見学しイメージ作り。
・楽しく、厳しく、計画的、定期的開催、定額会費で運営すること。
・参加費を50円いただいてますが、何時来ても何時帰っても自由なので来やすいの
ではと思います。
・毎回違う催しをしています。年度初めにスタッフ+αが前年度の反省をしながら1
年間のおおよその催しを計画します。皆で楽しい時間を過ごしたいので、集まった
人の話し合いで催しの変更もその都度します。
・体操が目的で立ち上げたけれど、体操だけでなく、皆さんと話し合いを重ねながら、
手芸や食事会、公園散策などをし、皆さんと楽しんでいます。
・各サークル活動の運営は各々の世話役(リーダー・サブ)に任せている。(運営の負担
を特定の人に集中させない。分散化を図る。)
・活動目的は同じでも、それぞれの想い、関わり方は違います。できることをできる
人が行動する、押しつけないなど、お互いに相手を理解し、尊重することで気持ち
役割分担に関すること
(延べ6件)
良く活動することができると思います。
・必要な役割を皆で分担。
・準備、片付け等出来る事は参加者全員で実施。
・
「できる時に」
「できる人が」
「できる事を」
「無理せず」
「焦らず」
「ゆっくりと」の
モットーがよいと思う。
・各自が無理をせずに、参加出来るコミュニケーション活動で長続きしている。
コミュニケーションに関するこ
と
(延べ5件)
・活動の意義を共有。
・絶えず声と笑顔がたえない、コミュニケーションが取れていると思っている。
・参加者が主役をモットーにしています。問題が見えると皆んなで意見を出し合い笑
顔(輪っはっつは)にもっていきます。
・各自が無理をせずに参加できるコミュニケーションで長続きしている。
リーダーに関すること
(延べ3件)
意識に関すること
・リーダーや役員がしっかりした目的を持ち、いかに楽しく、公平に、思いやりをも
って接する事。
・常に指導者養成者を増やし、つないでいます。
・すべてのことを、問題丸ごと受け入れること。排除しない。人のせいにしない。
(延べ1件)
図表25
常に自分ごと。
活動における課題等
回答のキーワード
主な意見
・人材(スタッフ)の確保。福祉に関わる人材不足は長年の悩みであったが、NPO
人材に関すること
(延べ 11 件)
法人の今は特に難しい。
・賛同者はたくさんいるが、企画者となって主体的に動ける人が少ない。
・会員の高齢化と新会員が少ない。会員の減少。
・問題点としては、メンバーの長期固定化及びやり甲斐の設定。
・資金が充分ではなく、いつも存続が危機的。そのことを解決できないことで、志は
あるが実現できないことが多い。
資金・資材に関するこ
・資金不足で”居場所”を確保できていない。
(延べ5件)
・活動に必要なパソコンが現状況では会員個人の好意で私物を使用している。編集作
業等はかなりの時間を要する為、自宅に持ち帰ってからの作業になるので、会のノ
ートパソコンが必要。
・指導する立場の人達が高齢になってきた。なお、若年層の人達は仕事を優先にさせ
高齢化に関すること
(延べ4件)
る為、率先して活動はできない。
・施設訪問時の交通手段が悩み。高齢者の運転で訪問をしているけれども事故が心配
である。
32
第2章
移動手段に関すること
(延べ 2 件)
地域福祉に関する現状と課題
・自家用運転者がいないので、老人センターまで送り迎えが出来る所とだけになりま
した。近いところは自転車で、現在は約 10 カ所くらいになりました。
・立ち上げることより、継続こそが課題。会員のモチベーションの維持は日々の努力
活動内容に関すること
(延べ 2 件)
と周りの理解あってのこと。理解してもらう努力と本来の目的に差が生じないよう
する課題。
・事業規模が大きくなるにつれて、NPO 法人であることが難しくなってきている。
設立当初のボランタリーな組織の意識を変えることがなかなかできない。
図表26
活動における課題等を解決するために必要なこと
回答のキーワード
PR に関すること
(延べ 4 件)
主な意見
・会員の募集活動。
・自分達の活動を理解してもらう努力。
・PR で関心を持ってもらう。
人集めに関すること
・会員の募集活動。
(延べ 3 件)
・若い人や新規の方の参加(ボラセンやサポセンの活用)。
活動内容に関すること
・内容の充実。
(延べ3件)
・目的と目標を明確にし、達成感を得られる工夫。
支援に関すること
(延べ 3 件)
・まずは会の存在を知っていただくこと。そして活動の理解を深めてもらえるよう体
験する機会を設けること。→行政のサポート必要何らかの資金援助が必要。
・何らかの資金援助が必要。
33
第2章
地域福祉に関する現状と課題
2)地域活動に対する考え方
◆
市民活動やボランティア活動など様々な主体が増えるために必要なことについて、次の回答
(自由意見)があった。 (図表27)
〈PRや啓発に関すること〉PR・情報発信(4件)、意識・関心を高める(3件)
〈人材育成に関すること〉人材発掘・リーダー育成(5件)
〈きっかけづくりに関すること〉きっかけづくり(6件)
〈支援体制に関すること〉支援・フォローアップ・体制づくり(6件)、連携(5件)
、
コーディネーター(4件)、
〈その他〉活動内容(4件)
、自身の健康・時間(2件)
、
図表27
市民活動やボランティア活動など様々な主体が増えるために必要なこと
回答のキーワード
・市の広報でアピール(わが市は、わが家の延長ですよ等)
P
・広報等で、今どんなことが行われているか再三知らせたり、孤立しないでバックア
R
や
啓
発
ップがあることを知れば、立ち上げやすいかもしれません。
PR・情報発信
・各ボランティア団体や自治会などで道路等の保守管理等活動されてますが、その団
(延べ4件)
体との横のつながりやコミュニケーションが必要ではないかと感じます。たて看板
等で団体が表示されるが、どんな活動で、どのような人達が協力しているのか私の
に
目には見えてきません。
関
・PR の徹底。
す
る
こ
と
主な意見
・1 人ではできないが、何かやってみたい人はいると思う。
意識・関心を高める
・本人が課題と直面すること。
(延べ 3 件)
・住民が諸問題を気づきやすい社会、その活動に対する住民の不安感・リスクを無く
すこと。行政からのバランスのとれた指導。
・核になられる方の発掘が出来たら良い。
人
・人生第2の居場所を求めているシニア世代の発掘と活用。
(シニアサロン、ワーク
材
ショップなど、しかけ作り)教育や福祉等の現場がより良い環境を整えるために「何
育
を担って欲しいか」を具体的に示し、かかえている課題を広く市民と共有する。
成
・リーダーがしっかりした理念を持って会員に希望を持ってもらい、楽しく活動する
に
人材発掘・リーダー育成
関
(延べ5件)
事と会員に扱いを常に公平とやさしさと親しみさを持って接すれば、自然に継続さ
れ、会員の増加に結びつきます。
す
・自治会としていろいろな確度から検討していますが、地域性もあるが、リーダー役
る
が出来る人はいない。(民生委員や更女を選ぶのが大変)考えとして、今後、交流
こ
の場を増やしボランティアを始め、リーダー役を中心に選考していきたい。
と
・市役所地域福祉課は常時、市民活動現場やボランティア現場への訪問と住民ニーズ
の把握に努力し、具現化できる体制作りを確立する必要がある。
き
・市民の中には、何かを手伝いたいと思う人は少なくないと感じている。その人たち
っ
を取り込んで組織化するシステムがない。市民に自発的な活動を組織化するために
か
は、上から目線では難しく、顔の見える関係から作っていくことが必要と考えてい
け
きっかけづくり
づ
(延べ 6 件)
る。
・市民が一から作りあげていくには、かなりの信念とエネルギーがいる。今回私たち
く
の活動(いきいき推進課が実施する「健康づくり・介護予防リーダー育成講習会)
り
のように「市の戦略」が住民の意志と合致してスムーズに開始できた。市が市内を
に
どう作りあげていきたいか、住民のいろいろな層と話し合いの場を持ち、市の戦略
34
第2章
関
地域福祉に関する現状と課題
を立て展開したらよいのでは。
す
・テーマを決めて参加者を募集する方法も良いのでは。
る
・子供時代からボランティア活動の習慣づけ(ボランティア活動証明書の発行も必要)
こ
・参加の動機付けとして、当初はポイント制の導入。
と
・々な体験講座などを開催し、経験の機会を増やす。
・ボランティアとは言えども活動に関しては助成金が必要だと思います。プロではな
いので、やはり活動費はほしいです。
・主となり、がんばる団体を認めること。力でおさえつけないこと。まかせる勇気を
持つこと。
・会の運営資金は、自分達で調達すべきと考えますが、行政側からも若干の補助を出
支
援
支援・フォローアップ・体
体
制づくり
制
(延べ 6 件)
していただけると有り難い。
・住民意識を底上げするために、いろいろ新しい仕掛けを行っていく必要があり、こ
こ数年で変わりつつあるように思う。ただ、一過性で終わらないようにするために、
に
補助金等ではない横の連携を作る協議会的なものがあるといい。(今までも何度か
関
あったと思うが熱意が続かないのが問題)+企業とのコラボ、資金提供のお願いも
必要。
す
・市の仕事を規制緩和し、それを具現化するための提案事例が必要(ボランティア等
る
に振る)
こ
と
・活動が単体ではなく、複数の親睦の場を多く持つようにまたネットワークの形成が
できれば、共有の問題点がでて解決まではいかなくてもヒントは出ていくと思いま
す。
連携
(延べ5件)
・自治会活動の役員が他の団体にも加入しており、地域の連動的な活動をしています。
自治会 OB が主体の会も設立後自治会行事を応援して高齢者から児童に対しても交
流の場を応援。今後は高齢者のお手伝い等も進めて行きます。
・NPO 法人交流会をとおして、お互いを認知しあいネットワークを作っていく事で
活動の幅が広がると思います。
・福祉の仕事をする人が、地域の人や当事者の人の通訳のような関わり方をして、交
流が自然と深まるようにする。
・社会でキャリアを積まれた方が定年後、地域で生きがいをもって活躍できるように
コーディネーター
ボランティア情報を発信する。そのためには、それぞれの能力を引き出すことので
(延べ4件)
きるコーディネーターの存在が必要だと思います。
・コーディネーターの養成(一番重要)
・他団体との協力関係を持ち、災害発生地域のボランティアに直ちに行ける指令者
(発信者)が必要である。
・地域性に合った活動のしかたが必要。
・参加者のモチベーションを上げる努力要(行政職員の参加)。
・参加することによって楽しさが得られないと人は集まらないと思います。共通の楽
活動内容
そ
(延べ4件)
の
しみを話題に、プレー後の飲食会でコミュニケーションを深められればと思いま
す。
・活動の場所(空き家、空き店舗等)また高齢者(1 人暮らし)住宅を共有して、共
に居場所がある事で生活意識の向上につながると思います。
他
・NPO 活動を行政はいつまでもただ同然のボランティアとして捉えているのではな
く、サードセクターとしての位置づけで捉えるべきと考える。
自身の健康・時間
・時間に余裕があること。
(延べ2件)
・年齢からいえば、今の元気を継続して活動することが大事です。
35
第2章
5
地域福祉に関する現状と課題
これからの地域福祉の課題
1)第2次地域福祉計画の取り組みから見る課題
~地域づくりへの取り組みの拡充~
第2次地域福祉計画では、
「互いを認め合い 支え合いの輪を広げ
地域のきずなを育む」
を基本理念として、市民一人ひとりの尊厳を尊重し、市民同士の支え合いの輪を広げ、地域
のきずなに根ざした重層的なネットワークの形成を目指し、それぞれの施策を進めてきまし
た。生活困窮者自立支援相談窓口の設置による相談支援体制の拡充、インターネットを活用
した情報提供方法の充実、地域型介護予防体操や防災活動をはじめとした地域での取り組み
の強化、認知症高齢者や虐待を地域で見守る要援護者見守りネットワークの活用など一定の
成果があったと考えます。
しかし、自治会加入率の低下や自治会役員の担い手不足によって、地域コミュニティの活
力の低下が懸念されており、引き続き課題となっております。
一方、介護保険制度においては、地域の自主性や主体性によって地域の実情に応じた介護
予防を推進することを目指しており、住民主体の地域づくりを市町村が支援することが求め
られています。
このような「地域づくり」の取り組みは、介護保険制度に限らず福祉全般においても重
要であり、
「互助」や「共助」と言われる地域住民の支え合いによるまちづくりをさらに進
めていくことが必要です。
2)市民アンケートの結果から見る課題
~関心から行動へ。支え合いの風土整備~
市民アンケートでは、日常生活の場面で困ったときの頼れる人について、家族・親族と回
答している割合に対し、友人・知人や近所の人と回答している割合はとても少なくなってい
ます。近所付き合いに対する考え方についても、親しく相談したり助け合ったりするのは当
然と回答している割合は75歳以上の人が46.2%であるものの、年齢が若いほどその割
合は低下しています。近年の少子高齢化の進展によって、独居高齢者や高齢者のみの世帯、
ひとり親家庭など世帯構成の人数も縮小している中、地域の支援がより一層求められていま
す。
また、地域での活動に参加しない人や地域との関わりを不必要と考えている人も少なくあ
りません。地域とのつながりの希薄化は、悩みをひとりで抱えこみやすいため社会的孤立
を生み出しやすくなります。
36
第2章
地域福祉に関する現状と課題
しかし、自治会活動やボランティア活動へのボランティア潜在力は、若い年齢層でも比較
的高く、関心はあるものの自らの行動には至っていない現状がわかりました。
このことから、社会的孤立を生み出さない地域づくりのため、地域への関心を持つ多くの
人が、実際の行動に一歩踏み出す機会をつくることが必要です。
3)団体アンケートの結果から見る課題
~行政やコーディネーターの役割~
ボランティア活動や NPO 法人、自治会などの地域活動など、多様な主体の活動の広まり
は、地域福祉の推進に大きく寄与します。団体アンケートでは、現在活動する8割の団体が
おおむね充実した活動を行っていると回答していますが、参加者や担い手不足、活動の場所
や資金に関することなど多くの課題を挙げており、これらの活動が疲弊することなく継続で
きるよう、行政は支援する役割があります。
また、ボランティアセンターや市民活動サポートセンターのコーディネーター機能を充分
に活用しながら、団体活動の活性化のため情報提供やネットワークの形成などのしくみづ
くりが必要です。
37