運動器メディカルチェックの効果検証(第 1 報) 障害予防と潜在的な障害

運動器メディカルチェックの効果検証(第 1 報)
障害予防と潜在的な障害の早期発見
児玉雄二
村上成道
伊坪敏郎
【目的】
当センターでは、成長期のスポーツ障害の予防を目的に、運動器メディカルチェック(MC)
をチーム単位で実施している。特に成長期の身体機能は練習や試合の内容、時期的な要因
等で容易に変化し、これに相応して障害がおこりやすい。競技現場に対して有益な MC を
提供する場合、障害の重症度と練習継続の可否が重要な情報であると考え、昨年度から障
害に関する基準を変更し知見を得たので報告する。
【対象と方法】
2014 年度に MC を実施した 6 競技 15 チーム、のべ 420 名を対象とした。各チームにおい
て、何らかの障害を有するものを障害保有、練習が 50%程度しか出来ないものと休止中の
ものを障害、練習は 100%可能ながら何らかの痛みを有するものを潜在的障害と定義し、
チームおよび全体の傾向を調査した。
【結果】
のべ 420 名のうち、障害率は 14.5%、潜在的障害率は 46.9%であった。チーム毎や実施時
期により比率の増減に特徴がみられていた。
【考察】
チーム単位で実施する MC は、潜在的障害とその要因を把握し、これに対応したプログラ
ムの提供により障害保有を減らす目的で実施する事が重要と考えられた。