お 知 ら せ (経 済 同 時) 平成29年1月23日 産技研の独自技術 KEEPNEX®が紹 介されました! (地独)京都 市産業技 術 研究 所 担 当 : 経 営 企 画 室 電 話 : 326-6100 京 都 市 産 業 観 光 局 取 次 : 新 産 業 振 興 室 電 話 :222-3324 (地独)京都市産業技術研究所の研究論文が Advances In Engineering (AIE) により 工学的に特に重要度の高い論文として選定されました. 京都市産業技術研究所(以下, 「産技研」という。 )表面処理チームの画期的な研究成 果である「低熱膨張インバー電鋳技術」をまとめた論文が,科学と工学に貢献する重要 な科学論文として,カナダのリサーチ会社 Advances in Engineering 社(以下, 「AIE 社」という。 )のホームページで紹介されました。 AIE 社は,主な学術雑誌から実用的,応用的観点から重要な基礎研究を抜き出し(全 学術分野の中から採択率 0.1%以下) ,自社のホームページを通じて世界の民間企業にそ の研究成果の概要をアナウンスし,コンサルティングやマッチングを行う会社です。 AIE 社のホームページは,エンジニア,教授,科学者等によって毎月約 65 万回見ら れており,AIE 社で特集された論文は,世界中で注目を集めることから,産技研の独自 技術が今後広く普及していくことが期待できます。 1 発表論文 執筆者: 表面処理チーム 永山富男,山本貴代,中村俊博 タイトル名: "Thermal expansions and mechanical properties of electrodeposited Fe–Ni alloys in the Invar composition range" (インバー組成範囲の Fe-Ni 合金めっき膜の熱膨張及び機械的特性) 掲載雑誌名: Electrochimica Acta, Volume 205, 1 July 2016, Pages 178–187. 2 AIE 社論文紹介ページ https://advanceseng.com/ 3 掲載開始日 平成29年1月9日(月) 3 研究内容 (1)低熱膨張インバー合金めっき膜 AIE 社が注目した論文の基になった研究では,熱膨張の低いインバー合金(鉄とニッ ケルの合金)をめっき法で作製し,そのめっき膜の熱膨張と,強度などの機械的な特性 に及ぼす熱処理の影響を評価しました。 インバー合金めっき膜に適当な熱処理を施すことにより,これまで達成できなかった 低い熱膨張と高い強度が得られることを見出しました。さらに,めっき法でインバー合 金を作製するため,合金の加工が極めて高い精度で可能になります。 (2)有機 EL ディスプレイ この特性により,低熱膨張インバー合金めっき膜は,これまで実現が困難であった有 機 EL ディスプレイの高品質,量産化技術に貢献できることから,有機 EL ディスプレ イの製造にこの研究成果が活用されることが見込まれます。有機 EL ディスプレイは, これまでの液晶ディスプレイに比べ高輝度, 高精彩が実現でき,さらに低消費電力化も 可能になることから,次世代省エネ型ディスプレイとして注目されており,スマートフ ォンやテレビなどへの利用が予定されています。 また,低熱膨張インバー合金めっき膜を樹脂成形金型などに応用することにより,最 終製品の寸法精度と金型寿命の向上につながることも期待されます。 (3)KEEPNEX 産技研では,本技術を「KEEPNEX®」と名付け,商標登録しています。
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