白坂紅の暗殺教室 日暮 ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にPDF化したもので す。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作品を引用の範囲を 超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁じます。 ︻あらすじ︼ 小学生の頃から周りに対して興味や好奇心を向けることが無くなった白坂紅。同時 に唯一彼が興味を示したのは剣術だった。しかも、人を殺すような殺人剣術や古流剣術 だけに興味を示した。そのなかで彼はある才能を見いだす。 いかにして、彼は自分の担任を暗殺するのか !? 設定 │││││││││││││ 目 次 一学期 一時間目 │││││││ 1 十時限目 │││││││││││ 九時限目 │││││││││││ 八限目 ││││││││││││ 七限目 ││││││││││││ 六時限目 │││││││││││ 五時限目 │││││││││││ 四時限目 │││││││││││ 三時限目 │││││││││││ 二時限目 │││││││││││ 6 19 27 34 54 40 63 70 80 93 特技 剣術、料理 苦手教科 英語 理科︵生物分野以外︶ 得意教科 国語全般 社会全般 理科︵生物分野︶ 165cm・54kg 身長・体重 AB型 血液型 8月15日 誕生日 男性 性別 白 坂 紅 しらさか くれない 氏名 プロフィール 設定 1 設定 2 趣味 読書、ゲーム、剣術の研究 特徴など 背はそこまで高くなく、顔は中性的。性格は少し残酷な面をもっているが、基本的に は根は素直で優しい。周りに対する関心がないが仲間が傷つくのを嫌い、敵とみなした ら容赦しない。 関心をもたなくなったのは小学生の時からである。同時に剣術に対する興味を抱い た。 暗殺能力 五段階評価 固有スキル 剣術暗殺︵5点︶ 体力 4.5 機動力 4 近接暗殺 5 遠距離暗殺 1 学力 4 五部門合計 18.5点 烏間先生からの評価 3 暗殺に対しては刀による暗殺が優れており、どの動きも洗練されたものである。しか し、銃による暗殺はクラスのなかでとても低いものである。 驚くことに、彼の剣術は何かを真似つまり、模倣したものであり、幾つもの技を組み 合わせて攻撃してくるため何を繰り出すかは相手には予測不可能である。 学業は比較的優秀であるが、苦手教科のときは寝ているかとが多い。 交流関係では、あまりにもクラスメイト達に対する関心が見られず、特に仲が良い友 達もいない様子で団体における暗殺は不得意とする。 殺せんせーからの評価 学業はとても優秀で、クラスメイト達からの質問にもなるべく答えているものの関心 がとても薄いですね。そのせいか中々馴染めていませんね。ですが、根は素直です。 暗殺に対してはクラスで始めて先生に対して接近戦で傷を負わせましたね。あのと きは兎に角ひやひやしましたよ、先生でも剣さばきが見えなかったんですから。です が、協力して何かをするってことが苦手のようですね。しかも、クラスメイトからの、特 に 少 な か ら ず 好 意 を も っ て い る 女 子 か ら の 視 線 に は 鈍 感 な の は 少 し 意 外 で し た が ね。 ヌルフフフ⋮⋮。 白坂紅から見たクラスメイトの印象 男子陣 設定 4 潮田 渚 男の娘 赤羽 業 イタズラ好き 磯貝 悠馬 委員長 岡島 大河 発情期の猿 木村 正義 ジャスティス 菅谷 創介 特にない 杉野 友人 馴れ馴れしい 竹林 考太郎 二次オタ ? 千葉 龍之介 目、あるの 寺坂 竜馬 ゴリラ 前原 陽斗 特にない 三村 航輝 きのこ ? ? ? 奥田 愛実 マッドサイエンス 岡野 ひなた 特にない 女子陣 吉田 大成 ゴリラの取り巻き弐 村松 拓也 ゴリラの取り巻き壱 ? 5 片岡 メグ 副委員長 茅野 カエデ 演技臭い女 神崎 有希子 日本人形 倉橋 陽菜乃 特にない 中村 莉桜 金髪 狭間 綺羅々 魔女 原 寿美鈴 オカン 不破 優月 特にない 矢田 桃花 ビッチもどき 転校生 ↓メカニック 自律思考固定砲台︵律︶ 機械 堀部 イトナ 兄弟 ? ? 速水 凛香 めんどくさい女 ? ? ? 一学期 一時間目 俺は小学生を気に周りに関心を抱かなくなった。原因は特に無かった。でも、何故か 興味や好奇心が無くなっていた。そんな時に唯一興味をもったのが剣術だった。しか も、普通の剣術ではなく人殺しのものや古流剣術に興味を抱いたのだ。俺がいる町で唯 一 剣 術 道 場 を 開 い て た 場 所 に 小 学 校 一 年 か ら 今 ま で を 換 算 す れ ば 9 年 間 通 っ て い た。 そんな中、二年程度たった頃師匠である人にあることを言われた。 ﹃紅、お前は恐らくだが剣術に対して才能がある。しかも、それだけではなく、自分が見 たもの聞いたものを模倣できる才もかねそろえている。しかし、それはあくまで剣術の 中だけだがな。すこし、私が技を見せてやるそれを模倣してみろ﹄ 師匠であるその人に言われて、その人がだす技を見ていた。驚かなかったのかって その頃はまだ、八歳か九歳の俺がそんな事理解できる訳がないだろ。 ? やってみた。 俺は立ち上がり竹刀を構えて、さっきまで見ていた剣術を思い出しながらその型を ﹃わかりました﹄ ﹃これで一通り見せた。ちょっとやってみてくれないか﹄ 一学期 一時間目 6 自分でやっていて不思議に思った。まるで、その型を昔から知っているかのような動 きができたのであった。 ﹄ ! いいな﹄ ! ﹁こいつが言っていることは紛れもない事実だ。各国が手を尽くしたがこいつに傷一つ この時柄にもなく俺も大声をあげてしまった。 ﹁﹁﹁えええええええええええええ﹂﹂﹂ ﹁あれ、何か反応が悪いですね﹂ この時、教室が静まりかえった。 ﹁ヌルフフフ、私はあの月は破壊した犯人です﹂ ﹁あの、その生物は一体なんだすか﹂ はい、俺達E組はいま、意味のわからない状況にいた。 ﹁突然だが、君達にはこの生物を暗殺してもらう﹂ これが俺の剣術の原点であり、模倣の才を見出だした瞬間だった。 ﹃はい、師匠 ら、腕を磨け、そしてそれらを見て自分だけの剣術を造れ るな。それはお前の為にならないし、模倣はあくまで偽物だ。本物には勝てない。だか て、その技を奪え。たが、これは警告だ。いくら模倣できるからといって何でも模倣す ﹃やはりな、お前には剣術を模倣できる才能がある。これからは多くの剣術を見て聞い 7 すらつけれなかった﹂ とこの瞬間も俺以外のクラスメイトは一丸となって思っているだろ ﹁ヌルフフフ。あの程度ではこの私には傷一つつけられませんよ。逆に御手入れをして あげましたよ﹂ 何故に手入れ う。 ⋮⋮暗殺ね。 を条件にこの事を認めた﹂ い事とこっちはこいつが出してきた条件でもあるんだが、君達がこいつを暗殺すること ﹁そう言うわけではない。こちらとしてもある条件を出した。それは君達に手を出さな ﹁ちょっと待ってください。それを容認したんですか﹂ ﹁椚ヶ丘中学校三年E組の担任をさせること。それがこいつが出してきた条件だ﹂ なんだか、その条件に嫌な予感しかしないんだけど。 ることを望んだ﹂ ﹁手を全て尽くした各国だったが、そんなときこいつがある条件付きで身柄を拘束され ! どんな染色体をもってんだよ。 縞模様は相手をバカにしている時の顔だ ﹂ ﹁だが、こいつはそう簡単に暗殺はだきない。こいつはマッハ20で動ける。みろ、緑の 一学期 一時間目 8 ! ﹁そして、君達にも報酬は出る。その金額は百億だ その言葉に︵俺以外︶の奴らは絶句する。 ﹂ ! 以外だな、こんな子供にそこまで期待するのか。 ﹁もう一本造ろうか﹂ ﹁なら、日本刀ぐらいの長さでお願いします﹂ 俺は悩んだすえ使いなれている物の長さを頼んだ。 ﹁それで長さだが、どれくらいの物がいい﹂ ﹁ありがとうございます、烏間さん﹂ ﹁俺の名前は烏間惟臣だ。わかった君にはもう一本支給しておこう﹂ ﹁わかりました。それなら、もう一本ください、えっと⋮﹂ ﹁出来るかもしれないが、すぐには無理だろう﹂ 俺の言葉に全員が振り向く。 ﹁すいません。これもう少し長くできないですか﹂ ﹁それはこいつだけに効果がる部室で造られ物だ。勿論、君達には無害だ﹂ ﹁これはなんですか﹂ 渡されたのはゴムでできたナイフと、エアガンと緑色のBB弾だった。 ﹁そして、これも君達に支給する﹂ 9 ﹁なら、もう一本造れるなら同じ長さでお願いします﹂ ﹁わかった。製作に二日か三日掛かるが用意しておこう﹂ 俺はお礼を言い烏間さんは話を進めた。 ﹁重ね重ねすいません。それとありがとうございます﹂ こうして、俺達の暗殺教室が幕を上げた。 ﹁期間は来年の3月までだ。こちらも全力で君達のサポートをするつもりだ﹂ ﹁殺せるといいですね、ヌルフフフ﹂ なんかこの先生、不思議と殺意があまりわかないな。他の奴らは知らないけど。 ﹁それでは改めまして初めまして。私が月を破壊した犯人です﹂ 翌日、いつも通り学校に来るとあの生物がいた。 ﹁おはようございます﹂ ﹁はい、おはようございます。紅君﹂ ﹁先生、どうしてここの担任になろうと思ったんですか﹂ ﹁にゅにゃ いきなり何するんですか ﹂ ! ﹁いや、なんかムカついたので。つい﹂ ! なんかムカついたのでナイフで斬りかかった。 ﹁ヌルフフフ、それはですね。秘密です﹂ 一学期 一時間目 10 ﹁ついで攻撃しないでください﹂ なんだろ、昨日言ってたことと矛盾してるような。 な。 ! それにあんたを相手にするのに俺はまだ準備の方ができてないんだからな。 ﹁いや、頑張んなくていいから﹂ 頑張りますかね﹂ ﹁ヌルフフフ。興味がないですか。それなら、全力で紅君に興味をもってもらえるよう そう言うと先生はおかしそうに笑っていた。 ﹁なら、結果は同じだ。それに正直俺はあんたに興味がない。気が向いたら攻撃するよ﹂ ﹁ええ、先生は当たるつもりなんて毛頭ありませんよ﹂ いだろ﹂ ﹁別に、俺が入った所であんたには一発も当たらないよ。あんただってそんなつもりな 参加しなかっなのですか。もしかしたら当たっていたかもしれませんよ﹂ ﹁ふう、どうやら欠席者0のようですね。先生は嬉しいです しかし、紅君は何故射撃に 出席をとっていているのに、しかも全方位乱射で誰一人当てられないなんて。化物だ そう言われたので俺は自分の席に着いた。 ﹁まあ、いいです。早く席に着いてください。出席をとりますので﹂ 11 ﹁これはからは体育の時間は俺が君達の事を見ることになった。烏間だ﹂ ﹁はいはーい、烏間先生は私たちに何を教えてくれるんですか﹂ 専門外だがライフルなど銃の指導を行う﹂ ﹁君は確か倉橋陽菜乃だったかな。俺が教えるのは基本的にはナイフによる攻撃練習と そんなわけないだろ えっと、確か前原だったけ ﹁でも、烏間先生ナイフによる攻撃なんて適当に振ってれば当たるでしょ﹂ ? ? 君が相手してくれ﹂ ? 俺が名指しで指名されるとクラスの皆が俺を見た。 ﹁俺ですか﹂ ﹁それでは次に白坂君だったか るが数秒で腕を捕まれてしまった。 指されたのは、磯貝と杉野だったか そいつらが二人がかりで烏間先生にナイフを振 ﹁口で言うより見た方が早いな。そこの男子二人で俺にナイフで攻撃してみてくれ﹂ ! ﹁安 心 し た ま え。別 に 調 べ て い な い。い く ら 何 で も プ ラ イ バ シ ー は 侵 害 し た く な い。 あまり知られたくないこともあるんだけどな。 ﹁調べたんですか﹂ した流派まである﹂ ﹁これは勘だが、君はこういった刃物の扱い方を知っているようだな。しかも、ちゃんと 一学期 一時間目 12 言っただろこれは勘だ﹂ ﹂ !? ﹂ ! 最初同様間合いに一気に詰め寄る。 ﹁無音流小太刀 桜花連舞﹂ 烏間先生の構えが更に堅くなる。 ﹁それじゃあ、いきますよ﹂ 一応、許可したってことだよな。 ﹁君がそうしたいのならそうした前﹂ ﹁先生、質問です。流派の技を使うのはありですか﹂ のか烏間先生は距離をとる。 それをギリギリでかわす烏間先生。更に追い討ちをかける。だけどそれを予期した ﹁くっ﹂ 一気に間合いを詰める。そしてナイフを下から振り上げる。 ﹁ ﹁シッ 烏間先生も構えをとる。 俺はナイフをそれぞれ両手にもち構えをとった。 ﹁はぁ、わかりました。相手します﹂ 13 ﹁っ ﹂ ﹂ ! ﹁ぐはっ ﹂ 上手く受け身をとったけど痛い。 ﹁だ、大丈夫か。すまない、手加減できなかったか ﹁いえ、受け身が下手だっただけです﹂ 心配したのか、烏間先生は手を差し出す。 ﹁しかし、驚いた。君は剣術を習っていたのかい﹂ 烏間先生が喋り出すが、皆は唖然としていた。 出来る﹂ ﹁なるほど。それで皆この通りナイフさばきだけでもこれだけ相手を追い詰めることが ? ! ﹁習っていたではなく今もやっています﹂ ﹂ しかし、先生は一瞬で型の構造を理解したのか腕を掴み、一本背負いをかました。 ﹁これはキツいな まるで舞の如くナイフで斬りかかる。 烏間先生は距離をとろうとするけどそうはさせない。 !? ﹁﹁﹁す、﹂﹂﹂ ﹁ん、どうかしたか﹂ 一学期 一時間目 14 す 何がすごいんだ ﹁白坂、お前そんな特技があったのかよ ? いきなり大声を上げる。 ﹁﹁﹁すげーーー︵すごーーーい︶﹂﹂﹂ ? こっちは驚いたぜ﹂ ! ﹂ お前が教えてくれよ﹂ ! ﹁うざい、離れてくれないか﹂ ﹁そんな事言うなよ∼。俺達に教えてくれよ﹂ ! ﹁そうだぜ、さっさと教えてくれよ﹂ ﹁それなれ、あの先生を殺せるかも知れないんだぜ こいつら、まるで何も考えてないな⋮⋮。 ﹁そこまでにしろ。授業が進まない﹂ 烏間先生が助け船を出してくれた。 いいから教えろって﹂ なんだろ、めっちゃうざい。本物の小太刀だったら、こいつら殺してるぞ。 ﹁そんな事いうなよ ﹁別にこんなの普通だろ。そんな事言ってる暇があるならさっさと烏間先生に教われ﹂ あえるだ ﹁しかも、俺と磯貝が相手したときは数秒でやられたのに、お前は烏間先生と互角でやり ! 15 ﹁ええ、いいじゃないですか、あんなの教えてもらえれば誰だって出来るんだろ﹂ ブチッン。 その言葉に俺の中の何が切れた。 の命を奪う覚悟が、他人の命を奪う覚悟が ﹂ てめえにあるか、人 あの剣術だけじゃねえ、あらとあらゆる剣術の原点はな人殺しの剣術なん それを⋮﹂ のなんだよ 簡単に人の命を奪えるも 教えてもらえれば誰だってできるだと、ふざけるのも ﹁ふざけるなよ⋮、あんなの教えてもらえれば誰だってできるだと⋮﹂ ﹁ん、なんか言ったか﹂ ﹂ ﹁ふざけるなって言ってんだよ いい加減にしろ ﹁な、なんだよ。急に怒りだして﹂ 俺の怒鳴り声に皆が肩を震わせていた。 ! ﹁いいか、よく聞けよ。あの剣術はな、人殺しの剣術なんだよ ! ! 俺はいつのまにか拳を強く握っていた。 だよ ! その言葉に俺は更に怒りを覚えたて。 ﹁そ、そんなの⋮⋮。それに俺達が殺すのは化物だぞ。人じゃないんだから別に⋮⋮﹂ ! ! ! ﹁てめえ、みていな奴がそう簡単に振って良い剣術じゃねえんだよ 一学期 一時間目 16 ﹂ ! 徒 達 クラスメイトにだ。 生 そんな先生をお前 烏 間 先 生 は そ れ を 厳 し い 顔 で 見 て い た。で も、そ れ は 先 生 に 向 け て で は な い、 先生が一呼吸置く。 はただの人殺しと同じですからね﹂ ﹁命を奪うと言うことはその罪を、命を重んじなければなりません。奪うだけではそれ その問に誰も答えるものはいなかった。 重んじています。何故だか分かりますか﹂ ﹁確かに、先生は人じゃありません。ですが、命あるものです。 彼はそんな先生の命を 先生の顔は少し黒ずんだ赤い色をしていた。表情はそのままで。 流派を教えたくないと言っているのです﹂ ﹁君達は紅君がいったことの意味がわかりますか。紅君はね、命を軽く見ているものに そこには、赤い丸が描かれた先生がいた。 ! 人じゃないからって簡単に命を奪うって ﹁確かにあの先生は人じゃない⋮⋮。でもな、命ある生物なんだよ そんな奴に無音流は教えねえ は覚悟無しに人殺しの剣術で命を奪うのか のか ! 言いたいことを言い終わると、誰かに肩を叩かれた気がした。 ! ﹁満点です、紅君﹂ 17 ﹁相手の命を軽く見ているようでは先生は殺せませんよ﹂ その言葉は何処まで重く感じた。 から、先生と同じように﹂ ﹂ ﹁先生、その辺で良いです。そもそも、俺はこいつらに関心すら、寄せていませんでした 先生にも関心をむけてくれないんですか ! ﹁ど、何処いくんですか ﹂ そう言って俺は教室に足を向けた。 ﹁ええ、最初からもってませんよ。このクラスにも、先生方にもね﹂ 何を言っているんだこの先生は。 ﹁にゅにゃ ! ! そう言って俺は学校を早退と言う形で帰ったのであった。 ﹁帰るんですよ。今日はもう、誰ともいたくないんで﹂ 一学期 一時間目 18 二時限目 次の日、俺は学校には一応来ていたがクラスの連中はまるで俺を腫れ物扱いって言う わけでもないが、誰も接しなくなった。 ﹁そういえば、烏間先生が渡したいものがあるって言ってたっけ﹂ どうせ、昨日と同様に考えなしバカどもが寄ってくるだけでまた、鬱陶しいだけだ。 ﹁新しい流派開発したけど、使いたくねえ﹂ とりあえず暇だ。昼休みになり、午後には体育がまた、ある。 ﹁暇だ⋮﹂ そう言って一瞬でその場から消えていった。 ﹁烏間先生にも相談してみましょう﹂ にゅると考えている殺せんせーだが、うまい解決法がみあたらないようだ。 気まずいようですね﹂ ﹁紅君もまるで誰もいないかのように集中して読書をしていますし、クラスの皆さんも そんな状況を校庭にある木の上から殺せんせーは見ていた。 ﹁う∼ん、困りましたね﹂ 19 恐らくだけど、注文しといたアレができたのかもしれないな。 一方、普段より早い時間帯に帰ってきていた殺せんせーは烏間先生に相談していたの であった。 ﹁烏間先生、どうしたら紅君はクラスに馴染めるでしょうか﹂ その質問に作業途中の指を止め顔を上げる。 ﹁俺もお前の監視の合間に見ていたが確かにあまりにも馴染めていないようだな﹂ ﹁はい、関心が薄いのか休み時間も一人で本を読んでいるだけで誰とも話そうとしない のです﹂ ﹁このままでは、暗殺に支障が出るかもしれないな﹂ 二人しかいない職員室、普段は仲が悪い二人でも生徒のことになると一緒に悩んでい るのだ。 ﹁烏間先生、少しお願いがあります﹂ ﹁なんだ﹂ ﹁私を紅君と闘わせてもらえませんか﹂ 烏間先生の顔は何処か不安げな表情をしていた。 ﹁それは自ら暗殺されると言うことか﹂ ﹁いえ、今回は暗殺ではなく模擬戦です。勿論、使う武器は私対策のナイフで構いませ 二時限目 20 ん﹂ ﹂ ? 殺せんせーのやろう楽しんでないか。 ﹁はい、それを早く使いなれたいでしょう﹂ ﹁模擬戦 ﹁ヌルフフフ、そこで紅君。先生と模擬戦をしませんか﹂ そこには、対先生の物で作られた刀と鞘があった。 ﹁ありがとうございます。鞘まで作ってくれたんですか﹂ ﹁紅君、君から注文があったものだ。予定より早くできたようなので渡しとく﹂ このふたりの話は誰にも聞かれることはなかった。 ﹁わかっていますよ﹂ ﹁なにか、考えがあるんだろ。ただし、条件には反するなよ﹂ ﹁なら、楽しみですね。ヌルフフフ﹂ その言葉に何処か面白そうに笑う殺せんせーの顔はバカにしている時の色だった。 ﹁ああ、予定より早く造れたようだからな﹂ 殺せんせーの言葉に不適な笑みを浮かべていた。 ﹁おや、もしやもう完成したのですか﹂ ﹁いや、今回はナイフではないぞ﹂ 21 ﹁烏間先生から許可とったのかよ﹂ ﹁それなら、ご安心をもうすでにとってあります。ねえ、烏間先生﹂ 許可とったなら、別に良いけどさ。 ﹁ああ、許可は出した。だが、危険とみなしたら俺は止めにはいることが条件だ﹂ そこには、クラスメイト達がいた。 ﹁こいつらも見るのかよ﹂ ﹁なに、別に極秘と言うわけではないのだろ。なら、みせても構わないはずだ﹂ 俺は見渡すが見たところで何も変わらないと思うのだがな。 ﹁⋮⋮﹂ この言葉に何処か安心する殺せんせーと烏間先生。 ﹁はぁ、わかりました。見ていて構いませんよ﹂ ﹁それでは皆さん。少し離れたところから見ていてください﹂ 殺せんせーの言葉に従うかのように、というか従って皆は少し距離をとった。 ﹁それでは、始めてくれ﹂ 速くないですか ﹂ 烏間先生の言葉を合図に俺は一気に間合いを詰めた。 ! ! ﹁時雨蒼燕流攻式五ノ型 五月雨﹂ ﹁にゅにゃ 二時限目 22 型で技を放つ ﹁上手く避けますね﹂ ﹁避けるのは簡単ですよ⋮⋮ってにゅにゃ ! ﹂ ﹂ ﹁なら、これはどうだい。無音二刀流 乱れ櫻 ﹁甘いですよ。一個一個放つようでは﹂ ﹂ ﹁無音二刀流 疾風連斬﹂ ﹁ 声もでない驚きの顔をする先生。 次は一刀流だ 手加減してください ﹂ ﹂ ! そんな速く動いていて辛いって信じられるか 先生も結構辛いんですよ ﹁それを避けてる時点で手加減する必要はない ﹁ちょっと、紅君 ﹁神鳴流奥義 百花繚乱﹂ ! ! ﹁津雲流 睡蓮華﹂ ! ! !? ﹁断言しないでください ! ! ! ﹂ ﹁今のは危なかったですが、今度はそう簡単にはいきませんよ﹂ タイミングをずらしてるのにどういう反射神経してるんだよ。 ! 23 いったい、いくつの剣術を習ったんですか﹂ ﹂ ﹁また、新しいのですか ﹁習ったわけじゃない ! ﹁ちょっ ﹂ ﹁津雲流 桜・乱﹂ これは俺が模倣したものと自分で作ったオリジナルだ。 ! ﹁にゅにゃ まさか斬られるとは﹂ スパッン先生の触手が一本切れた。 ﹁津雲流 影重ね﹂ ! そう言って俺は刀を納める。 ﹁わかりました﹂ ﹁そうだ、これ以上は模擬戦ではなく暗殺になるからな﹂ 烏間先生はゆっくりと刃から手をはなす。 ﹁終わりですか、烏間先生﹂ ﹁くっ、案外痛いものだな﹂ 追い込みをかけるがそこで烏間先生に止めらる。 ﹁神鳴流 斬岩剣・二連﹂ ! ﹁ふぅ、しかし危ないところでした。紅君だけかけかもしれませんね。先生をここまで 二時限目 24 追い詰めることができたのは﹂ いものはけっして習ってはいけません﹂ にその重みが理解できるのであれば習えばいいでしょう。しかし、その重みも分からな ﹁これでわかったはずです。彼の剣術はどんなことを言っても人殺しの剣です。貴方達 命を奪う重さ⋮⋮か。それをもっと速く知ってれば⋮⋮。 るのは失礼だと知っているからです。そして、命を奪う重さもです﹂ ﹁それに彼は一切の躊躇なく先生に斬りかかりました。相手に対して、迷いがあって斬 その問に皆は頭を横に振った。 ﹁そうですね、神崎さん。私と紅君との戦いにフザケている部分はありましたか﹂ ﹁すごかったです⋮⋮。二人とも真剣そのものでした﹂ その問に一人の生徒が感想を述べた。 ﹁さぁ、皆さん。私と紅君の模擬戦を見てどう思いましたか﹂ マジかよ⋮。 先生の手を見てみるとすでに斬られ触手が再生していた。 算したなかで剣術を使っているのですね﹂ ﹁それはわかっています。まだ、全て手の内をさらしたわけではないのは、案外紅君は計 ﹁別に、まだ本気じゃないからな﹂ 25 ﹁﹁﹁はい ﹂﹂﹂ 殺せんせーはマッハで去っていった。 ﹁それでは、練習に励んでくださいね。ヌルフフフ﹂ なんだか、変なものだな。 ! と言われたから呼んでるけど。 こうして、授業は再開した。そう言えばなんで殺せんせーなんだ、そう呼んでほしい ﹁それではナイフさばきを教える。いいな﹂ 二時限目 26 三時限目 あれからクラスの連中が俺に対してやけに優しくなった。勉鏡面も教えることが多 くなった。 なんで俺だけ論外なんだよ﹂ ! ﹁神崎さんは基礎しか教えてないよ。男子とは骨格とか微妙に違うからね女子は。だか ﹁しかし、女子は神崎さんだけなんだね。もっといると思ったのに﹂ たようだ。 こいつは赤羽 業。つい最近停学が解けてやって来たけど、殺せんせーに手入れされ ﹁赤羽、お前は烏間先生の所だろ﹂ ﹁おっ、頑張ってるんだね﹂ も良いんだがとりあえず烏間先生からも頼まれたことだし良いけどさ。 ナイフさばきに関して俺に教えてほしいと願って来たのは四人だけだ。別に、何人で ﹁動きが雑、基礎がでたらめ、視線があやふやだ﹂ ﹁ちょっと待て な動きをいれるな。杉野⋮⋮論外﹂ ﹁神崎さん、もう少し相手の急所を狙って、潮田はもっと相手の動きを読め、前原、余計 27 ら、下手なことは教えられないんだよ﹂ 俺の剣術は男子でもキツいしな。それにナイフの技術が高いやつはいても俺とやっ たら数秒で相手が負けるからな。 ﹁そろそろ、射撃練習の時間か。今日はここまでにしようか﹂ ﹁そうだな、紅。お前の剣術を⋮⋮﹂ ﹂ ﹁無理だな﹂ ﹁即答かよ なにも言い返せないようだな。 ﹁うるさいぞ杉野。お前は両方駄目だろ﹂ ﹁それにしても、紅は射撃が苦手なんて意外だよな﹂ なりは教えられないのである。 これは意地ではなく正論である。日々の積み重ねがものを言う剣術だからこそいき よ﹂ ﹁当たり前だろ、前原。基礎もまともにできてないやつらに教えることはできないんだ ! ﹁そ、そうだよ神崎さん。それに教えるなら俺達男子同士の方が良いしな﹂ ﹁神崎さん。でもそれだとお前の練習できないだろ﹂ ﹁白坂君、よかったら教えようか﹂ 三時限目 28 ﹁杉野、俺は射撃の訓練は受けているが班は神崎さんと同じなんだ。別の班のお前がわ ざわざ来て、先生に怒られるのどっちが良い﹂ 二日後、どうやら新しい先生が来るみたいだ。しかも、選りすぐりのハニートラップ あれから、神崎さんに銃の扱いを教えてもらうもやはり、俺には合わないようだ。 潮田は俺が言ったことがどうやら理解できなく少し呆けていたのであった。 なりに才能があるんだからな、別のな﹂ ﹁別に、何処だって良いだろ。それと、潮田あまり人の事気にしすぎるなよ。お前はそれ ﹁うん、紅君って多くの流派の型を使うけどいったい何処で覚えたんだい﹂ ﹁どうした、潮田。何か質問か﹂ ﹁あの、紅君﹂ とう、前原。 ついでだが、神崎有希子はクラスのマドンナ的存在らしい。どうでも良い情報ありが ﹁うん、こっちも色々教えて貰ってるんだし気にしないで良いよ﹂ ﹁神崎さん、悪いけど教えてくれるか﹂ 周知の事実である。 烏間先生が怒ると結構恐い。それと、杉野が神崎さんに対して好意を抱いているのは ﹁自分の班で大人しくしてます﹂ 29 を得意とする暗殺者らしい。 ﹁それでは紹介します。今日から英語の授業を担当することになった、イリーナ・イェラ ビッチ先生です﹂ 殺せんせーの顔はとてつもなくダラシのないものだった。 見ている此方が呆れるくらいに。 ﹁先生、私今とても、本場のジェラートが食べたいの。買ってきてくださる﹂ 典型的な色仕掛けに引っ掛かった殺せんせーはその自慢のスピードでジェラートを 買いに行ったのであった。 ﹂ V発音とB発音の使い分 ﹁それで先生、あんたの目的はなんだ。わざわざ殺せんせーを遠くまでいかせた理由は なんだ﹂ ﹁あら、もうバレたの。貴方、勘が鋭いのね﹂ ﹁それでビッチ先生。どうやって殺せんせーを殺すの﹂ けもできないの ﹁誰がビッチよ。それだと、私が厭らしい女みたいじゃない ! 発音は仕方ないとして、ビッチは紛れもない事実だろ。その服装を見れば。 ! ﹁えっと、僕ですけど﹂ ﹁それで潮田渚ってどいつよ﹂ 三時限目 30 すると、潮田に近づいたと思ったらいきなり、ディープキスをしたのであった。 まさしく、痴女だな。 赤羽 俺を売りやがったな ! ﹁秘剣 燕返し﹂ ﹁ちょっ、ちょっと 危ないでしょ しかもゴムなのになんで斬れるのよ﹂ ! じゃないにしろ避けれルんだからな﹂ ﹁こ の 程 度 の 型 も 避 け れ な い よ う な ら あ の 先 生 は 倒 せ な い ぜ。烏 間 先 生 で す ら、完 璧 髪の毛の何本かが斬れたらしく、激怒する。 ! キスしてこようとするビッチに刀を抜いた。 ﹁そっちこそ、あんなむさい男達と鉄と鉛の塊であの先生を殺せると思うなよ﹂ ﹁あんまり、舐めた口利かない方が身のためよガキ﹂ ﹁そうだけど、それがどうした痴女先生﹂ ﹁へえ、貴方があのタコを追い詰めたって言うガキ﹂ ! ﹁はーい、そこにいまーす。ビッチ先生﹂ ここは名乗らない方が身のためだな。 と、白坂紅って誰かしら﹂ ﹁貴 方 達 が 持 っ て い る 情 報 を 全 て 渡 し な さ い。ご 褒 美 に 私 が キ ス し て 上 げ る わ。そ れ 31 こ の と き ク ラ ス の 連 中 は あ の 人 は 人 間 じ ゃ な い か ら と 突 っ 込 み を い れ て た ら し い。 あと、俺達じゃもろに喰らってると言う意見が上がったようだ。 返 し まあ、こう言ってるけど手入れされて終わるのが落ちだよ。 仕 ﹁ふん、生意気なガキね。まあ、見てなさいあんなタコ何て一発で殺して上げるわ﹂ 何故か、クラスの連中からも嫌われたみたいだけどな。 ﹁烏間先生、俺達あの先生嫌いです﹂ ﹁⋮確かに教師としては最低だが暗殺者としてはプロだ。今は彼女に暗殺は一任されて いるがな﹂ ﹁まあ、確かに俺の剣術を避けましたからね﹂ 曲がりなりにもアサシンの技なのにな。 すると、体育倉庫から銃声が聞こえたと思ったら次に気持ち悪い男達の悲鳴とビッチ 見に行こうぜ﹂ 先生のと思われる声が響き渡った。 ﹁お、おい ﹂ ﹁待てよ、岡島﹂ ! すると俺以外の男子は殆どが体育倉庫へと向かった。 ﹁前原も待て ! ﹁千葉は行かないのか﹂ 三時限目 32 ﹁べつに、予想は着く﹂ 後から聞いた話によると殺せんせーは真顔で大人には大人の手入れがあるのですよ、 ﹁そうか⋮⋮﹂ どうして失敗したのよ﹂ と語っていたらしい。 ﹁ああ∼もう ガキの癖に﹂ ﹁あんたの戦略ミスだ﹂ ! そのガキに髪の毛を斬られたんだろ。 ﹁うるさいわね ! まあ、そのあと烏間先生の説得なのか 知らないけどちゃんと俺達の授業をするよう になった。 ? 33 四時限目 今日も暗殺はできなかった。誰一人として暗殺はできなかった。何故なら⋮⋮。 りましょう﹂ ﹁さぁ、皆さん、張り切って勉強しましょう 来週のテストでは全員が五十位いないに入 まったらしい。 てねえよ﹂ ﹁だって、殺せんせー。俺達はE組だぜ。今さら勉強したって他のクラスの連中には勝 そう、なんだかクラスの連中はどういう訳かいつもの騒がしさがなかった。 ボってしまうし、皆さんは元気がないですよ﹂ ﹁そ れ に し て も 皆 さ ん。ど う し た ん で す か。い つ も の 気 迫 が み え ま せ ん が。業 君 は サ ! ﹁先生、もう少し範囲を広げて教えてくれよ﹂ 先生は嬉しいです。紅君がやる気を見せてくれるなんて ﹂ 先生が燃えていたからだ。なにやら、理事長から挑発を受けたらしくそれにのってし ! それだとまるで、普段からやる気がないみたいに聞こえるんだが。 ﹁にゅにゃ ! ﹁それにさぁ、殺せんせーを殺せば百億が手に入るんだし勉強する意味なんて無いんだ 四時限目 34 よ﹂ わぁ、何通都合の良い頭してるんだコイツら。それだと、お前達じゃ殺せんせーは暗 殺できないだろ。 第三の手段で勝つ。これも立派な暗殺の技術です﹂ ﹁ありがとうございます。三人の言うとおり、第一の手段だけでは勝てなくても、第二、 たぶん、これはプロとしての質問なんだろうな。 ある。だから、いくつかの手段を講じるね﹂ ﹁俺も二人の意見と同じですね。剣術は俺って言う例外を除けば、見切られる可能性が ら、次の次の手を考えるわ﹂ ﹁私もカラスマと同じね。むしろ暗殺では最初の手段で殺せる確率の方が低いわ。たが ﹁最初に手は考えておくさ。初めから第三、第四の手段をな﹂ 俺にも質問するのね。 じなかった場合はどうしますか﹂ ﹁烏間先生とイリーナ先生、それに紅君も答えてください。もし、本命の暗殺や剣術が通 ﹁殺せんせー、何で校庭なんかに呼んだんだよ﹂ 殺せんせーの顔が少しだけ黒いぞ。激怒する寸前だな。 ﹁皆さん、少し校庭に来て下さい。後、烏間先生とイリーナ先生も呼んでください﹂ 35 すると殺せんせーが急に高速回転し出した。 ﹁すなわち自分達には暗殺があるからと言って他の事を疎かにしてはいけません。暗殺 ﹂ が第一の刃と例えるなら、君たちにとって第二の刃となりうるものは勉強です。そし て、第二の刃をもたないものに暗殺なの不可能です う。 その言葉に烏間先生は何も言わなかった。恐らく本気だとわかっているからだと思 ないよう過ごして地球を破壊するだけですから﹂ ﹁皆さんが五十位に入らなかった時は先生はE組を去ります。後は各国の機関に捕まら 備された校庭があった。 あまりの回転の速さに竜巻ができていたのだが、それが収まるとそこにはきちんと整 ! ﹁さぁ、皆さん教室に戻って勉強をしましょう。先生を殺したければね﹂ 私にも教えて﹂ ﹂ これで意気込みが上がると良いんだけどな。 ﹁あ、白坂君 ! ? ﹁さて、勉強しますか﹂ 神崎さんか。どれだ﹂ ﹁白坂君、ここ教えてくれるかな ﹁ん ? ﹁これなんだけど﹂ 四時限目 36 ﹁えっと、確か矢田だったか ﹁そこまで酷いんだ﹂ ﹁うん﹂ ﹁はっきり肯定された ﹂ 別に良いけど﹂ ﹁矢田さんはもっと基礎から固めよう﹂ ﹁うん、ありがとう﹂ ﹁えっとな、神崎さんの方は⋮⋮ってわけわかった えっと、地理歴史と生物分野か。 ? ﹂ ! ﹁潮田か、別に良いよ﹂ ﹁紅君、僕にも教えてくれる ﹂ 杉野は汗をかいていたがそのまま勉強を教えた。 ﹂ ﹁杉野、しっかりやらなかったら⋮⋮、どうなるかわかってんだろうな﹂ ﹁紅、俺にも勉強教えてくれ﹂ ﹁酷い ﹁倉橋、論外﹂ ﹁白坂君、私に国語全般教えて∼﹂ まぁ、神崎さんはけっこうできてるけど、矢田さんはもう少し頑張ってほしいね。 ! ? 37 ? どうして勉強するの なんか、皆が唖然としてるな。 ﹂ ちなみに何処で今何時かって思ってるやつがいるかもしれないが、放課後の教室だ。 ねえ、紅君。これって範囲外だよ さすがに家にはつれていけないからな。 ﹁ん ん だ。勿論、此方に連絡なしだがな﹂ ﹁潮田、あの理事長が何の対策なく殺せんせーに挑むと思うか ? ﹁﹁﹁⋮⋮﹂﹂﹂ 重い、空気が重い ドンだけだよ ﹁殺せんせー、すいません﹂ ! う∼ん、これは言うべきなのか。 ﹁いえ、先生のせいです。もっと、考えていれば﹂ ! その一つに範囲の拡大 そして、テスト当日。殆どのE組の連中は途中から解けなくなった。 中身が黒い塊でできたようなもんだからな まってる﹂ ﹁あ の 完 璧 と 強 さ を 求 め る 理 事 長 だ か ら な。こ れ く ら い の 姑 息 な 手 を 使 っ て く る に 決 ﹁よく、そんな事が思い付くな﹂ ? ? ? ? ﹁ふーん、じゃあ先生は逃げるんだ﹂ 四時限目 38 ﹁なんですと ﹂ 赤羽が五教科のテスト用紙を見せた。 ! ﹁殺せんせー、私も﹂ ﹁殺せんせー、僕も﹂ ! 逃げませんよ 期末テストでギャフンっと言わせてやります﹂ ! まあ、殺せんせーもやる気出したみたいだし、期末テストも頑張りますか。 ﹁にゅにゃ ! 殺せんせーは俯く。良く見ると、触手が震えている。 ﹁このまま尻尾を巻いて逃げるのか﹂ ﹁どうする、先生は逃げるの﹂ る。皆、五十位以内だった。 どうやら、俺がみた神崎さん、矢田さん、倉橋さん、潮田、杉野はテスト用紙を見せ ﹁殺せんせー、俺もだよ ﹂ ﹁すいません、殺せんせー。私も﹂ 赤羽は学年四位、俺は学年六位だった。 俺もテスト用紙を見せつけた。 ﹁そうだぜ。逃げるのかよ殺せんせー﹂ 39 五時限目 一緒の班になろうぜ﹂ 全国の中学三年生が絶対楽しみにしているであろう、修学旅行が近づいているのであ る。 別に良いけど。大丈夫なのか人数分﹂ ﹁なぁ、紅 ﹁ ! ? ふーん、そうなのか。 ﹁それで、俺と杉野、潮田、赤羽だけか ﹁あと、私です﹂ ﹁えっと、あんたは⋮⋮﹂ ﹁お、奥田愛美です﹂ ﹁あと、私でーす﹂ そうそう、奥田愛美だ。 ﹁茅野さんかよ﹂ ﹂ ﹁大丈夫だよ、紅君。何処かの班は7人になる事になってるから﹂ ? ﹁でも、これだと女子の規定に至ってないぞ﹂ 五時限目 40 ﹁それなら、心配するな こんなことがあろうかと神崎さんを誘っておいたのだ﹂ そこには、神崎さんがいた。 ! ﹁それにしても、ビッチ先生の服装はアウトだったよな﹂ そして、当日。 あった。 この後、殺せんせーが無駄に張り切って無駄に厚い修学旅行のしおりが配られたので うべきだ﹂ ﹁まあ、本人じゃない俺が言うのはこれくらいにしてやるよ。ここから、本人の意思で言 ﹁うっ﹂ ﹁そんなので話しかけられないって結構キツイ事だぞ﹂ その言葉に杉野は何も言わなかった。 ﹁そうなのか。でも、それって単に男子共が話しかけにくいってだかだろ﹂ ﹁あのな、神崎さんはクラスのマドンナ的存在なんだぞ﹂ はっきり言って誰が一緒に行こうがどうでも良い。 ﹁興味がないからな﹂ ﹁紅、お前反応薄いな﹂ ﹁ふーん、そうなのか﹂ 41 ﹁金持ちばっかり相手してきたから、庶民の間隔が良くわからないんだよ﹂ 確かにあの服装はアウトだよな。 ﹁なにか、飲み物飲みますか﹂ ﹁俺はお茶が飲みたいです﹂ ﹁私も一緒にいきます﹂ ﹁じゃあ、僕はオレンジジュース﹂ ﹁俺はいいや﹂ 神崎さんと奥田さんは飲み物を取りに行ってくれた。 ﹁俺も良いわ﹂ ﹁ていうか、殺せんせーはどうしたんだ﹂ ﹁たぶんだけど、駅の地下にあったジェラートを買ってるってさっき連絡がきたよ﹂ 何やってんだあのタコ⋮⋮。 ﹁それにしても、京都、奈良か⋮⋮﹂ ﹁どうしたの、紅君。元気ないじゃん﹂ 刀なしだと、結構キツイからな。 その木刀を売ってる店って少ないだろうなって﹂ ﹁あっちの地方に行く修学旅行生って多いじゃん。木刀でも買っておきたいんだけど、 五時限目 42 ﹁大丈夫だよ、木刀が売っていたら言ってあげるよ﹂ すると、前方と後方に人の気配を感じた。 まあ、祇園だからな。 ﹁そうだね、奥田さん。もともと、一見さんお断りのお店が多いからね﹂ ﹁それにしても、祇園って奥の方は人気が少ないんですね﹂ 歩いていた。 そのまま二日目になり、班行動になり何処で暗殺してもらうか考えながら京都の町を どうやら神崎さんは手帳の裏に日程など書いてあったのだがそれを無くしたらしい。 ﹁神崎さん、学生手帳見つかりましたか﹂ ﹁まあ、2泊3日なんだし気楽にいこうぜ﹂ ぜ。 まさか、わざわざ京都に着いたのにそのまま奈良に直行する理由がわからなかった ﹁ああ、奈良で買えたのは良いことだ﹂ ﹁よかったね、木刀が買えて﹂ ことだった。 そのあと、次の駅で殺せんせーは乗ったが意外だったのは殺せんせーが乗り物に弱い ﹁サンキュウ、赤羽﹂ 43 ﹁赤羽、築いてるか﹂ ﹁うん、前方と後ろに何人かいるね﹂ すると、学ランをきた男子が現れた。どうやら、俺達と同じ修学旅行生みたいだな。 ﹁あんたら、いったい何の用だい﹂ ﹁男は要らねえ。女だけ置いて立ち去りやがれ﹂ ﹁悪いね、そう言うわけにはいかないんだよ﹂ ﹂ とりあえず、木刀に手をかけておくか。 ﹂ ﹂ 赤羽もかよ ﹁がっ 潮田と杉野はそうそう、気絶させられてるのかよ。 ヤバイな、これは人数が多すぎるかな。 ﹁うるせえ、さっさとやるぞ ! ﹁ああ、大丈夫だよ﹂ ﹂ ! 意識を飛ばされたのであった。 これは普通に気絶させられといた方がいいな。 ﹁なっ ! ! ! ﹁しら⋮⋮さか⋮⋮。⋮⋮さか、くん。白坂君 五時限目 44 くそ、スタンガンなんて何処で手にいれるんだよ。 うん、持ってるけど﹂ ? ﹁飛天御剣流 龍縋閃﹂ 鞘付きの木刀でよかったぜ。 ﹁それじゃあ、行くぜ﹂ 俺の言葉に皆頷く。 出てきてくれ﹂ ﹁さぁ、取り戻しにいきますか。入り口にいるやつらは俺が何とかするから、合図したら 先程の車があった。 ﹁ここみたいだな﹂ なんだか、余計なお世話だと思うものまであるけど気にするな。 だ﹂ ﹁あの先生の事だから、こう言うときに何処に連れていかれやすいか調べられてるはず バックの中から異常な厚みのあるしおりが出された。 ﹁え ﹁赤羽、落ち着け。潮田、しおり持ってないか﹂ してやろうか﹂ ﹁あいつら、犯罪しなれてるな、車のナンバープレートも隠されたしな。さて、どう料理 45 ﹁がぁ ﹂ 四人は頷く。 ﹁覚悟はいいか ﹂ ﹂ たどり着いたのは大きな扉の前だった。 ﹁どうやら、この奥みたいだぞ﹂ ﹁それより、速く神崎さん達を助けようぜ﹂ ﹁うん、一応念のために﹂ ﹁そう言えば、渚くんは殺せんせーに連絡したんだよね﹂ そのまま中に入っていった。 ﹁説明は後だ。行くぞ﹂ ﹁速いね今の剣術﹂ 後ろからぞろぞろ出て木きた。 ﹁いいぞ、出てきて﹂ ふぅ、片付いた。 ﹁龍縋閃・惨﹂ ﹁てめえ﹂ ! ? ﹁ちっ、もうバレたのかよ ! 五時限目 46 ﹂ ﹁あんたらが土地勘のあるやつらだったらもう少し時間が掛かったかもな﹂ そこには縄かなにかで縛られている二人がいた。 ﹁だけど、お前達に勝ち目はないぜ。こっちの方が人数は多いんだからな そこには、十人くらいの男達がいた。 ﹂ ! ﹁津雲流 雷華、雪花﹂ ! ﹁さあ、あんた一人だけだ﹂ お前らが弱いんだよ。 ﹁く、コイツ強すぎだろ ﹂ 次々に相手を薙ぎ倒す。これ以上飛天御剣流は使えないな。 ﹁飛天御剣流 双龍閃、双龍閃・雷﹂ ﹁時雨蒼燕流攻式一ノ型 車軸の雨﹂ 奥田さん直ぐに隠れ潮田と杉野のも臨機応変に相手をする。 ﹁行くぜ、潮田と杉野も手伝える範囲は手伝え。奥田さんは何処かに隠れてて﹂ ﹁野郎共、行け 赤羽の目が光っていやがる。 ﹁じゃあ、こっちはこっちでヤっちゃおうか﹂ ﹁殺せんせーは多分、コイツらの増援部隊みたいなやつらの手入れで遅れるようだぞ﹂ ! 47 ﹁くっ 動くな その木刀を捨てろ ! さもないとこの女達を一人づつ殺すぞ﹂ ! ﹂ やっとついたのかよ。 ﹁殺せんせー 先公まできたのかよ。エリートどもめ ﹁遅いですよ、殺せんせー﹂ ﹁ちっ 確かにこの子達はエリート学校にいる生徒ですが、差別を受けながらも ! ! ! 落ちたナイフを拾い、縄を斬ると男の携帯に一人の女子の写真があった。 ﹁大丈夫か⋮。これって﹂ 見事に頭に当たったらしくそいつは気絶した。 ﹁時雨蒼燕流攻式三ノ型 遣らずの雨﹂ まあ、コイツらがこうなった理由もわからなくないわけじゃないけどな。 全うに生きています。貴方達のように自分を卑下せず前に進んでいるのです﹂ ﹁黙りなさい ﹂ ﹁先生の生徒にハエのような手で触れないでいただきたい﹂ どうやら、隠し持っていたナイフで神崎さん達を人質に取ったようだ。 ! ! で、この学校にも強制的に入学させられたの。色々あってストレスを感じちゃって⋮親 ﹁うん。⋮⋮家の父親はね、弁護士なの。娘である私にも同じ道を通って欲しいみたい ﹁これって神崎さんか﹂ 五時限目 48 に黙ってたんだけどバレちゃって、親にも色々否定されたんだ。自分の夢も目標も﹂ なるほどね。これはコイツの闇か。 ﹂ ? 別に良いけど。有希子、これでいいか﹂ ? ﹁これは完全に惚れたね﹂ 何故か名前を呼んだら顔を赤くする有希子だった。 ﹁ん ﹁ねえ、白坂君。有希子って呼んでくれない。私も紅君って呼ぶから﹂ ﹁さあ、戻ろうぜ。神崎さん﹂ 不覚にもその笑顔にドキッとしてしまったのは内緒だ。 ﹁ありがとう、白坂君﹂ 泣き出しそうな神崎さんの頭に手を載せて撫でやる。携帯は割っといたけどな。 しなくても俺がお前の味方でいてやるさ。だから、そんな目をするなよ﹂ なら、俺があんたの夢や目標を肯定してやるし守ってやるよ。喩え親ですらお前に味方 んで進んでいけよ。それで親が、あんたの場合は父親か。あんたの夢や目標を否定する ﹁これはあんたの人生だ。親が何と言おうと知ったことかよ。あんたがやりたい道を選 上げた目はとても悲しい色をしていた。 ﹁え ﹁別にいいんじゃねえ、これくらい﹂ 49 ﹁杉野、ドンマイ﹂ ﹁えっと、これって僕も何か言った方がいいの ﹂ ﹁さあ、行こうぜ﹂ ﹂ なんだか、騒がしいな。こいつら。あと、殺せんせーのそのニヤケ顔がウザイ。 ? ﹂ 気になる女子か⋮⋮。 ﹁有希子と矢田さん、倉橋さんかな﹂ ﹂ 知るかそんな事 ? ﹁何で三人なんだ 何で疑問系なんだって 女子で﹂ ﹁おお、白坂か。お前に質問なんだけど気になる女子っているか ﹁なにしてんだ ? このクラスに﹂ 旅館に戻るとお風呂に入り部屋に戻ると男子達が何かをしていた。 その笑顔を見たとき少しばかり有希子に興味が持てたような気がする。 ﹁うん、紅君 ! ﹁この三人が結構話す回数が多いからか ! ? この後、秘密を守るべく男子達は立ち上がった。︵俺と赤羽以外︶ そこには、何か書かれている紙をメモっている殺せんせーがいた。 ? ? ﹁それより、良いのか。そのタコを放置しておいて﹂ 五時限目 50 女子side けである︶ ﹁メグはやっぱり磯貝 ﹂ このクラスに﹂ ﹁違うわよ。それに私にはそんな人はいないわ﹂ 違うわよ 私もいないわよ﹂ ﹂ えっと、私は⋮⋮﹂ ﹁じゃあ、神崎さんは 誰々﹂ ﹁しら⋮⋮くん﹂ ﹁えっ その反応に乙女達は群がる。 ﹁⋮⋮うん︵ 〃▽〃︶﹂ 神崎は誰の事を思い浮かべたのかはわかりますね。 ﹁おっ、その反応もしやいますな﹂ ﹁えっ ! ! ? ﹁じゃあ、速水はって聞く必要ないよね。千葉でしょ ﹁なっ ! 不破がランダムに指していき、神崎が指された。 !? ! ! ﹂ なにやら、不破がこの質問をした瞬間何人かの女子は固まった。︵神崎、倉橋、矢田だ ﹁ねえねえ、皆は気になる男子っている ? 51 ﹁﹁﹁え ﹂﹂﹂ ﹂ ! マジで﹂ ! ﹂﹂﹂ ﹁﹁まさか、神崎さんもとは﹂﹂ ﹁白坂って⋮⋮、え その言葉に全員が絶句する。︵倉橋と矢田は驚きの余り︶ ﹁白坂紅君 ﹁﹁﹁もう一回﹂﹂﹂ どうやら一度では聞き取れなかったようだ。 ? あいつのどこが良いの﹂ なんだか、意外だったようだ。 ﹁何だかんだで面倒見良いしね﹂ ﹁素直だし﹂ ﹁紅君は優しいよ﹂ ﹁なんで 矢田と倉橋の言葉に更に驚く。 ﹁﹁﹁えっ !? ? ﹁男子達が白坂君にクラスの女子で気になるのはという質問をしたときに上がった名前 いつのまにかいた殺せんせーがあるメモを渡す。 ﹁そんな三人にビックニュースです﹂ 五時限目 52 です﹂ それをみた瞬間三人は茹で上がった蛸のように真っ赤になり、倒れてしまった。だ が、その顔は何処か幸せそうだった。 ﹂ ? ﹂﹂﹂ 話は修学旅行が終わったあと聞きましょう﹂ ﹁﹁﹁はい ! こうして、修学旅行は終わりを告げるのであった。 ﹁さあ、皆さん就寝の時間ですよ﹂ ! ﹁まあ 女子全員がへえーと声をあげる。 ﹁ええ、以前彼の剣術を受ける代わりに話を聞くというのを条件にしましてね﹂ ﹁そうなんですか ﹁先生はある程度は知っていますよ﹂ 全員が確かにと頷く。 ﹁それにしてもさ、私たちって案外さ白坂の事知らなくない。あの剣術の事もだけどさ﹂ 53 六時限目 ﹁今日は、クラスの絆を強めるため自分の秘密を一つ明かしましょう また、先生が意味のわからない事をはじめてぞ。 ﹁というか、ぶっちゃけ皆さんの意見はとってあります﹂ ﹁おっ、準備良いね殺せんせー﹂ ﹂ ! 最近になって白坂君を下の名前で呼ぶようにな なんだ、あのどや顔は⋮⋮。あと、さっきから嫌な予感しかしないんだけど。 ﹁ええ、先生はできる先生ですから﹂ ﹁俺は意見聞かれてないんだけど﹂ ﹁さぁ、最初に聞かれるのは神崎さん りましたが、どう言った心境の変化ですか﹂ 最初は神崎に対する質問か。 ﹁えっと、それは⋮⋮﹂ なんか、モジモジしてるけどどうしたんだ ? ! ﹁にゅにゃ そ、そうですね。因みにこの質問をしたのは杉野君、矢田さん、倉橋さんで ﹁このままだと進まないんで次にいったらどうですか﹂ 六時限目 54 ! す﹂ ほう、矢田さんと倉橋さんは置いといて杉野はブッコロス。 ﹂ ﹁続いて、これで最後です﹂ ﹁質問すくな この時間はいったいなんなんだ ! ね。これはクラス全員の質問ですね﹂ ﹁まともな質問どうも﹂ さて、これは本当の事話した方が良いのか ﹁本当の事話さないと補習ですよ﹂ ﹂﹂﹂ ! 先生は鋭いね。 ﹁ですが、弱点もありますね﹂ は剣術が無限に存在する限り俺の剣術は無限にあるに等しいんだよ﹂ ﹁俺は聞いたり見たりした剣術は模倣ができる才能があるんだよ。だから、ある意味で この反応は予想通りだよな。 ﹁﹁﹁む、無限 ﹁はぁ、わかったよ。俺が使える剣術は無限だよ。これは俺の才能が大きいけどね﹂ ? ﹁白坂君が使う、剣術についての質問ですね。幾つの剣術があるんですかって質問です ! 55 ﹁その通り、俺の体格に合わない剣術は使えない。さらにいうなら超人的な技は使える 数は限られるけどな﹂ ﹁じゃあさ、あの津雲流とか無音流もなんかの模倣なのかよ﹂ ﹁いいや、あれは俺のオリジナルだよ。師匠、一応いるけどその人から言われたんだよ。 自分だけの流派を作れってな﹂ 偽物は所詮偽物でしかないんだから。 ﹁質問はこれで終わりだろ﹂ からね﹂ ﹁確かに終わりですが先生から質問があります。今までのはクラスの皆さんからのです 先生と生徒は別ってわけか。 じ い ﹁白坂君は真剣を持っていますか﹂ ﹁持ってますよ、二本ほど。祖父ちゃんから受け継いだのがね﹂ 本当は父さんが受け継いでから、俺に渡るはずだったんだけどね。 ﹁なるほど、白坂君の家は元は武士の家系ですか﹂ 武士の家系かは俺自身も余り知らないんだけどね。 ﹁まぁね﹂ ﹁もういいか、質問の方は﹂ 六時限目 56 ﹁これが先生からの最後の質問です。何時から他人に興味を持たなくなったんですか﹂ ﹂ ! あれからキツかったな⋮⋮。 ﹁まあ、剣術と模倣の才能は師匠が見つけてくれたんだけどね﹂ ﹁それにしても、驚いたよ。白坂君の剣術って殆どが模倣したものだったなんて﹂ んと倉橋さん、有希子と俺と言う面子で帰ることがある。 最近は良く赤羽と潮田とごく稀に有希子と帰ることが多くなった。たまあに、矢田さ ﹁赤羽、お前は悪戯するつもりだろ﹂ ﹁うーん、そうだね楽しみだなぁ﹂ ﹁そうだね、どんな暗殺転校生だろうね﹂ ﹁転校生ね、いったいどんなやつだろうな﹂ なんか、喜んでるけど転校生か。 ます ﹁そうですか、それではこの辺にして授業を始めましょうか。それと明日は転校生がき 先生は何処か納得した表情をした。 ﹁小学生の時からだよ﹂ ⋮⋮何時からか。 ﹁⋮⋮﹂ 57 ﹁それじゃあ、この辺でじゃあな﹂ ﹁うん、じゃあね﹂ こうして、二人と別れたのであった。 ﹁じゃあな﹂ ﹂ 昨日、殺せんせーは今日だって言っていたような。 ﹁そう言えば、今日だっけか。転校生が来るって日﹂ ﹁おはようってなんだあれ ﹁ねぇ、なんで私とひなのっちは名字で、神崎さんは名前で呼ぶの ﹁おはよう、矢田さん倉橋さん﹂ 奥の方から矢田さんと倉橋さんがあいさつしてきた。 ﹁白坂君、おはよう﹂ ﹁おはよう、白坂君﹂ ﹁そうなのか、ありがとう有希子﹂ ﹁おはよう、紅君。あれが転校生みたいだよ﹂ ? な﹂ ﹁ふーん、じゃあ私の事桃花って呼んでよ。私も紅君って呼ぶから ﹂ ﹂ ﹁べつに、深い意味はないぞ。ただ、そう呼んで欲しいと言われたから呼んでいる訳だし ? ! 六時限目 58 ﹁私も陽菜乃って呼んでよ。二人と同じように紅君って呼ぶからさ﹂ ﹂ ﹂ ﹁はい、席について⋮⋮、ど、どうしたんですか I 白坂君から異常な殺気が A ﹂ なんだか、威圧感があるな。でも、なんだか興味が少しわいた。こんなこと有希子の 時以来久しぶりなのかもな。 ﹁はいはい、そこで朝からラブコメ展開してなくて良いからねー﹂ ﹁ラブコメではないぞ、中村さん﹂ ﹁えっ、何まさかハーレムでも築くつもり﹂ それ以上俺を不愉快にさせるなよ﹂ ﹁白坂君、それ以上はダメだよ ﹁それって、危ないから ﹁わかってるってただ、剣圧を飛ばすだけだよ﹂ ! なにやら、不破さんまでもが入ってきた。 ! この後、殺せんせーと一緒にいた烏間先生に止められたのであった。 ! 対先生用の刀にてを伸ばすと、慌てて潮田がわって入る。 ﹁何言ってんだ ? ﹁わかりました。それではよろしくお願いします、自律思考固定砲台さん﹂ 登録はされている故に貴様は手出しはできないぞ﹂ ﹁まったく、それでは紹介する。転校生の自律思考固定砲台さんだ。人工知能だが、生徒 ! 59 ﹁はい、こちらこそよろしくお願いします。殺せんせー﹂ なんだか、余り良い予感がしないんだが⋮⋮。 をガムテでガンジガラメ この予感は余りにも当たっており授業中は自律思考固定砲台さんの射撃により、まと もに授業ができないでいた。 ﹁弾の掃除は俺らがやるはめになるとは﹂ ﹁いやいや、白坂君の周りには殆どないじゃん﹂ そいつが自律思考固定砲台さん そりゃあ、殆ど剣で弾き飛ばしたからな。 二日目は寺坂だったか ﹁はい、触られた感覚もバッチリです﹂ ﹁ふーん﹂ ? ﹁明日もこれが続くのか﹂ 盛大に改造されていた。 ﹁おはようございます、白坂君﹂ 三日目、教室に入ると⋮⋮。 まぁ、可哀想には見えたけどな。 張ったため掃除せずにすんだ。 ? ﹁全方位タッチパネル式なのか﹂ 六時限目 60 白坂君のエッチ ﹂ 何気なくさわってみると。 ﹁やん ! 何騒いでいやがる。結局そいつはヘッポコ機械なのは変わらないだろ﹂ ! がないのですから﹂ なんだか、涙流してるぞ。 ! ﹂ ﹁寺坂か2次元の女の子泣かせた ! それが初台詞だぞ、いいのか ﹁それにしても、本当に 変わったな﹂ ほんと、騒がしいクラスだな。 ﹁﹁﹁竹林 ! ﹂﹂ ﹁良いじゃないか、Dが一つとれただけで。ああ2次元甘美な言葉だ﹂ ﹁誤解されるような事をいうな ﹂ ﹁そうですね、寺坂君の言うとおり私はヘッポコです。こうしてもらわなければ協調性 ﹁けっ らとか言っていたらしい。 花は自律思考固定砲台さんにエアガンを向けてたとか、陽菜乃は視線だけで人を殺せた 後から話を聞いたところ有希子は顔は笑っているのだが目は笑ってなかったとか、桃 か﹂ ﹁いや、普通に画面に触れただけじゃん。あと、なんか一瞬寒気がしたんだが気のせい ! 61 ! ﹁そうだね。でも、これが開発者が許すかだよね﹂ 赤羽の言うとおり、俺達が良くても開発側は黙ってないだろうな。 そして、四日目案の定俺と赤羽の予想通り自律思考固定砲台さんは初期化されてい た。 ﹂ すると、出てきたのは花束だった。どうやら、自分の意思で開発側に逆らったらしい。 ﹁また、あの日々が始まるのか﹂ ﹁それにしても、名前長いしなんか良い呼び名はないのか ﹁それなら、律に決まったらしいよ﹂ ﹁そうか、じゃあそう呼ぶことにするわ﹂ 六時限目 62 ? 七限目 なんだか、知らないが父方の祖父から呼び出しがあり、今日は仮病で学校の方を休み 父の実家がある岐阜の山奥に向かっていた。 この人が祖父ちゃんである。一応、剣術を習うときは師匠と呼んでいる。そう、この ﹁おう、久しぶりだのぉ﹂ ﹁久しぶりだね、祖父ちゃん﹂ 奥の方から見た目五十代の男の人がやって来た。 ﹁おお、やっと来たか。紅﹂ ﹁こんにちは、白坂紅が参りました﹂ くに興味が無かったから聞かなかった。 目の前には武家屋敷が広がっている。元々先祖がなのある武将らしいけど、名前はと ﹁まあ、嫌いじゃないし。ていうか、着いた﹂ は顔も出していなかったような。 小さい頃は良く遊びに行っていたし、修行もつけてもらっていた。だけど、ここ最近 ﹁急にどうしたんだ。今までこんなことは無かったんだがな﹂ 63 人が殺せんせー達に話した師匠兼祖父ちゃんなのである。 ﹁相変わらず元気そうで何よりです﹂ あ いつもなら、直ぐに来るのに﹂ この調子だとまだまだ、生きていくつもりだな。 ﹁なに、まだまだ死ねぬよ。紅が彼女の一人でも紹介してくれぬ限りな﹂ ば ﹁それにしても、今日は祖母ちゃんはいないのか ﹁ばあさんなら、今頃雉でもとってきておるよ﹂ ﹁それって普通逆じゃね﹂ 紅ちゃんもう来てたのかい﹂ これは普通祖父ちゃんが雉を取りにって、祖母ちゃんが家にいるべきじゃないかな。 ﹁細かいことは気にするでない﹂ ? んだよ 今、雉と猪を引きずって門を潜ったのが祖母ちゃんである。その力は何処から出てる ﹁ただいま、戻りましたよ。あら ! うん、こっちもまだ生きていきそうだね。 ﹁何言ってんの。紅ちゃんがお嫁さん連れてきてくれるまで死ねないよ﹂ ﹁久しぶり、祖母ちゃん。いつも元気だね﹂ ! ﹁うん、じゃあ祖父ちゃんと一緒に居間にいるから﹂ ﹁待っててね。今からお昼の用意するからね﹂ 七限目 64 ﹁何言ってる。これから道場に行くんだよ﹂ ハードだなもう⋮⋮。 因みに昔は町中で剣術の教室を開いていて父の紹介でそこに通っていたのである。 ﹂ ﹁それじゃあ、行くよ祖父ちゃん ! ﹂ ! ﹁無駄無駄 もっと打ってこい ﹂ ! 祖父ちゃんは一段と険しい表情で構えをとる。 ﹁おっ、とうとう奥義を完成させたか﹂ ﹁津雲流奥義一ノ型⋮⋮﹂ この人は昔から化け物なんじゃないかって思うんだよ。 ! ﹁津雲流 月花円舞、九重突き﹂ ﹁まだまだ、甘い ﹁津雲流 雪花・乱﹂ 弾きながら後ろに飛んだよ。本当に70代のお爺ちゃんかよ。 ﹁ふん﹂ ﹁津雲流 雷華﹂ こうして、手合わせをするのは数年ぶりなものである。 ﹂ ﹁おう、久しぶりに掛かってこい ! 65 ﹂ ﹁扇歌乱れ突き ﹁っ ﹂ ! ﹂ !? 道場を汚すと大変なので近くにある居間で食べることになった。 ﹁そうだね、そうしようか﹂ ﹁おっ、そんな時間かそれじゃあ続きはこの後な﹂ そこには、鍋を持った祖母ちゃんが立っていた。 ﹁その前にご飯ですよ﹂ ﹁それじゃあ、二つ目の流派いってみよう﹂ 俺は苦笑いを浮かべるしかなった。 ﹁それでもかすり傷なのね﹂ ﹁竹刀でこの威力。真剣だったら危なかったのう﹂ 見ると祖父ちゃんの胴着の二の腕の部分が斬れていた。 ﹁スゴいのう。ワシにかすり傷をつけるとは﹂ ﹁すごっ 予想外だったのかそれでも全ての突きを剣で流す。 !? ﹁うん、まあ楽しくやっているよ﹂ ﹁それで紅よ。学校の方はどうじゃ楽しくやっているか﹂ 七限目 66 ﹁彼女の一人は作らないのかい﹂ 普段は優しいけど祖父ちゃんの女話の時はさっきほど話した通り豹変する。 ﹁いただきます﹂ ﹁紅ちゃんもどうだい﹂ ﹁おう、ありがとな﹂ ﹁祖父さん、お茶ですよ﹂ ﹁はぁ、食った食った﹂ かれていた。 見事に尻に敷かれている。父の家では女が強いらしい。そのせいか、父もよく尻に敷 ﹁紅、後で話し﹁紅ちゃんは知らなくていいんだよ、ねぇ祖父ちゃん﹂⋮⋮はい﹂ ﹁でも、意外だな。祖母ちゃん意外で付き合ったら人がいないなんて﹂ まじい殺気を放つ。 祖父ちゃんは昔は大層モテたそうだけど、その話をすると祖母ちゃんが嫉妬してすさ ﹁いえ、何でもないです﹂ ﹁なんですか、昔は﹂ ﹁なんだい、祖父ちゃんなんて昔はな﹂ ﹁祖母ちゃん、俺はそう言うのに興味がないから﹂ 67 ﹁さあ、さっきの続きだぞ。紅﹂ ﹁わかったよ﹂ もう一度、道場に向かうことになった。 ﹂ ﹁それじゃあ、いくよ﹂ こい ! ﹂ ﹂ ! ﹂ ! ﹁ぬおっ ﹂ ﹁ほう、いきなりニノ型か﹂ ﹁無音二刀流奥義ニノ型⋮⋮﹂ こうまで防ぐのかよ。だったら⋮⋮。 ﹁速いが威力が足りん ﹁無音二刀流 絶刀二十連斬﹂ ﹁いきなり、それはないぞ ﹁無音二刀流 巴崩し、風斬り﹂ ﹁甘い ﹁無音二刀流 双刃﹂ お互いに構える。さっきと違うとしたら俺が二刀流なことだけ。 ﹁おう ! ! ! ﹂ ﹁羅刹殺し 七限目 68 ! ﹂ まだ、さっきの事引きずってるのか ﹂ 防ぐも、体の回転を利用して一つは首もとにもう片方は下から首にかけて斬りかか る。 ワシを殺す気か ﹁これを防ぎますか﹂ ﹁紅 ﹁祖母さんも何言ってんだい ! ﹁紅ちゃん、惜しかったわね﹂ ! 明日も学校休みか。 まあ、この後ぎゃあぎゃあ騒ぎ。明日もここで剣術をすることになったのであった。 ! ! 69 八限目 昨日、一昨日と休んでいたら結構大変なことになっていたらしい。興味がないから、 内容は省く。 ﹁よう、明日から烏間先生の代わりにお前達の体育の授業をすることになった鷹岡明だ。 これは親睦を深めるために買ってきたケーキやスイーツだ﹂ なにやら新しい先生が来たらしい。皆は嬉しそうに食べていた。殺せんせーもその なかに混ざっていたが。 ﹁どうした、白坂君。君は行かないのか﹂ ﹁烏間先生、鷹岡の事調べておいて損はないと思いますよ﹂ ﹁どういう意味だ﹂ 烏間先生が険しい表情をする。 ﹁先生だって築いているんでしょ。あの鷹岡っての奴本性は別にあるって﹂ 築いているようだな。まあ、余り話さないけど。 ﹁⋮⋮﹂ ﹁先生、迷うってことは何処かでもう答えは見つけてあるって事ですよ﹂ 八限目 70 ﹁⋮⋮ふっ、まさか生徒に論されるとはな。わかった調べておくよ﹂ その顔は何処か清々しいものであった。 ﹂ 盛大に寝坊しました。 ﹁つ、着いた ! そこでは、まるで軍隊のような訓練を受けている。仲間の姿があった。なんだ、認識 ! そう ﹁寝坊するとは、なん足る失態﹂ そう言って二本の刀をバックの隣に置いといた。 ﹁使うことがなければ良いんだけどな﹂ う一本は天下五剣の一つ⋮。 家に帰って直ぐに俺は二本の刀を手に取った。一本はながなかった名刀である刀、も そう答えるしかないじゃないか。 ﹁頼む﹂ ﹁わかりました、念のため持ってきます﹂ 先生が何を考えているかは分からないけど⋮。 ﹁できればで良い。明日は持ってきておいてくれ﹂ ﹁ええ、持ってますが﹂ ﹁白坂君、君は確か真剣を持っているらしいな﹂ 71 はもう仲間なのか。 ﹁烏間先生、これは ﹂ 急いで、すぐ近くにいた烏間先生に話を聞いた。 ﹁白坂君か。すまない。止めることはできなかった﹂ ﹁良いんです。烏間先生も止めようとしたんでしょ﹂ ﹁白坂君、君もいくのですかって、その刀はなんですか ﹂ 殺せんせーは盛大に驚いていた。 ﹁二つとも名刀ではないですか そう言って鷹岡の所まで歩いていった。 血筋なんですから、半分は﹂ ﹂ ひ い じ い ﹁大丈夫です、殺せんせー、それに烏間先生。もう、覚悟はできています。元々そう言う ﹁ですが、生徒にこんなことさせられません﹂ 二つの名刀は煌めく。 から買い取ったらしいよ、一本はね﹂ ﹁まあ、ね。もともと、ご先祖様が持っていたものだからね。其を俺の曾祖父ちゃんが国 ! ! ! ﹁烏間先生とイリーナ先生には話していませんでしたね﹂ ﹁元々そう言う血筋とはどういう事だ﹂ 八限目 72 ﹁なによ、あのガキはそこまでスゴい血筋なの﹂ 殺せんせーはその問に頷いた。 ﹂ ! ﹂ ! ﹁お前、一体何人叩いた﹂ 俺は鷹岡の腕を掴んでいた。桃花がぶたれる前に。 ﹁紅君 ﹁ああ、お前は確か﹂ ﹁おい、そこまでにしろよ﹂ 矢田さんが叩かれる寸前、その手は捕まれた。 ﹁おい、今なんって言った。父ちゃんの前で他の男の名前を口にするな﹂ ﹁もう無理、烏間先生﹂ ﹁おい、どうした。まだ、訓練は終わってないぞ 殺せんせーから発せられた言葉に烏間先生とイリーナ先生は戦慄する。 ﹁彼は今その血筋を制御しています。そして、その血筋とは⋮⋮﹂ ﹁一体どういう血筋なんだ﹂ 殺せんせーは白坂の後ろ姿を見ながら話した。 な血筋でした。いえ、不思議ではなく、凶悪な血筋でしょうか﹂ ﹁彼はといっても母親の血筋らしく、もう母方の親戚いないようですが。とある、不思議 73 ﹁父ちゃんに生意気な口をきくなお前は﹂ その言葉を無視して、桃花に向き直る。 ﹁桃花、こいつにぶたれたのは誰だ﹂ ﹁えっと、神崎さん、前原くん。渚くんが危なかった﹂ ﹂﹂﹂ 潮田の方を見ると悔しそうな顔をしていた。 ﹁そうか、ありがとう﹂ ﹁﹁﹁ ﹁なにを言っている。お前みたいのがまるで俺に勝てるかのようじゃないか﹂ ﹁おい、あんた覚悟はいいか。仲間を傷付けたことを後悔する覚悟は﹂ さあ、久々に使うか。 潮田を慰めた後、鷹岡に向き直る。 ﹁いいよ、今回は少し運が悪かっただけだ。本当ならお前が勝ってたよ﹂ ﹁うん、ごめん。守れなかった﹂ 一瞬で潮田の位置まで行くと驚いた表情をする。 ﹁潮田、頑張ったな。才能は開花したみたいだけど少し遅かったか﹂ !? 鷹岡の表情が歪む。バカにされたと勘違いしているようだ。 ﹁ああ、勝てるさ。さあ、武器を取れよ﹂ 八限目 74 ﹁ふざけるなよ いいぞ。そこのチビみたいに泣いて謝らせてやる﹂ 違 う だ ろ。こ い つ は 泣 い て な ん か な い。お 前 に 勇 敢 に 戦 っ た 暗 殺 者 ﹁ああ、取ったぜ。さあ、教育してやるよ れば全て終わるから﹂ ﹁ど、どういう事だよ ﹂ 手をかけておいた一本の刀を抜く。 ﹁見ればわかるさ﹂ ﹂ ! ! ﹁さあ、覚悟はいいか。お前が相手するのは最凶の血筋だぞ ﹂ ﹁これから俺は俺でなくなる。だから、もしもの時は殺せんせーを呼んでくれ。そうす クラスメイトであり、これから俺を拒絶するだろう仲間に話しておかないとな。 ﹁安心しろ。全部峰打ちで終わらせてやるよ。それと⋮⋮﹂ この血に頼るのは本当は嫌なんだけどな。 ! ﹁さぁ、武器はとったか﹂ クラスの連中は俺の言葉を聞き、距離をとった。 ﹁すこし、離れてくれるか。巻き込みたくない﹂ そう言って、片方の刀に手をかける。 だ。俺とは違うな﹂ ﹁潮 田 が 泣 い た ! ? 75 ﹁なに、訳のわからないこといってやがる ﹂ ﹁無音流 刀剣円舞﹂ ﹁な、に 最 凶 ﹂ 本物のナイフを持って俺の事を襲いかかる。そのスピードは遅く感じた。 ! ! 渚sideend どうしたんだい 紅君。 ﹁渚、なんだか怖いよ。⋮⋮今の白坂君﹂ そう、そこにいるのはいつもの紅君じゃないみたいだった。 ﹁というか、なんだか雰囲気変わってないか﹂ ﹁杉野君、ううん、見えなかったよ﹂ ﹁おい、渚。見えたか今の﹂ 見えなかった。紅君がなにをしたのかまったく。 渚side ああ、目を醒まさせた。俺の殺人衝動が。 ﹁そんなものかよ⋮⋮﹂ 遅い、遅すぎる。 ! ﹁⋮⋮茅野﹂ 八限目 76 なにをしたっ ﹂ ﹁どうした、そんなものかよ﹂ ﹁お前 ﹁があ なんなんだよ﹂ ﹁うるさい。無音流 白桜・惨﹂ ! ! そのまま永遠に型を放つ。 ﹁⋮や、⋮⋮め﹂ それ以上はよせ 白坂 ! ﹁無音流 螺旋突き、乱刀斬り風﹂ ﹁や、め⋮﹂ ﹁旋風迅雷﹂ ﹁やめ⋮⋮﹂ ﹁無音流 烈風鎌鼬﹂ ああ、本格的にヤバイかも。 ﹁楽しいなぁ﹂ ﹁や、やめ⋮⋮﹂ 次々と型を放つ。ああ、なんだろ。 ﹁無音流 龍華・乱、乱華一閃﹂ ! ﹁や、やめろ ﹂ ! ! 77 ﹁磯貝の言うとおりだ。やめろ ああ、うるさいなぁ。 ﹁﹁なっ ﹂﹂ ﹂ ﹁黙っててよ。今、楽しんでんだからさ﹂ ! あはははは﹂ ! ﹂ ! ﹁そう言えば、殺せんせーをもしもの時は呼べって﹂ ﹁無音流 旋風螺旋﹂ さらに技を放つ。 ﹁このままだと。ヤバイぞ ﹁ひどい、ここまでするなんて﹂ その様子をみて殆ど生徒が目を覆う。 E組side ﹁いいね、その悲鳴最高だよ 俺は見事に鷹岡の指二本を切断した。 ﹁ぎゃあああああああああ﹂ ﹁無音流 一刀乱舞﹂ ! 白坂はあれからずっと技を放ち続けている。 ﹁それじゃあ、急ぐぞ﹂ 八限目 78 ﹁元々は俺達があいつの本性を見破れなかったのが原因なんだ。これ以上 せるな﹂ 白坂にヤら ! こうして、足に自信のある生徒たちは急いで職員室にいるであろう、殺せんせーの元 へと向かってのであった。 E組sideend 何聞こえないや﹂ ? 俺の意識はそこで途切れた。 ﹁そこまでです、白坂君。少し手荒でありますが許してください﹂ 奥義が放たれたらた瞬間誰かに阻まれたような気がした。 ﹁無音流奥義一ノ型 絶刀・紅桜﹂ 刀を鞘に収めて抜刀の構えをとる。 ﹁もういいや、あんた死になよ﹂ はぁ、なんだかつまらなくなってきたな。 ﹁ぎゃあああああああ﹂ ﹁え ﹁や⋮⋮やめ⋮⋮やめて⋮⋮くだ﹂ ﹁どうした、最初の威勢はどこにいったんですかぁー﹂ 79 九時限目 渚side あのあと殺せんせーが来て紅君を止めてくれた。その紅君は今は病室で眠っている ようだ。 ﹁それにしても、白坂の奴の代わりようはすごかったな﹂ ﹁うん、そうだね﹂ ﹁へぇ、そんなにすごかったんだ﹂ 紅君が病院に搬送された後、鷹岡先生も別の病院に搬送された。話によると両足の筋 ﹁そう言えば、業君はいなかったもんね。知らないか﹂ 肉が斬り刻まれていて、腕も同様でもう二度と歩いたり、物を掴めない体になってし まったらしい。 ﹁神崎さんや矢田さん、倉橋さんはショックだったろうね﹂ 少なくとも、三人は紅君に好意を持っていたはずだしこれのせいでそれがなくなって しまったかもしれない。 ﹁皆さん、席についてください﹂ 九時限目 80 ﹁﹁﹁あの、殺せんせー。話があります﹂﹂﹂ ﹁目が覚めたかい﹂ ﹁ここは﹂ 目を覚ますと、見知らぬ天井があった。 渚sideend そう言っていつも通り、授業が始まった。 らも準備がありますから﹂ ﹁そうですか。わかりました。ですが、話すのは今日ではなく明日にしましょう。こち 殺せんせーの問に皆が少し考える。そして、皆で頷いた。 ﹁そうですか、皆さんもその話を聞きたいですか﹂ 殺せんせーはそのまま下を向いてしまった。 ﹁私たちは紅君がどうしてあんな風になってしまったのかを知りたいんです﹂ ﹁違うよ、殺せんせー﹂ ﹁病状は⋮⋮﹂ ﹁紅君の事を話してくだはい﹂ 三人が同時に殺せんせーに話しかけた。 ﹁どうしました、神崎さん、矢田さん、倉橋さん﹂ 81 そこには、烏間先生がいた。 ﹁烏間先生、とりあえずこの手錠とかはずしてもらって良いですか。もう、大丈夫ですか ら﹂ ﹁そうか、わかった﹂ 手錠等が外され、手首や手等を動かす。うん、異常なし。 ﹁聞きたいことは山ほどあるが。それは明日話すことになっているが、大丈夫なのか﹂ ﹁大丈夫ですよ、誰がどんな反応をとっても興味ないですから﹂ そう言って烏間先生は去っていった。 ﹁そうか⋮⋮﹂ 翌日、無事退院でき、学校へ向かう途中車が目の前に止まった。 ﹁久しぶりね、紅﹂ ﹁どうして、ここにいるんだよ﹂ ﹁まぁ、良いから乗りなさい。私たちも今から貴方の学校に行くから﹂ ﹁わかった﹂ そう言って車に乗った。 母さん、父さん﹂ 三十分後。無事に到着した。 ﹁それでなんで日本にいるの ? 九時限目 82 ﹁良いじゃないか別に﹂ 優那﹂ ! ﹁ええ、そうよ。貴方が昨日連絡してきた殺せんせーね﹂ 触手の先には内の両親がいた。 ﹁そうですか。それでそちらがご両親ですね﹂ ﹁あの、血を使った後だと治りが早いんですよ﹂ ﹁にゅにゃ、紅君もう目が覚めたのですか﹂ ﹁失礼します。殺せんせーいますか﹂ まったく、何やってんだか。 ﹁早くしろよ﹂ ﹁待ちなさい、紅﹂ ﹁待ってくれ、紅﹂ 二人を置いて、職員室へと向かった。 ﹁イチャつかなくていいから。行くよ﹂ ﹁ちょっと、酷くない ﹁まぁ弘毅がどうなろうと興味ないけどやめておいてね。車が汚れるわ﹂ 烏間先生が病室に置いてくれた二本の刀の内の一本、昨日鷹岡に使った刀である。 ﹁父さん、千人斬で切り落とすよその首﹂ 83 ﹁まさか、本当に実在するとはな﹂ 両親は感慨深く先生を見るが ﹁でも、興味ないわね﹂ ﹁俺も飽きたわ﹂ この通りである。 ﹁紅君のお母様はお若いですね﹂ ﹁見た目は若いけど、実年齢四十代手前ですよ﹂ ﹁そうですか、それで昨日話した通りなんですが。大丈夫でしょうか﹂ ﹁ええ良いわよ﹂ 何やら、先生は家の両親に何か頼み事をしたようだ。 ﹁俺も大丈夫だ﹂ ﹁それでは、行きましょう。紅君も一緒に来て下さい﹂ 先生の後に着いていくけどそこは教室だった。 ﹁了解﹂ ビッチ先生が殺せんせーに食って掛かる。 ﹁それで何で私も呼ばれたのよ﹂ ﹁皆さん、集まっていますね。烏間先生とイリーナ先生もいるようですね﹂ 九時限目 84 ﹁それはね、イリーナ。私が頼んだのよ﹂ ユウナ、なんでここに⋮⋮﹂ ﹁なっ ! なんだ知り合いなのか ﹂﹂﹂ ! そこで殺せんせーが咳払いをする。 いませんでしたよ﹂ ﹁ええ、そうですよ。まさか、あんたが過去に母さんに返り討ちに合わされた人だとは思 ﹁あんた、息子だったの﹂ そう言って俺の肩に手を置く。 ﹁息子について話に来ただけよ﹂ ﹁それで、どうして今日はここに﹂ ﹁うふふ、少し調きょ﹁違うだろ﹂少し仕返ししただけよ﹂ ﹁ええ、私が唯一暗殺に失敗して逆に返り討ちに合わせた人物よ﹂ ﹁イリーナ、知り合いなのか﹂ ? ﹁﹁﹁あの、ビッチ先生が様付けした ﹁ユウナ様、今日はどう言ったことで﹂ 母さんが首を傾げるとビッチ先生は慌てて言い直した。 ﹂ ﹁優那 ? 85 ﹁話はそこまでで﹂ ﹁烏間、もう少しまともな人間いなかったのか﹂ ﹁すまない、弘毅。こっちのミスだ﹂ ﹁知り合いなのね。話の続きどうぞ、殺せんせー﹂ すると、空気が変わった。皆が真剣そのものだった。 ﹁ありがとうございます、白坂君。それで話と言うのは白坂君の事です﹂ ﹁先生はある程度君から話は聞いています。ですが、クラスの皆さんは聞いてしません。 仲間だと認識したのなら話しても良いと思いますよ﹂ そうだな⋮⋮。仲間だと認識したのなら話すべきか。 ﹁そうですね、話しましょうか﹂ ﹁じゃあ、説明は同じ血筋である私からしましょうか﹂ ﹁それを聞いて拒絶するかは決めてくれ﹂ さあ、母さんから話されるのは全ての原点だ。 ﹁それじゃあ、話すわね。私の家はねある特殊な血を受け継いできたのよ。私はその血 を完全にコントロールしてるけど紅はまだ、できてないわ﹂ ﹁そうね、ある意味では誰しもがもっていて誰しもがそれを弱く抱いているわ。これは ﹁その特殊な血筋って一体なんなんですか﹂ 九時限目 86 あくまでも私や紅からみた視点でよ﹂ その言葉に誰が眉唾を飲んだ。 しくなった。 ! ﹁ちょっと待ってくれよ その字からだと女にしかそれは受け継がれなかったんだろ なのに何で白坂がそれをもってるんだよ﹂ ! 母の覚醒遺伝が原因よ﹂ ﹁それはね、坊や。私は衝動が少し人の2,5倍強かっただけってことと、母方である祖 ! その言葉に誰しもが言葉を無くした。黒板に書かれてる字は異様なものなのだから。 ﹁殺人衝動、しかも私たちの場合は先祖から続く殺人姫の一族なのよ﹂ 皆、拒絶するだろうな、恐れるだろうな。 ﹁そうね、そろそろ話しましょうか。それはね⋮⋮﹂ ﹁それで一体どういう血筋なんだよ その血筋って﹂ その言葉は真実である。俺はその日を境に関心や好奇心、興味を持つと言うことが難 はそういった感情が徐々に無くなっていくのよ﹂ ﹁それはあくまでも副作用いえ、後遺症と呼んだ方が良いかもしれないわね。紅の場合 ﹁それって確か白坂が周りに関心を無くしたときと同じ年だよな﹂ ﹁目醒めるトリガーは、人によってよ。紅は小学生になったときかしら﹂ 87 覚醒遺伝、親になくとも祖父母や先祖等の特徴が次世代に表れる遺伝の事。俺の場合 は女ではなくとも遺伝している。 人よりも凶悪で尚且つ残酷な人殺しができるわ﹂ ﹁しかも私と紅はその殺人の姫の直系の子孫なの。今は私と紅しかいないけど、だから それは紛れもない事実であり、その姫の血が流れている。 ﹁じゃあ、あの時俺達が見たものはその殺人姫の血が目醒めた状態の白坂なのか﹂ ﹁いえ、本格的な覚醒ではないわ。だってそれだと貴方達は生きてないもの﹂ ﹂﹂﹂ 忌まわしき血なのだもの﹂ ﹁この血が本当の意味で覚醒したら貴方達は生きていないわ。あれは無差別に人を殺す 父さんも面白がってるな。 ﹁紅は黙ってようか﹂ ﹁母さん余計なことは﹂ おい、余計なことを。 ﹁﹁﹁え ? ﹁人為的に抑えていたのよ。貴方達を殺さないようにね。だから、烏間や家の旦那の同 母さんはニヤッと笑みを浮かべる。 ﹁それってつまり﹂ 九時限目 88 僚である鷹岡だったかしら そいつも生きているのよ。まあ、用はあんたらを傷付けな くそ、黙ってたのにこうも人の思考を詠めるなんて化物め。 いために手加減していたのよ﹂ ? ﹁そうだな、烏間。後で飲もうぜ﹂ ﹁ああ、暇なときな﹂ あの烏間先生が笑顔で答えただと ﹂ ? ﹂﹂﹂ ! ﹁じゃあ⋮⋮﹂ 息を揃えてそういってきた。 ﹁﹁﹁拒絶なんてしないよ すると有希子と桃花、陽菜乃は立ち上がり。 ﹁は ﹁それなら安心して平気だと思いますよ﹂ その言葉を聞いて殺せんせーは触手を気持ち悪く動かす。 かは皆次第だ﹂ ﹁特にはないよ。母さんが話したことは事実だしね。後は皆が俺を拒絶するか、恐れる ﹁それで白坂君、君から話はないのですか﹂ ! ﹁それじゃあ、そう言うわけだから。私達は失礼するわね。仕事柄あるし﹂ 89 ﹁﹁﹁恐れもしないよ 何でだ ﹂﹂﹂ ﹂ ? ﹂ ? ! ﹁赤羽、お前はいなかったろ﹂ 律まで何かっていやがる。 ﹂ ねぇ、殺せんせー﹂ ﹁それでもだよ、紅君はさ俺たちを守るためにその血の力を使ったんでしょ この血はけして喜ばれるような血ではない。 ﹁速水さん、なら何で拒絶も恐れもしないんだ ﹁恐くないのかって聞かれたらそれは恐いわよ﹂ ﹁中村さん、そう言う意味じゃなくてな﹂ ﹁殺人姫だって、そんなの殺せんせーや律に比べたら可愛いもんじゃん﹂ 言っちゃ悪いが俺は⋮⋮。 ﹁潮田まで。どうしてだ ﹁そうだね、僕も拒絶しないし恐れないよ﹂ ! ﹁そうですね、私や殺せんせーに比べたら可愛いものですよ ? ? ﹁片岡さん、それだと手入れされるのが嫌だから渋々受け入れたって聞こえますが﹂ るわ﹂ ﹁だいたい、そんなんで私たちが貴方を拒絶したりしてたら、殺せんせーに手入れされて 九時限目 90 手入れなんかされなくても私達は受け入れるって言ってるの ! なんか怖いぞ。 ﹂ ﹁そうじゃないわよ かる ! おお ! わ ! なんか磯貝がイケメンだ ﹂ ! ﹂﹂﹂ ! ﹁わかった降参。これ以上はこっちがバカみていだ。こんな殺人姫の末裔だが、よろし はぁ、なんかこっちがバカみたいだな。 ﹁でも、それは比喩だってわかった。それだけで充分だよ﹂ ﹁私たちの事なんとも思ってないんじゃないかって﹂ ﹁そうそう、あのときは結構嬉しかったんだぜ﹂ ﹁最初にお前が言ったんだぜ。仲間だって﹂ おお、スゲー迫力。 ﹁﹁﹁仲間 この問に見事に全員が同じ答えを口にした。 たら俺はなんなんだよ﹂ ﹁はぁ、わかったよ。お前達は俺を拒絶もしなければ恐れもしないなら、お前たちからし ! るために使ったなら拒絶するのは間違ってるじゃないか ﹁そうだぜ、俺達は結局誰一人逆らえずにしたがっていただけだ。そんな俺たちを助け 91 く頼む﹂ ﹂﹂﹂ ! 気がした。 こうして、俺とクラスの極一部の奴等って言っても寺坂以外との絆は深まったような ﹁﹁﹁こちらこそ 九時限目 92 十時限目 あれからは普通の日常に戻った。唯一変わったことと言えば⋮⋮。 ﹁それにしても、暑いな﹂ そう言うとなんだか明るくなるのである。 ﹁何言ってるの。放課後はお前と話す方が多いだろう﹂ ﹁わかっておりますが、私だけ会話の回数が少ないので﹂ レたら俺が烏間先生に怒られるんだぞ﹂ ﹁はぁ、わかったから。携帯から話しかけないでくれ。本体であるお前がきてるってバ この律がよく絡むようになった。律のやつ、携帯端末にまでくる始末だ。 ﹁紅君、放課後は私、律が勉強をみて差し上げます﹂ ようとしてくる。さらに⋮。 この有希子、桃花、陽菜乃がすごくやる気とかが出てることと、めっちゃ距離を縮め ﹁桃花や神崎さんみたいにお願いします﹂ ﹁私もお願い﹂ ﹁紅君、もっとナイフの訓練つけて﹂ 93 ﹂ ﹁そうだね、プールが明日から始まるけど新校舎までの道のりが大変だよ﹂ ﹁潮田、また殺気がもれてるぞ ﹂ ! ﹂ ! ﹂ ! ﹁手加減してやれよ﹂ ﹁弱いな﹂ 乱打の突きをまともに全て受けた杉野は倒れた。 ﹁津雲流 扇歌乱れ突き ﹁やってみなければわからないだろ ﹁杉野、お前は確かに強くなった。でも、俺には勝てない﹂ ﹁渚、大丈夫だ。俺が敵をとってやる﹂ 俺が参ったって言うまでやり続けた。 そうそう、律が絡んでくる理由は将棋で負けたからだ。その後はすごかったけどな。 ﹁油断大敵だ﹂ ﹁もうちょっとなのになぁ﹂ 対先生用の刀が潮田を襲う。 ﹁うわっ ! ﹁え ﹂ ﹁前原、次はお前の番だぞ﹂ 十時限目 94 ? 何、自分は関係ありませんって顔してるんだ ? ﹁磯貝 早く来てくれ ﹂ ﹁二人で白坂をぶっ倒す ﹂ 磯貝は前原に呼ばれ直ぐに駆けつけた。イケメンだ ! でも 二人は敢えなく倒れる。 ﹁まだまだだね。無音二刀流 双刃 ﹁何で勝てないんだよ﹂ ﹁ここまで力の差があるなんて﹂ ﹁手加減してるぞ﹂ その言葉に二人して笑っていた。 ﹂ その言葉に顔を青くして逃げようとする二人を捕まえる。 ﹁さぁ、まだまだ行けるよな。笑ってる余裕があるなら﹂ ! ! 交互に俺にナイフによる攻撃か、息もあってて上手いな。 ﹁こいよ﹂ ﹁わかった。それじゃあ、行くぞ白坂﹂ ! ! ! ﹁行くぞ、ああ。磯貝も呼んでいいぞ。烏間先生みたく二人で相手してやるよ﹂ 95 ﹂ ﹁大丈夫、一刀流だから﹂ ﹁な、なら平気か﹂ ﹁﹁ぐはっ ﹂﹂ ﹁飛天御剣流 龍巻閃・凩、龍昇閃﹂ さあて、やる気だしたみたいだし模倣の流儀でいきますか。 ﹁ああ、今度こそ倒す ! ﹂ ! その言葉を聞くと、少し身を引く有希子、陽菜乃、桃花。 つかったらさいやく妊娠とか出来ない体になるよ﹂ ﹁無理だ。いつぞやに言った気がするけど、女性と男性は骨格が微妙に違うんだ。俺の ﹁ねえ、紅君。私達に流派を﹂ まあ、この流派はそこまで使えないんだけどな。 ﹁しかも本当に殺す気で打ってきやがった﹂ ﹁速すぎだろ ﹁神速殺人剣術。どうだその身に受けた感想は﹂ 敢えなく負けた。 ! ﹁﹁﹁ ﹂﹂﹂ ﹁後で、女性用の剣術考えておくから今は我慢してくれ﹂ 十時限目 96 !? ﹂ 嬉かっのか、ハイタッチを交わしている三人。本当に考えておかないとな。 ﹁俺達には無いのかよ ﹂﹂﹂ ﹁お前達は見て盗め﹂ ﹁﹁﹁鬼畜だ ﹁水の中なら私の十八番よ﹂ ﹁そうですか。それにしても、片岡さんは泳ぎが速いですね﹂ それは昭和流行りの水着だった。 ﹁そうでもないんですよ。この先生用水着を来ていれば﹂ ﹁でも、水に弱いのによくさわれたな﹂ ﹁先生に掛かれば一日なんてお手の物ですよ﹂ ﹁それにしても、よく作れたな﹂ まあ、男子陣は飛び込んだ。俺はゆっくり浸かった。 ﹁作るのに一日かかりましたが、さぁ、皆さん後は水着になれば飛び込むだけです﹂ で入れるプールになっていた。 さあ、今俺達は元々小さな沢があった場所にいる。元々というのは今は三十人が余裕 ﹁さあ、着きましたよ。E組専用のプールです﹂ この後は永遠に俺との試合を仕入れられた男子達であった。 ! ! 97 ﹁さすがイケめぐ ﹂ ﹂ ﹂ 桃花が何か訳のわからないことを口走った。 ! イケメンな片岡めぐで、イケめぐ ﹁イケめぐ ﹁そう ! ? ﹂ そんな驚くことか ﹁え ﹁ふーん、ぴったりな渾名だな﹂ ﹁ちょっと、余計なことは言わなくていいから。﹂ ! ︶﹄ ! ﹂﹂﹂ ! うーん、俺の気のせいか。 ﹁﹁﹁気のせいだよ ﹁誰かと言うかほぼ全員から不愉快な事を思われたぞ﹂ ん、何か殺意がわいてきたぞ。 ﹃︵でた天然女たらし ﹁そ、そうかな。ありがとう﹂ とぴったりな渾名だと思うぞ﹂ ﹁いや、だって片岡さんってさ。男女問わず優しいし面倒見はいいしそういった意味だ ? ? ﹁めぐ、ダメだからね﹂ 十時限目 98 ﹁そうだよ これ以上はさすがに﹂ ! ﹁良いですね。それで参加者は﹂ ﹂ ﹁俺と杉野、前原、岡島後、先生﹂ ﹁わかりました、載りましょう なにやら、不穏な空気が流れ出したぞ。 ﹁ああ、楽しかった﹂ ﹁そうだな。俺は何やら不穏な空気を感じたよ﹂ あそこにいるのは茅野さんと片岡さんと誰だ 潮田よ、慰めるならきちんとしてくれ。 ﹁あ、あははは。ドンマイ紅君﹂ ﹁ん ﹁ちょっと、業君 ﹂ ﹂ ! ? ! ﹁んー、わからないな。近くに行ってみよう﹂ ? ﹁あ、おい二人とも ! ﹂ ﹁ねえねえ、殺せんせー。白坂が何人女子をおとすかかけませんか﹂ なにやら、あそこで会話してるけど何してるんだ。 ﹁神崎さんはこう言ってるけど﹂ ﹁私は別にいいと思うけど﹂ 99 こうして、俺と潮田、赤羽は茅野さんの元へと向かった。 ﹁おーい、茅野。片岡さんどうしたの﹂ ﹂ ﹁あ、渚。なんだかめぐ脅されてた﹂ ﹁脅されてた ﹁それで ﹂ ﹁私が昔、泳ぎを教えてたのよその子に。それで⋮﹂ ﹁その、聞いちゃ悪いが殺しかけたって言うのはどういう事なんだ﹂ ﹁そうなんだ、見られてたんだ﹂ そして、翌日。 本人が話すかは別問題だがな。 ﹁うーん、それだけじゃ分からないから明日本人に聞いてみないと﹂ ﹁うん、私を殺しかけた癖にって﹂ ? ﹁その子が海に行ったみたいなんだけどそのときに溺れちゃったみたいで、それで﹂ 何処か後悔している目だった。 ? はぁ、何通か。 ﹁⋮⋮うん﹂ ﹁それをあんたのせいにしたわけか﹂ 十時限目 100 ﹁責任感が強いのはいいけど、それで自分の首を絞めてたら意味ないぞ﹂ ﹂ ! ﹁でも、どうやって⋮⋮﹂ ﹁こう言うときこそ、担任の出番だよな殺せんせー 危ないじゃないですか 千人斬を窓の方に向けて抜刀すると。 ﹁にゅにゃ ! ﹁こそこそ、盗み聞きとはいい度胸ですね﹂ ! ﹂ ﹁だったら、あいつの水嫌いを治させて。スッキリしようぜ﹂ 首を横にふる片岡さんを見て、更に言葉をかける。 ﹁白坂君⋮﹂ 面倒を見るつもりか﹂ ﹁お前は一生あいつの面倒を見るつもりか。この事をこの先ずっとあいつに言われて、 はぁ、ここまでだと。 は責任も後悔を感じるわ﹂ ﹁そうもいかないよ。だって、あの子あれ以来水が怖いみたいなのよ。教えた側として 招いた結果だ。あんたが後悔する義理もなければ、責任を感じる義理もない﹂ ﹁謝らなくていい。そして、その子が溺れたのもあんたのせいじゃない、その子の慢心が ﹁ごめん﹂ 101 ﹁待ってください それはヤバイのでやめてください ﹂ ! ﹁案外、うまく行くもんなんだな﹂ 指導のもと克服できたようだ。 まぁ、結果だけ言っとくよ。成功した。何とか水に対する恐怖感を片岡さんの泳ぎの ﹁それでは、今夜決行です﹂ 睨んでくるなよ。事実だろ。 ﹁大事なのか、泳げないのに﹂ ﹁わ、私も手伝うよ﹂ ﹁うん、僕も手伝うよ﹂ ﹁いいね、それならうまくいきそうだな﹂ なるほどね、相手の睡眠を利用するって訳か。 ﹁そうですね、こんな作戦はどうでしょうか﹂ ﹁それで話を聞いてて何か対策は想いつきましたか﹂ ここまで、慌てる殺せんせーも新鮮だな。 ! 俺はそう言って頭を撫でてやった。 ﹁これからは誰かに相談するんだな﹂ ﹁そうね、私も責任感を一人で背負いすぎたのかもしれないわ﹂ 十時限目 102 ﹁あ、あの私も貴方に剣術を習っていいかしら﹂ 別に構わないけど﹂ ? その時黒い影がいたことには気づかずに。 ﹁これで岡島の賭けは敗けだな﹂ そう言うと明るい顔で頷いた。 ﹁うん 103
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