水道事業ガイドライン業務指標試算結果について 1 水道事業ガイドラインの概要 水道事業ガイドラインは、水道事業の内容を数値化し、客観的かつ定量的 に表す指標として日本水道協会により平成 17 年 1 月に制定されたものです。 ガイドラインの目標については、厚生労働省が平成 16 年 6 月に発表した国 の水道事業に係る長期ビジョンである「水道ビジョン」を踏まえ、安心、安 定、持続、環境、国際という 5 項目に、現状を明らかにする「管理」を加え た 6 項目とされています。この 6 項目の目標について、全体で 137 項目の業 務指標(PI:Performance Indicator)が設定されております。 2 公開する業務指標の対象年度 今回の試算は、平成 27 年度を対象として行いました。 3 試算結果の概要と今後の活用 本市の水道料金については、平成4年の料金改定以来、値上げを行ってい ませんが、内部努力により、経営に関する指標である「経常収支比率(3002)」、 「総収支比率(3003)」ともに 100%以上となりました。 また、職員一人当たり給水収益(3007)は 9,436 万 8 千円で前年度と比較し て 877 万 3 千円増え、引き続き職員一人当たりの生産性は高い水準を保って います。 さらに流動比率(3022)は 529.3%と高水準を維持し、自己資本構成比率 (3023)も 90.1%と高いことから、経営は安定していると言えます。 給水栓の水質管理面では、受水槽の衛生管理の不備に起因する水質問題を 解決し、良質の水道水を供給するというサービスを向上させるため、平成7 年度から3階建て建物への直結給水、平成 18 年度から直結増圧給水方式を導 入し、直結給水を推進してきたことから、直結給水率(1115)が 74.0%となっ ています。 災害対策面については、平成 8 年度から NS 形ダクタイル鋳鉄管、平成 26 年度から GX 形ダクタイル鋳鉄管を全面的に採用し、管路の更新を進めてきま した。そのため、平成 27 年度値で「管路の耐震化率(2210)」が 36.4 %、「ダ クタイル鋳鉄管・鋼管率(5102)」も 98.6%と高い数値となっています。 1,000 人あたりの「可搬ポリタンク・ポリパック保有度(2214)」についても 208.2 個となり、継続した取組の成果を示しています。 石綿セメント管については、昭和 63 年度から計画的に更新工事を進め、昭 和 63 年度末の残延長は 11 万 8,590m でしたが、平成 27 年度末には 221m とな り、更新率が 99.8%となっています。そのため、「非鉄製管路の事故割合 (5105)」は、平成 15 年度の 100km あたり事故件数 58.8 件に対し、平成 16 - 1 - 年度以降は 0 件となっています。 しかし、浄配水場や配水池については、大きな震災時には対応できないな どの課題もあります。また、「配水池清掃実施率(5002)」については、平 成 20 年度から平成 26 年度まで池洗浄、清掃ロボットによる清掃作業を実施 しておりましたが、平成 27 年度は未実施となったことから 311%となりまし た。 環境保全面では、「配水量1㎥当たり二酸化炭素排出量(4006)」が 118g ・CO2/㎥と前年度よりも改善されています。また、建設発生土、コンクリート、 アスファルトなどの「建設副産物のリサイクル率(4005)」は 100%となって います。 この試算結果については、市民の皆さまに水道事業の現況についてお知ら せするとともに、平成 20 年度に策定した「草加市水道ビジョン」に掲げた進 捗状況を判断するツールとして活用してまいります。 - 2 -
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