し べつ 女子学生への性的な暴行事件など の報道で、日本社会の根深い女性蔑 視や差別が浮き彫りになっていま す。職場での男性から女性に対する セクハラなど、身近にある女性蔑視 や差別を見つめ直し、一人ひとりが 大切にされる社会をどうつくってい くか、 街頭などで青年と考えました。 (文中は仮名、日隈広志記者) どう考える? キンシップとか何を『嫌』 と感じるかは一人ひとり違 う。だから先入観や固定観 念 で な く、 そ の 人 の 『 常 識』を調べてから接するよ うにしている。セクハラに なか は気を付けている」と話し づ ます。横沢さんは電車の中 吊り広告などにある若い女 性のグラビアなど「好んで ら ふ 見 る 」 と 言 い ま す。「 昔 か ら裸婦は芸術の対象になっ てきたし、自分はそういう る。気にし過ぎるのもどう ればいいんじゃないか」 も)芸術の一つとして捉え 絵 画 が 好 き。( グ ラ ビ ア 身近に女性に対する言動 かと思う」と言います。黒 街頭で取材に応じた男性 で「 嫌 だ 」 「おかしい」と に『これはセクハラかどう からはセクハラや痴漢、職 思 っ た 経 験 は あ り ま す か 沢さんは私生活で「友だち ―。渋谷で取材に応じたデ か』なんて気を使うことは 場で女性労働者が不遇に扱 ない。自分は飲み会とかで われる差別に対し批判が出 ザイナーの木下康介さん ( )は、職場で「女性が ばかりが採用されると木下 さ ん。「 面 白 く て 新 鮮 な 提 会社員の黒沢圭太さん ( )は「女性の友だちか ら『( 女 性 は ) み ん な 一 度 いか」と話します。 飲食店店長の横沢喜一さ 方 で、 「女性が嫌がらない 性の性欲の対象としてのみ 扱われ、もうけを上げてい は 結 婚 し て 家 事 を す る も る風俗業やグラビアなどの 性 産 業、 「性の商品化」に ていた」と言います。この ます。大学で学び、性別に 対して「ずっと嫌だと感じ ならいいのでは」という声 の」と言われ続けたといい ん( )は自身の店の女性 もありました。女性が嫌が 従業員について「化粧や容 らなければいいのでしょう 関係なく個人は能力を伸ば 性的な暴行事件が相次いで せ る と 実 感 し た 柿 本 さ ん 間、東京大学や慶応大学で は、父親から大学卒業後に 「本当に 実家に戻るように言われま い る こ と に 触 れ、 の側が『しょうがない』と う 」 と 指 摘 し ま す。「 女 性 う名でずっとあったと思 し た が、 「 私 は 子 ど も を 産 気 持 ち 悪 い。『 慣 習 』 と い んでからも働き続けたい」 と自立して生活することを 決めました。働く上で「女 問を聞きました。美術に関 大田咲さん(大学2年) 『慣習』 『当たり前』とし いることがおかしい」と言 き た ん だ と 思 う。 社 会 が 性が低賃金で働かせられて 思わされて男性に合わせて は痴漢に遭っている』と聞 わっているという斉藤歌織 う柿本さんは「奨学金を背 て隠してきた女性の被害を ようやくメディアが取り上 (2面につづく) さんあると思う」 けで女性蔑視や差別はたく 性が『嫌だ』と言わないだ て生活できるだけの賃金が げたという感じ。多くの女 欲しい」とうったえます。 ているという友だちもい 「風俗店でアルバイトをし が女性の能力を生かそうと 父親や祖父から「当たり ない」と話します。 れって女性差別じゃないの う考え方を『芸術だから』 柿本さんは学費のために いて「ない方がいいけど、 と今でも正当化されている 本気で考えているとは思え 男性の側は冗談の場合もあ で黒沢さんはセクハラにつ ?』と思っていた。そうい ほしい」と話します。一方 ない。厳しく取り締まって い う 慣 習 が あ る け ど、 『 そ 立場にいるのが現実。企業 いて心の傷が残るかもしれ 『ヌードと言えば女性』と と 言 い ま す。「 女 性 が 弱 い 安。女性が一人でも安心し します。 い た 」 と 言 い ま す。「 痴 漢 はセクハラ・パワハラ問題 あ は犯罪だし、恐怖を感じて さん(大学1年)はグラビ について「嫌だと思った」 負 っ て い る か ら 将 来 が 不 ち かん 声を上げられない友だちも ア な ど を 念 頭 に「 昔 か ら 渋谷では女性にも同じ質 ことに疑問を感じる」と話 な損失だと思う」と話しま「慣習」 で隠されてきた す。 女性の被害 しい。会社にとっても大き 由で却下されていて、おか 姿について言われたり、ス か。 案もあるのに女性という理 30 れ、企画は男性社員の提案 の責任者には男性が登用さ がっていればいいんじゃな 見が出されました。その一 枝さん(大学4年) 。「女性 され、明確な迷惑行為や犯 前のように」女性差別を受 た」と話します。女性が男 1 も女友だちと下ネタトーク 4111 発言できない立場にある」 7111 罪などはおかしいという意 けてきたと話すのは柿本紗 :111 をしているし、相手が面白 23111 と言います。プロジェクト 26111 「女性が嫌がらなけれ ばいい」? 一人ひとりが大切にされる社会に 23 22 女性蔑視・差別 「友人の間では女性に対して特に気を使うことはない けど、会社だとプライベートのことまでは知らないから また違ってくる」と話す会社員の男性( 日、渋谷) 12 11 28 隔週月曜日発行 2016年 月 日(月) 号 2980 1953年6月16日 第三種郵便物認可 シリーズ科学の目 働くことは生きること(6、7面) 暮らし破壊のTPPは廃案へ (3面) 警察権力って何? (11面)
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