煙と十分な水分摂取が膀胱が ん予防のカギといえるでしょ う。 カフェインの作用で膀胱が んを増やすコーヒーですが、 肝臓がん、子宮体がん、大腸 がんなど、多くのがんの予防 たばこの煙に含まれる発がん 大の原因は喫煙です。ただ、 膀胱︵ぼうこう︶がんの最 ーヒーをほぼ毎日飲む人で とくに、肝臓がんでは、コ てきました。 がこれまでの研究から分かっ に有効であるとみられること 物質以外にも、カフェイン、 は、男女とも肝臓がんのリス クが約半分に減少していま ヒ素、芳香族アミンなど、様 々な化学物質も膀胱がんのリ スクを高めます。 腎臓で濾過︵ろか︶された 血液中の発がん物質は膀胱に 集まり、粘膜の細胞のがん化 を促進します。 濃縮された尿が長時間膀胱 内にとどまっているとリスク が高まりますから、十分に水 分をとって発がん物質の濃度 を下げ、排尿の頻度を増やせ ばリスクを下げることができ ます。 米国人約4800人を追跡 調査した疫学研究でも、最も 水分をとっていたグループ では、 最も少ないグループ ︵1 ︵1日あたり2531㍉㍑超︶ 290㍉㍑未満︶と比べて、 膀胱がんの発症リスクは % にまで下がっていました。禁 ます。 ︵東京大学病院准教授︶ ながら、1日5杯は飲んでい 水分を十分とることを心がけ す。 私は大のコーヒー好きで、 を下げるとの研究もありま の予防にも有効で、全死亡率 コーヒーは心臓病や脳卒中 には朗報です。 したから、私のような酒飲み むと予防の効果が認められま ている人でも、コーヒーを飲 める喫煙や飲酒の習慣を持っ こうしたがんのリスクを高 いました。 リスクは5割程度低くなって う︶、咽頭、食道がんの発症 を飲む人では、口腔︵こうく 象にした調査でも、コーヒー 宮城県の約3万9千人を対 います。 予防効果はほぼ確実とされて 肝臓がんに対するコーヒーの は日本国内の半分以下など、 1世の肝臓がんによる死亡率 ジルのサンパウロ在住の日系 コーヒー大国とされるブラ ました。 は4分の1にまで低下してい む人では、肝臓がんの発症率 クは低下し、1日5杯以上飲 す。飲む量が増えるほどリス コーヒーの予防効果 イラスト・中村 久美
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