飛ばないテントウムシ - 兵庫県立農林水産技術総合センター

「飛ばないテントウムシ」でハウスイチゴの
アブラムシを抑制
【背景・目的・成果】
・ナミテントウはアブラムシ類の有力な天敵ですが、活発に飛び移動するため、ほ場に定着しにくい
欠点がありました。
・そこで、兵庫県では近畿中国四国農業研究センターが系統選抜した「飛ばないナミテントウ」を用
い、ハウスイチゴのアブラムシ防除法を確立しました。
・ 「飛ばないナミテントウ」は生物農薬として登録され、平成26年6月から販売されています。
飛ばないナミテントウの特徴
成虫
・外見は普通のテントウムシと同じだが、飛翔能力が低い系統である
ため飛ぶことができず、ほ場に定着しやすい
・成虫・幼虫ともアブラムシをよく食べる
・飛ばないナミテントウが生んだ子世代も、飛ばずにほ場に定着する
ため、長期の防除効果が期待できる
飛ばないナミテントウの使用方法
①
②
③
2齢幼虫
・専用容器(①)に2齢幼虫200頭がオガクズと共に入っている(②)
・容器を軽く振り、側面の穴から幼虫を放飼する(③)
施設イチゴほ場におけるアブラムシ防除の実証例
デンプン液剤散布
※適宜デンプン液剤を散布しアブラムシを防除
飛ばないナミテントウ放飼
主成分のデンプンが
アブラムシを覆い窒息
させる環境と天敵にや
さしい気門封鎖剤
ポイント
ポイント
アブラムシ密度が
高いので、気門封
鎖剤で密度を低下
させ追加放飼
成虫になったナミテントウがいた
ので、気門封鎖剤のみの散布で
その後のアブラムシ密度が抑制
ポイント
飛ばないテントウ
ムシのみでアブラ
ムシを長期抑制
飛ばないナミテントウ放飼と気門封鎖剤(デンプン液剤等)でアブラムシの発生をコントロール
【技術の活用】
化学合成殺虫剤に替わる防除手段として有効で、安全・安心な農産物の生産を推進できます。
兵庫県立農林水産技術総合センター
農業技術センター