疾患特異的iPS 細胞の利活用促進・難病研究加速プログラム

資料2-2
「疾患特異的 iPS 細胞の利活用促進・難病研究加速プログラム」
実施にあたっての方向性(案)
事業概要
「疾患特異的 iPS 細胞を活用した難病研究」にて構築された研究基盤やそこ
で樹立された iPS 細胞を用いた研究により疾患・創薬研究への道筋が示された。
これらの成果を最大限に活用し、疾患特異的 iPS 細胞を用いた疾患発症機構の
解明、創薬研究や予防・治療法の開発等をさらに加速させるとともに iPS 細胞
の利活用を促進することにより、iPS 細胞等研究の成果を速やかに社会に還元す
ることを目指す。
事業目的
疾患特異的 iPS 細胞を用いることで、難病等の病態解明、創薬の進展が見込
める研究をさらに加速させ、治療薬の創出を図る。
疾患特異的 iPS 細胞を用いた研究に必要な技術を広く普及させる。
iPS 細胞バンクの充実を図るとともに、より多くの研究者・企業が iPS 細胞
を利活用できる環境を整備する。
事業内容
概要
研究拠点(仮称)
高度な iPS 細胞操作技術を有する拠点
機能を活かし、病態解明・創薬研究を
推進、支援する。さらに、他事業との
連携、支援を通じて iPS 創薬の裾野拡
大に貢献する。
iPS 細胞利活用促進課題(仮称)
より多くの研究者・企業が iPS 細胞を
利活用できるように、情報公開から分
譲までスムーズな運営を行うと共に、
健常人 iPS 細胞等の充実を図る。
AMED において実施する。PS、PO を配置する。
本事業で樹立する iPS 細胞は理化学研究所バイオリソースセンターに寄託する。
※寄託する際の付随情報(品質・患者情報等)については別途規定する。
1
<研究拠点(仮称)>
1.
目標
疾患特異的 iPS 細胞を用いて疾患メカニズムを解明し、表現型解析や疾患
モデリングなど解析技術の高度化を行う。(論文数、知的財産等)
疾患特異的 iPS 細胞を活用した治療薬の創出を図るため、企業や他支援プ
ログラム等に本プログラムでの成果を導出・移行し、実用化に向けた研究
開発を推進する。(導出・移行数)
疾患特異的 iPS 細胞を用いた研究に必要な技術を広く普及させ裾野を拡大
するために必要な支援を提供する。(支援件数等)
2.
実施内容
疾患特異的 iPS 細胞の樹立・維持・分化誘導技術や病態解析技術の高度化、
効率化を行う。
疾患メカニズム解明、立体培養や複数種類の細胞を用いた病態・疾患モデ
ルの作成、分化細胞の表現型解析、他分野の応用技術(イメージングなど)
も活用した再現性のあるスクリーニング系の構築、等を行う。
構築したスクリーニング系の実証のためのスクリーニングを実施する。
疾患特異的 iPS 細胞を用いた研究に必要な技術を広く普及させるために必
要な支援の提供を行う。各臓器別・疾患別の解析技術の向上等により、基
礎研究の底上げを図り、疾患研究や創薬研究の促進に貢献する。
3.
留意事項
■対象疾患
難病等:難病1(発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立してい
ない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養
を必要とすることとなるものをいう。以下同じ。)など、遺伝子異常の関与
が考えられる疾患や疾患特異的 iPS 細胞を用いることで疾患発症機構の解
明、創薬研究が期待される疾患。
【対象疾患選定の観点】
26 年法律第 50 号)
第一条 この法律は、難病(発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していな
い希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすること
となるものをいう。以下同じ。
)の患者に対する医療その他難病に関する施策(以下「難病
の患者に対する医療等」という。)に関し必要な事項を定めることにより、難病の患者に対
する良質かつ適切な医療の確保及び難病の患者の療養生活の質の維持向上を図り、もって
国民保健の向上を図ることを目的とする。
1難病の患者に対する医療等に関する法律(平成
2
① 疾患特異的 iPS 細胞を使用することの優位性があるか。具体的には遺伝性
の要素が強い疾患や、適切な動物モデルが存在しない疾患等を優先する。
② 臓器として、最低限の分化・誘導技術が確立されているか。我が国におけ
る技術の優位性もできれば確認する。
③ 社会的ニーズ(医療ニーズ調査等を基に解析)が高いか。
④ 企業との連携、患者数や企業ニーズを考慮し、創薬に向けた具体的な戦略
を立てているか。
■企業との連携について
「連携・支援」 :分担研究機関として参加せずに秘密保持契約のもと意見交
換を行う。
「参画」
:機関間連携協定、共同研究契約等を締結し、創薬のための
基礎研究、スクリーニング系樹立、スクリーニングのための
研究を実施。AMED 委託費を配分される場合(日本に法人格
がある企業に限る)は「分担研究機関」とする。
<iPS 細胞利活用促進課題(仮称)>
1.
目標
iPS 細胞バンクに寄託された細胞に付随する情報や品質の管理を行う。
(情
報が整理された株数)
健常人 iPS 細胞等を充実させる。(樹立数)
バンク利用者数の増加を目標とする。体細胞と同様、疾患研究、創薬研究
の材料として、多くの研究者、企業が利用できるようになることを目指す。
(細胞提供件数)
2.
実施内容
■利活用促進のためのスムーズな運営
寄託されたiPS細胞の品質・患者情報等の管理を行う。
ニーズに応じて、倫理、法規制に適切に対応し、iPS細胞等の情報公開か
ら分譲を遅滞なく実施する。
■健常人iPS細胞等の作成 等
健常人iPS細胞を作成する。
iPS細胞を用いて、目的細胞や組織幹細胞ごとに分化効率のよい株の選定
等の検討を行う。
必要に応じて遺伝子改変株作成や我が国特有の疾患のiPS細胞の樹立を行
3
う。
■その他
多くの研究者・企業が利用できるように、企業やアカデミアに対し、iPS
細胞技術の移転のための技術講習等アウトリーチ活動を行う。
4