平成 28 年 12 月 21 日(水) 食中毒事件の発生について 1. 事件の探知

平成 28 年 12 月 21 日(水)
長崎市 市民健康部 生活衛生課
(長崎市保健所)
担当:食品衛生 1・2 係 西山・松田
電話:095-822-8888 内線 3051・3053
直通:095-829-1155
食中毒事件の発生について
標記の件について長崎市内の飲食店を食中毒の原因施設として決定し、行政処分したので、下
記の通りお知らせします。
1. 事件の探知
平成 28 年 12 月 19 日(月)正午頃、有症者から、「長崎市内の居酒屋で会食した 8 名中、複数名が食
中毒様症状を呈している」との届出があった。
2. 事件の概要
調査の結果、12 月 17 日(土)午後 7 時から当該施設で忘年会を開催した 1 グループ 8 名中 8 名が、12
月 18 日から 19 日にかけて嘔吐、下痢、発熱等の症状を呈していることが判明した。
生活衛生課では感染症と食中毒の両面から調査を進めていたところ、有症者 8 名と調理従事者 2 名の
便からノロウイルスが検出されたこと、有症者に他に共通食がないこと、同じ職場に嘔吐・下痢等の感染
症が発生していないことから、当該施設で提供された食事を原因とする食中毒事件であると決定し、食
品衛生法違反として営業停止処分とした。
3. 発症年月日
平成 28 年 12 月 18 日(日) 午後 7 時(初発)
平成 28 年 12 月 19 日(月) 午前 11 時(終発)
4. 症状
嘔吐、下痢、発熱等
5. 有症者の状況
有症者数:8 名
男性 5 名(22 歳~60 歳) うち受診者 4 名(入院者 0 名)
女性 3 名(24 歳~39 歳) うち受診者 3 名(入院者 0 名)
※有症者は全て快方に向かっている。
6. 原因施設(食品衛生法違反)
営 業 所 の 名 称:居食屋 ナナバンチ
営 業 所 の 所 在 地:長崎市大黒町 7 番 2 号
営 業 者 氏 名:株式会社エム 代表取締役
営 業 の 種 類:飲食店営業(居酒屋)
7. 原因食品
松本 健治
不明
ただし、原因食事は刺身、すり身揚げ、鍋物等を提供した 12 月 17 日の食事
8. 病因物質
ノロウイルスGⅡ
9. 検査・措置状況
有症者 8 名、当該施設の従業員 3 名の便等の検査を実施し、有症者 8 名と従業員(調理従事者)2
名からノロウイルスGⅡを検出し、有症者に他に共通食がないことなどから、食事を提供した当
該施設を原因施設と決定し、12 月 21 日(水)と 22 日(木)の 2 日間、食品衛生法第 6 条第 3 号違反
として営業停止処分とした。この停止期間中、事件再発防止のため従業員の衛生教育等を実施す
る。
なお、当該施設は 12 月 20 日(火)から営業を自粛している。
10. 食中毒発生状況
範囲
平成 27 年
(事件数)
(患者数)
平成 28 年(本件を含まず)
(事件数)
(患者数)
長崎市内
3件
47 名
3件
45 名
長崎県内
14 件
246 名
12 件
122 名
11. 食中毒の病因物質(ノロウイルス)について
菌の特徴
ノロウイルスによる感染症や食中毒は 11 月から 2 月に多く発生しています。
ノロウイルスは、小型の球形をしたウイルスで、少量のウイルスでもヒトの腸内で増えて、
感染してから 24 時間から 48 時間後に、下痢、嘔吐、腹痛、発熱等の症状を呈します。
一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる有効な手段です。ノロウ
イルスの汚染のおそれのある二枚貝などの食品の場合は、中心部が 85℃~90℃で 90 秒以上の加
熱が望まれます。
予防のポイント
① 手洗いの励行
ウイルスを洗い流すため、トイレの後、調理をする前には、せっけんを使い十分な手洗いを
励行しましょう。
② カキ等の二枚貝の加熱処理
できるだけ生ものの喫食を避け、食品の中心部の温度が 85℃~90℃で 90 秒以上、十分に加
熱してから食べましょう。
③ 調理器具の洗浄消毒
まな板、包丁、布巾などの調理器具は、塩素系漂白剤で消毒を行いましょう。
また、二枚貝などを取り扱った後は、必ず、十分に洗浄消毒を行いましょう。
④ 二次感染の防止
おう吐物、糞便を処理するときは、マスクと使い捨て手袋等を着用し、周りを汚染しないよ
うにしましょう。トイレの便座やドアノブなどを塩素系消毒剤で拭いてウイルスの付着を防
ぎましょう。
そして調理施設等の責任者は、下痢や嘔吐等の症状がある方を、食品を直接取り扱う作業に
従事させないようにすべきです。
また、このウイルスは下痢等の症状がなくなっても、通常では 1 週間程度、長いときには 1
ヶ月程度ウイルスの排泄が続くことがあるので、症状が改善した後も、しばらくの間は直接
食品を取り扱う作業をさせないようにすべきです。