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派 遣 研 修 《マヒドン大学》
Yukiko M orikawa
人口が多く、国内外の旅行客も多い東京都は常に輸入・新興感染症が流行する
リスクがあります。これに対応するため、東京都では人材育成の取り組みとして
海外派遣研修を実施しています。この研修は東京都の公衆衛生医師や保健師のほ
か、感染症指定医療機関や感染症診療協力医療機関の医師や看護師を、熱帯医学・
公衆衛生学で評価の高いタイのマヒドン大学に約 2 週間派遣し、座学や実習等で
学ばせるものです。
私がこの研修に参加した際には熱帯病に関する講義のほか、デング熱患者の陪
診やディスカッション、ハンセン病の患者さんの診察、鳥インフルエンザやマラ
リア、狂犬病についての詳細な講義、タイにおけるHIV対策など多くの事を学
ぶことができました。
研修を受けることでこれらの疾患への理解がすすむと共に、
日本で国内発生が無い疾患であっても、世界では多くの患者さんが発生している
マヒドン大学にて 筆者は右から 2 番目
こと、日本に持ち込まれた時への備えをしなければならないことを再認識しまし
た。
また、この研修を通じて医療機関の専門家等と交流を深め、意見交換を通して
profile
見識を深めることができたのも貴重な体験でした。
森川 雪子
2010.10 板橋区健康生きがい部予防対策課予防対策担当係長
2013.04 福祉保健局健康安全部感染症対策課
新型インフルエンザ対策担当係長
2015.04 世田谷区烏山総合支所健康づくり課長
好きな本:「高慢と偏見」
「デイビッド・コッパーフィールド」
希望者へのメッセージ
エボラ出血熱疑い患者の搬送やデング熱の国内感染など、東京都では国内
初となる事例に対応してきました。また結核をはじめ様々な感染症に対応す
る機会があり、多くの経験を積むことができるほか、研修も充実しており、公
衆衛生医としてのスキルアップをすることが出来ます。多くの人の健康を守
ることのできる公衆衛生の仕事をあなたもやってみませんか。
派 遣 研 修 《国立保健医療科学院》
Sonoko Fukai
私は今まで、保健所や都庁で、主に感染症対策、健康づくり、精神保健、母子保健、
環境保健といった業務に関わった後、1年間和光市の国立保健医療科学院で研修
生として学びました。研修では、今まで関わった分野のほか、疫学、統計学、組織
管理、医療安全、社会保障、難病対策、歯科保健等、非常に幅広く公衆衛生・保健
福祉医療分野に必要な知識を学ぶことができます。さまざまな分野についての最
新の知識を、講義だけでなく全国の自治体から集まった医師、保健師等専門職か
らなる研修生同士のグループワークを通して吸収していきます。
また、今までの業務経験の中でさらに深めて追求したいテーマについて研究す
ることもできます。そのほか、研修生がグループでフィールドに出向き、地域の
方々と課題を解決する「合同臨地訓練」というプログラムも行われます。
研修後も、研修生同士のネットワークが形成され、情報交換できるのも魅力で
す。
1年を通し、
夢中で講義やグループワーク、研究を行ってきましたが、
統計デー
タや確固たる根拠に基づき公衆衛生業務を行うことの大切さを学べたと実感して
います。
profile
深井 園子
希望者へのメッセージ
公衆衛生医師として入都後、5つの自治体と都庁の業務を経験し、医療従事
者だけでなくさまざまな分野の方との連携を通して、世界が広がり自分自身
も人間的に成長できたと感じます。また、新型インフルエンザ、放射線の健康
影響等、社会で問題となっている健康問題について取り組むこともあり、責任
とやりがいのある毎日です。
2006.07 世田谷区烏山総合支所健康づくり課保健医療担当係長
2008.04 文京区保健衛生部文京保健所予防対策課主査
2010.04 台東区健康部保健サービス課保健サービス担当係長
2012.04 福祉保健局健康安全部環境保健衛生課課務担当係長
2014.04 福祉保健局保健政策部保健政策課
(国立保健医療科学院研修派遣)
2015.04 新宿区東新宿保健センター所長
2016.04 杉並保健所保健サービス課長
趣味:映画・バレエ鑑賞
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