Nobuyuki Kobayashi 健康安全研究センターの取組 近年、西アフリカのエボラ出血熱、デング熱の国内発生、 韓国の中東呼吸器症候群(MERS)など、都民の健康を 脅かす様々な健康危機が発生しました。これらの課題に 対応するため、センターは検査体制を確保するとともに、 関係機関との連携のもと、情報の収集・解析とタイムリー な情報発信に努めています。 デングウィルス検査風景 今までで一番長い日 2009 年の新型インフルエンザ発生時、患者さんの検査結果の連絡が来るのを保健所で 待っていた時、何気なく見たテレビ画面に「○○市で都内第一号が発生」のテロップ。次 の瞬間、マスコミが保健所になだれこみ、住民からの電話が鳴りやまない状況となりま した。ようやく落ち着いたのは明けて午前3時でした。 志を維持するために 臨床医の時は、目の前の患者に相対し、結果も目に見えるものでした。公衆衛生医師は、 法・制度、行政といった臨床とは違う側面から保健・医療を見ます。それは、すぐに結果 が見えるものではありませんが、行政として長年取り組んできた事業が着実に住民の健 康向上につながる実感を得られたときは、大きな喜びです。 profile 小林 信之 2005.04.01 杉並保健所健康推進課医務担当係長 2006.04.01 杉並保健所保健予防課医務担当係長 2007.04.01 福祉保健局西多摩保健所保健対策課長 2009.04.01 八王子市保健所保健対策課長 2012.04.01 教育庁都立学校教育部学校健康推進課長 2014.04.01 福祉保健局島しょ保健所大島出張所副所長 2015.04.01 福祉保健局島しょ保健所担当部長 2016.04.01 福祉保健局健康安全研究センター健康情報解析担当部長 座右の銘:鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス Chigusa Terada 保健所とは違う視点での感染症対策 私の所属する健康危機管理情報課は、多様化する健康危機情報を収集・解析・ 発信する拠点として設置され、疫学情報担当部門は国の感染症サーベイランス事 業の中の「地方感染症情報センター」としての役割を担っています。サーベイラ ンスから得られた情報をホームページ・リーフレット・Web会議等を用いて、 都民や関係機関に公開しています。学会や雑誌、会議等での発表も多く、インフ ルエンザなどの感染症流行時期になるとマスコミからの問い合わせにも対応しま す。 また、隣接地域における感染症情報センターのネットワーク構築を目的とし、 首都圏地方感染症情報センター連絡会を立ち上げ、広域疑い事例発生時に迅速に 対応できるよう平時から連携体制を図っています。 希望者へのメッセージ 公衆衛生医師と言われても、実際に何の仕事をするのかイメージしにくく、また入都 当初は実務中心であるため、担当する業務の効果が見えにくいかもしれません。しかし 実務経験を重ねる中で、行政の立場で適切に判断し、関係機関との調整が上手く行える ようになることが、公衆衛生業務を行う上で大切なスキルになることを感じています。 東京都で公衆衛生に携わり、様々な分野の仕事を経験してみませんか。 profile 寺田 千草 2011.04.01 福祉保健局南多摩保健所保健対策課感染症対策担当係長 2013.04.01 江東区健康部保健予防課医療担当係長 2014.04.01 福祉保健局保健政策部疾病対策課課務担当係長 2015.04.01 福祉保健局健康安全研究センター健康危機管理情報課 課長代理(疫学情報担当) 趣味:ジョギング、ピクニック、果物狩り 健康安全研究センター編 18
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