2016.12.13 不登校対策コーディネーター 竹田中学校 山口律子 家庭科の裁縫の時間のこと。玉結びや玉どめがうまくできなかったり、途中で糸が絡まったり、 「○○縫いってどうするんでしたっけ?」と言ってきたり…。細かい作業や面倒くさいことも多く、 生徒が時おり「あ~もういや!」「イライラする~!」「もうせん!」etc いろいろありました。「い やになるよな~」 「めんどくさいよな~」 「まぁちょっと休んだら~」 「どこがうまくいかんの?」etc と言いながら進めてきました。ある時、突然向こうの方で「◇◇するぞ!」(よくない言葉)とい う大きな声が…。続けて私が「え~っ!」と言ったため、全体がシーンとなりました。「その言い 方どうなん?どうしたん?」と尋ねると「だって、イライラしたけん」 「じゃあ『イライラする~』 でいいんじゃない?」「あ~…」「何があったん?」「アイロンかけようと思ったら○○が邪魔した けん」とのこと。「じゃあ、 『邪魔せんで』って言えば?」「だって俺IQ低いけん」「いやいやそん なの関係ないよ。言い方変えればいいだけよ」と言うと神妙な顔をしていました。何事もなかった ようにまた全員が作業を開始。しば~らくして、その(暴言の)生徒が「あ~今日俺のことでみん なに迷惑かけたよな~」とつぶやきました。私が「いやいや、そんなことないよ~」と言うと、近 くにいた男子も「い~や、ぜんっぜん!」と言いました。その子は何となくホッとしたような表情 をしていました。何だかほのぼのとした気持ちになり、生徒たちが愛おしく思えたひと時でした。 何か出来事があった時に、それをどう解釈するか、捉えるかで、感じ方が異なることは、先日の 佐藤晋治先生のスキルアップ研修『ABC「こころの法則」』で学んだばかりですね。 A(出来事・事実)→B(「認知」捉え方・感じ方・イメージ etc)→C(感情・気持ち・行動 etc) 「認知」の仕方を変えれば感情が変わり、感情が変われば言葉や行動が変わる、ということでは ないでしょうか。生きていく上で、感情は当然ありますし、変えにくいかもしれません。「認知」 の仕方を変えることで、また、行動の仕方を変えることで、感情を変えることもできるようです。 上記の話は、生徒も私も何かしらそうしたABC理論にあてはまることだったように思います。 あなたが生徒や ~あるセミナーで提示された『よくある心のクセ』~ 保護者と話している時に ◇思い込み・決めつけ:「こんな失敗をしたら取り返しがつかない」 ◇白黒思考:「何でも完璧にできないと…」 「いつも失敗してばかり…」 そう言われたら…。 どうしますか? ◇…べき思考:「…すべきだ」「…すべきではなかったのに」 ◇自己批判:「こんなことが起きたのは私の責任」 そんな思考に ◇深読み:「あの人は私のことを困った人間だと思っている」 自分自身(教師)が ◇先読み:「きっとうまくいかない」 なっていないでしょうか? 「○さんは□だから、~しなければいけない」 「私は~と思われている」 「また、○ちゃんは~だな」 「○さんは□だから、~と思っているに違いない」「○くんは△だから、~するべきなのに」etc 物事の捉え方や解釈、言葉や行動を変えることで、悩みや困り、トラブルが解消できそうです。 「事実は変えられなくても解釈は変えられる」 「過去と他人は変えられない。自分と未来は変えられる」 今の子どもは、自分の感情をうまく表現したり、相手にうまく伝えきれないことが多いと言われ ています。言葉や伝え方、適切な表現の仕方を知らない(わかっていない)。また、ネガティブな 感情を周りの大人にうまく受け止めてもらえていないとも言われています。そんな子どもたちに、 親や教師、大人はどう関わっていけばよいのでしょうか。「行動には目的がある」とも言われてい ます。目に見えるもの(こと)だけで判断せず、見えない部分に視点をあてて考えることも大切に なってきそうです。そうしてみると生徒に対する声かけの仕方も変わってくるような気がします。
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