「エコカルティエ認証」取得報告に関する資料

平成 28 年 12 月 13 日
報道関係者各位
船橋市役所 都市計画部 都市計画課
「エコカルティエ認証」取得報告に関する資料
平成28年12月8日(現地時間)、フランスのパリで記念式典が開催され、船橋市は「ふなばし森の
シティ」地区において、フランス政府 住宅・持続的居住省が推進する「エコカルティエ認証」(環
境配慮型地区認証)を民間事業者の野村不動産株式会社とともに取得しました。
詳細は、下記にて説明申し上げます。
記
■記念式典の概要
式典日時:平成 28 年 12 月 8 日(木)午後 4 時から ※現地時間
式典場所:パリ大学 ジュシユーキャンパス
主
催:フランス政府 住宅・持続的居住省
代 表 者:・エマニュエル・コス 住宅・持続的居住大臣
・松戸 徹 船橋市長
な かい
か め ぞ う
・中井 加明三 野村不動産会長
式典内容:船橋市にエマニュエル・コス 住宅・持続的居住大臣より盾が贈られました。
エマニュエル・コス 住宅・持続的居住大臣のコメント(概略)
「国際交流の観点から本日の出席に感謝します。フランスの取り組みに
皆さんが興味を持ってもらえたものと認識します。エコカルティエ認証
は、持続的なまちづくりを行う模範的事業に与えられるもので、新たに
2018 年に 500 地区の認証を目指すこととしました。フランス政府はエコ
カルティエ認証の理念を国外にも広げるべく調査を行い、日本の「ふな
ばし森のシティ」を新しい都市モデルとして認証しました。中でも住民
参加型のまちづくりとコミュニティ重視の精神を高く評価しました。フ
ランス政府としても、船橋市の事例を確認できてとても嬉しく思います。
これからも持続可能なまちづくりを進めるよう取り組んで頂きたい。船
橋市の事例は、今後の認証を国際展開する上で重要な一歩であり、この
取組みが普遍性を持つものとして妥当であることが示されたものと考え
ています。
」
松戸徹 船橋市長のコメント(概略)
“ふなばし森のシティ”がフランス政府の推進するエコカルティエ認証
をフランス国外で初めて受けたことを大変光栄に感じています。船橋市
は、東京近郊のベッドタウンとして、交通の便がよく活力あふれ元気の
ある魅力的なまちとなっています。平成7年には環境共生まちづくり条
例を制定し、市民と環境が共生する豊かなまちづくりを進めています。
今回認証の対象となった“ふなばし森のシティ”の事業に関し、地区計
画制度を有効に活用して良好なまちづくりを誘導し、エコカルティエ認
証に至ったまちなみ環境が形成されています。市としては認証を契機と
して、エコカルティエ憲章の理念を他のまちづくりにも活かせるよう取
り組んでいきます。
」
会場内からは大きな拍手が起こりました。
※エコカルティエ憲章の 20 条と署名は、別添資料 1 を参照ください。
■主な概要
・エコカルティエ認証とは
持続可能なまちづくりによって質の高い暮らしを実現することを目的に、フランス政府住宅・持続
的居住省が推進するもので、行政、民間事業者、居住者によって行われた、持続可能なまちづくり
に対して与えられるものです。
・認証までの経緯
平成26年に国土交通省が都市・建築分野の日仏協力の一環として、フランス代表団を視察に招い
たことをきっかけに、フランス政府住宅・持続的居住省が、平成27年からフランス国外における
エコカルティエの認証制度の適用について調査を行ったところ、船橋市の“ふなばし森のシティ”
が候補に挙がりました。その後、認証取得のための審査を受けたところ、エコカルティエの全ての
認定基準を満たしていると判断されました。
・ふなばし森のシティが認証された理由
“ふなばし森のシティ”は約 1 年にわたる調査の結果、エコカルティエの全ての認定基準を満たし
ていることから認証されました。船橋市では「山手地区のまちづくり」に基づき、地区計画を定め
良好な景観を有する複合市街地の形成を民間事業者とともに行ったことや、住民主体のまちづくり
などが評価されたものと考えています。
例えば、コミュニティ育成、住民参加型のまちづくり、エネルギーマネジメントシステムなどが挙
げられます。
・開発事業者開発事業者とのビジョンの共有
工場撤退後の新たなまちづくりについて、土地所有者(旭硝子株式会社)とまちづくりのビジョン
を共有したのち、開発の枠組みを定めました。内容は、まちづくりの方向性として「新たな暮らし
を創造する核として、様々な世代のライフスタイルが展開される都市型住宅を中心として、医療・
福祉をはじめとした暮らしを支える生活サービス、コミュニティを育てる機能等の導入を図る」と
なります。
■認証に至るまでの船橋市の取り組み
平成13年に策定した「都市計画マスタープラン」では、法典地区のまちづくり方針として、山手地
区の工場跡地の土地利用転換を図るため、地区計画制度などの活用により、適正な土地利用を誘導し、
周辺環境との調和や交通ネットワークに配慮した、便利で健康的な生活をサポートするまちづくりを推
進することとしました。これを具体的に進めるため、平成21年に工場跡地のまちづくりの指針となる
「山手地区のまちづくり」を策定し、市が土地所有者と話し合いをしながら将来都市像を決めるプロセ
スを決めました。これに基づき、新船橋駅東地区地区計画を平成23年に定め、開発事業者はゆとりあ
る空間の創出やみどりの配置等に工夫を凝らした居住環境、便利で健康的な生活をサポートする機能を
整備することにより、良好な景観を有する複合市街地の形成をしました。
~事業史 概略~
平成 13 年
「都市計画マスタープラン」策定(平成 24 年改訂)
平成 19 年
「山手地区のまちづくり」に関する調査をスタート
法典地域の街のテーマは「農地の緑が息づく豊かな自然環境の中で、住・農・工が
調和し共存するまち」
。その中の「山手地区」では工場・社宅等の跡地で、住宅や
大規模商業施設への土地利用転換が進んだ。
調査の結果、街の将来ビジョンは「暮らしの創造拠点。ともに暮らす街、山手」と
なり、新船橋駅周辺については、周辺住民の「生活拠点」として、新船橋駅東地区
を複合市街地ゾーンとする。
平成 19 年
開発事業者による良好な景観を有する複合市街地づくり
新船橋駅東地区では、周辺市街地との調和や地区内の交通ネットワーク形成に配慮
し、ゆとりある空間や緑を配した居住空間と、健康的な生活を支援する機能を整備
し、良好な景観を有する複合市街地を目指した。
平成 21 年 8 月 「山手地区のまちづくり」策定(平成 24 年改訂)
平成 22 年 10 月 開発事業者 用地取得
平成 23 年 7 月 「新船橋東地区地区計画」を策定
地区計画案を船橋市都市計画審議会に付議し、千葉県知事の協議を経て正式に街づ
くりが決定。
平成 23 年 8 月 一街区・二街区 建設工事着工
平成 25 年 2 月 森のシティ街づくり協議会設立(平成 27 年 4 月、森のシティ自治会へ移行)
より安全で安心な街のために、住民と企業が話し合いを行う場として、自治振興課
が協力し、
「森のシティ街づくり協議会」を設立。
設立から 3 年間、開発事業者が運営支援を実施。
平成 25 年 3 月 タウン名を「ふなばし森のシティ」に決定
一街区・二街区入居開始
平成 26 年 7 月 工事竣工
船橋市が開発事業者に対して協議したものは、主に次のとおりです。
①良好な自然環境の保全・創出
②良好な景観の形成
③地球温暖化防止の対策
④公園への防災機能を確保
⑤新たな道路交通ネットワークの確保
⑥福祉・保育施設等の確保
⑦集会施設の設置
具体的には都市計画課、環境保全課、公園緑地課、自治振興課などが関わったことで以下が実現し、①
屋上・壁面緑化による良質な自然環境の創出、透水性舗装の積極的利用による地下水のかん養、②街並み
との調和に配慮した建物のデザインと緑の配置、③地域冷暖房や熱供給・新エネルギーの導入やカー・サ
イクルシェアの導入、居住者が積極的に節電に取り組むエコハウスの導入、④公園へのマンホールトイレ
やかまどベンチ、防災パーゴラの設置、⑤新たな道路交通ネットワーク整備による交通渋滞の解消、⑥保
健福祉センターの設置、保育園の設置、⑦集会所(クラブハウス)の設置を行いました。
また、地域住民によって行われているグリーンカーテンに対し、
「緑のカーテンコンクール」への参加
を促し、平成 25 年度に「緑のカーテンコンクール・コミュニティ賞」を受賞しました。受賞により、地
域の環境対策の取り組みに対して機運が醸成し、環境だけでなく各分野でのコミュニティの活発な活動
へとつながっていきました。
■船橋市のまちづくりが評価された主なポイント
・コミュニティ育成
平成 25 年 2 月に発足した森のシティ街づくり協議会の自治会移行に当たり、適切な助言を行うこ
とにより平成 27 年 4 月に森のシティ自治会が発足したこと。
地域住民によって行われているグリーンカーテンについて応募を呼びかけることにより、地域の
環境対策の取り組みをきっかけに、環境だけでなく各分野でコミュニティの醸成につながったこ
と。
・住民参加型のまちづくり
公園へのマンホールトイレやかまどベンチ、防災パーゴラの設置を協議して設置し、これらを活
用して全ての街区の住民が参加した防災訓練などの公共性の高い取り組みを行っていること。
・エネルギーマネジメントシステム
地域冷暖房や熱供給・新エネルギー、カー・サイクルシェアの導入、居住者が積極的に節電に取
り組むエコハウスの導入を協議し、夏季・冬季の電力使用量のピーク時間帯にコントロールでき
るシステムや、使うほど電気料金単価が高くなる仕組みにより節電を意識できるシステムなどを
取り入れていること。
・山手地区のまちづくり
土地所有者と話し合いをしながら将来都市像を決めるプロセスを決め、新船橋駅東地区地区計画
を定め、開発事業者はゆとりある空間の創出やみどりの配置等に工夫を凝らした居住環境、便利
で健康的な生活をサポートする機能を整備することにより、良好な景観を有する複合市街地を形
成したこと。
■「ふなばし森のシティ」概要
・所在地:船橋市北本町 1 丁目 811 番 2 他(東武アーバンパークライン新船橋駅周辺)
・敷地面積:17.6ha(東側開発区域 約 11.2ha+西側イオンモール 約 6.4ha)
・住宅概要:分譲マンション 1,497 戸(全 5 街区)
、戸建住宅 42 戸
以上