吹田市合流式下水道緊急改善事業事後評価(案) 説明資料 平成 28 年 12 月 吹田市 下水道部 目次 1. 合流式下水道緊急改善事業と事後評価の目的 ............................................. 1 2. 合流式下水道緊急改善計画の概要 ............................................................... 3 (1)現合流式下水道緊急改善計画の策定年度と目標年度 ...................................... 3 (2)現合流式下水道緊急改善計画の対策内容 ....................................................... 4 3.計画に位置付けられた対策施設の整備状況 ................................................... 7 4.実施した対策の評価 ................................................................................... 12 (1)評価の方針 ................................................................................................. 12 (2)対策の評価 ................................................................................................. 13 参考資料(用語の説明と主な対策施設の概要) ............................................. 19 (1)用語の説明 ................................................................................................. 19 (2)主な対策施設の概要 .................................................................................... 20 1. 合流式下水道緊急改善事業と事後評価の目的 ■合 流 式下 水 道と そ の問 題点 合流 式 下水 道 は、 雨 水を 家庭 や 工場 の 汚水 と 同一 の下 水 道管 で 流す 下 水道 で あ る 。汚 水 と 雨水 を 同時 に 整備 で きる とい う メリ ッ トが あ るた め、 比 較的 早 い段 階 に下 水道 整 備に 着 手し た大 都 市圏 を 中心 と した 全国 191 の 都 市に お いて 利用 さ れて い る方 式 であ る。 一方 で 、 雨 天 時に は 、下 水処 理 場の 処 理能 力 を超 える 未 処理 下 水 (雨 水 と 混ざ り 合い 薄 ま った 汚 水 )が 海 や川 へ 直 接放 流 され る とい う 問題 もあ り 、放 流 先で の 水質 悪化 や 水の 利 用者 に対 す る公 衆 衛生 上 の影 響が 懸 念さ れ て い る 。過 去に は 未処 理 下水 が 原因 のオ イ ルボ ー ルが 海岸 に 漂着 し 、メ デ ィア で社 会 問題 と して 取 り上 げら れ てい る 。( 下 図) 写真提供:東京都環境局 図 1 海岸に漂着したオイルボール ■ 合 流 式下 水 道緊 急 改善事 業 の 創設 国 土 交通 省 では 平 成 14 年 度 に「 合 流式 下 水道緊 急 改 善事 業 」を 創 設し、 平 成 15 年 に は下 水 道 法 施行 令 が改 正 され た 。 こ れに よ り、 未 処理下 水 の 放流 量 の減 少 と水質 の 改 善が 規 定さ れ 、 原 則、 平 成 25 年 度( 処 理 区域 面 積が 1,500ha(流 域 関連 公 共下 水 道は 5,000ha)以 上の 場 合 は 平 成 35 年 度) ま でに 対 策 する こ とが 義 務付け ら れ た。 ■ 吹 田 市の 取 り組 み 本 市 の一 部 にお い ても合 流 式 を採 用 し、 合 流式の 下 水 道が 整 備さ れ てい る 。 下 水処 理 場、 ポ ン プ 場を 市 が管 理 する南 吹 田 処理 区 、川 面 処理区 の 2 処理 区 (図 2)にお い て 、平 成 16 年 度 に 合流 式 下水 道 緊急改 善 計 画を 策 定し 、 未処理 放 流 回数 (未 処理 下 水の 放 流 回数 )、 汚濁 1 負 荷 量 (汚濁 物 質の 放 流量 )の 削 減と き ょう 雑 物( ゴ ミ )の 除 去施 設 の設置 に 対 し、 目 標値 を 定 め 、 平成 25 年度 の 完了 を 目 指し 対 策を 進 めてき た 。 ■ 事 後 評価 の 目的 合 流 式下 水 道緊 急 改善事 業 に つい て は、 事 後評価 を 実 施し 、 その 結 果を速 や か に公 表 する と と も に国 土 交通 省 に提出 す る こと が 定め ら れてい る 。 今 回 、 合流 式 下水 道 緊急改 善 事 業の 成 果を 確 認する た め に本 市 でも 事 後評 価 を 実 施す る も の で あ る。 具 体的 に は、計 画 し た事 業 が完 了 したこ と や 、 事 業 によ る 効果の 発 現 状況 等 を確 認 し 評 価す る 。 南吹田処理区 図 2 川面処理区 事後評価の対象 の 2 処理区 吹田市事業における事後評価対象区域 2 2. 合流式下水道緊急改善計画の概要 (1)現合流式下水道緊急改善計画の策定年度と目標年度 吹田 市 では 、 合流 区 域の ある 南 吹田 処 理区 ( 南吹 田下 水 処理 場 )及 び 川面 処理 区 (川 面 下 水処 理 場・ 川 園ポ ン プ場 )に お いて 、 平成 16 年 度に 平 成 25 年 度を 目 標 年度 と した 当 初の 合 流式 下 水道 緊 急改 善 計画 を策 定 した 。 その 後 、平 成 21 年 度に は 実測 値 を 基に 計 画諸 元 の見 直し を 行う と とも に 、こ れま で 実施 し てき た 対策 の効 果 を考 慮 する こ とで 対策 規 模 を 縮 小し た計 画 へと 見 直し た 。 表 1 吹田市合流式下水道緊急改善計画の策定経緯 策定年度 目標年度 当初計画 平成 16 年度 平成 25 年度 現計画 平成 21 年度 平成 25 年度 見直し内容 ・計画諸元(流入水量、流入水質、処理水質)として採用していた全体 計画値が実態と乖離していたことから、実績値を基に見直した。 ・これまで実施してきた対策(雨水沈砂池のドライ化、低水位運転)の 効果も考慮し、汚濁負荷量算定を実施した。 ⇒対策規模の縮小(より効率的な計画に見直し) なお 、 当初 計 画、 現 計画 とも に 、 目 標 は以 下 の 4 つで あ る。 【 合 流 式 下 水道 緊 急 改善計 画 の 目 標 】 ・ 汚 濁 負 荷量 の 削 減(分 流 式 下 水 道並 み の 汚濁負 荷 削 減 ) ・ 公 衆 衛 生上 の 安 全の確 保 ( 全 て の吐 口 で 放流回 数 を 半 減 ) ・ き ょ う 雑物 の 削 減(全 て の 吐 口 でき ょ う 雑物の 流 出 を 抑 制) ・ 下 水 道 法施 行 令 基準の 順 守 ( 雨 天時 の 放 流水質 BOD40mg/L 以下 を 達 成) 3 (2)現合流式下水道緊急改善計画の対策内容 現合 流 式下 水 道緊 急 改善 計画 の 概要 は 表 2の と お りで あ る。 ま た、 対 策施 設の 配 置を 表 3 に示 す 。 これ よ り 現 計 画は 、 以下 のと お りで あ る 。 ◇ 南 吹田 処 理区 、 川面 処理 区 の両 処 理区 共 に、 経済 性 、既 存 施設 利 用、 整備 期 間の 3 つ の視 点 から 、 最も 効 率的 な対 策 案を 採 用し た 。 ◇ 対 策施 設 は、 い ずれ も下 水 処理 場 、ポ ン プ場 の敷 地 内に 計 画し た 。 ◇ 南 吹田 処 理区 、 川面 処理 区 の両 処 理区 共 に合 流式 下 水道 緊 急改 善 計画 の目 標 の達 成 を 以下 の とお り 確認 し てい る。 ・ 水 質シ ミ ュレ ー ショ ン ( 数 値シ ミ ュレ ー ショ ン) に よる 対 策効 果 の検 証の 結 果、 南 吹田 処 理区 、 川面 処 理区 とも に 、汚 濁 負荷 削 減、 未処 理 放流 回 数の 半 減、 下水 道 法 施行 令 の基 準 値い ず れも 目標 の 達成 を 確認 し てい る。 ・南吹田処理区の吐口は南吹田下水処理場のみ、川面処理区の吐口は川面下水処理場、 川園 ポ ンプ 場 の 2 ヵ 所で ある 。 南吹 田 下水 処 理場 と川 面 下水 処 理 場 は スク リー ン の 目幅 縮 小、 川 園ポ ン プ場 はス ク リー ン の設 置 によ りき ょ う 雑 物 削減 対 策を 実施 し て いる 。 【 現 合 流 式 下水 道 緊 急改善 計 画 の 概 要】 ◇ 経 済 性 、既 存 施 設利用 、 整 備 期 間の 3 つ の視点 か ら 、 最 も効 率 的 な対策 案 を 採 用 ◇ 対 策 施 設は 、 い ずれも 下 水 処 理 場、 ポ ン プ場の 敷 地 内 に 計画 ◇ 対 策 の 実施 に よ って、 合 流 式 下 水道 緊 急 改善計 画 の 4 つ の目 標 が 達成で き る こ と を確 認 4 ① ① 1.40m3/s ●対策案1 ①高級処理 ②雨天時活性汚泥法 ③滞水池貯留(形式Ⅱ) ④簡易処理 ⑤未処理放流 ③ ④ 2,200m3 0.48m3/s 0.86m3/s ② 3Qs ① ① 13.29m3/s ●対策案2 ①高級処理 ②雨天時活性汚泥法 ③高性能連続処理 ④滞水池貯留(形式Ⅱ) 南吹田処理区 ⑤未処理放流 1.29m3/s 3Qs ⑤ (8.0mm/hr) ④ 2,400m3 1.45m3/s 表0.67m3/s 2 現 合 流 式 下 水 道 緊 急 改 善 (6.0mm/hr) 計 画 の 概⑤要 ③ 1.55m3/s 合流区域 の3Qs ② 南吹田下水処理場 2.95m3/s ① ① 1.40m3/s 改 善 シ ス テ ム 0.43m3/s 改善シス テム ●対策案2 ①高級処理 川面処理区 ②雨天時活性汚泥法 ③滞水池貯留(形式Ⅱ) 川面下水処理場 ④高性能連続処理 ⑤未処理放流 ③ ④ 1,800m3 0.48m3/s 0.86m3/s ② 3Qs 0.43m3/s 1.29m3/s 3Qs 川園ポンプ場 ① ① 13.29m3/s (8.0mm/hr) ●対策案3 ①高級処理 ②雨天時活性汚泥法 ③滞水池貯留(形式Ⅱ) ④未処理放流 1.45m3/s ④ ③ 4,500m3 1.55m3/s 合流区域 の3Qs ② 2.95m3/s ① ① (6.0mm/hr) ●対策案3 ①高級処理 ②最初沈殿池晴雨分離貯留 ③雨天時活性汚泥法 ④滞水池貯留(形式Ⅱ) ⑤未処理放流 ⑤ ④ 3,000m3 ② 1,600m3 ① 0.86m3/s ③ 3Qs 0.43m3/s 1.29m3/s 3Qs ●川園対策案 ①高級処理 ②雨天時活性汚泥法 ③滞水池貯留(形式Ⅱ) ④未処理放流 0.33m3/s ③ ② ① ① 1.40m3/s ④ 3.18m3/s (7.5mm/hr) 1Qs 2Qs ① 0.33m3/s 採用根拠 対策案 3 を採用 対 策 内 容 対策案 3 を採用 雨天時活性汚泥法の導入 1.55m3/s 雨天時活性汚泥法の導入 0.86 m3/s 既設調整池の滞水池利用 3,000m3 雨水滞水池の設置 4,500m3 雨水滞水池の設置 3,000m3 滞水池への接続管渠 3.18m3/s 雨水滞水池へのバイパス管、ポンプ施設 13.29m3/s 雨水滞水池へのバイパス管、ポンプ施設 1.45m3/s スクリーンの目幅縮小 41mm⇒25mm スクリーンの目幅縮小 26mm⇒15mm 雨水沈砂池のドライ化 雨水沈砂池のドライ化 最初沈殿池の晴雨専用化 対 策 効 果 の 検 証 ( 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果 ) 1,600m3 汚濁負荷 削減 分流並み 負荷量 対策後は目標値を達成 することを確認 対策後は目標値を達成 することを確認 未処理放 流回数 半減 対策後は目標値を達成 することを確認 下水道法 施行令 BOD水質(mg/L) 250.00 施行令基準;40mg/L 200.00 150.00 100.00 50.00 0.00 10 20 30 降雨量(mm) 40 評価対象降雨 200.00 施行令基準;40mg/L 150.00 100.00 50.00 50 対策後 評価対象降雨 45.00 40.00 35.00 30.00 25.00 20.00 15.00 10.00 5.00 0.00 施行令基準;40mg/L 10 20 30 降雨量(mm) 0 40 対策後は基準値 40mg/L 以下であ ることを確認 50 10 20 30 降雨量(mm) 40 50 対策後 120.00 BOD水質(mg/L) BOD水質(mg/L) 250.00 0.00 0 0 対策前 300.00 300.00 BOD水質(mg/L) 基準値 40mg/L 対策後は目標値を達成 することを確認 対策前 評価対象降雨 350.00 100.00 評価対象降雨 80.00 施行令基準;40mg/L 60.00 40.00 20.00 0.00 0 10 出 典 ) H21 吹 田 市 合 流 式 下 水 道 緊 急 改 善 計 画 書 ( 参 考 資 料 ) 5 20 30 降雨量(mm) 40 1Qs 50 対策後は基準値 40mg/L 以下であ ることを確認 2Qs 0.66m3/s 表 3 南吹田処理区 合流式下水道緊急改善計画の対策施設とその配置計画 平成 17~21 年度 雨水沈砂池ドライ化(H16 実施済) メニュー 雨水沈砂池ドライ化 スクリーンの目幅縮小 雨天時活性汚泥法 工期(年) H16 実施済 H18、H20 実施済 H18、H20 実施済 南吹田下水処理場 滞水池 4,500m3 雨天時活性汚泥法(H18、H20 実施済) 滞水池 平成 22~25 年度 メニュー 滞水池(4,500m3) 滞水池への接続管渠 ポンプ施設 川面処理区 平成 17~21 年度 メニュー 雨水沈砂池ドライ化 スクリーン目幅縮小 最初沈殿池晴雨専用化 スクリーンの目幅縮小(H18、H20 実施済) 雨天時活性 汚泥法 (3Qs 高級処理) 平成 22~25 年度 工期(年) H19~H20 実施済 H19~H20 実施済 H19 実施済 スクリーン目幅縮小(H19、H20 実施済) 川園ポンプ場 メニュー 滞水池(3,000m3) 滞水池への接続管渠 ポンプ施設 平成 22~25 年度 滞水池 (既設調整池) 川面下水処理場 滞水池 3,000m3 雨水沈砂池ドライ化(H19、H20 実施済) 滞水池 メニュー 滞水池への接続管渠 最初沈殿池晴雨専用化(H19 実施済) ※スクリーン設置済み 出 典 ) H21 吹 田 市 合 流 式 下 水 道 緊 急 改 善 計 画 書 ( 南 吹 田 処 理 区 ) 、 H21 吹 田 市 合 流 式 下 水 道 緊 急 改 善 計 画 書 ( 川 面 処 理 区 ) 6 3.計画に位置付けられた対策施設の整備状況 現合 流 式下 水 道緊 急 改善 計画 に 位置 付 けた 対 策施 設と そ の整 備 状況 を 表 4に整 理 する 。 ま た、 図 4、図 6、図 8に は、 整 備 し た 施設 の 状況 や運 用 状 況 の 現地 写 真を 示す 。 これ ら より 以 下の こ とが 確認 で きる 。 ◇ 表 4より 、 全て の 対 策が 完 了し て いる 。 ◇ 図 4より 、 南吹 田 下 水処 理 場の 対 策に つ いて 以下 の こと が 確認 で きる 。 ・ 滞 水池 は 整備 さ れて おり 、 天端 付 近の 壁 の状 況か ら 実際 に 運用 さ れて いる 。 ・ 目 幅縮 小 され た スク リー ン も設 置 され て おり 、 雨 水 沈砂 池 のド ラ イ化 も実 施 され て い る。 ・ 雨 天時 活 性汚 泥 法を 実施 す るた め の 電 動 可動 堰 も 設 置さ れ てい る 。 ◇図 6よ り、 川 面下 水 処 理場 の 対策 に つい て 以下 のこ と が確 認 でき る 。 ・ 滞 水池 は 整備 さ れて おり 、 天端 付 近の 柱 の状 況か ら 実際 に 運用 さ れて いる 。 ・ 目 幅縮 小 され た スク リー ン も設 置 され て おり 、 雨 水 沈砂 池 のド ラ イ化 も実 施 され て い る。 ・ 最初 沈 殿池 の 晴雨 専用 化 も実 施 され て いる 。 ・ 雨 天時 活 性汚 泥 法を 実施 す るた め の電 動 可動 堰も 設 置さ れ てい る 。 ◇ 図 8より 、 川園 ポ ン プ場 の 対策 に つい て 以下 のこ と が確 認 でき る 。 ・ 滞水 池 への 送 水弁 は整 備 され て いる 。 ・ スク リ ーン は 設置 され て いる 。 【 施 設 の 整 備状 況 】 ◇ 全 て の 対策 施 設 の整備 が 完 了 し てい る 7 ③ ③簡易処理 ④滞水池貯留(形式Ⅱ) ⑤未処理放流 0.25m3/s 合流区域 の3Qs ② 1.55m3/s 2.95m3/s ① ① 1.40m3/s 表 4 13.29m3/s 処理区名 南吹田 処理区 ⑤ ●対策案2 (8.0mm/hr) 合流式下水道緊急改善事業の対策内容 ①高級処理 ④ 2,400m3 ②雨天時活性汚泥法 0.67m3/s ③ ③高性能連続処理 汚濁対策システム※1 ④滞水池貯留(形式Ⅱ) 1.55m3/s ⑤未処理放流 ② 合流区域 2.95m3/s ◆南吹田下水処理場 (6.0mm/hr) ① ●対策案1 ①高級処理 ②雨天時活性汚泥法 ③滞水池貯留(形式Ⅱ) ④簡易処理 ⑤未処理放流 ●対策案3 ①高級処理 ②雨天時活性汚泥法 ③滞水池貯留(形式Ⅱ) ④未処理放流 ●対策案2 ①高級処理 ②雨天時活性汚泥法 ③滞水池貯留(形式Ⅱ) ④高性能連続処理 ⑤未処理放流 川面 の3Qs 1.45m3/s ◆川面下水処理場 ⑤ ① 整備状況 施設名称 対策内容 対策規模※1 南吹田下水処理場 雨天時活性汚泥法の導入 1.55m3/s H18、20 実施済み 雨水滞水池の設置 4,500m3 H26 実施済み 雨水滞水池へのバイパス管、ポンプ施設 13.29m3/s スクリーンの目幅縮小 41mm⇒25mm 1.40m3/s ③ ④ 2,200m3 0.48m3/s 0.86m3/s 13.29m3/s ② (8.0mm/hr) ① 対策施設の整備状況 3Qs ④ ③ 0.43m3/s ① 1.29m3/s 3Qs 4,500m3 合流区域 の3Qs ② 1.45m3/s 1.55m3/s 2.95m3/s ⑤ (6.0mm/hr) ① 雨水沈砂池のドライ化 ① H18、20 実施済み H16 実施済み 1.40m3/s ③ ④ 1,800m3 0.48m3/s 0.86m3/s ② 3Qs 0.43m3/s 1.29m3/s 3Qs 川面下水処理場 ① ① 処理区 雨天時活性汚泥法の導入 0.86 m3/s H20 実施済み 雨水滞水池の設置 3,000m3 H26 実施済み 雨水滞水池へのバイパス管、ポンプ施設 1.45m3/s スクリーンの目幅縮小 26mm⇒15mm 1.45m3/s ●対策案3 ①高級処理 ②最初沈殿池晴雨分離貯留 ③雨天時活性汚泥法 ④滞水池貯留(形式Ⅱ) ⑤未処理放流 (6.0mm/hr) ⑤ ④ 3,000m3 ② 0.86m3/s 1,600m3 ③ ① 3Qs 0.43m3/s 雨水沈砂池のドライ化 ① ◆川園ポンプ場 川園ポンプ場 ●川園対策案 ①高級処理 ②雨天時活性汚泥法 ③滞水池貯留(形式Ⅱ) ④未処理放流 ④ 3.18m3/s (7.5mm/hr) ② ① 1Qs 2Qs ① 1Qs H19、20 実施済み 最初沈殿池の晴雨専用化 1,600m3 H19 実施済み 既設調整池の滞水池利用 3,000m3 既設あり 滞水池への接続管渠 3.18m3/s H25 実施済み 0.33m3/s ③ H19、20 実施済み 1.29m3/s 3Qs 2Qs 0.66m3/s 0.33m3/s ※ 1: H21 吹 田 市 合 流 式 下 水 道 緊 急 改 善 計 画 書 グ レ ー 網 掛 け : 現 計 画 ( 平 成 22 年 1 月 ) 策 定 時 点 で 整 備 済 み で あ っ た 施 設 8 雨水沈砂池ドライ化 雨天時活性汚泥法 スクリーンの目幅縮小 滞水池 雨天時活性 汚泥法 (3Qs 高級処理) 図 3 滞 水 池 滞水 池 の外 観 南吹田下水処理場の平面図 滞水 池 の内 部 滞水 池 への流入 ゲート 天端付近に貯留した 跡が確認できる ポ ン プ 施 設 と し 渣 雨水 沈 砂池 のドライ化 状 況 目幅 縮 小したスクリーン し渣 ドライ化され、下水が滞留していないこ とが確認できる 水 処 理 施 設 雨天 時 流入 用 可動 堰 図 4 南吹田下水処理場における対策施設の整備、運用状況 9 滞水池 スクリーン目幅縮小 雨水沈砂池ドライ化 最初沈殿池晴雨専用化 図 5 滞 水 池 滞水 池 の外 観 川面下水処理場の平面図 滞水 池 の内 部 滞水 池 への流入 ゲート 天端付近に貯留した 跡が確認できる ポ ン プ 施 設 と し 渣 最 初 沈 殿 池 ・ 水 処 理 施 設 雨水 沈 砂池 のドライ化 状 況 目幅 縮 小したスクリーン し渣 最初 沈 殿池(晴 雨専 用 化) 雨天 時 流入 用 可動 堰 ドライ化され、下水が滞留していないこ とが確認できる 最初 沈 殿池 通常の最初沈殿池(左の写真)と違い、 晴天時にドライ化していることが確認できる 図 6 川面下水処理場における対策施設の整備、運用状況 10 滞水池 (既存調整池) 図 7 滞 水 池 川園ポンプ場の平面図 滞水 池 用送 水 弁 ス ク リ ー ン 図 8 川園ポンプ場における対策施設の整備状況 11 4.実施した対策の評価 (1)評価の方針 ■「 社 会資 本 整備 総 合交 付金 要 綱( 下 水道 事 業) の運 用 につ い て( 平 成 28.4.1 国水下 企 第 129 号 , 国水 下 事第 111 号, 国 水 下流 第 69 号 ) 」で は 、 事後 評 価の 実 施に つ いて 、通 達 中の 「 Ⅳ.合 流 式下 水 道緊 急 改善 事 業 4.評価 の実 施 」に お いて 位置 づ けら れ てい る 。よ って 、 事後 評 価は 、 上記 通 達中 の 本項 に 基づ いて 実 施す る もの と する 。 ■本 通 達に 示 され て いる 以下 の 5 つ の 評価 項 目に つい て 評価 を 実施 す る。 ①対 象 事業 の 進捗 状 況 ②目 標 の達 成 状況 ③対 象 事業 の 整備 効 果の 発現 状 況等 ④事 業 の効 率 化に 関 する 取り 組 み状 況 ⑤今 後 の方 針 12 (2)対策の評価 ①対象事業の進捗状況 ■対 象 事業 の 進捗 状 況は 、 「3.計画 に 位置 付 けら れた 対 策施 設 の整 備 状況 」に 整 理し た とお り で ある 。 ■既 に 、 合 流 式下 水 道緊 急改 善 事業 に 位置 付 けた 対策 施 設の 整 備は 完 了し てい る 。 対 象 事 業 の 進捗 : 対 策施設 の 整 備 は 完了 ②目標の達成状況 ■達 成 状況 の 評価 方 法 ◇前 述 の① に 示し た とお り 、 現 計画 で 位置 づ けた 対策 施 設は 整 備済 み であ る 。 ◇現 計 画策 定 時( H21 年 度) に おい て 、 汚 濁 負荷 量の 削 減及 び 公衆 衛 生上 の安 全 確保 に つい て は、 流出 解 析モ デ ルを 用 いた 数値 シ ミュ レ ーシ ョ ン ※ によ り 、以 下 のこ と を実 施し て いる 。 ・ 対 策前 の 年間 放 流汚 濁負 荷 量、 年 間未 処 理放 流回 数 の算 定 ・ 緊 急改 善 目標 値 (年 間放 流 汚濁 負 荷量 、 年間 未処 理 放流 回 数) の 設定 ・ 対 策施 設 によ る 効果 の 検 証(=計 画 値の 算 定 ) ◇現 計 画策 定 時に お いて 、計 画 に位 置 付け た 対策 施設 の 整備 が 完了 す れば 緊急 改 善目 標 が達 成 で きる こ とを 、 数値 シ ミュ レー シ ョン に て検 証 して い る 。 以上 の こと か ら 、 現 計画 で位 置 づけ た 対策 が 実施 済み で あれ ば 、現 計 画策 定時 の シミ ュ レー シ ョ ン結 果 に基 づ き、 緊 急改 善目 標 は達 成 済み と 評価 する こ とが で きる 。 ※「年間放流汚濁負荷量」の実績は年間を通して水質試験をしなくてはならず、現実的ではなく、また、 「年間未処理放流回数」の実績は年間の降雨量、回数に左右されるため、適切な評価になるよう計画策定時 と同じ降雨のシミュレーションでこれらを算出しています。 ■目 標 の達 成 状況 の 評価 結果 ◇施 設 の整 備 状況 と 現計 画の シ ミュ レ ーシ ョ ン結 果 か ら 、表 5 に目 標 の達 成状 況 の評 価 結果 を 示 す。 13 表 5 達成状況の評価結果 南吹田処理区 川面処理区 汚濁負荷 削減 分流並み 負荷量 達成 未処理放 流回数 達成 達成 達成 半減 1/1 ヵ所(南吹田下水処理場) 達成 全ての吐口に設置 下水道法 施行令 300.00 300.00 250.00 施行令基準;40mg/L 200.00 達成 全ての吐口に設置 評価対象降雨 350.00 BOD水質(mg/L) 基準値 40mg/L 2/2 ヵ所(川面下水処理場、川園ポンプ場) BOD水質(mg/L) きょう雑 物の削減 150.00 100.00 50.00 0.00 250.00 評価対象降雨 200.00 施行令基準;40mg/L 150.00 100.00 50.00 0.00 0 10 20 30 降雨量(mm) 40 50 0 10 20 30 降雨量(mm) 40 50 達成 120.00 BOD水質(mg/L) BOD水質(mg/L) 達成 評価対象降雨 45.00 40.00 35.00 30.00 25.00 20.00 15.00 10.00 5.00 0.00 施行令基準;40mg/L 100.00 評価対象降雨 80.00 施行令基準;40mg/L 60.00 40.00 20.00 0.00 0 10 20 30 降雨量(mm) 40 0 50 10 20 30 降雨量(mm) 40 50 目 標 の 達 成 状況 : 現 計画策 定 時 の シ ミュ レ ー ション 結 果 に 基 づき 、 合 流式下 水 道 緊 急 改善 目 標 は 達成 14 ③対象事業の整備効果の発現状況等 ■対 象 事業 の 整備 効 果の 発現 状 況 と し て、 実 績デ ータ か ら整 備 効果 の 発現 状況 を 確認 す る。 こ こ では 、 合流 式 下水 道緊 急 改善 目 標 で あ る雨 天時 の 放流 汚 濁負 荷 量の 削減 状 況( 放 流水 質 の 改善 状 況) 、 未処 理 放流 回数 の 削減 状 況の 2 点に つい て 整理 す る。 ■雨 天 時の 放 流水 質 状況 ◇図 9に 各処 理 区の 雨 天 時の 放 流水 質 の推 移 を示 す。 平 成 24 年 度以 降 は 雨天 時 放流 水 質基 準 を一 度も 超 過し て いな い こと が 確 認 でき る 。 整 備 効 果 の 発現 状 況 ①: 平 成 24 年 度 以降 は 雨 天時 放 流 水 質 基準 を 達 成 ⇒ 雨 天 時 放 流水 質 の 改善 南吹田 川面 100 雨天時放流水質基準(40mg/L) 注 90 雨天時放流水質BOD(mg/L) 雨天時放流水質BOD(mg/L) 100 80 70 60 50 40 30 20 10 0 雨天時放流水質基準(40mg/L) 注 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H18 H19 H20 H21 注)雨天時放流水質基準:下水道法施行令第6条第項に定められた放流水の水質基準 図 9 雨天時の放流水質の推移 15 H22 H23 H24 H25 H26 H27 ■雨 天 時の 雨 水ポ ン プ稼 働状 況 ◇図 10 には 、 各処 理 区 の 雨 水 ポン プ の稼 働 実績 を 示 す 。近 年 は 1 降 雨当た り の 降雨 量 が多 い にも か か わ らず 、 横ば い または 低 下 傾向 と なっ て いる 。未 処 理放 流 回数 が 減少 する こ とで 放 流汚 濁 負 荷量 は 削減 さ れて い る。 この こ とは 、 前ペ ー ジで 示し た 雨天 時 の放 流 水質 の改 善 状況 か らも そ の 効果 が 確認 で きる 。 整 備 効 果 の 発現 状 況 ②:雨 水 ポ ン プ の稼 働 頻 度の低 減 ( 未 処 理放 流 回 数の減 少 ) ⇒ 放 流 汚 濁 負荷 量 の 削減 川面処理区 南吹田処理区 図 10 南吹田処理区、川面処理区の雨水ポンプの稼働頻度の推移 16 ④事業の効率化に関する取組 状況 ■本 市 では 、 事業 の 効率 化に 関 する 取 組と し て、 特に 事 業費 の 縮減 と 早期 整備 の 観点 か ら、 既 存 スト ッ クの 活 用 に 取 り組 んだ 。 具体 的 には 、 新規 施設 を なる べ く 建 設 せず 、既 存 施設 を 利用 ま たは 改 造す る こと で 、早 期 か つ 安価 に 整備 す る取 組 で あ る。 ■具 体 的な 取 組 内 容 を下 表に 示 す。 表 6 事業の効率化に関する取組 事業の効率化に関する取組(既存ストックの活用) ・既設調整池の滞水池化 南吹田処理区 川面処理区 - ○ (川園ポンプ場) ・雨天時活性汚泥法(3W)の導入 ○ ○ (川面下水処理場) ・最初沈殿池の晴雨専用化 - ○ (川面下水処理場) ・雨水沈砂池のドライ化 ○ ○:該当 事 業 の 効 率 化に 関 す る取組 状 況 : 既 存ス ト ッ クを活 用 し た 取 組の 実 施 17 ○ ⑤今後の方針 ■既 に 合流 式 下水 道 緊急 改善 を 達成 し た現 状 を踏 まえ 、 今後 の 方針 と して は、 以 下 の 2 点の 実 施に 努 める 。 ・整 備 した 施 設の よ り効 率的 な 運用 (雨天 時 活性 汚 泥法 、 滞 水池 の より 効 率的 な 運用 ) ・広 報 活動 の 実施 ◇ 「 整備 し た施 設 の よ り効 率 的な 運 用」 に つい て 、 具 体的 に は、 以 下の よう な 運用 の 実施 に 努 める 。 ・雨 天 時活 性 汚泥 法 ( 3W)、 滞 水地 の 運用 に つい ては 、 これ ま でも 効 率的 な運 用 が実 施 でき るよ う に、 現 場担 当 者 で 模索 が 続け ら れて き た。 今後 も 引き 続 き、 現 場担 当者 間 で 実 績 を 蓄積 し 、蓄 積 した ノ ウハ ウを 活 かす こ とで 、 より 効率 的 な 運 用 を目 指 す。 ・今 後 も下 水 道法 施 行令 の雨 天 時モ ニ タリ ン グ調 査を 継 続的 に 実施 し 、適 切な 施 設の 運 用に より 、 放流 水 質が 基 準 値 BOD40mg/L を引き 続き 満足 す るこ と を確 認 する 。 ◇ 「 広報 活 動の 実 施」 とし て は、 現 在で も ホー ムペ ー ジ や パ ンフ レ ット によ り 、合 流 式下 水 道 緊急 改 善事 業 に対 す る住 民や 事 業者 の 理解 を 得 ら れる よ う広 報 活動 を 行っ てい る とこ ろ であ る。 今 後も 引 き続 き 情報 発信 を 続け て いく 。 今 後 の 方 針 :整 備 し た施設 の よ り 効 率的 な 運 用及び 広 報 活 動 の実 施 18 参考資料(用語の説明と主な対策施設の概要) (1)用語の説明 行 あ 語句 汚濁負荷量 説明 水を汚濁する物質の量であり、水中の汚濁物質の濃度×水の量で算出され る。物質としては有機物や栄養塩(窒素、リン)などがあるが、合流式下 水道緊急改善計画においては有機物の総量として BOD が用いられる。 か きょう雑物 未処理下水に含まれるごみ。 計画諸元 合流式下水道緊急改善計画を策定する際、対策施設の規模に影響を与える ことになる重要な数値。下水処理場への流入水量、流入水質、処理水質等 がある。 合流式下水道 雨水を家庭や工場の汚水と同一の下水道管で流す下水道。汚水整備(水洗 化)と雨水整備(浸水対策)を同時に整備できるというメリットがある。 このため、我が国では比較的早い段階で下水道整備に着手した大都市圏を 中心に利用されている。 一方、雨天時には、下水処理場の処理能力を超える未処理下水が海や川へ 直接放流されるという問題がある。 なお、合流式下水道に対して、雨水と汚水を別々の下水道管で流す下水道 を分流式下水道という。分流式下水道は、比較的新しく下水道が導入され た地区で採用されている。 さ し渣 スクリーン(参照:(2)主な対策施設の概要)によって補足されたきょ う雑物。 は 実績値 過去から現在までに実際に観測、測定された数値。 水質シミュレー 数値シミュレーションにより、下水道から放流される水質、水量をコンピ ション ューター上で仮想的に計算し、再現するもの。 吐口 下水を川や海に放流するための下水道管の放流口。雨天時には、未処理下 水が放流される。 BOD 水中の有機物の濃度を表す指標。水中の有機物を分解するのに必要な酸素 量であり、水質環境基準項目としても用いられる重要な水質指標。生物化 学的酸素要求量とも言う。 ま 未処理下水 雨天時に、下水道管内で雨水と混ざり合い薄まった汚水のうち、下水処理 場で処理されずに吐口から川や海に放流される下水。 19 (2)主な対策施設の概要 吹 田 市の 合 流式 下 水道 緊急 改 善事 業 で実 施 した 以下 の 4 つ の 対策 に つい て、 そ の概 要 を示 す 。 ◇ ス クリ ー ンの 目 幅縮 小 ◇ 雨 水滞 水 池 の 設 置 ◇ 雨 天時 活 性汚 泥 法 ( 3W) の 導入 ◇ 雨 水沈 砂 池の ド ライ 化 雨水滞水池 の設置 スクリーンの目幅縮小 雨天時活性汚泥法(3W) 図 11 対策施設の概略図 20 の導入 ①ス ク リー ン の目 幅 縮小 下 水 処理 場 やポ ン プ場 では 、 きょ う 雑物 が 河川 等へ 流 れ出 る のを 防 ぐた めの ス クリ ー ンが 設 置 され て い る 。 この ス クリ ーン の 目幅 を 縮小 す るこ とで 、 河川 等 へ流 れ 出る きょ う 雑物 を より 少 な くす る こと が 可能 と なる 。 未処理水下水 処理水 図 12 きょう雑物対策のイメージ 対策前 対策後 図 13 スクリーンの目幅縮小比較 21 ②雨 水 滞水 池 の設 置 合 流 式の 下 水道 管 は、 汚水 と 雨水 を 同時 に 流す こと が でき る よう 分 流式 の汚 水 管に 比 べ、 管 の 内径 が 大き く 設計 さ れて い る 。 しか し 、晴 天 時に は汚 水 しか 流 れな い ため 、そ の 流量 は 少な く 、 流れ が 緩や か な た め 汚濁 負荷 の 高い 堆 積物 が 残っ てし ま い、 こ の 状 態 で雨 が降 る と、 堆 積物 が 一 気に 押 し流 さ れ下 水 処理 場や ポ ンプ 場 に流 入 し 、 未処 理 下水 と して 放 流さ れ て し まう 。 この 降 雨 の初 期 にお け る汚 濁 負荷 の高 い (吹 田 市で は 、通 常時 の 2~ 4 倍) 流 入水 のこ と をフ ァ ース ト フ ラッ シ ュと 呼 び、 こ のフ ァー ス トフ ラ ッシ ュ の対 策と し て、 フ ァー ス トフ ラッ シ ュ を 一 時的 に 貯 留す る 効果 的 な汚 濁 負荷 削減 対 策 と し て雨 水 滞水 池設 置 を実 施 する も ので ある 。 汚濁負荷の高いファースト フラッシュを滞水池で貯留 晴天時平均流入水質 図 14 雨天時流入水質結果(平成 20 年度実施) 22 ③雨 天 時活 性 汚泥 法 の導 入 下 水 処理 場 では 、 晴天 時に 流 入す る 汚水 量 に時 間的 な 変動 ( 朝や 晩 に多 い) や 季節 的 な変 動 が あり 、 この う ち、 最 も 流 入水 量 が多 く なる 一 日分 の水 量 (1 Q) を処 理 で きる よ う水 処 理施 設 の整 備を 行 って い る。 雨 天時 には 、 流入 水 量が 大 幅に 増え る ため 、 1Qs を 超え 、そ の 2倍 の 水量 分(2Q) につ い ては 、 最初 沈 殿 池 での 沈 殿処 理 を経 た 後、 反応 槽 へ入 れ ずに 、 消毒 処理 の みを 行 い放 流 (簡 易 処理 ) して い た。 雨天 時 活性 汚 泥法 に つい ては 、 この 2Q を反 応 槽 の後 段 に入 れ るこ と によ り、 活 性汚 泥 の初 期 吸着 能力 ( 下水 中 の有 機 物は 、活 性 汚泥 と 接触 後 30 分程 度 の短 時 間で 多 くの 有機 物 が除 去 され る こと ) を 利 用し 、 反応 槽 での 滞留 時 間を 短 くす る こと で処 理 能力 を 増や す 方 法で あ る。 図 15 雨天時活性汚泥法の処理フロー 23 ④雨 水 沈砂 池 のド ラ イ化 下 水 処理 場 やポ ン プ場 では 、 雨天 時 に流 入 水量 が増 え ると 、 通常 の 処理 ルー ト を越 流 し、 雨 水 沈砂 池 へ流 入 する 。 雨水 沈砂 池 で砂 等 を除 去 した 後、 雨 水ポ ン プに よ り河 川等 に 放流 さ れ る 。 こ れま で は、 雨 水沈 砂 池で は、 前 の降 雨 によ る 下水 が一 定 量残 っ たま ま とな り、 時 間経 過 によ り 腐 敗し 、 次の 降 雨時 に 雨水 ポン プ で河 川 等に 放 流さ れて い た。 雨 水沈 砂 池の ドラ イ 化は 、 降雨 後 、 雨水 沈 砂池 に 下水 が 残ら ない よ う 洗 浄 する 設 備を 設置 し 、次 の 降雨 時 に腐 敗し た 下水 が 流れ 出 な いよ う にし 、 汚濁 負 荷を 削減 す る対 策 であ る 。 雨天時 沈砂池:流入した砂を沈殿除去する池 従来 ドライ化前 晴天時 前の降雨時から残って いた下水も一緒に放流 未処理下水を ポンプで放流 雨水沈砂池に前の降雨時に流入 した下水が残ったままの状態 沈砂池 雨水系 沈砂池 汚水系 高級処理へ 高級処理へ 前の降雨時から残っていた下水は放流さ れない(従来より水質が改善) 現在 ドライ化 汚水系 雨水系 晴天時には 雨水沈砂池を空(=ドライ化)にする 未処理下水を ポンプで放流 空 沈砂池 雨水系 雨水系 汚水系 高級処理へ 図 16 汚水系 高級処理へ 対策施設の概略図(雨水沈砂池のドライ化) 対策前 対策後 図 17 雨水沈砂池のドライ化比較 24 沈砂池
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