いずみさの 昔 と今 第 回 ▶奥家が聖護院に提出した願い書 ▶ 奥 家 が 苗 字・ 帯 刀 を 認 められた文書 護院の宮門跡の一行が立ち寄り ました。奥家住宅の座敷で宮門 跡の一行をもてなしたのでしょ う。奥家の古文書には聖護院の 僧侶と奥家の間の交流の手紙が 重要文化財奥家住宅の古文書 多く残されています。また﹁聖 護院御内﹂である奥家がおそら めました。奥家は領主︵江戸幕 現在の府道和歌山貝塚線︵か く聖護院のために運んだ荷物の つての熊野街道または紀州街 府の代官︶から、公式の場での 札も残されています。 道︶を通って南中樫井の集落 帯刀︵刀の携帯︶、苗字の使用、 奥家の苗字帯刀の許可や聖護 に入ると、道ぞいに本瓦葺きの 袴・裃・絹布の着用、上訴︵代 院との関わりを物語る古文書 長屋門、長い土塀、白壁の美し 官に訴え出る権利︶を認められ は、歴史館で開催中の特別展示 い塀のある広壮な民家住宅が ていました。こうしたことは一 ﹁泉佐野の文化遺産∼文化遺産 あります。ここは重要文化財に 般の村の人々にはめったに認 を未来へつなぐ∼﹂で展示して 指 定 さ れ て い る 奥 家 住 宅 で す。 められないものでした。 います。また奥家住宅では白壁 奥 家 住 宅 は、 江 戸 時 代 の 初 期 また奥家は京都の天台宗寺 の土塀の修理工事が行われてい ︵ 4 0 0 年 前 ︶ に 建 て ら れ、 長 院・聖護院に﹁家頼︵けらい︶﹂ ます。奥家の古文書の調査によ 屋門と土塀に他の、広い土間の ﹁ 御 内︵ み う ち ︶﹂︵ と も に 家 来 り奥家住宅を舞台とした奥家と ある大きな主屋や、来客をもて のこと︶として仕えていまし 樫井の歴史が今後明らかになる なすためにも使われた座敷と た。奥家の子息は庄屋を勤める でしょう。 庭園があります。 前に京都の聖護院に奉公しま し た。 聖 護 院 は 全 国 の 修 験 道 近年この奥家住宅から江戸 時 代 を 中 心 と し た 古 文 書 が 多 ︵ 山 伏 ︶ の 総 本 山 で、 聖 護 院 の 数発見され、現在その調査が進 宮門跡︵聖護院の主︶や関係す め ら れ て い ま す。 奥 家 住 宅 の る 僧 侶 た ち が 多 数、 定 期 的 に 主である奥家は代々、源兵衛・ 和泉葛城山脈の修験の行場に 源十郎を名乗り、江戸時代中期 出 向 い て、 修 行 を 行 い ま し た。 ︵ 17 1 0 年 ご ろ ︶ か ら 明 治 初 奥家は聖護院の宮門跡の一行 期にかけて樫井村の庄屋を勤 の世話を行い、奥家住宅にも聖 ▶奥家住宅 開催日 12月1日㈭∼来年1月15日㈰ ※入館無料 ◆歴史館いずみさのFacebook で情報発信中! 特別展、講演会の他にも、考古 学講座やワークショップなどのイ ベント情報を発信しています。ぜ ひご覧ください! (http://www.facebook.com/ rekishikan.izumisano/) 今回の展覧会では、平成26年度から行ってきた寺社建造物の調査で 撮影した写真や作成した図面、調査のために活用した大工組関連資料、 旧日根野村・旧大土村の文化遺産、旧樫井村の文化遺産など、今までの 展覧会では、あまり紹介していなかっ た資料を展示します。 エントランスホールでは、世界文化 遺産登録をめざす百舌鳥・古市古墳群 について、世界遺産についてのパネル 展示を行います。 入館料 無料 入館料 無料 泉佐野の文化遺産∼文化遺産を未来へつなぐ∼ (入館は午後4時30分まで) 考古学入門講座 第3回「古墳時代概説」 日時 12月17日㈯ 午後1時30分∼3時(受付:1時∼) 定員 60人(先着順) 講師 西村 歩(副館長) 申込 直接または電話で ※受講無料 特別展示 レイクアルスタープラザ・カワサキ 歴史館いずみさの ☎469-7140 Fax469-7141 休館日 休館日 月曜日、祝日(祝日が月曜 日の場合はその翌日、日曜日の場合 はその翌々日) 開館時間 午前9時∼午後5時 開館時間 午前9時∼午後5時 252 ▲佐野大工仲間定法申合之事(館蔵) 18 広報いずみさの 平成28年12月号
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