平成28年度林材業年末年始無災害運動実施要領

平成28年度林材業年末年始無災害運動実施要領
1.趣
旨
平成28年の林材業における労働災害の発生状況は、厚生労働省速報によると、林業
の死傷者数は 1,082人(平成28年10月7日現在、前年同期 1,102人)、
木材製造業の死傷者数は796人(平成28年10月7日現在、前年同期834人)と
なっている。また、死亡者数は、林業が21人(平成28年10月7日現在、前年同期
23人)で、木材製造業が5人(平成28年10月7日現在、前年同期6人)となって
いる。
林業における労働災害による死亡者数は、速報値ベースで前年を下回る状況にあるも
のの、これから災害の大半を占める伐木作業、集材作業が本格化する中で、計画目標で
ある31人に近づいており、予断を許さない状況である。
一方、木材製造業における労働災害による死亡者数は、「林材業労働災害防止計画」
における目標である年間死亡者数5人に達したことを重く受け止めて、より一層の労働
災害防止対策の推進を図ることが必要な事態である。
このため、平成28年に発生した林業での労働災害の特徴と対策を踏まえた「林材業
年末年始無災害運動実施要領」を策定し、会員事業場事業主に周知徹底を図り、以て林
材業における労働災害の撲滅を図ることを目的とする。
2.実施期間
平成28年12月1日から平成29年1月31日までとする。
3.具体的取組
(1) 本部の実施事項
① 月刊情報誌「林材安全」、ホームページ等による広報周知
② 都道府県支部を通じ、会員事業場への周知と指導・助言
③ リーフレットの制作と支部への配付
④ 本部職員等が支部で実施する集団指導会やセミナーへ出席の上、指導を徹底
(2) 支部の実施事項
① 別添通知文を会員事業場へ周知するとともに、指導・助言を行う。
② 支部長自ら参加の下、地方労働行政、地方駐在安全管理士と連携した現場安全
パトロールの実施
③ 林業・木材製造業労働災害防止規程の周知と指導・助言
(3) 会員事業場の実施事項
ア 林業・木材製造業共通実施事項
① 経営トップの参加の下、職場の安全パトロールを実施するなど、職場内におけ
る安全衛生活動の総点検を実施する。
② 林業・木材製造業労働災害防止規程の規定内容の確実な実施
③ 安全の担当者(安全衛生推進者)を配置するなど、事業場の安全管理体制を充
実
④
雇い入れ時の教育の徹底など、効果的な安全衛生教育の実施
イ 林業関係事業場における実施事項
平成28年9月までに発生した林業での死亡災害の特徴を踏まえた以下の対策を
実施する。
① 伐倒作業の基本の遵守
・ 伐倒時は、事前に立入禁止区域(樹高の2倍以上)に作業者がいないことを
確認するとともに、受け口、追い口、つるを適切に実施し、クサビは原則2個
以上使用すること。
・ かかり木が胸高直径20cm未満で容易に外れる場合は、木回し、フェリン
グレバー、ターニングストラップなどを使い、胸高直径20cm以上である場
合は、チルホールやスイングヤーダ等の林業機械を使用して安全に処理するこ
と。
・ 伐倒木の上方の枯れ枝、枝絡み、ツル絡みの状況を確認し、安全な作業方法
を選択すること。
・ 伐倒方向を規制するためにチルホールなどのけん引具を使用して伐倒する場
合は、ガイドブロックを用い、伐倒木から離れて作業すること。
・ 裂け易い木は、ワイヤロープ、麻ロープなどの追い口の上部に4~5回強く
巻き付けて伐倒すること。
② 車両系木材伐出機械等の転倒・転落の防止
・ 作業前に作業路の不同沈下、幅員、路肩の崩壊等の点検をすること。
・ 転倒時保護構造(ROPS)及びシートベルトを有するものを使用すること。
・ 路肩等からの転倒、転落の危険の生じるおそれのある箇所は、誘導者を配置
し誘導させること。
③ 高齢者(60歳以上)への配慮
高齢者の危険有害業務はできるだけ避け、実行する場合は特段の注意をするこ
と。
・ 急傾斜地や足場の悪い場所での「伐倒作業」「荷掛け作業」
・ はい積み上での巻立作業
・ 丸太の移動、ワイヤロープの運搬など重量物を扱う作業
・ 熟練者であればあるほど、「思い込み」「不注意行動」になることから、注
意を万全にして、危険に対する意識水準を高めて作業すること。
・ 自分の技能を過信せず、心身機能の低下(定期的にチェック)を自覚し、身体
機能低下を防止する手立て(運動)を講じること。
・ 自分の体力やリズムに応じて自分のペースで作業すること。
④ 経験年数10年以下の作業者の教育
・ 就労して数年経過した者の「習得度チェック票」を活用した再教育を実施す
ること。
・ 特別教育の資格を修了しておおむね5年を経過した者については、「安全衛
生教育」を受講すること。
ウ
木材製造業関係事業場における実施事項
平成28年9月までに発生した木材製造業での死亡災害の特徴は、非定常作業で
木くず等の除去作業中に「挟まれ、巻き込まれ」が発生した他、フォークリフトの
運搬作業でも災害が発生している。
① 非定常作業における実施事項
年末年始の取組期間中に当たっては、非定常作業である清掃作業が多くなる
ので、次の点に注意して作業を行うこと。
・ コンベヤー等のメンテナンス及び清掃等を行うときは、機械の運転を停止す
ること。ただし、機械の運転中に作業を行わなければならない場合は、危険な
箇所に覆いを設けること。
・ 機械の運転を停止したときは、機械の起動装置に錠をかけ、機械の起動装置
に表示板を取り付け、他の作業者が機械を運転することを防止すること。
・ リフトやプレス等の機械において、メンテナンス中に挟まれるおそれのある
時は、ブロック等の十分な強度のある支えを設けること。
・ 予測できるような作業については、定常作業と同じような方法で作業手順を
作成すること。
・ 予測できないような緊急作業については、最小限必要な手順(「機械を止め
る」「電源を切る」「上司への報告」を定めた手順など)を作成すること。
・ はじめての作業を行う場合は、危険を洗い出すとともにリスクの低減対策を
講じるリスクアセスメントを実施すること。
② フォークリフトによる運搬作業における実施事項
・ 工場内のフォークリフトの通行経路を定め、作業者が立ち入らないように床
面に表示すること。
・ 通行経路、作業方法等を示した作業計画を定め、関係労働者に周知を図るこ
と。
4.林業又は木材製造業死亡労働災害多発警報発令支部の対応
(1) 林業又は木材製造業死亡労働災害多発警報発令中の支部は、林材業死亡労働災害多
発警報発令要綱に基づく林業又は木材製造業再発防止対策を優先して実施すること。
(2) 警報発令解除となった支部は、引き続き本要綱に基づき実施すること。
(3) 上記(1)、(2)は、林業又は木材製造業ごとに、警報発令を踏まえたものとする。