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2016.12.3
筑波大学 乳腺内分泌外科 坂東裕子
¡  乳腺疾患の診断から治療まで、総合的に考
える
¡  初期治療としての外科療法において、適切な
術式選択を考える
¡  乳癌検診で要精査 【併存疾患】なし
【既往歴】なし
【家族歴】乳癌・卵巣癌なし
MMG
右乳房 散在性石灰化 C2
左乳房 C1
US
右乳房 10時Mに不正な低エコー,最大10mm
内部に高輝度エコーあり
エラストグラフィ Score2
¡  一部の乳管において、乳管上皮細胞に核形
不整やクロマチン濃染のような異型を認める。
免疫組織化学では、この乳管に、p63陽性と
なる筋上皮細胞の二相性が認められる。
¡  異型を伴う乳管上皮細胞がみられるが、検
体中の病変量が少なく、良悪性の確定は難
しい。 ¡  経過観察
§  間隔は?
¡  追加画像検査
§  modalityは?
¡  侵襲的生検
§  針生検再実施?
§  吸引式組織生検?
§  外科的生検?
¡ 
2011年 乳がん検診で左乳房要精査
§  近医を受診し、針生検で悪性と診断つかず、経過観
察
¡ 
2013年 左乳房に新たな腫瘤を認め、来院
¡ 
¡ 
既往歴・家族歴 特記事項なし
身体所見
§  左乳房12時方向に硬結をみとめる
§  皮膚所見なし、リンパ節腫大なし
§  乳頭分泌物を認めない
MMG
右11時 M
針生検(右11時): Invasive ductal carcinoma
異型細胞が小胞巣状や腺管譲渡なって浸潤する像や、乳管内で
の癒合腺管状となって増殖。
Nuclear Grade 1, Histological Grade 1
ER陽性 Allred score 8 、PgR陽性 Allred score 7、HER2陰性
右12時 M
針生検(右12時と2時): Intraductal papillary lesion
上皮のcolumnar cell changeを
伴い拡張した乳管が認められ、
内腔に乳頭状に増殖する像を認
める。乳管内乳頭腫など良性病
変の可能性を考える。
右2時 M
右10時 M
乳房MRI
左乳房上部に広範囲な造影効果
を有する病変を認める。
一部には境界不明瞭な結節(↑)、
比較的な結節(↑)などがみられ
る。
¡  左11時 浸潤性乳管癌
§  LuminalAlike
§  cT1N0M0
§  左乳房上部に広範囲な乳管内増殖性病変が疑
われるが、11時以外の病変では乳管内乳頭腫な
ど良性の可能性も考えられる
¡  どのような術式を提示しますか?
¡  49歳女性
¡  検診受診歴なし
¡  左乳房腫瘤を自覚して来院
¡  既往歴 特になし
¡  家族歴 母74歳卵巣がん
左乳房
超音波: 左乳がん cT2N1疑い
乳頭近傍に2.5cmの腫瘤を認める
腋窩リンパ節レベル1に少なくとも2個の腫
大リンパ節を認める。
MRI: 左乳がん疑い
左乳頭近傍に最大径3cmの腫瘤を認める
右乳房
超音波: 右乳がん cT1or4N0疑い
乳頭ごく近傍に1.2cmの腫瘤を認める
腋窩リンパ節腫大なし
MRI: 右乳がん疑い
左乳頭近傍に最大径1.5cmの腫瘤を認
める。皮膚に接している
¡  左乳がん、乳頭近傍3時
§  cT2N1M0, IDC, NG3
§  ER陽性(AS6), PgR陽性(AS4), HER2陰性, Ki67 25%
¡  右乳がん、乳頭極近傍12時
§  臨床的には皮膚浸潤なしと判断
§  cT1N0M0, IDC §  ER陽性(AS8), PgR陽性(AS7), HER2陰性, Ki67 10%
¡  術前化学療法? 手術先行?
¡  術式
¡  そのほか