﹁骨と関節の日﹂の取り組み

﹁骨と関節の日﹂の取り組み
﹁骨と関節の日﹂制定
田
邊
秀
樹
され、名称を﹁骨と関節の日﹂とし日付は体育
の日の前が良いという意見が多く、 月8日に
することが決定されました。 月8日を漢数字
形外科医会︵J COA/2006年より日本臨
いう少しコジツケもあるのですが、覚えやすい
で書くと、十と八となりホネのホの字になると
広報することも決定しました。1995年初回
整形外科の日である﹁骨と関節の日﹂が制定
されたのを機会に、毎年テーマを決めて国民に
日が休日であり、その翌日という安易な理由で
のテーマは骨粗鬆症ということになりました。
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した。1994年2月の理事会で議論が繰り返
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﹁骨と関節の日﹂広報活動
床整形外科学会︶から日本整形外科学会︵日整
整形外科という診療科を社会的にアピールす
るために、1992年︵平成4︶に日本臨床整
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ということでこの日になりました。
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会︶に﹁整形外科の日﹂を制定したいという要
望書が提出されました。それを受けて、日整会
理事会では 月 日を﹁整形外科の日︵仮称︶
﹂
のでした。 月 日にしたのは 月 日体育の
に定め、広報室委員会で検討することになった
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①「骨と関節の日」広報テーマ
テーマ
平成 7 年
平成 8 年
平成 9 年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年
平成14年
平成15年
平成16年
平成17年
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
平成27年
平成28年
(筆者作成)
その後、2016年の﹁ロコモ
度テストでロコモを測ろう﹂ま
で毎年違うテーマを掲げました。
1995年9月に記者説明会
を開催し、①整形外科とはどう
いう医療分野であるかと﹁骨と
関節の日﹂制定の理由について、
②整形外科のプライマリーケア
について、③﹁骨と健康キャン
ペ ー ン ﹂ の 推 進、 ④﹁ 骨 粗 鬆
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症﹂を正しく理解するために、
⑤日本整形外科学会について、
当時の社団法人日本整形外科学
会 医療システム検討委員会担
当理事の山本博司先生、河端正
也先生、杉岡洋一先生が説明し
ました。その後も毎年、記者発
表を行って運動器の広報をして
います︵表①︶
。
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骨粗鬆症
スポーツと整形外科
リウマチ
腰痛
肩こり
骨折
関節の痛み
骨粗鬆症
関節リウマチ
腰痛
スポーツと整形外科
肩の痛み
運動器不安定症
骨粗鬆症―運動器不安定症の要因として―
ロコモティブシンドロームの要因としての腰部脊柱管狭窄症
ロコモティブシンドロームと腰痛
ロコモティブシンドロームと変形性膝関節症
ロコモティブシンドロームの要因としての骨折の予防と治療
ロコモティブシンドローム
ロコモティブシンドロームの要因としての上・下肢の痛みとしびれ
健康日本21(第二次)における日本整形外科学会の取り組み
ロコモ度テストでロコモを測ろう
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約4、
400人︶が一丸となって広報していこう
﹁骨と関節の日﹂に関しては、日整会ととも
に、一線で活躍しているJ COA︵当時は会員
﹁ロコモティブシンドローム﹂という言葉は、
た。中村耕三先生が2007 年に提唱された
が、会員にも一般にもあまり広がりませんでし
では、市民公開講座や新聞広告、独自の電話相
プを行いました。各都道府県臨床整形外科学会
地の取り組みに対して補助金などのバックアッ
日本整形外科学会、日本運動器科学会、日本臨
わせると動けない人も診断できることが分かり、
療報酬改定時に運動器不安定症の診断基準に合
﹁骨と関節の日﹂企画︵東京︶
っています。
床整形外科学会の3学会で診断基準の変更を行
は﹁運動器不安定症﹂についての説明がありま
ローム︶です。2007年9月の記者説明会で
各地の﹁骨と関節の日﹂の取り組みは様々で、
東京都では市民公開講座、電話相談、新聞広告、
一時混乱した言葉があります。それは運動器
不安定症と運動器症候群︵ロコモティブシンド
では、骨粗鬆症検診なども行いました。
談や医療相談などの企画を実行しました。一部
うになりました。落ちとして、2015年の診
リーであることは少しずつ会員に周知されるよ
基準があるが、ロコモはもう少し大きいカテゴ
た。その後、運動器不安定症は病名であり診断
この二つの言葉は、会員に混乱をもたらしまし
2008年9月の記者説明会に登場しました。
した。このときは、運動器不安定症という言葉
ということになりました。
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また、J COAは各都道府県での取り組みを
任されました。
﹁運動器の 年﹂日本協会も各
前後に実施しました。
話相談を行い、その後毎年電話相談を 月8日
﹁骨と健康11
日整会の取り組みとしては、
0番﹂ということで、1995年 月8日に電
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②「骨と関節の日」ポスター(東京都)
2015年
2006年
ポスターという企画で取り組みました。市民公
開講座は2004年 月4日に、有楽町の東京
国際フォーラムにてアテネオリンピックシンク
ロナイズドスイミング銀メダリストの、立花美
哉、武田美保選手をお招きして公開講座を企画
しました。また、電話相談は 月8日前後の木
います。ここに一部を掲載いたします︵図②︶
。
﹁骨と関節の日﹂の企画として毎年表彰をして
スターは趣向を凝らしたもので、J COAでは
担当者と数回の会議を経て作成しています。ポ
を設けて、その年のテーマに合わせて新聞社の
した。内容は東京都臨床整形外科医会で委員会
﹁骨と関節の日﹂に合わせて新聞広告を行いま
聞の都内と埼玉、千葉、神奈川などの一部に、
った質問も多く寄せられました。また、産経新
わたり、病院を紹介してもらいたいなど少し困
の会員が相談にあたりましたが、質問は多岐に
曜日を中心に行いました。午前と午後5人ずつ
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おわりに
これまで﹁骨と関節の日﹂を中心に、われわ
れの携わっている運動器という言葉を広報して
きました。しかし、まだまだ国民には運動器と
いう言葉は、浸透していないように感じます。
呼吸器、循環器、消化器などと比べると、まだ
まだという感じです。これから超高齢化時代を
迎え、介護や介護予防の観点からも、運動器の
重要性がますます問われることになります。わ
れわれは整形外科医として、国民に運動器の重
要性を広めていく必要性を感じます。特に医療
業界の関係者には、十分理解していただく必要
があります。薬剤業界はもちろんのこと、看護
師、技師、理学療法士︵PT ︶や作業療法士
︵OT︶などリハビリ関係者の理解も必要であ
ると感じています。
︵医療法人社団整秀会
田辺整形外科医院
理事長︶
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