ギリシャの発行体格付をCCからCCC[安定的]に変更

NEWS RELEASE
2016年11月14日
【格付変更】
ギリシャ共和国
外貨建発行体格付:
自国通貨建発行体格付:
CC → CCC
CC → CCC
[格付の方向性:安定的]
[格付の方向性:安定的]
Hellenic Railways Organization S.A.
長期個別債務格付(ギリシャ共和国保証):
CC → CCC
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
経済は回復に向かいつつあり、銀行の経営環境の悪化にも歯止めがかかった。一時的要因を除いた財
政収支は改善し、今後もその基調が続く公算が高い。欧州連合(EU)の追加融資の実行により、政府の
財政資金繰りへの懸念は後退している。以上の判断を踏まえ発行体格付をCCCに格上げし、格付の方向
性は安定的とした。債務の持続可能性を回復するまでの道のりは依然険しい。経済の安定成長はもとよ
り、長期間にわたり規律を重視した財政政策を続けることが求められる。その過程で重要となる政治の
安定性を保つことができるか、経済動向および財政健全化・構造改革の進展とともに注目していく。
2015年の実質国内総生産(GDP)成長率は0.2%のマイナス成長となったが、2016年に入り経済は最悪
期を脱したとみられる。5月にはEU、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)からなる債権団が追
加融資実行を承認したことで、政府の資金繰りに対する懸念は後退した。資本規制の段階的緩和や政府
による未払い金の支払いにより国内の流動性が改善し、年後半の経済は回復に向かっているとみられる。
欧州委員会(EC)の予測では2016年の実質GDP成長率は0.3%のマイナスにとどまるものの、2017年には
2.7%のプラスが見込まれている。
大手銀行4行は2015年末までに資本増強を完了し、経営環境も改善に向かっている。他方、新たな発
生は抑制されているものの不良債権は深刻な問題で、融資残高の半分近くが不良債権となっている。経
済は力強さを欠いたままで、不良債権処理が進み銀行の与信機能が回復するには相当の時間がかかろう。
EUの金融支援プログラムが参照する銀行部門支援コストなどを除いた基礎的財政収支は、2015年に目
標を超えるGDP比0.2%の黒字となった。2017年予算案によると、2016年および2017年の基礎的財政収支
の黒字幅は、ほぼプログラム目標に沿った0.6%と1.8%が見込まれている。目標達成に必要な措置は既
に法制化されており、少なくとも2016年および2017年の目標は達成しよう。
政府の資金需要は、金融支援プログラムによる融資でカバーされている。同プログラムで求められて
いる改革の相当部分が既に実行に移され、与野党ともにユーロ圏残留という点での対立はみられない。
そのため、債権団による今後のレビューと追加融資の承認が大幅に遅れるリスクは小さいとみられる。
一般政府債務残高は2015年末時点でGDP比177.4%に達している。今後減少していく見込みだが、ECの
試算(ベースラインシナリオ)によると、2018年以降、基礎的財政収支の黒字幅が3.5%との前提で2020
年末時点でも160%弱と高水準のままだ。財政健全化に対して政治・国民的合意が十分に形成されてい
るとは言えず、中長期的な債務の持続可能性については引き続き注意が必要だ。
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: インベスターズ・サービス管理部 TEL. 03-3276-3511
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TEL. 03-3276-3438
格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1
E-mail. [email protected]
日本橋一丁目三井ビルディング
http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
©Rating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
Hellenic Railways Organizationが発行する債券には共和国による無条件かつ取消不能の保証がつい
ており、ソブリンの発行体格付と同等の格付としている。
【格付対象】
発行者:ギリシャ共和国
名 称
外貨建発行体格付
自国通貨建発行体格付
格 付
CC → CCC
CC → CCC
格付の方向性
安定的
安定的
発行者:Hellenic Railways Organization S.A.
*ギリシャ共和国保証
名 称
発行総額
発行日
償還日
(億円)
第3回円貨債券
87
1996年12月06日 2016年12月06日
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格
付
CC → CCC
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信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
原 一樹
細田 弘
信用格付を付与した日
主要な格付方法
2016年11月08日
ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載
しています。http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
ギリシャ共和国
Hellenic Railways Organization S.A.
注
格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報
品質確保のための措置
情報提供者
政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料
政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている資料であること。
格付関係者
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約
定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債
務等の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何
ら意見を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来
の事実の表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその
他の意見についての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項
について、いかなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これら
の情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合
には、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信
用格付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性
が高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することが
あります。
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信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
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