半導体⼯学 学籍番号 6回⽬ ⽒名 1. 温度T=300[K](室温)におけるSiについて、以下の問に答えなさい。ただし、以下の物性定 数は⽤いて良く、室温ではSiにおける不純物は飽和領域に達していると仮定して良いとして考 えなさい。また、伝導帯の下端をEC、価電⼦帯の上端をEV、フェルミ準位をEfとする。 伝導帯実効状態密度NC[cm-3] 2.86×1019 価電⼦帯実効状態密度NV[cm-3] 2.66×1019 バンドギャップエネルギーEg[eV] 1.12 真性キャリア密度ni[cm-3] 9.65×109 Siの⽐誘電率εr 11.9 真空の誘電率ε0 [F/m] 8.85×10-12 素電荷q [C] 1.602×10-19 ボルツマン定数kB [J/K] 1.380×10-23 ① ドナー不純物NDを1×1016 [cm-3]ドーピングしたn型Siとアクセプタ不純物NAを1×1019 [cm3]ドーピングしたp型Siにおけるドナーおよびアクセプタの活性化エネルギーΔE およびΔE を A D 求めなさい。ただし、としたとき、⾃由電⼦濃度nおよび⾃由正孔濃度pは以下の式で表される として考えてよいとする。 n Nc e Ec E f k BT p Nv e E f EV k BT ② ①で求めたn型Siとp型Siを接合したときのエネルギーバンドダイヤグラムの概略を描きなさい。 なお、各層の伝導帯の下端・価電⼦帯の上端をE○nの例に倣ってどこの層のものかを明記して 記載すること ③ ②で求めた図中に拡散電位VDを書き⼊れ、フェルミエネルギーの概念を利⽤してその値を求め なさい。 k BT N D N A ln ④ ③で得られた値を、 VD 2 q n i を⽤いて求めた値と⽐較しなさい。 ⑤ このpn接合におけるn型Siにおける空乏層の幅とp型Siにおける空乏層の幅はどれくらいの⽐で どちらがひろいか?理由を付して答えなさい。 ⑥ 外部から電圧を加えない時、拡散電流・ドリフト電流はデバイス中のどの層に流れていると考 えられるかを答えなさい。 ⑦ ②で描いたエネルギーバンドダイヤグラムを再度書き、外部から電圧を加えていないときの内 部電界、n層中電⼦の拡散電流、p層正孔の拡散電流、内部電界Eによる伝導帯電⼦および価電 ⼦帯正孔のドリフト電流について、それぞれの向きを図に書き⼊れなさい。 ⑧ Siの電⼦移動度μe=1,100[cm2/Vs]、正孔移動度μh=350[cm2/Vs]とする。また、電⼦の少数 キャリア寿命τe=10-7[s]、正孔の少数キャリア寿命τh=10-6[s]である。 このとき、逆⽅向飽和電流密度jsはいくらになるか?ただしjsは qD qD js e n p 0 h pn 0 Lh Le とあらわされる。 ここで、Le、Lhは電⼦・正孔の拡散⻑、 np0およびpn0はそれぞれ、p層・n層 の無バイアス時の電⼦濃度・正孔濃度を表すとし、アインシュタインの関係式は De e k BT k T , Dh h B であるとして計算しなさい。 q q 半導体⼯学 学籍番号 6回⽬ 2.右図のようなpn接合ダイオードにおいて、以下の問い に答えなさい。 (1) ⼀般に伝導帯電⼦の実効状態密度をNC、価電⼦帯正 孔の実効状態密度をNV、フェルミエネルギーをEfとする と、伝導帯電⼦密度n、価電⼦帯正孔密度pはそれぞれ、 EC E f n N C exp k BT E Ef , p NV exp V k BT と表される。kBはボルツマン定数、Tは絶対温度である。 また、真性キャリア密度niは、 エネルギー [J] ⽒名 ECp p型 n型 qVD Efp EVp ECn: n層の伝導帯下端のエネルギー EVn: n層の価電⼦帯上端のエネルギー ECp: p層の伝導帯下端のエネルギー EVp: p層の価電⼦帯上端のエネルギー Efn: n型層のフェルミエネルギー Efp: p型層のフェルミエネルギー VD: 拡散電位 q: 素電荷 ECn Efn EVn Eg ni N C NV exp 2 k BT である。 n型層にドナー不純物がND、p型層にアクセプタ不純物が NAドーピングされ、すべて活性化していると仮定して、n 型層における正孔濃度pn、p型層における電⼦濃度np、を ND、NA、niを⽤いて表しなさい。 (2) 右の図において、NAとNDはどちらが多いと考えられるか?理由を付して答えなさい。 (3) さまざまな材料を⽤いてpn接合ダイオードを形成する。バンドギャップEgが⼤きい材料と⼩さ い材料について、それぞれの材料のpn接合における拡散電位VDと逆⽅向飽和電流密度jsは、材料の Egに対して、どのような傾向を⽰すと考えられるか?理由も付して答えなさい。ただしjsは qD qD js e n p 0 h pn 0 Lh Le とあらわされるのでこの式を使って説明して良い。 ここで、Le、Lhは電⼦・正孔の拡散⻑、 np0お よびpn0はそれぞれ、p層・n層の無バイアス時の電⼦濃度・正孔濃度を表す。 (4) このバンド図を持つpn接合を形成した時に、順⽅向電圧を増⼤すると流れる電流は電⼦電 流・正孔電流のどちらが⽀配的になると考えられるか?理由を付して答えなさい。 (5) このバンド図において、電界はどこの部分にどの向きに働いていると考えられるか?
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