第3章 施策の現状と施策展開

第3章 施策の現状と施策展開
第3章 施策の現状と施策展開
- 33 -
第3章 施策の現状と施策展開
◆ 第2期計画の成果と課題
(1)地域や暮らしに根ざした事業・活動への支援
【成果】
○校区等福祉委員会でのサロン活動や声かけ訪問運動などの定着(平成 26 年度:サロン実施回
数 519 回/目標 500 回、サロン参加ボランティア数 5,965 人/目標 6,000 人)
○府の権限委譲によるNPO認証数の増加(平成 26 年度:19 法人/目標 11 法人)
○認知症サポーター養成人数の増加(平成 26 年度:2,173 人/目標 700 人)
⇩
【課題】
◎自治会、老人クラブ、こども会等の加入率の低下など、社会変化に合わせた対応が必要(平成
26 年度:自治会加入率 61.0%/目標 70.0%)
◎自治会、老人クラブ、こども会、地域女性団体協議会、民生児童委員協議会、校区等福祉委員
会等の団体と『ボランティア・NPO』とのネットワークづくりが必要
◎メンバーの高齢化への対応、新規メンバーの参加促進が必要
◎ボランティア団体・NPO法人の福祉事業への参加促進が必要
(2)住民の地域福祉活動への参加を促進する条件づくり
【成果】
○地域福祉活動拠点の整備:さわやか広場とりかいの開設(平成 25 年4月)
○ボランティアセンターの充実:地域福祉活動支援センターの開設(平成 24 年4月)
○ボランティア派遣回数の増加(平成 26 年度:810 回/目標 500 回)
○ボランティアフェスティバルの開催(平成 25 年度~:年1回)
○地域レベルでのネットワーク間の連携:地域ケア会議の開催の増加(平成 26 年度:15 回/目
標4回)
○社会福祉協議会による社会福祉施設の位置マップの作成・配布
⇩
【課題】
◎拠点へのアクセスの改善、さらに小さな地域単位での活動促進が必要
◎ボランティア人材のさらなる発掘・確保が必要
◎高齢者・子育て・障害者など各分野でのネットワークは進みつつあるが、分野を超えたネット
ワーク間のさらなる連携が必要
- 34 -
第3章 施策の現状と施策展開
(3)福祉サービスを利用しやすい仕組みづくり
【成果】
○コミュニティソーシャルワーカー(CSW)による相談件数の増加(平成 26 年度:3,179 件/
目標 3,000 件)
○地域包括支援センター相談件数の増加(平成 26 年度:548 件/目標 300 件)
⇩
【課題】
◎多様化する相談に対応するため、関係機関の連携や相談窓口の整備など、相談支援体制の強化
が必要
◎地域の実情を把握するため、関係団体と行政との連携による情報収集が必要
(4)地域の特性に対応した保健福祉サービスの育成
【成果】
○摂津市障害者総合支援センターの開設(平成 22 年 11 月)
○小規模多機能ホーム摂津いやし園の開設(平成 22 年8月)
○コミュニティプラザの開設(平成 22 年7月)
⇩
【課題】
◎多様化する問題に対応した、総合的なケアマネジメント体制の強化が必要
(5)地域福祉を推進するために必要な暮らしの基盤づくり
【成果】
○休日診療など、保健・医療体制の整備:市立休日小児急病診療所の治療者数の増加(平成 26
年度:912 人/目標 650 人)
○「吹田操車場跡地『健康・医療』のまちづくり」シンポジウムの開催(平成 27 年2月)
○自治会・校区等福祉委員及び民生委員・児童委員による子どもの安全見守り隊などの活動推進、
世代間交流
○自主防災組織の組織化、災害時要援護者名簿の作成など、災害時の避難体制を整備
⇩
【課題】
◎北大阪健康医療都市(以下「健都」)の国立循環器病研究センター(以下「国循」)と連携した
保健・医療体制の構築が必要
◎災害時のひとり暮らし高齢者・要援護者への対応など、地域住民への防災対策周知の必要
- 35 -
第3章 施策の現状と施策展開
◆ 第3期計画の施策体系
◆
第3期計画の体系図
●地域福祉活動の基本的な単位[小学校区]
●地域福祉サービスの圏域[中学校区]
【 基 本 理念】
【 施策内容】
1.地域福祉活動に参加
しやすい地域づくり
(1)校区等福祉委員会や自治会を中心とした地域活動への支援
①校区等福祉委員会活動への支援
②自治会等を中心とした地域活動への支援
(2)ボランティア活動活性化支援
①ボランティア団体・福祉分野のNPO法人への支援
②ボランティア人材の確保と育成
③ボランティア情報の提供・共有化
(3)世代間や住民同士の交流促進
2.支え合いのまちの構
築
(1)社会福祉協議会との連携・協働の強化
(2)地域福祉活動支援センターとボランティアセンターの活動の充実
(3)地域福祉活動の拠点の整備
①地域において身近に集まることができる場所の整備
②地域福祉活動拠点の整備
(4)福祉関連団体間の連携
(5)社会福祉法人・NPO法人・事業者の地域貢献の促進
3.すべての人が必要な
時に支援が行き届く仕
組みづくり
(1)利用者の立場に立った情報提供
(2)多様化する福祉課題に応える組織体制
①身近なところからつながる相談体制の充実
②関係機関のネットワークによる支援体制
③生活困窮者自立支援
④地域包括ケアシステム
(3)福祉サービス利用者の権利擁護
①成年後見制度の利用促進
②日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)の利用促進
4.安心して暮らせるま
ちづくり
(1)緊急時・災害時の支援体制の構築
①災害時要援護者の避難支援を通じた地域のつながりづくり
②緊急時、災害時の避難体制の整備
③被災者等への支援体制の整備
(2)いのちの安全と健康を守る保健・医療の充実
1.計画の推進体制の整備
2.計画の進行管理
3.行政の推進体制
4.関係機関・団体との連携
5.地域福祉を進めるための財政基盤
計画の推進に向けて
…重点的な取り組み
民間福祉活動の支援
協力・協働
地域福祉推進計画(社会福祉協議会)
- 36 -
具体的な取り組み内容は計画の進行管理で検討を行う。
みんなで 支え合い、誰 もが健康で安心して 暮ら せる人権と 福祉のまちづく り
【基本目標】
第3章 施策の現状と施策展開
◆
重点的な取り組み
取り組み1
社会福祉協議会との連携・協働の強化
基本目標2「支え合いのまちの構築」施策内容(1)
社会福祉協議会は、誰もが安心して暮らすことのできる福祉のまちづくりを推進すること
を目的とした組織であり、市と協働して地域福祉計画の推進役を担うとともに、その推進に
おいて市民、関係団体、行政との調整役として大きな役割を担うことが求められています。
そのため、社会福祉協議会、地域包括支援センター、ボランティアセンター等が入居する
地域福祉活動支援センターを開設し、社会福祉協議会を中心とした市の地域福祉推進の中核
拠点の整備を進めてきました。
本計画は、社会福祉協議会が策定する地域福祉推進計画と一体的に推進するとともに、地
域防災力の向上や、総合相談窓口の設置など、市民、関係団体、行政が協働して福祉のまち
づくりを推進する場において、社会福祉協議会を中心とした連携・協働体制の強化をめざし
ます。
取り組み2
身近なところからつながる相談体制の充実
基本目標3「すべての人が必要な時に支援が行き届く仕組みづくり」施策内容(2)①
増加するひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯、また若い世代における引きこもり、生
活困窮など、複雑多岐にわたる個々の福祉・生活課題に対して、きめ細やかで適切な相談活
動を行えるよう、いつでも・どこでも・誰でも相談ができるような総合的な相談支援体制が
求められています。
そのため、民生委員・児童委員が活動しやすい環境・条件の整備を図るとともに、コミュ
ニティソーシャルワーカー(CSW)やライフサポーターの配置促進に努め、地域包括支援
センターや障害者総合支援センター等の関係機関との「見守り・発見・つなぎのネットワー
ク」の強化を図ります。また、「重点的な取り組み1」で進める社会福祉協議会との連携に
より、福祉相談の入口となる窓口で、相談者と相談先をつなぐ役割を担う総合相談窓口の設
置をめざします。
- 37 -
第3章 施策の現状と施策展開
取り組み3 災害時要援護者の避難支援を通じた地域のつながりづくり
基本目標4「安心して暮らせるまちづくり」施策内容(1)①
本市においては、平成 24 年4月から国に先立ち、災害時要援護者支援制度を発足してい
ます。平成 25 年 12 月から平成 27 年6月までにわたり、モデル自治会を指定し、防災管財
課を含めて同意要援護者名簿の自治会における活用方法及び課題を協働で検討しました。
モデル自治会での検討を通じ、要援護者に対する災害時の支援の方法について自治会内で
議論し構築することが、地域コミュニティの強化につながるということを発見しました。よ
って、今後も引き続き、自治会等を対象とした水害における緊急防災マップづくりや災害時
要援護者支援制度を推進することにより、共助意識も醸成し、地域住民のつながりづくり及
びコミュニティ活動の活性化をめざします。
- 38 -
1.地域福祉活動に参加しやすい地域づくり
1.地域福祉活動に参加しやすい地域づくり
(1)校区等福祉委員会や自治会を中心とした地域活動へ
の支援
①
校区等福祉委員会活動への支援
現状と課題
○
校区等福祉委員会は、自治会、老人クラブ、民生児童委員協議会、ボランティアなど様々
な組織が構成団体として活動しており、小地域ネットワーク活動推進事業のグループ援助活
動として「ふれあいいきいきサロン」、
「ふれあいサロン」
、
「子育てサロン」などのサロン活
動や世代間交流を行っています。
○
誰もが気軽に立ち寄れる居場所として喫茶事業が新たに開設されるなど、各校区等福祉委
員会で地域の状況に合わせた活動が展開されています。
○
校区等福祉委員会の活動の周知を図るとともに、地域福祉の担い手育成を目的とした市民
のつどいが実施されています。
○
第3期実態調査の結果では、校区等福祉委員会について、市民全体では約6割の人が「名
前も活動内容も知らない」と回答しています。校区等福祉委員会の提供するサービスを現在
必要と感じていない人の関心を高めるのは困難ですが、サービスを必要としているのに校区
等福祉委員会の存在に気づいていない地域住民に向けた情報発信を充実していく必要があ
ります。
○
関係団体の調査では、校区等福祉委員会から、「担い手がいない」
「住民の参加が少ない」
といった課題が多く挙げられています。
○
地域福祉懇談会では、校区等福祉委員会相互の交流が少ないといった問題意識や、他の福
祉団体等との協力関係の強化が課題という意見が多く出ました。
【指標】
項
目
(回)
①校区等福祉 実施回数
(人)
委員会が実施 参加者数
するサロン
ボランティア数(人)
平 成 24 年 度 平 成 25 年 度 平 成 26 年 度
538
12,611
5,710
521
12,028
5,799
- 39 -
519
12,140
5,965
目標(予測)
平 成 30 年 度 平 成 32 年 度
550
12,200
6,000
560
13,000
6,500
第3章 施策の現状と施策展開
施策の方向
校区等福祉委員会活動の支援
◎
活動場所の充実に向け支援します。
◎
新たな担い手を増やすために、新たなグループや団体の参加促進を社会福祉協議会と協
働して推進します。
◎
自治会、民生児童委員協議会、社会福祉協議会(校区等福祉委員会含む)、老人クラブ
の4団体連絡協議会における、災害時の要援護者支援制度を通した地域のつながりづくり
を推進し、関係団体間の交流を支援します。
◎
社会福祉協議会と協働して、校区等福祉委員会の情報共有を目的に、新たな活動等を掲
載したガイドラインを作成します。
関係部署
保健福祉課、高齢介護課
担い手
社会福祉協議会、校区等福祉委員会、自治会、老人クラブ、民生児童委員協議会、
青少年指導員、PTA、ボランティア
- 40 -
1.地域福祉活動に参加しやすい地域づくり
②
自治会等を中心とした地域活動への支援
現状と課題
○
少子高齢化や住環境の変化、ライフスタイルの多様化により、自治会、老人クラブへの加
入率が年々減少しています。
○
自治会や老人クラブの活動に理解や積極的な参加を得られるように、地域住民に周知して
いく取り組みが必要です。
○
福祉のまちづくりを進めるためには、自治会等が健康・福祉の問題にどのように取り組ん
でいくかが重要な課題です。
○
各地区の自治連合会に対し、地域活性化事業補助金を活用していただき、防災活動の推進
等地域の活性化のための取り組みの支援を行っています。
○
第3期実態調査の結果では、地域福祉活動を進める上で住民が主体的に取り組むこととし
て、「住民相互の日常的な対話交流を広げる」に次いで「自治会が住民の身近な暮らしや健
康、安全・防犯などの問題に取り組む」が、高い割合を示しています。また、地域での人と
の関わりについての考えとして、「いざという時のために、近所を中心とした助け合いやつ
きあいを大切にしたい」が前回調査と同様に高い割合を示しています。
○
地域福祉懇談会では、自治会、老人クラブ等の役員を引き受ける住民が減っている状況の
改善や、小学校区より小さい自治会の範囲での機動性を生かした地域福祉活動の効用につい
ての意見が多く出ました。
【指標】
項
目
①自治会への加入率(%)
②老人クラブ会員数(人)
③地域活性化 事業数(回)
補助事業
参加者数(人)
④こども会加入率(%)
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
62.6
3,330
31
20,803
54
62.0
3,226
31
22,985
48
61.0
3,096
31
22,105
48
- 41 -
目標(予測)
平成 30 年度 平成 32 年度
70.0
3,850
40
23,400
49
70.0
4,100
40
23,400
50
第3章 施策の現状と施策展開
施策の方向
地域の実情に対応した自治会・老人クラブ活動の促進
◎
自治会・老人クラブの存在意義について、地域住民、特に新規転入者への積極的な周知
に努め、表面的な加入率の増加ではなく活動内容の充実につながるような情報提供を図り
ます。
地域における連携・ネットワークの支援
◎
自治会、老人クラブ、こども会等の地域組織によるきめ細やかなつながりや助け合い機
能が発揮されるよう、地域組織の育成を支援します。
◎
地域組織と密接な関係にある民生児童委員協議会や校区等福祉委員会等とのネットワ
ークづくりを支援します。具体的には、災害時要援護者支援制度の仕組みづくりを通して
地域力の向上を推進します。
地域安全活動への支援
◎
セーフティパトロール隊や子どもの安全見守り隊など、登下校時の通学路及び公園など
における犯罪防止のための地域安全活動の推進を支援します。
関係部署
自治振興課、生涯学習課、子育て支援課、保健福祉課、高齢介護課
担い手
自治会、老人クラブ、社会福祉協議会、校区等福祉委員会、民生児童委員協議会、
PTA、こども会
- 42 -
1.地域福祉活動に参加しやすい地域づくり
(2)ボランティア活動活性化支援
①
ボランティア団体・福祉分野のNPO法人への支援
現状と課題
○
地域福祉を推進していくためには、新たな担い手づくりが課題です。従来からの福祉施設
や行事などでのボランティア活動に加えて、小地域ネットワーク活動の各種サロン活動のよ
うに、住み慣れた地域におけるボランティア活動など、活動が身近な場面で展開されていく
中で、ボランティア活動への関心や活動の広がりが一層求められています。
○
ボランティア団体やNPO法人が、福祉、環境、子育て、文化・芸術などの分野で地域活
動やサービス事業を展開しており、NPOの認証数(法人)は増加傾向にあります。多様な
福祉ニーズに対応するために、ボランティア団体・NPO法人等の福祉事業への参加促進が
望まれており、活動に対する住民への理解が求められています。
○
団体紹介や市民活動に関する支援事業を掲載した「摂津コミネット」を市民活動団体との
協働で作成し、周知を図りました。
○
第3期実態調査の結果では、ボランティアやNPOなどの活動について、市民全体では4
割強の人が「時間などの条件があえば参加してみたい」と回答しています。しかし一方で、
約5割が「参加したくない」と答えており、参加意欲の伸び悩みがうかがわれるため、地域
住民の活動への理解促進が課題となっています。
○
関係団体の調査では、ボランティア団体・NPO法人から、団体・法人の情報を地域に提
供し、地域の情報を団体・法人が取得するために、行政等に協力してほしいという意見が挙
げられています。
【指標】
項
目
NPO認証
①市民活動支 数(法人)
援事業
講座受講者
数(人)
平 成 24 年 度
平 成 25 年 度 平 成 26 年 度
目標(予測)
平 成 30 年 度 平 成 32 年 度
18
17
19
21
22
56
98
58
100
120
- 43 -
第3章 施策の現状と施策展開
施策の方向
既存のボランティア団体・NPO法人への支援
◎
ボランティアへの参加意欲はあるが参加していない方や、いきいきカレッジの卒業生な
どが地域での活動に参加しやすくなるように、ボランティアセンターと協働で体制づくり
に取り組みます。
新規のボランティア団体・NPO法人への支援
◎
新規のボランティア団体やNPO法人の設立を支援するために、相談・問い合わせの体
制づくりを進めます。
福祉事業への参画の支援
◎
これまでの活動に加えて街かどデイハウスや、つどい場のように、事業主体として福祉
事業へ参画することが可能となるよう支援します。
関係部署
市民活動支援課、保健福祉課、障害福祉課、高齢介護課
担い手
社会福祉協議会、NPO法人、ボランティア団体、ボランティアセンター
- 44 -
1.地域福祉活動に参加しやすい地域づくり
②
ボランティア人材の確保と育成
現状と課題
○
ボランティアの活動場所の開拓やコーディネートは、摂津市ボランティアセンターがその
中心的な役割を担っています。ボランティア未経験者が参加しやすいよう、ボランティア体
験プログラムなど、各種講座を実施しています。
○
小中学生を対象とした認知症サポーター養成講座を実施し、福祉意識の高揚に努めました。
○
第3期実態調査の結果からボランティア講座などの受講意向をみると、「時間があれば受
講したい」が 56.3%、
「簡単なものがあれば受講したい」が 32.7%となっています。こうし
たボランティアを始める入口としての講座の充実がボランティア人材の発掘に有効と考え
られます。
○
第3期実態調査の結果から参加したい社会貢献・地域貢献活動をみると、「高齢者の見守
りや介護などに関する活動」が前回調査(平成 21 年度)より約9ポイント増の 41.4%とな
ったほか、
「子育て支援、子どもの安全、子どもの健全育成などに関する活動」
(43.7%)の
割合が多くなっています。このような市民の関心や希望を具体的に実現して、社会貢献・地
域貢献活動を促進することが必要となっています。
○
関係団体の調査では、団体の問題点・課題をみると「担い手がいない」が 21 団体となっ
ています。
○
現在、様々なボランティア活動が実施されていますが、担い手の高齢化に伴い縮小傾向に
あるため、新たな担い手への働きかけが重要です。
○
地域福祉懇談会では、地域に住む多様な技術を持つ人たちを人材として確保し、ボランテ
ィア活動を生きがいや健康づくりにつなげる、といった提案がされました。
【指標】
項
目
平 成 24 年 度
平 成 25 年 度 平 成 26 年 度
目標(予測)
平 成 30 年 度 平 成 32 年 度
①ボランティア登録者数
(人)
569
529
533
550
600
②ボランティア講座回数
(回)
17
15
14
20
25
③認知症サポーター養成人
数(人)
1,571
1,839
2,173
2,480
2,500
- 45 -
第3章 施策の現状と施策展開
施策の方向
新たな担い手、リーダーづくり
◎
誰もが身近なところでボランティア活動に参加したり、支援を受けたりできるよう、ボ
ランティアセンターがボランティア活動の担い手の発掘や育成などを目的に実施する、地
域福祉活動に関する市民講座やボランティアリーダー養成講座の充実を支援します。
◎
福祉教育による意識の醸成と次世代の地域を担う人材の養成を進めるため、ボランティ
アセンターが実施する小・中学校における福祉教育実施を支援します。
◎
認知症サポーター養成講座を定期的に実施し、サポーターの拡充を推進します。
関係部署
保健福祉課、高齢介護課、学校教育課
担い手
社会福祉協議会、ボランティアセンター、ボランティア
- 46 -
1.地域福祉活動に参加しやすい地域づくり
③
ボランティア情報の提供・共有化
現状と課題
○
ボランティアセンターを所管する社会福祉協議会においては、ボランティア活動に関する
情報や福祉講座などのイベント開催の情報を社協ニュースやホームページ、パンフレットに
より啓発しています。
○
第3期実態調査の結果からボランティア等を活性化するために市が取り組むべきことを
みると「活動に関する情報提供」が 54.0%と最も多くなっています。このことから情報提供
の充実の必要性が求められています。
○
関係団体の調査では、団体の問題点・課題をみると「担い手がいない」
(21 団体)のほか、
「団体間の交流の推進」
(14 団体)が上位に挙げられ、また、課題解決のために地域の住民
や他の団体と連携したいことでは「団体間の情報交換」が8団体で最も多くなっています。
○
地域福祉懇談会では、地域での活動や取り組みを、住民に可視化することの重要性が指摘
されました。
施策の方向
ボランティア情報の共有
◎
地域福祉通信・社協ニュースやホームページにより、広くボランティア活動の周知を図
るとともに、いつでも誰でもボランティア活動に参加できる環境整備を目的にした地域福
祉活動ハンドブック作成を支援します。
◎
市の地域福祉活動の中核拠点である地域福祉活動支援センターにおいて、地域福祉活動
に携わる関係団体間の情報交換会や研修会などを実施するほか、ボランティアフェスティ
バルの充実を図り、情報共有できる体制整備を支援します。
関係部署
保健福祉課
担い手
社会福祉協議会、ボランティアセンター、ボランティア
- 47 -
第3章 施策の現状と施策展開
(3)世代間や住民同士の交流促進
現状と課題
○
地域福祉を推進するためには、地域で住民同士が互いを理解しようとし、また、地域の出
来事に関心を高めていくことが大切です。
○
地域福祉の基本は住民同士の日常的な関わりにあります。地域で培ってきた人間関係の良
さを大切にしながら、地域内の関係が希薄になりつつある状況を変え、住民同士の交流や理
解が促進されることが必要になっています。
○
第3期実態調査の結果では、近隣とのつきあいについて、市民全体の 16.4%が「ほとんど
つきあいをしていない」と回答しており、前回調査より割合が多くなっています。さらに、
地域の活動や行事などへの参加について、42.1%が「参加したことがない」と回答していま
す。また、地域福祉活動を進める上で住民が主体的に取り組むこととして、「住民相互の日
常的な対話交流を広げる」が 38.7%で最も多くなっていますが、前回調査よりは減少してい
ます。
○
関係団体の調査では、地域福祉の大切さが地域住民に実感されていないのではないかとい
う意見が出ています。
○
地域福祉懇談会では、すべての中学校区において、地域での人間関係が希薄になっている
傾向が指摘されました。また、防犯意識の高まりにより子どもに声をかけにくい風潮や、閉
じこもっている人やマンション居住者との交流の難しさが挙げられました。解決策として、
スポーツや健康づくりなど多様な活動の場を通じて地域とつながる、といった提案がされま
した。
【指標】
項
目
①世代間交流事業数(回)
平 成 24 年 度
12
平 成 25 年 度 平 成 26 年 度
12
- 48 -
12
目標(予測)
平 成 30 年 度 平 成 32 年 度
12
12
1.地域福祉活動に参加しやすい地域づくり
施策の方向
世代間や住民同士の交流の推進
◎
学校や保育所・幼稚園で校区等福祉委員会と連携して高齢者との交流を促進し、地域で
の世代間交流を促進していきます。
◎
日ごろからのあいさつなど、人と人とのコミュニケーションをさらに大切にするまちを、
めざします。地域とのつながりの重要性について理解を広げていきます。
関係部署
保健福祉課、自治振興課、学校教育課、生涯学習課、こども教育課
担い手
社会福祉協議会、校区等福祉委員会、自治会、こども会、学校、保育所・幼稚園等
- 49 -
第3章 施策の現状と施策展開
2.支え合いのまちの構築
(1)社会福祉協議会との連携・協働の強化
現状と課題
○
社会福祉協議会は、地域福祉計画の根拠法である社会福祉法において、地域福祉の推進を
図る中核として位置付けられ、誰もが安心して暮らすことのできる、福祉のまちづくりを推
進することを目的とした組織です。そのため、社会福祉協議会は、市と協働して地域福祉計
画の推進役を担うとともに、その推進において市民、関係団体、行政との調整役として大き
な役割を担うことが求められています。
○
今後、社会福祉協議会の活動がますます重要となってくる中、活動内容の充実を図るとと
もに、広く住民に周知することが重要となっています。
○
平成 24 年度に、社会福祉協議会、地域包括支援センター(平成 25 年度に社会福祉協議会
に委託)、ボランティアセンター等が入居する地域福祉活動支援センターが開設され、社会
福祉協議会を中心とした市の地域福祉推進の中核拠点が整備されました。
○
第3期実態調査の結果では、社会福祉協議会の「名前も活動内容も知っている」人と「名
前は聞いたことがあるが、活動内容は知らない」人との合計は 45.6%となっており、福祉サ
ービスや相談支援を行っている組織や団体の中では、民生児童委員協議会、福祉事務所、ボ
ランティア・NPO団体に次いで認知されています。しかし、暮らしや医療・福祉のことで
主に社会福祉協議会の職員に相談するという人は 0.6%と、相談窓口としてはあまり認識さ
れていないのが現状です。
○
関係団体の調査では、行政、社会福祉協議会に協力してほしいこととして、専門的な助言
や、各団体間のコーディネートが挙げられています。
○
地域福祉懇談会では、テーマ「校区等福祉委員会の活動」について、校区等福祉委員会の
関係者から、社会福祉協議会との協力体制の強化に係る意見が多く出ました。
- 50 -
2.支え合いのまちの構築
施策の方向
地域福祉計画と地域福祉推進計画との一体的な推進
◎
本計画は、社会福祉協議会が策定する「地域ささえあいプラン~摂津市地域福祉推進計
画~」と相互に補完し、連携・役割分担して総合的に推進する必要があるため、(社会福
祉協議会計画の更新及び本市計画の中間見直し時に)一体的に推進できる計画とします。
地域防災力の向上を通じた地域連携の推進
◎
災害時要援護者支援制度等の地域防災力の向上を、社会福祉協議会との協働により推進
します。(※重点的な取り組み3「災害時要援護者の避難支援を通じた地域のつながりづ
くり」を参照)
総合相談窓口設置の調整
◎
市民からの福祉相談の入口になる窓口で、相談者と相談先をつなぐ役割を担う総合相談
窓口の設置について、社会福祉協議会等と調整を図ります。(※重点的な取り組み2「身
近なところからつながる相談体制の充実」を参照)
社会福祉協議会との連携・協働
◎
社会福祉協議会と連携・協働し、誰もが安心して暮らせる福祉のまちづくりを進めるた
めに、地域福祉活動のネットワークづくりを推進します。
社会福祉協議会の活動への支援
◎
地域の福祉力を育成するために、地域福祉の中心となる社会福祉協議会への継続的な財
政支援を行います。
◎
住民の多様な生活課題に対応していくために、社会福祉協議会を地域福祉推進の中核的
な組織として位置付け、その機能を十分に遂行できるように、組織の強化が図れるよう支
援します。
◎
小地域ネットワーク活動の個別支援活動「見守り・声かけ」や、グループ援助活動の「各
種サロン活動」
「世代間交流」の推進と充実を支援します。
◎
社会福祉協議会の職員について、保健福祉の幅広い知識を有し、専門性を高め、地域福
祉活動をコーディネートできるような力量の向上が図られるよう、支援を行います。
関係部署
保健福祉課
担い手
社会福祉協議会、地域包括支援センター
- 51 -
第3章 施策の現状と施策展開
(2)地域福祉活動支援センターとボランティアセンター
の活動の充実
現状と課題
○
現在のボランティアセンターは、地域福祉活動支援センター内に設置され、ボランティア
が自由に集うスペース、情報を収集・閲覧できる情報ルームなどがあり、ボランティア活動
の推進、支援を行っています。
○
平成 25 年度からは、ボランティアセンターにおいて地域福祉活動に携わる関係団体間の
連携を目的にボランティアフェスティバルが開催されています。
○
ボランティア派遣回数は、ボランティアセンターの拡充により増加しています。
○
ボランティア活動を担う人材や活動については、今後生活課題が多様化する中、ますます
ボランティアの人材の発掘と養成が求められてきます。
○
第3期実態調査の結果では、社会貢献・地域貢献活動について、「時間などの条件があえ
ば参加してみたい」との回答は前回調査よりやや減少したものの、依然として4割以上あり、
このような市民の希望を具体的に実現する工夫は引き続き必要です。また、相談窓口や機
関・施設としてボランティアセンターを知っている人は 5.0%となっており、さらなる周知
が必要です。
○
関係団体の調査では、地域福祉活動の連携・協力団体として、2団体がボランティアセン
ターを挙げています。また、2団体が、様々な課題解決のためにボランティアの協力を希望
すると回答しています。
【指標】
項
目
平 成 24 年 度
平 成 25 年 度 平 成 26 年 度
目標(予測)
平 成 30 年 度 平 成 32 年 度
①地域福祉活
利用件数
動支援センタ
(件)
ー事業
633
634
640
670
700
②ボランティア派遣回数
(回)
533
675
810
850
900
- 52 -
2.支え合いのまちの構築
施策の方向
ボランティア活動の支援
◎
市民活動支援課とボランティアセンターの連携に努めます。
◎
ボランティア活動に対する周知や理解を図るために、啓発活動、情報提供や学習会・講
演会などの開催について支援し、ボランティア未経験者が参加しやすい環境整備を進める
とともに、ボランティアグループや団体が交流を深め、身近な地域で気軽にお互いの情報
交換ができる機会を設けることにより、相互の連携強化を図っていきます。
ボランティアの活動の活性化
◎
社会福祉施設によるボランティア活動受入マニュアルを作成し、ボランティア活動の活
性化に努めます。
関係部署
保健福祉課、市民活動支援課
担い手
社会福祉協議会、ボランティアセンター、ボランティア
- 53 -
第3章 施策の現状と施策展開
(3)地域福祉活動の拠点の整備
①
地域において身近に集まることができる場所の整備
現状と課題
○
住民が日ごろ集まる場所は、市全体では主に市立集会所と公民館ですが、地域によっては
利用状況に差があり、地域福祉活動や住民の交流の場として十分利用活用されていないのが
現状です。そのために、既存の公共施設の有効利用などによる地域福祉活動の場の確保が求
められています。
○
地域の身近にある公園などを地域の人々がふれあえる場所とすることも求められていま
す。
○
第3期実態調査の結果では、日常に地域で集まったり話し合ったりする場所として、市民
全体では 18.9%が市立集会所を、12.5%が公民館を挙げています。また、集まりに参加しな
い人が過半数と、前回調査に比べてやや増加しており、地域福祉活動の場を整備し、かつ利
用してもらうことが課題となっています。また、利用している場所について不便を感じたこ
とをみると、「駐車場がない、狭い、遠い」、「利用の目的が限られている」、「利用の手続き
が面倒」などが、それぞれ1割前後ですが挙げられています。
○
地域福祉懇談会では、地域での交流の場所として、移動の困難な高齢者等のことを考える
と、可能なかぎり家の近くで集まることができるのが望ましいという意見が出ました。
【指標】
項
目
平 成 24 年 度
平 成 25 年 度 平 成 26 年 度
目標(予測)
平 成 30 年 度 平 成 32 年 度
①市立集会所 利用件数
管理事業
(件)
7,575
7,710
8,030
8,000
8,050
②公民館運営 利用件数
事業
(件)
11,809
11,471
11,487
10,000
10,000
③コミュニテ
利用件数
ィプラザ管理
(件)
事業
9,387
10,921
10,815
11,000
11,050
- 54 -
2.支え合いのまちの構築
施策の方向
既存施設の有効活用
◎
公民館ならびにコミュニティプラザは地域のコミュニティを支える身近な施設として
地域の貴重な社会資源であることから、介護予防などの教室をはじめ、地域福祉を支える
企画に協働して取り組んでいきます。
◎
公民館、公園、学校など、みんなが集まる場所のバリアフリー化を進め、すべての人が
利用しやすい場所づくりを進めます。
関係部署
防災管財課、自治振興課、市民活動支援課、公園みどり課、子育て支援課、生涯学習課、
保健福祉課、障害福祉課、高齢介護課
担い手
自治会、老人クラブ、民生児童委員協議会、ボランティア
- 55 -
第3章 施策の現状と施策展開
②
地域福祉活動拠点の整備
現状と課題
○
平成 24 年度に、社会福祉協議会、地域包括支援センター、ボランティアセンター等が入
居する地域福祉活動支援センターが開設され、本市における地域福祉の情報収集・発信、相
談・コーディネートを一体的に行える地域福祉活動の中核拠点が整備されました。
○
より多くの住民がボランティア活動に参加して、住民同士の支え合いが広がっていく身近
な交流の場としての拠点の確保が求められています。
○
現在、4中学校区で地域福祉活動拠点が開所し、既存施設の活用も含め、残り1中学校区
の整備が課題となっています。
○
第3期実態調査の結果では、日常的に地域福祉活動拠点で集まったり話し合ったりする人
は、市民全体では 1.9%となっており、整備し、活用してもらうことが課題となっています。
○
地域福祉懇談会では、地域福祉活動拠点が整備されて活動の幅が拡がった、という意見も
あれば、地域によっては拠点まで行きにくい、という意見もありました。
【指標】
項
目
平成 24 年度
3
①拠点整備箇所数(箇所)
②拠点利用件数(件)
平成 25 年度
―
平成 26 年度
4
―
目標(予測)
平成 30 年度 平成 32 年度
4
―
5
380
5
400
*実績値のない項目は新規事業
施策の方向
地域福祉活動拠点の整備
◎
地域福祉を総合的に進めるために、地域福祉活動支援センターを中心に、各中学校区で
の拠点を確保するとともに、市立集会所や地域の公共施設の充実を図り、校区等福祉委員
会が活動しやすい場の整備を社会福祉協議会とともに進めます。
◎
拠点が整備されていない一つの中学校区においては、地域の意向などの把握を含め検討
します。また、既整備施設については、地域福祉活動の拠点として幅広く利用されるよう、
その充実を支援します。
関係部署
保健福祉課、防災管財課
担い手
社会福祉協議会、校区等福祉委員会、ボランティア
- 56 -
2.支え合いのまちの構築
(4)福祉関連団体間の連携
現状と課題
○
市内には、ボランティア団体・NPO法人や当事者団体、自主グループ等が、福祉・環境・
子育て・文化・芸術などの分野で、幅広く活動を展開しています。
○
自主的な取り組みや当事者同士の連携は福祉の各分野で進みつつありますが、分野を超え
て、また地域の中で互いの活動を理解し協力し合うまでには至っていません。
○
関係団体の調査では、団体の問題点・課題をみると「担い手がいない」
(21 団体)のほか
では、
「団体間の交流の推進」
(14 団体)が上位に挙げられ、また、課題解決のために、地域
の住民や他の団体と連携したいことでは「団体間の情報交換」が8団体で最も多く、次いで
「他団体の人材との連携」
(5団体)、
「地域住民間の交流の促進」
(4団体)となっています。
○
地域福祉懇談会では、自治会、老人クラブ、民生児童委員協議会、ボランティア等が協力
し合うためには、行政等の協力によるコミュニケーションの場づくりが必要、といった意見
が出ました。
【指標】
項
目
平 成 24 年 度 平 成 25 年 度 平 成 26 年 度
目標(予測)
平 成 30 年 度 平 成 32 年 度
①災害時要援護者支援制度
を通した地域のつながりづ
くり講演会開催数(回)
―
―
―
1
1
②地域福祉懇談会開催数
(回)
0
0
2
12
12
*実績値のない項目は新規事業
施策の方向
福祉関連団体間の連携
◎
福祉関連団体の活動を理解し合えるよう、懇談会などの場を設定し、各地域で連携して
活動ができるように支援します。
◎
自治会、民生児童委員協議会、社会福祉協議会、老人クラブの4団体連絡協議会におけ
る、災害時の要援護者支援制度を通した地域のつながりづくりを推進します。
◎
校区等福祉委員会等の地域団体と、NPO・ボランティアなど市全域で活動する団体と
の連携を支援します。
関係部署
保健福祉課、自治振興課、高齢介護課
担い手
自治会、老人クラブ、民生児童委員協議会、社会福祉協議会、ボランティア
- 57 -
第3章 施策の現状と施策展開
(5)社会福祉法人・NPO法人・事業者の地域貢献の促進
現状と課題
○
地域住民の生活課題に応えるためには、きめ細かなサービスや体制の確保を図る必要があ
ります。そのため、社会福祉法人や福祉サービス事業者、NPO法人の柔軟性や専門性を生
かした、新たな福祉サービスの参加促進が進められています。
○
NPO法人について、法人の増加などにより多岐の分野にわたって、行政との協働でサー
ビスが実施されています。
○
高齢者や子育ての地域での支援では、ボランティアグループやNPO法人等が参入してい
ます。
○
本市の社会福祉法人を含む社会福祉施設では、平成 18 年度から、摂津市社会福祉施設地
域貢献委員会を定期的に開催し、施設間の連携・情報共有の目的のほか、地域貢献事業の展
開などについて検討されています。
○
平成 26 年度、6つの社会福祉法人・7施設と本市との間で、
「災害時における福祉避難所
の設置運営に関する協定」が締結されています。
○
本市を含む大阪府内の社会福祉法人においては、社会貢献基金を出し合い、緊急・窮迫し
た生活困窮者に対して現物給付による迅速な支援を行う「生活困窮者レスキュー事業」や大
阪府社会福祉協議会と連携して生活困窮者の救済を図る「総合生活相談」を実施しています。
○
第3期実態調査の結果では、地域住民と事業者、行政の協力・連携のあり方として、「わ
からない」と答えた人を除き、市民全体では「地域に関することについては、計画やしくみ
づくりから運営・実施に至るまで、地域住民と行政、関係する事業者が対等な立場で参加し、
協働で実行する」形が望ましいという回答が 21.9%で最も多くなっています。
○
関係団体の調査では、複数の団体から、民間主体での地域福祉の積極的な推進という意見
が出るとともに、行政主体で民間は協力する形が望ましいという意見も出ています。
○
地域福祉懇談会では、有償ボランティアによる定例的な責任あるサービス提供の必要性と
いった意見も出ました。
- 58 -
2.支え合いのまちの構築
施策の方向
事業者、NPO法人の事業参加の促進
◎
介護保険制度、障害者自立支援法に係る制度におけるサービスの質の向上や、サービス
量の確保を図るために、福祉サービス事業者、NPO法人等の事業への参加促進に努めま
す。
◎
地域住民の複雑・多様化している生活課題に対応するために、福祉サービス事業者、N
PO等による新たな民間福祉活動やサービスの提供を支援します。
◎
行政にノウハウがない事業について、NPO法人等が培った技術、アイデアなどを活用
し、さらに市民サービスの充実を図ります。
社会福祉法人の地域貢献
◎社会福祉法人やその施設が実施する社会貢献事業の実現に向けて支援します。
関係部署
市民活動支援課、保健福祉課
担い手
社会福祉協議会、NPO法人、介護保険事業者、障害福祉サービス事業者
- 59 -
第3章 施策の現状と施策展開
3.すべての人が必要な時に支援が行き届く
仕組みづくり
(1)利用者の立場に立った情報提供
現状と課題
○
社会福祉協議会等の事業により、日々の地域での活動から地域福祉の実情の把握に努めて
います。
○
また今年度実施した旧 12 小学校区ごとの地域福祉懇談会では、インターネットに特化し
ない多様な手段による情報提供の必要性や、いわゆる口コミなどによる効果的な周知といっ
た、地域の実情に応じた市の情報提供を求める意見が出ました。
○
社会福祉協議会と連携し、校区等福祉委員長会議の開催や市民の方が集う各種講座の開催
により、意見集約に努めています。
○
福祉サービスの情報提供については、市のホームページを活用しているほか、地域福祉通
信、パンフレット、チラシなどを作成し、公共施設などに配置しています。市広報(1日号)
は全戸配布しています。
○
第3期実態調査の結果では、地域福祉に係る市や組織・団体の取り組みや活動内容につい
て認知度が低く、福祉サービスを必要としている人に情報が届いていない状況がうかがえま
す。また、地域福祉活動を進める上で行政に取り組んでほしいことについては、「行政の施
策を分かりやすく住民に知らせる」が 57.2%で、前回調査に引き続いて最も多くなっており、
分かりやすい情報提供が常に求められています。
- 60 -
3.すべての人が必要な時に支援が行き届く仕組みづくり
施策の方向
情報・ニーズの把握
◎
引き続き校区等福祉委員長会議や各種講座などの開催を通じて、地域の意見をうかがう
機会を設けます。
◎
福祉部門の担当課や社会福祉協議会等が地域福祉懇談会の開催などを含めて連携しま
す。
◎
地域福祉に関する情報を集約し、住民が活用しやすいように努めます。
◎
地域福祉施策・活動を通じて住民のニーズ情報を把握・集約し、解決につなげます。
情報提供(全市レベル)の充実
◎
障害のある人や高齢者がみやすくわかりやすい資料づくりを進めます。
◎
市広報、ホームページ、パンフレットなどの様々な情報媒体を利用し、福祉情報の提供
を充実します。またボランティア団体と協働で情報発信を進めます。
◎ 「地域福祉通信」の各団体への個別発送やサロンの場での配布に努め、地域福祉の関係
者をはじめ、広く住民に福祉サービスを周知します。
情報提供(地域レベル)の充実
◎
地域の福祉情報を分かりやすく提供するために、地域活動や地域交流の機会を利用して、
情報提供ができるように進めます。
◎
福祉サービスが必要であるにも関わらず、サービスに結びついていない人について、福
祉サービス事業者の情報やマップの提供などを含め、情報提供の方法について工夫を重ね
ます。
◎
地域住民が身近なところで適切な保健・医療・福祉サービスを受けるために、地域の実
情に合わせ、関係団体と連携して出前講座の活用など、小学校区単位・中学校区単位で情
報提供を進めます。
関係部署
広報課、保健福祉課
担い手
社会福祉協議会、福祉の関係機関・団体、福祉サービス事業者
- 61 -
第3章 施策の現状と施策展開
(2)多様化する福祉課題に応える組織体制
①
身近なところからつながる相談体制の充実
現状と課題
○
単身世帯や高齢者が増えており、民生委員・児童委員による地域で見守りを必要とする人
が増えています。
○
コミュニティソーシャルワーカー(CSW)への福祉に関する相談が増加傾向にあり、ま
た、個々の相談内容も複雑多岐にわたっています。
○
住民に最も身近な地域の相談窓口である民生委員・児童委員と協働して、地域福祉のセー
フティネットを担うコミュニティソーシャルワーカー(CSW)や、高齢者の見守り・相談
支援を担うライフサポーター、就労その他自立に関する相談支援を担う生活困窮者自立支援
相談員・地域包括支援センターが連携を深め、必要な人に福祉サービスを提供できる体制が
構築されつつあります。
〇
相談機関としては、市役所(各種福祉相談のほか、人権なんでも相談や市民法律相談など)
、
社会福祉協議会、保健センター、家庭児童相談室、地域包括支援センター、障害者総合支援
センター、男女共同参画センター等があります。
○
増加する高齢者の孤立や引きこもり、若い世代の生活困窮者などの福祉・生活課題に対し
て、きめ細やかで適切な相談活動を行えるよう、いつでも・どこでも・誰でも相談ができる
ような総合的な相談支援体制が求められています。
○
第3期実態調査の結果では、暮らしや医療・福祉のことで主に相談する相手として、「配
偶者」
(59.2%)、
「知人・友人」
(33.6%)、
「親」
(29.4%)などが多く挙げられています。
「民
生委員・児童委員」
(1.2%)
、
「コミュニティソーシャルワーカー」
(0.8%)
、
「地域包括支援
センターの職員」
(1.7%)などの割合は少なく、身近な相談窓口としての認識を広めること
が課題となります。また、「近所の人」(9.2%)の割合が前回調査(17.8%)に比べて 8.6
ポイント減少しており、家族や友人以外の相談相手が減ってきている傾向がうかがえます。
さらに、相談窓口や機関・施設の認知度をみると、「地域包括支援センター」(9.3%)が前
回調査(4.0%)に比べて 5.3 ポイント増加しているといった進展が一部ではみられるもの
の、
「知っているものがない」(16.4%)との回答もあり、引き続いての周知が課題です。
○
関係団体の調査では、相談事業を通じて、関係機関や自治会等との連携を進めているとの
回答がありました。
- 62 -
3.すべての人が必要な時に支援が行き届く仕組みづくり
【指標】
項
目
目標(予測)
平成 30 年度 平成 32 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
①民生委員・児童委員相談支
援件数(件)
1,046
715
609
700
750
②CSW相談件数(件)
2,709
2,036
3,179
4,000
4,200
③地域包括支援センター相
談件数(件)
312
384
548
550
600
④ライフサポーターによる
ひとり暮らし高齢者等の安
否確認件数(件)
7,080
7,995
9,005
12,000
13,000
⑤障害者総合支援事業の相
談件数(件)
6,555
5,529
7,331
7,400
7,500
施策の方向
身近な相談体制の充実
◎
近年とみに複雑多岐にわたる福祉相談への増加傾向に対応して、民生委員・児童委員が、
活動しやすい環境・条件の整備を図るとともに、コミュニティソーシャルワーカー(CS
W)やライフサポーターの配置を促進します。
◎
地域の身近な相談窓口として地域単位で配置されている民生委員・児童委員をはじめ、
専門職員の身近な相談員としての役割の周知と、人材育成を進めます。
◎
ライフサポーターは、特に今後増加していく後期高齢者の支援の必要性が高まることか
ら、後期高齢者の実態像の把握とともに、各個人のニーズに合わせたサービスの提供を進
めていきます。
◎
相談支援専門員は、障害のある方やその家族、関係機関など障害種別に関わりなく、障
害福祉サービスや専門機関の紹介など様々な相談に応じて、障害のある方を支援していき
ます。
総合相談体制の充実
◎
市民からの福祉相談の入口になる窓口で、相談者と相談先をつなぐ役割を担う総合相談
窓口の設置について、社会福祉協議会等と調整を図ります。(※重点的な取り組み1「社
会福祉協議会との連携・協働の強化」を参照)
関係部署
保健福祉課、高齢介護課、子育て支援課、障害福祉課、人権女性政策課、生活支援課
担い手
地域包括支援センター、民生児童委員協議会、社会福祉協議会、保健センター、福祉サービス
事業者、障害者総合支援センター
- 63 -
第3章 施策の現状と施策展開
②
関係機関のネットワークによる支援体制
現状と課題
○
ひとり暮らしや、高齢者のみ世帯の安否確認や認知症高齢者への支援、高齢者の虐待防止
などについては、「地域ケア・高齢者虐待防止ネットワーク」の各種会議において取り組み
の報告を行っています。
○
児童虐待や子育て支援については要保護児童対策地域協議会や子育て支援ネットワーク
推進会議、障害のある人に関しては地域自立支援協議会、ドメスティック・バイオレンスに
ついてはドメスティック・バイオレンス防止ネットワーク会議を設置しています。
○
経済的な問題で生活に困っている方の背景として、失業や引きこもり、ニート、多重債務
など多岐にわたる問題を抱えていることが多いため、関係機関による「生活困窮者自立支援
事業支援調整会議」を設置しています。
○
精神疾患のある親と引きこもりの子ども、要介護状態の高齢の親と障害のある子ども、就
労の不安定な親と虐待を受けているかもしれない子どもなど、一つの世帯でも複合的な福祉
の課題を抱えている場合においては、分野別の福祉サービスでは一つの世帯を支えきれない
場合は、関係機関において連携を図っています。
○
近年、様々な社会問題にともない、相談内容が多様化、深刻化しているため、関係機関に
よる「摂津市相談業務等連絡会」を設置し、情報の共有、支援方法の検討に努めています。
○
健康づくり、疾病予防、治療、リハビリ、看護、介護やさらに保育や福祉などと続くサー
ビスは、利用者にとって適切に提供されることが大切です。そのために、保健・医療・福祉
の関係機関が連携し、それぞれの機関で、円滑に適切なサービスが提供できるネットワーク
づくりが求められています。
○
高齢化が進展し、認知症高齢者やひとり暮らし高齢者が増加する中、介護を必要とする高
齢者ができる限り住み慣れた地域での生活を継続できるよう高齢者のニーズに応じて、介護
サービス、予防サービス、医療サービス、見守りなどの生活支援サービス、住まいを適切に
組み合わせて提供する「地域包括ケアシステム」の構築が求められています。
- 64 -
3.すべての人が必要な時に支援が行き届く仕組みづくり
施策の方向
課題への対応
◎
子ども、高齢者、障害のある人などへの虐待防止体制の強化を図り、地域をはじめ関係
機関と密接に連携して、早期発見、解決に努めます。また、配偶者・パートナー間や恋人
間での暴力防止に取り組みます。
◎
既存の資源を活用しながら、地域で孤立している人々の早期発見やアウトリーチによる
早期対応と、相談から必要なサービスを的確に組み合わせて提供する、総合的かつ重層的
な支援を推進します。
関係部署
高齢介護課、子育て支援課、障害福祉課、保健福祉課、学校教育課、人権女性政策課、
生活支援課、こども教育課、教育支援課
担い手
地域包括支援センター、社会福祉協議会
- 65 -
第3章 施策の現状と施策展開
図
地域福祉における支援体制(ネットワーク)
地域
鳥飼東校区
鳥飼校区
味生校区
別府校区
五中
校区
校区
四中
校区
三中
旧柳田校区
千里丘校区
校区
二中
旧三宅校区
地域別会議
鳥飼北校区
一中
鳥飼西校区
旧味舌校区
校区
旧味舌東校区
摂津校区
シ ル バ ー 人 材セ ン タ ー
民生委員・児童委員
自治連合会(地域振興委員)
老人クラブ
障害者団体・老人介護者(家族)団体
ボラ ン テ ィ ア 団 体 ・ N P O 法 人
P
T
A
サービス提供事業所
商工会・企業
青少年指導員
・こども会
学校・大学
地域ネットワーク
中学校区別会議(実務担当者の地域ケア会議)
社会福祉協議会
関係機関・団体
ファミリーサポートセンター
ボランティアセンター
配食サービス
日常生活自立支援事業
介護保険サービス
障害福祉サービス
その他の在宅福祉サービス等
ライフサポーター
社会福祉協議会・
地域包括支援センターの活動
運営・
管理
地域ケア推進のための社会資源
サービスの利用
サービスの提供
市民
協力
警察署・消防署
子ども家庭センター
協力
歳末助け合い運動配分委員会
相談
保健・医療機関
医療機関
歯科医療機関
保健所
保健センター
保健・医療関係団体
各種委員会
生活福祉資金貸付調査委員
障害福祉サービス事業所
依頼
相談
ふれあい配食サービス検討委員会
介護サービス事業所
保育所・幼稚園・児童センター
施設の
利用
ニーズの把握、
サービスの提供
理事会(執行機関)
評議員会
地域福祉活動拠点
校区等福祉委員会(小地域ネットワーク活動)
ニーズの把握、
サービスの提供
医師会
歯科医師会
薬剤師会
看護師会
在宅栄養士会
その他
連携・協力
連携・協力
教育委員会
子育て支援課
家庭児童相談室
地域子育て支援センター
要保護児童対
策地域協議会
(ネットワー
ク)
子育て支援ネ
ットワーク推
進会議
協力
市役所保健福祉部
高齢介護課 保健福祉課 生活支援課 国保年金課
障害福祉課
コミュニティソーシャルワーカー 相談支援員
地域ケア・高齢者虐 健 康 づ く り 推 進 協
待防止ネットワー 議会(ネットワー
ク(安否確認・認知 ク)
症支援・介護予防)
代表者会議
代表者会議
実務担当者会議
実務担当者の地域ケア会議
行 政
- 66 -
各種部会
地域自立支援協議
会(ネットワーク)
代表者会議
実務担当者会議
3.すべての人が必要な時に支援が行き届く仕組みづくり
③
生活困窮者自立支援
現状と課題
○
平成 27 年4月から社会経済の構造的な変化などによる生活保護受給者や生活困窮に至る
リスクの高い層の増加を踏まえ、生活保護に至る前の生活困窮者への支援を目的に、生活困
窮者自立支援法が施行され、生活困窮者の経済的・社会的な自立を支援する体制の整備が進
んできています。
○
生活困窮者の自立支援相談窓口を開設し、相談支援員が生活困窮に関する相談を受け、そ
の人の抱える様々な問題に対応した支援プランへとつなげていく、自立相談支援事業を実施
しています。支援にあたっては、関係部署や各種専門機関と連携し、取り組みを継続的にサ
ポートしています。
○
離職により生活に困窮して住居を失った人や、住居を失う恐れの高い人に、安定した就職
活動ができるように、期限付きで家賃相当額の住居確保給付金の支給や社会福祉協議会の貸
付制度の活用をしています。
○
貧困の連鎖を断ち切るため、大阪人間科学大学と連携して、生活困窮家庭の中学生を対象
に学習支援事業を実施しています。
○
第3期実態調査の結果では、地域に特別な支援が必要な人がいるかという問いかけに対し
て 13.1%が「いる」と回答し、そのうち 24.1%が「暮らしに困っている世帯」を挙げてい
ます。
○
地域福祉懇談会では、家族全員が閉じこもるなどの問題を抱えており、地域福祉活動の支
援の届きにくい世帯があるとの意見が出ました。
【指標】
項
目
平 成 24 年 度
平 成 25 年 度 平 成 26 年 度
目標(予測)
平 成 30 年 度 平 成 32 年 度
①自立相談件数(件)
―
―
―
17
17
②就労支援による就労・増収
率(%)
―
―
―
45
45
③学習支援事業参加者数
(人)
―
―
―
12
12
*実績値のない項目は新規事業
- 67 -
第3章 施策の現状と施策展開
施策の方向
生活困窮者の早期発見早期対応
◎
民生委員・児童委員、コミュニティソーシャルワーカー(CSW)、地域包括支援セン
ター、ライフサポーターとの連携強化を図り、生活困窮者自立支援制度の周知を行い、生
活困窮家庭の早期発見早期対応を図ります。
◎
中間的就労を実施する協力事業所を開拓するなど、生活困窮者の経済的・社会的な自立
を支援するため事業の充実を図ります。
関係部署
生活支援課、保健福祉課
担い手
社会福祉協議会、民生児童委員協議会
- 68 -
3.すべての人が必要な時に支援が行き届く仕組みづくり
④
地域包括ケアシステム
現状と課題
○
地域包括ケアシステムの実現には、介護予防や介護が必要になれば、高齢者本人や家族等
がサービスの情報収集や相談・助言などを受けられ、必要なサービスを選択の上、利用する
環境の整備が求められています。
○
高齢者が住み慣れた地域で生活が続けられるために地域ケア会議が、中学校区ごとに設置
され、それぞれの地域で開催され、地域に応じた高齢者の支援ネットワーク構築や地域課題
の把握を行っています。
○
第3期実態調査の結果では、日頃悩みを感じていることとして、「あなたや家族の健康の
こと」
(48.3%)に次いで「あなたや家族の老後のこと」
(46.9%)を挙げる人が多くなって
います。また、参加したい社会貢献・地域貢献活動として、「高齢者の見守りや介護などに
関する活動」
(41.4%)を挙げる人が最も多く、前回調査(32.2%)に比べて 9.2 ポイント
増加しており、老後や介護についての関心の高まりがうかがえます。
○
関係団体の調査では、地域ケア会議に参加している機関からの回答があり、行政にはボラ
ンティア団体と介護保険事業者とのパイプ役を望むとの意見がありました。
施策の方向
地域ケア体制の強化
◎
高齢者に対して、地域住民が温かく思いやりを持って見守りを行うことができるよう、
地域ケアなどの機能強化を図ります。
関係部署
高齢介護課、子育て支援課、障害福祉課、保健福祉課、人権女性政策課
担い手
社会福祉協議会、校区等福祉委員会、自治会、老人クラブ、民生児童委員協議会、
福祉サービス事業者
- 69 -
第3章 施策の現状と施策展開
(3)福祉サービス利用者の権利擁護
①
成年後見制度の利用促進
現状と課題
○
成年後見制度は判断能力が不十分な人の代わりに契約の締結等を行う後見人等を選任す
ることによって、本人を不利益から守る制度です。市では成年後見等の申立を行う親族がい
ない場合、市長が申立を行い、権利侵害から高齢者を守る支援をしています。
○
判断能力の不十分な人が、安心してサービス提供を受けることができるための方策が、ま
すます重要となっています。
○
高齢者虐待の状況をみると、虐待を受けている人のうち認知症高齢者の割合が多いことか
ら、成年後見制度の利用が求められています。
【指標】
項
目
相談件数
①成年後見制
(件)
度利用支援事
申立件数
業
(件)
平 成 24 年 度
平 成 25 年 度 平 成 26 年 度
目標(予測)
平 成 30 年 度 平 成 32 年 度
13
15
16
15
15
1
8
4
8
8
- 70 -
3.すべての人が必要な時に支援が行き届く仕組みづくり
施策の方向
制度の利用促進
◎
高齢者虐待等への対応を含めて、成年後見制度が活用されるように、制度に関する相談
や情報提供に努めます。
◎
市長申立により、費用の支払が困難な人には、申立費用の助成や後見人報酬の助成を行
います。
制度の周知促進
◎
地域の民生委員・児童委員をはじめ、福祉関係者の制度理解のために研修会の開催など
を行います。
高齢者の権利擁護
◎
高齢者の権利擁護については、高齢介護課が地域包括支援センターと協力し、介護保険
事業所に対する研修会を開催し、高齢者の権利を尊重した介護サービスが提供されるよう
努めています。
関係部署
高齢介護課、障害福祉課
担い手
地域包括支援センター、介護保険事業者(ケアマネジャー)
、障害福祉サービス事業者、
民生児童委員協議会
- 71 -
第3章 施策の現状と施策展開
②
日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)の利用促進
現状と課題
○
日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)は社会福祉協議会が実施しています。後
期高齢者の増加など高齢化に伴い、相談件数が増加傾向にあります。
○
高齢者虐待の対応などにおいても、成年後見制度と合わせて利用の促進が求められていま
す。
【指標】
項
目
相談件数(件)
①日常生活自
契約件数(件)
立支援事業
訪問回数(回)
平 成 24 年 度 平 成 25 年度 平 成 26 年度
46
22
726
31
24
737
51
25
760
目標(予測)
平 成 30 年度 平 成 32 年度
50
42
1,200
50
48
1,400
施策の方向
制度の利用促進
◎
日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)については、社会福祉協議会と連携を
図り、事業の周知と推進に努めます。
◎
高齢者の権利擁護については、高齢介護課が中心となり、複数の部署にまたがる関連事
業を集約し、連携を強化し利用を促進します。
◎
行政、福祉サービス事業者、関係団体が協働して相談・支援などの事業を展開するとと
もに、適切な福祉サービスが受けられるような体制づくりを推進します。
制度の周知促進
◎
地域の民生委員・児童委員をはじめ、福祉関係者への制度周知の機会をつくります。
◎
利用者の増加に対応するため、社会福祉協議会と連携して「市民後見人」など生活支援
にあたる実務者の確保について検討を行います。
関係部署
高齢介護課、保健福祉課、障害福祉課
担い手
社会福祉協議会、民生児童委員協議会、介護保険事業者
- 72 -
4.安心して暮らせるまちづくり
4.安心して暮らせるまちづくり
(1)緊急時・災害時の支援体制の構築
①
災害時要援護者の避難体制を通じた地域のつながりづくり
現状と課題
○
平成 26 年 11 月、改正災害対策基本法が施行され、大規模な災害時等において、自力での
避難が難しい高齢者や障害者等(災害時要援護者)の円滑かつ迅速な避難確保を図るための
「避難行動要支援(援護)者名簿」の作成が、市に義務付けられました。本市においてはそ
の2年前の平成 24 年4月から災害時要援護者支援制度を発足しています。
○
災害時要援護者に、災害発生前から地域の防災訓練等において連携を強化するため、地域
支援者が把握する同意要援護者の希望を募りました。
○
平成 25 年 12 月から平成 27 年6月にわたって、モデル自治会を指定し、市の防災部門の
管轄である防災管財課を含め同意要援護者の自治会における活用方法及び課題を協働で検
討しました。モデル自治会を通して発見したことは、災害時に同意要援護者に対する支援の
方法について自治会内で議論され構築される中で、地域コミュニティが強化されたことです。
○
平成 27 年8月からは防災管財課と2か所のモデル自治会を指定し、水害における緊急防
災マップ作りを目的に、共助意識を醸成し、地域住民のつながりづくり及びコミュニティ活
動の活性化を図っています。
○
平成 28 年3月現在、同意要援護者名簿の受取協定を結んでいる自治会は、全 112 自治会
中 54 自治会にとどまっています。
○
第3期実態調査の結果では、災害時に自力で避難することが難しい人の個人情報の事前の
把握について、
「災害時安否確認や避難支援等に必要とされる情報であれば提供しても良い」
(41.5%)、「最小限の情報(名前、年齢、性別)ならかまわない」(37.9%)といった条件
つきであれば個人情報の提供を容認する回答が多く、「個人の情報なので知られたくない」
は 9.1%にとどまっています。また、災害時の避難の手助けや日常の見守りが必要な人の情
報を地域で共有することについても、
「共有しないほうがよい」との回答は 4.1%にとどまっ
ています。
【指標】
項
目
平 成 24 年 度
①同意要援護者数(人)
―
平 成 25 年 度 平 成 26 年 度
―
*実績値のない項目は新規事業
- 73 -
1,430
目標(予測)
平 成 30 年 度 平 成 32 年 度
1,850
2,000
第3章 施策の現状と施策展開
施策の方向
災害時要援護者の支援体制構築を通じた地域コミュニティの強化
◎
旧小学校区を含めた校区自治連合会を中心に結成されている自主防災組織、民生児童委
員協議会、老人クラブ等にも同意要援護者名簿を提供し、活用されるよう推進します。
◎
災害時要援護者支援制度のさらなる周知を図ります。
◎
災害時要援護者支援制度の仕組みづくりと、自治会を対象とした緊急防災マップづくり
を支援し、コミュニティ活動の活性化を図ります。
◎
導入したシステムにより災害時要援護者名簿の管理及び同意要援護者名簿の定期的な
更新を行います。
関係部署
保健福祉課、防災管財課、高齢介護課、自治振興課、障害福祉課
担い手
自治会、民生児童委員協議会、老人クラブ、校区等福祉委員会、ボランティア
- 74 -
4.安心して暮らせるまちづくり
②
緊急時、災害時の避難体制の整備
現状と課題
○
ひとり暮らし高齢者等の要援護者が増えてきている地域もあり、大規模災害時において、
地域での支え合いが重要です。
○
地域での支え合いのためには日頃からコミュニティ活動を行うことが大切であり、要援護
者を支援する仕組みづくりを地域と行政が連携して構築する必要があります。
○
平成 11 年度から校区連合自治会を中心に、各小学校区で自主防災組織の結成が進んでお
り、組織率は平成 21 年度には 100%となっています。
○
現在、消防緊急情報システムを活用したり、聴覚障害のある人を対象に消防本部に災害時
要援護者用ファクシミリを設置することで、災害現場でのより迅速、適切な対応を図ってい
ます。
○
また、市内3企業の自衛消防隊を活用した「機能別消防団」に加え、平成 25 年度から退
職された団員による「機能別OB団員」制度を開始し、現役消防団員の知識・技術の維持向
上に努めるとともに、平日昼間帯の消防力強化に努めています。
○
第3期実態調査の結果では、市全体では、災害時に助けてくれる地域住民がいるとの回答
は、前回調査とほとんど変化がなく、伸び悩んでいます。
○
地域福祉懇談会では、個人情報保護とのバランスのとれた運用を求める意見が多く出まし
た。
【指標】
項
目
目標(予測)
平成 30 年度 平成 32 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
593
554
385
400
400
緊急通報装
②ひとり暮ら
置・身障福祉
し障害者安全
電話設置数
対策事業
(箇所)
福祉電話 8
緊急通報 7
福祉電話 8
緊急通報 5
福祉電話 8
緊急通報 3
福祉電話8
緊急通報5
福祉電話8
緊急通報5
③消防団活動
実員数(人)
事業
390
389
385
410
410
12
16
17
19
20
①ひとり暮ら
利用者数
し高齢者安全
(人)
対策事業
④婦人防火ク 開催回数
ラブ支援事業 (回)
- 75 -
第3章 施策の現状と施策展開
施策の方向
避難体制の整備
◎
平常時から災害時要援護者への対応が速やかに行われるよう、「摂津市地域防災計画」
を踏まえて、支援体制の整備を進めます。
◎
日常的に交流できる場づくりを進める中で、地域でのつながりを強化し、災害時の安否
確認や避難誘導などについて意識の醸成を図るとともに、地域ボランティアの確保に努め
ます。
◎
災害に備えて避難所の位置やAEDの設置場所などを明示したマップを作成するなど、
住民への必要な情報提供に努めます。
関係機関・団体等との連携強化
◎
災害時における安全確保対策について、関係機関・団体と連携を進めるとともに、災害
時要援護者支援体制の全庁的なネットワークづくりを進めます。
関係部署
防災管財課、自治振興課、高齢介護課、障害福祉課、消防本部、保健福祉課
担い手
自治会、自主防災組織、老人クラブ、民生児童委員協議会、社会福祉協議会、ボランティア
- 76 -
4.安心して暮らせるまちづくり
③
被災者等への支援体制の整備
現状と課題
○
平成 26 年度には、市内6つの社会福祉法人、7施設と福祉避難所の設置協定を締結し、
通常の避難所では体力や健康上、避難生活に適応することが困難で、特別な配慮を有する人
への対応ができる体制の整備を進めています。
○
平成 27 年3月に「摂津市地域防災計画」の修正を行い、女性の視点からの防災対策のあ
り方や自助・共助・公助の役割や人づくりによる防災文化の醸成などの基本方針を明確にす
るとともに、ダイジェスト版を全世帯に配布し周知を行いました。
○
災害時において、地域住民のつながりやボランティアの役割は大きいため、自治会単位で
の対応や災害時のボランティアの育成などが必要です。
○
第3期実態調査の結果では、地域における災害時の備えとして重要な日常的な取り組みと
して、「日頃からのあいさつ、声かけやおつきあい」という回答が 59.1%で最も多く、次い
で「危険な場所の把握」
(49.9%)、
「防災訓練」
(34.1%)などが挙げられています。
○
地域福祉懇談会では、災害時等に適切な支援を行うためには、日頃から見守りなどを通じ
ての地域のつながりがなければ、緊急時だけの連携はできないとの指摘がありました。
【指標】
項
目
①防災訓練回数(回)
②非常食備蓄個数(個)
③災害時支援ボランティア
登録数(人)
平 成 24 年 度 平 成 25 年度 平 成 26 年度
目標(予測)
平 成 30 年度 平 成 32 年度
11
20,000
11
24,000
12
28,000
12
36,000
12
39,600
138
86
71
80
100
- 77 -
第3章 施策の現状と施策展開
施策の方向
避難所の体制の整備
◎
災害時の拠点となる避難所について、耐震補強を図るとともに、救助道具などの整備を
推進します。福祉避難所については、この間の施設の整備状況を踏まえ、新たに指定する
ことも含めて改善に努めます。
関係機関・団体等との連携強化
◎
大災害時に、地域住民が協力し、避難、救護、救援活動をスムーズに行えるよう、要援
護者の所在などの情報提供について、専門職と専門機関、地域との連携を図ります。
◎
避難所では自治会単位など地域でのつながりや要援護者に配慮した運営に努め、避難が
長期化する場合には、自治会や自主防災組織と連携して、自主運営体制の構築や生活環境
の向上に努めます。
関係部署
防災管財課、自治振興課、保健福祉課、高齢介護課、障害福祉課、消防本部、文化スポーツ課
担い手
自治会、自主防災組織、老人クラブ、民生児童委員協議会、ボランティア、社会福祉協議会
- 78 -
4.安心して暮らせるまちづくり
(2)いのちの安全と健康を守る保健・医療の充実
現状と課題
○
平成 25 年度に「健康せっつ 21(第2次)
」を策定し、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を
目標に取り組みを進めています。保健事業の充実・拡大や保健体制の機能強化により、疾病
の発症予防や重症化予防を図ること、市民主体の健康づくりを促進しこれを地域で支援して
いくことなどが課題となっています。
○
平成 30 年度を目途に、摂津市・吹田市に跨る健都に心臓病や脳卒中、高血圧等の循環器
病を専門に世界最先端の治療と研究等を行う国循の移転が決定しています。その移転を機に、
生活習慣病の予防と市民の健康づくりを一層推進することが課題となっています。
〇
平成 27 年4月には、
「国立研究開発法人国立循環器病研究センターと摂津市による相互の
連携・協力に関する基本協定書」を締結し、保健センターで実施する「特定健康診査事業」
に国循から健診医が派遣されています。
○
市内の医療機関をみると、第二、第四、第五中学校区の医療機関は少なく、第一、第三中
学校区に集中しています。診療科目によっては、他市の医療機関に診てもらっている人が多
くいます。
○
休日の急病に対応するため、市立休日小児急病診療所を開設するとともに、内科・外科の
夜間救急などは他市町と連携し、広域的な医療体制で対応しています。
○
第3期実態調査の結果では、摂津市の制度や施設、サービスに関わることで、地域で日頃
気になっていることとして、「病院や診療所など医療機関が十分ではない」という回答が
35.2%で最も多く、ほかに「高齢者が安心して気軽に利用できる施設が少ない」(24.8%)、
「市役所や保健センター・保健所など、暮らしに関わる施設が遠くて不便」(24.1%)など
が挙げられています。
- 79 -
第3章 施策の現状と施策展開
施策の方向
健康医療のまちづくりの推進
◎
茨木保健所、摂津市保健センター、摂津市の三師会(医師会、歯科医師会、薬剤師会)
等に加え、国循と連携を図り、生活習慣病の予防と健康づくりによる健康・医療のまちづ
くりの推進に取り組みます。
◎
平成 27 年度に策定された「まちごと元気!推進プラン」に基づき、たばこ対策の充実
やウォーキングの奨励による歩きたくなるまちづくり、食育の推進など市民の健康寿命の
延伸に寄与する施策展開を図ります。
保健・医療体制の充実
◎
住民のいのちの安全と健康を守るために、保健・医療・福祉の関係機関と、全市レベル
及び地域レベルでの連携を図ります。
◎
大阪府や近隣市と連携し、休日や夜間の医療体制の充実を図ります。健康づくり・介護
予防事業をはじめとして、地域での取り組みと保健センターの機能の連携に努めます。
関係部署
保健福祉課、国保年金課、高齢介護課、障害福祉課、消防本部
担い手
保健センター
- 80 -