三井住友トラスト・グループ各社の格付を維持

NEWS RELEASE
2016年11月9日
【格付維持】
三井住友トラスト・グループ各社
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
<格付見直し結果> * 格付対象は後記をご参照ください
発行者(証券コード)
発行体格付
三井住友トラスト・ホールディングス(8309)
A(維持)
三井住友信託銀行
A+(維持)
三井住友トラスト・パナソニックファイナンス
A(維持)
格付の方向性
安定的
安定的
安定的
短期債務/CP
-
a-1(維持)
a-1(維持)
【格付理由】
三井住友トラスト・グループは三井住友信託銀行を中核とする金融グループ。顧客基盤こそ3大金融グ
ループより小さいものの、信託財産の規模では国内トップ。資産運用・管理、投信・保険等の販売、不
動産、証券代行などの事業に強みがあり、営業基盤は強固だ。顧客は法人では大企業、個人では50代以
上でストック資産を多く持つ層が中心だが、近年は住宅ローン事業や持分法適用関連会社の住信SBIネッ
ト銀行、買収した日本における「ダイナースクラブ」カード事業を通じて、従来よりも若い層や収入の
多い層を獲得するなど個人の顧客基盤は広がってきている。
リスク選好度は比較的抑制されている。ただし、海外でのアセットファイナンスやストラクチャード
ファイナンスなどの分野で新たな事業領域を強化し始めるなど、一部でリスク選好度を高める動きもあ
り、リスクアペタイト・フレームワークが機能するか注視している。事業ポートフォリオは、収益やバ
ランスシートの両面から、株式や不動産など資産価格の影響を受けやすい。
資本対比の保有株式の取得原価は日本の大手行の中でも大きく、その削減が課題だが、ヘッジ取引を
拡大していることで、実質ベースの株価変動リスクは3大金融グループと比べて大きくはない。これまで
の保有株式の売却は十分でなかったが、2016年度からの新たな削減計画では、今後5年(2020年度末まで)
程度で政策保有株式の普通株式等Tier1(CET1、その他有価証券評価差額金を除く)に対する比率を半減
させることにメドをつけるとしている(2016年3月末の同比率は42%)。バランスシートに計上されてい
る株式に対するヘッジ取引(取得原価)の比率は約3分の1。ヘッジ効果はリスクアセットの減少にも寄
与している。新たな削減計画とヘッジオペレーションは高く評価でき、計画が実現すればリスクプロフ
ィールの改善に寄与しよう。
収益力はやや低いが、その構造は、市場部門への依存度が下がり、顧客部門中心へと転換してきてい
る。手数料収益の割合が高く、中でもより質の高いストック収益が拡大基調にあることが支えている。
資産価格が回復していることの恩恵を受けているほか、事業間連携の拡充や、システム統合を通じた人
員再配置などで、営業力・コンサルティング力が強化されていることなども寄与しているとR&Iはみてい
る。日本では今後、相続や資産・事業の承継ビジネス、アセットマネジメントビジネスなどの拡大が予
想され、収益機会は広がっていくだろう。マイナス金利環境で金利収支は厳しいが、一定の対応力を備
える。
リスク耐久力はAゾーンに見合う。株式保有と大口与信集中のリスクは比較的大きいが、金利リスクは
大きくなく、資本は質・量とも充実してきている。2016年6月末の普通株式等Tier1比率は11.47%、完全
実施ベースでは11.67%(その他有価証券評価差額金を控除すると約9.19%)。今後もリスクアセット計
測の厳格化が見込まれるが、資本保全バッファーやD-SIBs(国内のシステム上重要な銀行)へのサーチ
■お問合せ先
■報道関係のお問合せ先
株式
会社
: インベスターズ・サービス管理部 TEL. 03-3276-3511
: 経営企画室(広報担当)
TEL. 03-3276-3438
格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1
E-mail. [email protected]
日本橋一丁目三井ビルディング
http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
©Rating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
ャージ(資本の上乗せ)をも考慮した最低所要資本比率を上回る水準は確保していけるだろう。
資産の質は健全だ。大企業と信用力の高い個人中心の与信ポートフォリオを築いている。大企業のバ
ランスシートが総じて健全であるほか、引当方針が厳格で大口問題先にはDCF(ディスカウント・キャッ
シュフロー)法を適用して高率の引き当てを行っていることが寄与している。海外も、全体としてみれ
ば、現状、高格付が中心で質は健全だ。資源関連エクスポージャーはその規模が大きくないことに加え、
全体としてはストレス耐性が強く、資源価格低迷の影響は限定的だ。
流動性に特段の懸念はない。円貨は商業銀行と比べて個人預金の厚みに欠けるものの、信託勘定借を
考慮すれば問題ない。外貨も海外での貸し出しの伸びに合わせて顧客性預金や長期調達を増強しており、
さほど懸念はない。今後も外貨建て資産が伸びていくと予想されるため、外貨調達力の強化が課題にな
る。2016年度第1四半期の流動性カバレッジ比率は124.3%と高い。
○三井住友トラスト・ホールディングス
三井住友トラスト・グループの持株会社。グループの一体性は強く、格付はグループ全体の信用力を
反映しているが、持株会社固有の構造的劣後性などを考慮し、グループ中核会社の1ノッチ下にしている。
○三井住友信託銀行
三井住友トラスト・グループの中核会社。グループの資産やリスク、収益の大部分を占める。格付は、
グループ全体の信用力をそのまま反映している。
○三井住友トラスト・パナソニックファイナンス
三井住友トラスト・グループのリース会社で、パナソニックも15.1%出資する。事業・財務の両面でグ
ループとの一体性は強く、格付はグループ中核の三井住友信託銀行(SMTB)の1ノッチ下にしている。
リース・割賦事業を主力に、ファクタリングや個人向けローン・個品割賦事業を展開し、法人から個
人まで幅広い金融サービスを提供している。SMTBとは一段と連携が強まり、建物リースや大口案件の取
り込みなどグループ一体となった営業施策が一定の成果を上げている。ベンダーリースも堅調だ。引き
続き安定した営業基盤を維持できよう。
基礎的な利益によるコスト吸収力はAゾーンに見合う。経費負担の重いリテール事業を擁するが、シス
テム経費の削減や営業事務の効率化により経費率は一定水準でコントロールできている。2015年度は船
舶ファイナンスを中心に貸倒引当金を積み増したものの、資産の質に与える影響は軽微。リスク耐久力
は格付に十分見合う。SMTBをはじめ主要金融機関との関係は良好で、資金調達に特段の不安はない。
【格付対象】
発行者:三井住友トラスト・ホールディングス (証券コード:8309)
名 称
格 付
格付の方向性
発行体格付
A(維持)
安定的
名
称
発行登録(社債)*1
名
称
第1回無担保社債 *1
第2回無担保社債 *1
第3回無担保社債 *1
発行予定額
(億円)
7,000
発行総額
(億円)
300
300
300
発行予定期間
予備格付
2016年08月01日~2018年07月31日
A(維持)
発行日
償還日
2014年09月05日
2015年06月05日
2016年02月29日
2024年09月05日
2025年06月05日
2026年02月27日
格
付
A(維持)
A(維持)
A(維持)
*1 (劣後特約及び実質破綻時債務免除特約付)
■お問合せ先
■報道関係のお問合せ先
株式
会社
: インベスターズ・サービス管理部 TEL. 03-3276-3511
: 経営企画室(広報担当)
TEL. 03-3276-3438
格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1
E-mail. [email protected]
日本橋一丁目三井ビルディング
http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
©Rating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
発行者:三井住友信託銀行
名 称
発行体格付
名
称
格 付
A+(維持)
格
短期債務
格付の方向性
安定的
付
a-1(維持)
発行者:三井住友トラスト・パナソニックファイナンス
名 称
格 付
発行体格付
A(維持)
名
称
コマーシャルペーパー
発行限度額
(億円)
4,000
格付の方向性
安定的
担保・保証
保証会社等
無担保
格
付
a-1(維持)
☆予備格付は、個別債務の最終的な条件が決定されていない段階で予備的な信用格付が必要となる場合に、付与
する評価です。個別債務の最終的な契約内容等によっては、予備格付とは異なる信用格付が付されることがあ
ります。
■お問合せ先
■報道関係のお問合せ先
株式
会社
: インベスターズ・サービス管理部 TEL. 03-3276-3511
: 経営企画室(広報担当)
TEL. 03-3276-3438
格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1
E-mail. [email protected]
日本橋一丁目三井ビルディング
http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
©Rating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
三井住友トラスト・ホールディングス、三井住友信託銀行
:久保 太郎
三井住友トラスト・パナソニックファイナンス:大内 祥子
細田 弘
信用格付を付与した日
主要な格付方法
2016年11月04日
事業法人等の信用格付の基本的な考え方 [2015.05.01]
金融機関等に共通する格付の考え方 [2014.03.13]
預金取扱金融機関 [2015.12.21]
リース [2014.03.27]
金融グループの格付の考え方 [2013.07.31]
規制資本商品等と金融機関等の格付の考え方 [2016.10.20]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載
しています。http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
三井住友トラスト・ホールディングス、三井住友信託銀行
三井住友トラスト・パナソニックファイナンス
注
格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報
品質確保のための措置
情報提供者
決算書類、開示情報
公認会計士の監査済みである、またはそれに準じた信頼性が確保され
ている決算書類であること。一般に開示された、またはそれに準じた
信頼性が確保されている情報であること。
格付関係者
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約
定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債
務等の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何
ら意見を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来
の事実の表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその
他の意見についての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項
について、いかなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これら
の情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合
には、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信
用格付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性
が高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することが
あります。
■お問合せ先
■報道関係のお問合せ先
株式
会社
: インベスターズ・サービス管理部 TEL. 03-3276-3511
: 経営企画室(広報担当)
TEL. 03-3276-3438
格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1
E-mail. [email protected]
日本橋一丁目三井ビルディング
http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
©Rating and Investment Information, Inc.