活かす国語 ~第三者思考場面を位置付けた学習を通して~ 太宰府市立水城西小学校 1 主題,副主題の意義・意味 (1)活かす国語について 全ての学習は,既習事項(知識・技能・学び方)を活かして,新たな学習内容(知識・技能・思 考・表現・関心意欲)を身に付ける。国語科は言語科目であるため,全ての教科を学習する際の既 習事項として位置付けられる教科である。従って,全ての学習や日常生活では,常に国語科の学習 内容を活かしていると言える。国語科学習指導で学習内容を活かす場面を意図的に設定することは, 今後児童が社会生活をする上で必須の活動であると考え,「活かす国語」という主題を設定した。 (2)第三者思考場面とは 近年,社会は多様化,グローバル化の一途をたどり,今後人間関係はますます複雑化してくるこ とが予想される。今後,児童に必要とされる力は,多様な人間関係や価値観を越えて,「相手の立 場に立ち,その立場を理解した上で自分の意見を論理的に述べたり,相手と話し合ったりすること」 である。 第三者思考場面とは,教材に対して第三者がどう読み取ったか,どう考えたか,などを提示した 上で,第三者の思考を想像しながら学習を進める場面のことである。この場面を設定することで, 教材文で習得した内容や方法と,実生活における「相手の立場に立ち,その立場を理解した上で・・・」 の活用場面とをつなげることができる。 2 研究の構想 【研究の仮説】 第三者思考場面において,習得状態にある子どもに以下の手立て1,2を行えば, 第三者思考を解読し,国語を活かす子どもを育てることができるであろう。 手立て1:学年や学習領域・内容に応じた第三者設定 第三者を設定する際に,実在他者(友だちなど),もしくは架空他者(自作教材など)から,学 年や発達段階に応じて効果的なものを選択する。 また,学習領域や内容に応じて,文種(意見文や批評文など),及び資料(統計資料や絵図など) について,効果的なものを選択する。 手立て2:第三者表現導入の場 第三者表現を導入 する際,教材との差異 国語を活かす力 を明確にして,解読へ の意欲付けを図る。差 学 学年・発達段階 習得内容の有用化 解読の誘発 異については,教材に 年 (異論の強調) 低学年 中学年 高学年 や よって結論が異なる 差異の明確化 学 選択 習 もの,根拠が異なるも 第 ・結論 領 実在他者 or 架空他者 ・根拠 三 の,主張方法が異なる 域 第 ・主張方法 者 ・ ものなどが想定され 内 三 表 学習領域・内容 容 現 る。 者 に 導 話 習得内容の汎用 応 その差異を比較・検 選択 ・ 表 入 聞 (成果の強調) じ 文種 の 討していくことによ 現 た 共通の明確化 場 書 第 意見 or 批評 等 の り,話し方・聞き方, ・話し方,聞き方 三 解 資料 ・書き方 書き方,読み方という 者 ・読み方 読 設 読 統計or 絵図 等 共通を見出していく。 定 この共通という成果 を強調することで,習 習得の状態 得内容の汎用が図ら 【研究構想図】 れる。
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