経営管理 トップマネジメント(問題発見・課題設定) 予測 :将来を予想し、方針・計画を作成する。 組織化 :機能する組織を構成する。 命令 :従業員を機能させる。 調整 :集団を調和させる。 統制 :ルールと指示に従う管理をする。 ■ 社員の能力を買いかぶりすぎない ここでいうトップとは、経営者、役員などの経営層で であり、このクラスのマネジメントにより、会社は良くもな り、悪くもなることは明白です。 重要なのは、「多くのミドル社員・一般社員は経営者が 思うほど仕事や会社への思入れがなく、従ってその行 動も単純で結果を気にしていない」という現実です。 これを勘違いしているトップは、「自分の指示が優し すぎる」とか「社員のやる気が見えない」と考え、社員 の質が低いと嘆いています。 それだけで、トップは判断や決断するに足る情報を 集められた、ということにはなりません。トップは各部門 門の問題が起きる前の状況から、把握できるシステム をつくっておくべきです。 ③エビデンスの準備と利用方法 問題・課題の現状や結果について、口頭の説明や 報告で納得してしまうトップは多いです。しかし本当に それで納得してよいのでしょうか。本来エビデンスとな る資料なり、結果なりを提示して説明するものであり、 そういう習慣が必要です。 そうではなく、「社員はトップが具体的に教えたり・指 示しないと、思い通りの行動・仕事をしないもの」という 前提に立ってマネジメントをしなければなりません。 「五を指示すれば十の仕事をしてくれる」と考えるのは 間違いであり、再考すべきです。 ④未達結果に「申し訳ありません」という風土づくり 職場の目標を達成できなかった或いは、クレームを 起こした時など、担当管理職が「自分達の責任で発生 させてしまった」という意識を持ち、「申し訳ありません」 という態度を表すべきだと思うが、そういうことが全く行 われない会社があります。必要以上の責任を持て、と いう訳ではないですが、「自職場は自分で守る」風土を 醸成することが必要です。 ■ 日常マネジメントの工夫 それでは、どうすればよいか?。 やり方に工夫を加え、管理のシステムをキチッと作りあ げることです。具体的には、次のような改善項目と対策 案があるものと考えます。 ⑤管理監督者のチームワーク 企業の規模によりますが、全社員を一度にトップが 思う方向に指導することはムリです。ターゲットは管理 職が自分達で考えた計画をトップに提案するようなシ ステムをつくることです。 これは、管理職チームをつくり彼らにテーマを与え て計画立案させ、実践の進捗状況を報告させることで 自律的管理職を育成し部下指導のレベルを上げさせ ることができます。 ①目標の持たせ方とフォローの方法 目標は、まず職場(部・課単位)全体を立てます。 それを基に、それぞれの役職。役割により必要な個人 目標を立てます。そうすることにより個人の成果を職場 全体の効果に結びつけます。 ②報告項目と報告の仕方 よく、トップが社内を廻り、気が付いたことをそのとき その場で指示や指導している姿を見ます。社員は「ハ SWOT分析 イ、分かりました」と返事しますが、成果はそのときだけ で、決して浸透するとは思えません。 管理監督者は、自ら定期的にトップのもとに赴き、 報告するシステムをつくることが大切です。 「トップに適宜報告している」という管理職が居ますが、 概ね「何がモノを買う」とか「大クレームの結果報告」な どの事案のみ報告というパターンが多く、トップは判断 に必要なあらゆる事項の報告が欲しいのです。 内部環境 外部環境 Strength Weakness (強み) (弱み) Opportunity Threat (機会) - 1 - (脅威) 動機づけチェックシート 「仕事の満足度と不満度」の確認 会社に入社すると「仕事を覚え、自分の居場 所をつくり、自分の存在を知らしめ、自己実現 をする」という意識ステップを踏みます。 自己実現には、会社が与えた目標と自身が 考えた個人目標の達成が重要です。 ■ 無関心度と一体化度 会社組織では一般的に無関心層が多くみられます。 無関心層は、個人の目的・価値が会社が考えている ものと一致していない型です。ただ、そのなかには会社 の指示に従順なタイプと、指示・命令に服従せず組織 的な行動をしないタイプに分かれます。 ■ 仕事の満足度と不満度 会社の目標達成は個人・職場のタスクであり、努力 しなければなりません。しかし、それだけでは、経営者 が予定している成果が十分でません。 そのため、新たに「社員が自己目標を立て、チャレン ジできる雰囲気や環境をつくる」、検討も必要でしょう。 社員個々がどう成長して何を達成したいのか?、を知り 環境整備の参考にすることが大切です。 無関心層の特徴は、会社や職場の目標は共有する し、指示も受けるが、なぜなぜの思考や自主的に行動 することがありません。 会社が社員の不満度を解消するために、多くの改善 を実施しても、不満度は必ず残ります。 一方、満足度を上げていくと、仕事へのやりがいや達 成感が味わえ、会社目標にチャレンジし、自ら行動す るようになります。 満足度を上げるには、「社員の達成感」をどう与える か、ということになります。 これは、会社目標を社員に与えて、叱咤・指導したり 会社中心の研修をしているだけでは、無関心層を一体 化層にシフトしていくのは限界があるよに感じています。 つまり、目標をもって仕事をすれば、自分の満足度を 味わえるのでチャレンジしたいという環境を整備するこ とが重要です。 ■ チェックシート内容 NO チ ェ ッ ク 項 目 ■ 結果のまとめ 強く思う....思わない 1 与えられた仕事は、正確に・効率的に…. ●チェック結果の分析(個人) 2 自分はコツコツ、安定した仕事をする…. ・セルフマネジメント力 3 指示されたことは、やり遂げなけなけ…. ・組織マネジメント力 ●チェック結果の分析(団体) ・職場別、・年代別、・階層別、etc ◎会社として、労働条件・やる気の環境整備の ための基礎資料となる。 40 「安定・安心して働ける会社」にするの…. ■ チェックシートの使い方 研修ツールとして活用 チェックシートの単独活用 使用方法 使用方法 ・「動機づけ」研修の主教材 ・社員個別に記入、回収・点数化 ・「階層別教育」研修などの副教材 ・分析し、傾向を確認する 活用 活用 ・今後の実務における目標を立てられる ・社員の能力開発と満足度UPにつなげる ・実務におけるフォローができる ・働きやすい仕事環境改善の参考とする - 2 - 現場指導会 小集団による改善活動 改善により大きく成果を出したいと考えるな ら、計画性のある小集団活動プロジェク トが有効です。業務効率アップ、個人の職務充 実、全員参加、組織風土変革につながります。 ■ 小集団活動プロジェクトの方法 今のままでは、5年後・10年後の成長だけでなく、 経営そのものに危機感をお持ちの場合は機を見てプ ロジェクトとして、「小集団改善活動」を実行する方法 があります。 小集団活動にはTQCやTPMなどの方法があります。 TQCは職場の自主性を重んじ活動します。よって、活 動により表れた成果を評価するので取り掛かり易い利 点がありますが、成果・効果は限定的なものになるで しょう。 一方、TPM活動は、前提としてまず会社の方針・目 標があり、それを達成すべく全員参加で活動するのだ が、大掛かりなプロジェクトになるが成果・効果は、より 大きなものが得られます。 ■ 活動を最後まで完結させる方法 改善活動は、本来的業務機能を向上させる重要な 仕事であるが、社員の多くは余分な仕事と考えている ことが多い。与えられた日常の業務で給料を貰ってい るという意識が強いため、改善にはスタート時、抵抗感 を持つ社員が居ます。 特に職場リーダーの積極性の濃度差がみえ、これを どう調整していくかがカギになります。 10人リーダーが居れば、2~3人は優秀で4~5人が普 通、2人ぐらいが落ちこぼれるでしょう。 このリーダー全員が、一定の成果を上げられるよう指導 を工夫して行い、全職場を完結させます。 ■ 5Sから始まり、業務改善に結びつける スタートは5S活動です。まずスッキリ・クリーンな職 場環境を全員でつくります。出来るだけ費用はかけず、 アイデアと積極性で変えていきます。 5Sにより、来客の評価が上がったという事例はよく聞き ます。新築の工場と違い、手作りの改善は味があり来 客者はその意味をよく知っています。 ■ 儲ける体質づくりをする 改善プロジェクトの最大の目的は、従来の会社体 質を変えて、今の時代や顧客が要求している製品と サービスを提供することにあります。 具体的には、全員参加で、まずは社内をスッキリ ・クリーンにして働く環境を整備します。 次に、業務・作業ミスの撲滅により品質を向上させ、 ムダ・ロスを排除して業務効率を上げます。 このような成果を出すと共に、結果的に職場風土 が改善され、協働の習慣が身に付くとともに自律的 行動ができるようになり、お客様に信頼される会社に なります。 次に、業務改善・生産性改善を行います。従来の 仕事を一歩深く観察して、知恵と工夫で改善します。 これで、社員の能力や適性がよく分かるし、社員の新 たな実力を発見することもあります。 多くの会社で、このような改善活動をきっかけに昇 格や職場異動を実施しています。 ■ どういうプロセスで進めるか このプロジェクトを進めるうえでは、事前に条件な どを設定しておくことが大切です。 〔準備段階〕 ①活動の目標、期間、残業時間、費用、etc ②活動組織づくり。推進室&グループ編成 ③活動掲示板準備。5Sに必要な清掃グッズ 〔活動〕 ④徹底した5S ⑤業務改善 ⑥品質改善、その他 - 3 - 教育・研修 「独自テキスト」で社員育成研修 職務満足が職務遂行と仕事の出来栄えに及ぼ す影響は大きく、これを改善していくことが、 仕事の成果につながります。 それは、仕事への愛着を高めることが一つの 方法であります。 ■ 現状の社員研修を見直す ■ 自社で行う独自教育・研修 ①社員研修の効果が限定される理由 「社員能力を伸ばす」・「やる気を起こさせる」方法 としてリーダーシップ研修・管理研修など開催しますが、 なかなか効果が出ないのが実情です。 そもそも、研修内容はどれも正論ですが、それを実 践展開ができません。研修受講者は学んだことを職場 で実行したいのですが、自職場の環境が学んだことと 違った、アレンジ(応用)できなかった、周囲の協力がな かった、などの「出来ない理由」を挙げます。 それが一般的な社員の意識であり、「教育研修で学 んだことを、職場の実務で活かせる方法と環境をつくる ことが重要です。 ④トップは、社員に何を身に付けてほしいか 経営者にお聞きするのは、「経営者として社員に何 を望んでいますか、どういう行動を望んでいますか?」、 ということです。 そうすると(先ほど記述した)基本行動の他に、会社 の考え方、品質管理の方法、人の管理、改善の方法、 などが挙がります。つまり、経営者が望む各種事項が 課題項目であり、具体的な資料を作成しまとめ、自社 用のテキストとして活用することができます。 ⑤研修は、(出来るだけ)社内講師 実践に即した研修となるので研修講師は(出来るだ け)社内の管理職や専任職等が務めるのがよいでしょう。 仕事の経験や知識を持った講師を使うことで、より実践 的な教育を行うことができます。 また、講師となる管理職にとっても自分自身の勉強 になり、プレゼンの仕方・資料の作り方・人のまとめ方な どが身に付くことになります。 ②課題の事例 経営者に初めてお会いして、多くのトップが最初に言 われるのが、社員の「挨拶の仕方、ラジオ体操・朝礼の 不参加、会議時間を守らない、ルールーを守らない」と いうような基本行動の不遵守です。 トップは、有能な社員が一人だけの職場より、60~ 80%の社員が協業する職場を望むはずです。それでな いと、良い製品は作れないし、良いサービスも生まれま せん。 但し、組織管理の基本理論や管理者行動理論やリ ーダーシップ論などの基本理論は、外部講師に委託す ることになります。 また、社員が自職場の仕事や製品等の知識が薄い ことにビックリすることも多々あります。 毎日、仕事として指示されている業務のことは一通りで きるが、何かイレギュラーな事があっても対応力があり ません。製品や技術・工程のことなどを深く知るチャン スがなく自分で経験して覚えるという、いわゆるOJT的 学習であり、深い知識習得は座学などが必要です。 「なぜなぜ」で考える習慣が見えないことも課題です。 ⑥研修テキストの作成と活用 研修テキストは基本サンプルをベースに、各社のご 要望を取り入れ修正・加筆して各社独自のものを完成 させます。また、簡易印刷で費用を抑え、部数は30部 でも100部でも可能です。 ③組織で活かせる教育・研修 そういう実情を考慮すると、実は個人の成長を促す 教育とともに、組織体のなかで、どういう仕事をすれば 良いのかを教える教育・研修が必要なのではないかと 考えます。そのためには、自社独自の教育システムを つくり、新入社員から中堅社員、管理職まで使えるテ キストを作成し一貫した教育研修を行う方法があります。 -4 -
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