件 名: 大 臣 会 見 概 要

件 名:
大 臣
会
見
概
要
日 時 平成 28 年 10 月 18 日 0953∼1008
担
当 大臣官房広報課
場 所 防衛省記者会見室
備
考
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発表事項
なし。
2
質疑応答
Q:日本時間の15日の話なのですけれども、米韓両政府が北朝鮮が「ムス
ダン」と見られる弾道ミサイルの発射に失敗したという発表を行いました
けれども、その後、日本政府として確認している情報等、ございましたら
教えて下さい。
A:個々の具体的な情報の内容や分析について、詳細にお答えすることは事
柄の性質上、差し控えますけれども、防衛省において、これまでに収集し
た種々の情報を総合的に勘案した結果、15日午後12時33分、北朝鮮
が北西部の都市・亀城(クソン)付近より中距離弾道ミサイル「ムスダ
ン」と推定される弾道ミサイル1発を発射し、失敗したと認識いたしてお
ります。さらなる詳細については、インテリジェンスに関わることでもあ
りますので、お答えは差し控えさせていただきます。
Q:今のに関連しまして、国連の安全保障理事会は、今回の発射の失敗に関
して、あらためて厳しく非難する報道機関向けの声明を発表しました。こ
れについての受け止めをお願いします。
A:今、ご指摘のあったように18日の未明、国連安保理は10月15日の
北朝鮮による弾道ミサイル発射を強く非難するとともに、北朝鮮がさらな
る安保理決議違反を控え、決議の義務を完全に履行すべきことを再確認す
るプレスステートメントを発出したところです。今回のプレスステートメ
ントは北朝鮮による度重なる発射を容認しないという安保理の一致した姿
勢を示すものであります。わが国といたしましても、引き続き、米国、韓
1
国等と緊密に連携しつつ、安保理におけるさらなる制裁措置を含む新たな
決議の採択に向けて、米韓を含む関係国と引き続き日本としても、防衛省
としてもしっかりと連携を強めていきたいと思っております。
Q:関連してなのですけれども、今回、米韓の合同軍事演習中、最終日の発
射ということで、失敗したとしていますけれども、この狙いについては、
どのように見ていますでしょうか。
A:今までもそうですけれども、北朝鮮の発射の意図・目的について、断定
的にお答えすることはできませんし、また、予測不可能な行動に出るとい
うところも脅威の一つではないかと思います。ただ、一般論としていいま
すと、今回の発射は何らかの訓練や弾道ミサイル開発活動の一環の可能性
や、さらには、今、御指摘にあったように、10日から15日まで行なわ
れていた米韓合同海上訓練への反発であったという可能性も考えられるの
ではないか、これは一般論としてですけれども。
Q:先日、日曜日の「新報道2001」で、対北朝鮮を巡る防衛省の対応に
ついて、大臣は新たな対応をせざるを得ないとおっしゃっていましたが、
これはおそらくミサイル防衛を中心に、念頭にあると思うのですが、どう
いったことを検討しているのか、また、一部報道で、「3次補正でミサイル
防衛費を2千億から3千億円要求する方針」という報道があったのですけ
れども、この事実関係を含めてお願いします。
A:報道にあった3次補正ということについては、全く承知はしていません。
その上で、「新報道2001」で申し上げたように、北朝鮮の今年に入って
からの核実験2回、さらには弾道ミサイルは22発、そして、潜水艦から
の発射や3発同時にわが国の排他的経済水域に着水させる等々、その技術
は明らかに向上して、総理も「新たな脅威である」ということはおっしゃ
っているところであります。わが国は、イージス艦による上層部での防衛
と、PAC−3という形ですけれども、そういったことを、しっかり中期
防に基づいて、しっかりと弾道ミサイル防衛の拡充をしていく、しっかり
と強固なものにしていくと同時に、日米の同盟関係、さらには関係諸国と
の関係強化、そういったことを情報の連携等も含めてやっていくというこ
とであります。
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Q:今回、北朝鮮がミサイル発射を失敗しましたが、今後の動向については
どのように見ていますか。
A:昨年2発、弾道ミサイルを発射し、今年はすでに22発です。今回も、
失敗したとはいえ、さらなる発射をする可能性もありますので、緊張感を
持ってしっかりと注視をしていきたいと思っています。
Q:関連で、今回、ムスダンが発射失敗したとされた場所が北西部、内陸部
で、これまでムスダンを発射したことのない場所なのですけれども、より
実戦的に運用を始めているのか、それとも、そういうことを隠しているの
かと思うのですが、その辺りはどういうふうにお考えですか。
A:具体的な分析について、詳細に述べることは差し控えますけれども、今、
御指摘になったように、過去、例のない地点からTELを用いた弾道ミサ
イルの発射を繰り返しておりますので、任意の地点・タイミングで発射で
きることを示しているというふうに思います。こうした奇襲攻撃能力を含
む運用能力の向上が北朝鮮の弾道ミサイルの脅威がさらに高まっていると
いうことを示しているというふうに思いますので、防衛省として、北朝鮮
の軍事動向について、引き続き、必要な情報の収集・分析に努め、わが国
の平和と安全の確保に万全を期していきたいと思っています。
Q:今回、ムスダンとみられるものの、発射、失敗の事実関係について、発
表されるまでかなり時間がかかっていて、必要があったと思うのですけれ
ども、アメリカが発表したタイミングもかなり時間がかかっていて、日本
として確認、発表するまでかなり時間がかかっていると。この辺りについ
ては、どうして、こういうふうに時間がかかっているのでしょうか。
A:発表の時間、そして、情報の掌握と発表のタイミングとのズレについて
のお尋ねだと思いますが、やはり、詳細は控えますけれども、米国との間
でも平素から緊密に連携をして防衛省において、様々な収集した種々の情
報を総合的に勘案をした結果、発表したということでございます。
Q:情報収集能力に限界というのも指摘されているといった声も聞こえてい
るのですけれども、そのあたりについていかがですか。
A:そういったことはありません。しっかり連携をして情報収集しておりま
すし、何か御懸念されるようなことはないというふうに思います。
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Q:別件ですけれども、自衛隊が派遣されている南スーダンですが、政府軍
と反政府勢力の間で、激しい武力衝突が起きて、相互で少なくとも60人
の兵士が死亡したと伝えられています。これについて、防衛省の認識、ま
た、現地の自衛隊の活動に影響はあるのかどうかお聞かせください。
A:今、御指摘のことを南スーダン政府の報道官が発表したということは承
知をいたしております。今、詳細な情報も大使館を通じて収集をしている
ところであります。そして、御指摘の場所は、北部でありますけれども、
しっかりと情報収集した上で、今後の治安状況についても、緊張感をもっ
て注視していきたいと思っています。
Q:現時点で派遣されている自衛隊の活動に何らかの影響はあるのでしょう
か。
A:ジュバの市街ですが、自衛隊が活動している状況については、落ち着い
た状況だというふうに認識しております。
Q:今も活動を継続しているということでよろしいでしょうか。
A:そういうことです。
Q:今後の安保法に基づく、「駆け付け警護」とか「共同防護」の任務付与に
与える影響というのはどのようにお考えでしょうか。
A:まずはPKO5原則は維持された状況だというふうに思いますが、その
上で、自衛隊が安全を確保しながら有意義な活動を行っていける状況かど
うかということは、しっかりと見極めていかなければなりませんし、また、
その治安状況についても、緊張感をもって注視していく必要があると思い
ます。いずれにしましても、「駆け付け警護」等の新たな任務を付与するか
どうかということは、現地の情勢や、さらには訓練の進捗状況等を慎重に
見極めつつ、政府部内で総合的に検討をしていくということであります。
Q:北部訓練場ヘリパッド建設に関して、昨日、反対する人達のリーダー格
とされる男性が逮捕されました。抗議活動を、基地の中でも北部訓練場の
中でも行われていますが、今回の逮捕が今後の工事に与える影響をどのよ
うに見ているかお願いします。
A:報道については承知いたしております。本件については、提供施設・区
域内に侵入して、沖縄防衛局が設置した有刺鉄線を切断した者がいたこと
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から、沖縄県警により逮捕されたというふうに承知いたしております。い
ずれにいたしましても、無断で提供施設・区域に立ち入ったり、また、他
人の所有物を損壊するような違法な行為というのは、許されないことだと
いうふうに思います。違法な行為については、適切に対処していくという
ことであって、それが、工事の今後に何か影響を与えるということではな
いと思います。
Q:ヘリパッド建設の関連でお伺いしたいのですけれども、工事の砂利を運
搬するトラックが、着色フィルムを貼ったり、最大積載量の表示がなかっ
たりして、道路運送車両法違反の疑いで、陸運事務所から警告を受ける見
込みとなっているのですが、防衛省として、業者に是正を求めたり、工事
を中止するというお考えはあるのでしょうか。
A:報道については承知いたしております。北部訓練場におけるヘリパッド
の移設の工事において、砂利の搬入に使用しているダンプカーについては、
道路運送車両法に基づいて車両検査を受けた車両を使用し、また、ダンプ
カーに設置された自重計により計測して、積載重量を確認するなど、適切
に行っているものと思います。また、一部の車両については、今おっしゃ
った経年劣化や汚れなどで、表示番号や最大積載量の表示が見えにくかっ
たり、また、助手席の窓が運転手の視野を妨げるおそれがあったことから、
事業者として、受注者に対し、改善するように指示したところであります。
現在、受注者において適切に対応しているというふうに思います。
以
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上