件 名: 大 臣 会 見 概 要 日 時 平成 28 年 11 月 1 日 0946∼1003 担 当 大臣官房広報課 場 所 記者会見室 備 考 1 発表事項 本日、国家安全保障会議及び閣議が開催され、ソマリア沖・アデン湾にお ける自衛隊による海賊対処行動について、今後1年間、護衛艦1隻及びP− 3C哨戒機2機の態勢により実施することといたしました。防衛省・自衛隊 としては、引き続き、関係省庁及び関係各国と連携しながら、海賊行為の防 止に万全を期してまいります。また、平成29年3月上旬から6月下旬まで の間、CTF151司令官として、将補クラスの海上自衛官を派遣する予定 です。この派遣は、平成27年の司令官派遣に続き、2回目となります。以 上です。 2 質疑応答 Q:共同通信の先週末の世論調査で、南スーダンの自衛隊の「駆け付け警護」 の任務を付与することについて、57.4パーセントが「反対」、30.6 パーセントが「賛成」との結果がでました。これについて、大臣の受け止 めをお願いいたします。 A:一般的に世論調査の一つ一つの結果について、逐一、お話をすることは 差し控えたいと思います。その上で、「駆け付け警護」に関して、しっかり と国民の皆さん方に説明していかなければいけないというふうに思います。 まず、南スーダンに行っております部隊は施設部隊であって、道路や施設 の整備のために行っております。そして、今回「駆け付け警護」が平和安 全法制の中で認められたわけでありますけれども、それは、あくまでも、 活動関係者等から要請を受けて緊急的に、また、人道的な観点から自衛隊 員が自らの安全を確保しつつ、そして、対応できる範囲において保護して いくということであります。今までもPKO派遣等の中で要請があっても、 1 なかなかダイレクトに適用される規定がなくて、様々な規定を適用して、 邦人の保護等に当たっていたわけでありますが、今回「駆け付け警護」は、 できうる範囲において、救える人を見殺しにしないということであります ので、そういったことなど、しっかりと説明していくことは重要だという ふうに思っております。 Q:大臣から説明していくことが重要ということがありましたけれども、今 後、どういった機会に説明されるお考えでしょうか。 A:先日、テレビの番組に出た折にも、できるだけしっかり要件ですとか、 また、趣旨ですとか、説明してきたところですけれども、もちろん国会の 場や、また、テレビやマスコミ等を通じて、しっかりと説明をしていく、 さらにはそれぞれの説明を求められた機会には説明していくということが 重要だと思います。 Q:関連なのですけれども、南スーダンPKOの「駆け付け警護」、「宿営地 の共同防護」なのですけれども、訓練の習熟度については判断されたので しょうか。 A:先日、私も岩手における訓練の状況については視察に行ってきました。 その中で、かなりいろいろな状況に合わせて訓練は進んでいるというふう に感じました。さらに、次の日には陸幕長が、そして、その前の週には統 幕長も視察をされているわけであります。陸幕長からも相当程度の習熟度 であるということの報告は受けましたけれども、8月以来行っている訓練 の状況等も、陸上自衛隊の中で総括をした上で報告をしたいという旨、陸 幕長からのお話もありましたし、また、統幕長からもしっかり陸自におい て総括をし、陸幕長の報告を受けた上で判断すべきであるという、そうい う意見もございましたので、今、その最終的な報告を待っているところで ございます。 Q:関連ですけれども、最終的な報告はいつ頃になりそうでしょうか。 A:まだ、具体的な日時について決まったということではありません。 Q:関連ですが、その習熟度と現地の治安状況などが問題ないということに なれば、当然、任務を付与していくということになるということですか。 A:今、二つ仰ったように、一つはしっかり訓練ができていて、自衛隊員が 自らの安全を確保しつつ、そういった場合に対応できるまで訓練ができて 2 いるかということと、「駆け付け警護」に関しては、法律上も南スーダン政 府の安定的な受け入れ同意ということが要件になっていますので、そうい う状況にあるのか、すなわち南スーダン、さらには施設部隊が活動してい る地域において、しっかりとそういった安定的な同意が得られるような状 況にあるのかどうなのか、これはしっかり見極めていく必要があると思い ます。 Q:そこがクリアできれば付与するということですか。 A:その二つの要件、条件の中で、政府全体で付与するかどうかを検討して 決めていくということです。 Q:ソマリア沖の件に関してなのですけれども、今なぜ減らすのかというこ とと、減らした護衛艦はどういったことに活用しますか。 A:まず、なぜ減らすのかということに関しては、活動を開始した当初は、 海賊200件以上の海賊対処が必要だったわけですけれども、今、0件な いしは未遂が1件という程度に減ってきております。しかしながら、まだ まだ海賊の根本的な要因であるところのソマリアの貧困など、根本的な原 因は解消されておりませんので続けますけれども、しかし護衛艦としては 1隻態勢でよいということであります。その上で、やはり護衛艦の活動す る要請も、わが国を取り巻く厳しい状況の中ではありますので、そういっ た面もこれから考えて行くということであります。 Q:一部の報道で北朝鮮のミサイル対応等々に、その減らした護衛艦を当て るというような報道もありますが、それについては、そういったことも考 えうるということでしょうか。 A:あくまでも、今回海賊対処という要請から、1隻態勢で十分であるとい うふうに判断したわけですけれども、他方、わが国を取り巻く状況は、北 朝鮮、今ミサイルの話をされましたけれども、厳しいものがありますので、 そういった点もしっかりとこれから対応していくということであります。 Q:「駆け付け警護」の方なのですけれども、一部報道で他国の軍隊に対して 想定しないという政府の考え方はまとまったという報道があるのですが、 他国の軍隊に関しては、現在、「駆け付け警護」の対象とするかについては どのようにお考えですか。 A:むしろ、私もたいへん、国民の皆さん方に誤解を受けるなと思ったのは、 3 まさしくマスコミ等で、「駆け付け警護」を説明するときに、「他国の軍隊 等の要請を受け」という、他国の軍隊ということを書かれている場合、報 道されている場合等があったのですが、先ほど言いましたように、あくま でも条文の中にもありますように、活動関係者等から緊急の要請を受けて、 そして、行っているのは施設部隊ですから、南スーダンだったら、対応で きる範囲で、 人道的な見地から保護をするというのが「駆け付け警護」で す。そういうことからすると、南スーダンに他国の軍隊、例えば、歩兵の 部隊などもいるわけですけれども、他国の軍隊から要請を受けるというの は、むしろ典型的ではないというふうに思います。ただ、別にそれを排除 するものではなくて、たまたま、他国の軍隊の一人、二人が施設部隊の活 動をしているという横で、何かそういった緊急の事態に巻き込まれて、そ して、助けられるのであれば、何も排除することはないということであり ます。他国の軍隊を「駆け付け警護」するというのは、むしろ想定されな い場合の方が多いですので、そこを代表格のように報道されると非常に、 むしろ誤ったイメージがつくと思います。 Q:破壊措置命令の件で、今、3ヶ月の常時発令が出ていると思うのですが、 その延長をするかどうかというところを、大臣はどのように考えてらっし ゃるのでしょうか。 A:まずは何度も申し上げていますように、破壊措置命令を出したか出さな いかということについて、お答えは差し控えさせていただいております。 具体的な対応を明らかにすることは、わが国の手の内を明らかにするおそ れがあるわけであります。ただ、防衛省・自衛隊は今までも、ずっと申し 上げておりますように、北朝鮮の動向については、重大な関心をもって情 報収集・分析に努めており、また、いかなる事態においても国民の生命・ 財産を守るべく万全の体制をとるという観点から、所要の体制をとってい るところでございます。 Q:習志野の第1空挺団で陸曹長が糧食をネットにオークションに出してい て、懲戒処分を受けました。この件について、2点伺います。まず、大臣 として御所感を伺えましたら伺いたいことが一つ、それからもう一つは、 9500点で248万円を売り上げていたと。これは考えようによっては、 この糧食に対して、自衛隊員以外の一般国民から、一定の潜在的需要みた 4 いなものがあるんじゃないかというふうにも考えられるのですが、流出対 策とともに、逆にその自衛隊の理解を深める一貫として、広く販売してい くような計画とかお考えとかございますでしょうか。その2点をお願いし ます。 A:まず、最初の点ですけれども、陸上自衛隊第1空挺団第3普通科大隊所 属の陸曹長が、平成21年11月頃から平成27年6月下旬までの間、部 隊の「戦闘糧食」を不正に入手して、インターネットオークションに出品 し売却をしていたことから、昨日「免職」の懲戒処分を実施したところで あります。現職の自衛官が、こういった行為を行っていたということは、 私は、国民の自衛官に対する、また、自衛隊に対する信頼というものを著 しく損ねるものであって、大変遺憾でありますし、二度とこういったこと が起きないように、再発の防止策、また、服務指導を徹底していきたいと いうふうに思っております。その上で、今、後から言われた国民からの需 要があるのではないか、また、理解を深めるために一般的に販売したらど うかという点ですけれども、それについては、そういう御指摘があったの で、検討してみたいと思います。 Q:先ほどの他国軍の軍隊についてのところなのですけれども、法律上は可 能なので、排除はしないけれども基本的な考え方としては、想定していな いということですか。 A:そういうことですね。排除はしませんけれども、何度も言いますが、行 っているのは施設部隊だということと、UNMISSの中にも歩兵部隊も いれば、また、南スーダン政府の中にも治安をしっかりと維持する、そう いった当局がありますので、他国の軍隊、他国の軍人を「駆け付け警護」 するような場合というのは想定しにくいということでございます。 以 ※下線部「第3普通科大隊」を「本部中隊」に訂正。 5 上
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