数学Ⅱ ラジオ 学習メモ 第 49 回 第 3 章 三角関数 [加法定理] 弧度法 ⑴ 講師 川﨑宣昭 弧度法とは? これまで,角の大きさは 30° ,60° ,90° ,… 学習のポイント などのように度を単位として表してきましたが, ① おうぎ形の中心角の大きさと弧の長さとの関係 ここでは,これとは別の角の表し方を考えます。 ② πラジアン 今回は,弧度法と呼ばれる角の表し方を学習し ③ 弧度法で角の大きさを表す方法 ます。 おうぎ形の中心角の大きさと弧の長さとの関係 ■ 60 分法 今までは,角の大きさを分度器で測った値で表してきました。60 分 法という言葉を聞いたことがあると思います。 古代バビロニアでは,1年が 360 日であると考え,円周を等分した1 つを1日と考えていました。天体観測でさまざまな方位を数値で表すと きに1周を 360°にするのが最もよいと考えたり,1時間という単位を 60° O ▼ 細かく分けるときに約数が多い 60 を利用しました。また,円に内接し ている正六角形の形に大変興味を持ち,60 を特別な数と考えていました。 ■弧度法 角の大きさを表す新しい単位として,弧度法と呼ばれるものがあります。 半径1の円の円周の長さ……… 2π 半径1の半円の弧の長さ……… π 半径1で中心角が 90°のおうぎ形の弧の長さ……… π 2 半径1で中心角が 45°のおうぎ形の弧の長さ……… π 4 【弧度法の考え方】 おうぎ形の中心角の大きさと弧の長さは比例する。 − 112 − 高校講座・学習メモ 数学Ⅱ 49 弧度法 ⑴ πラジアン θラジアン 半径1の円で,長さの弧に対する中心角の大きさをθラジアン と表す。 θ O 1 半径1の半円の弧の長さはπであるから,その中心角はπラジ アンである。 π 180°=πラジアン O 1 【弧度法】 180°=πラジアン ※ 360°= 2πラジアン ▼ 弧度法で角の大きさを表す方法 ⃝おうぎ形の中心角の大きさと弧の長さが比例する考え方 180° =πラジアン →(両辺を 180 でわる) → 1°= 180° =πラジアン →(両辺をπでわる) → 180 π ※ π ラジアン 180 = 1 ラジアン 180 180° ≒ ≒ 57.3° π 3.14 ⃝ 60 分法 ⇒ 弧度法 60° = 60 × 1°= 60 × π 180 120° = 120 × 1° = 120 × 45° = 45 × 1°= 45 × ラジアン= π 3 ラジアン π 2 ラジアン= πラジアン 180 3 π π ラジアン= ラジアン 180 4 330° = 330 × 1° = 330 × 315° = 315 × 1°= 315 × π 180 π 180 ラジアン= ラジアン= 11 6 7 4 πラジアン πラジアン − 113 − 高校講座・学習メモ 数学Ⅱ 49 弧度法 ⑴ ⃝弧度法 ⇒ 60 分法 π π π 180° ラジアン= × 1 ラジアン= × = 36° 5 5 5 π 3 3 3 180° πラジアン= π× 1 ラジアン= π× = 135° 4 4 4 π 5 5 5 180° πラジアン= π× 1 ラジアン= π× = 150° 6 6 6 π 7 7 7 180° πラジアン= π× 1 ラジアン= π× = 210° 6 6 6 π 5 5 5 180° πラジアン= π× 1 ラジアン= π× = 225° 4 4 4 π ▼ − 114 − 高校講座・学習メモ
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