鉛直下方向 - 芝浦工業大学

光源面積と呈示角度が色光の不快グレア に及ぼす影響
茂田
悟 *,
(
*
入倉
隆 *,
芝浦工業大学,
**
酒寄
純平
久米設計
**
)
Introduction
現在の不快グレア評価では色光が考慮されていない問題がある.しかし,航空・交通信号やイルミネーションなどに加え,
近年では建築ファサードのライトアップや青色防犯灯などで色光の存在をより身近に感じるようになっており,今後ますます
色光の存在が生活の中に溶け込んでくる事が容易に想像できる.
本研究では,色光の不快グレアと呈示角度・光源面積の関係を明らかにする事を目的とし,色光の不快グレア評価の一つの
指標となる事を目指す.
Fig.1 image
Experiment
Tabel.1 Experimental condition
Light source
赤 (x=0.69, y=0.30)
青 x=(0.13, y=0.07)
白 (x=0.30, y=0.30)
光色 (色度座標)
10°20°30°
背景輝度 [cd/m2]
0.3
光源面積 [sr]
● ・・・ 固視点
背景輝度 : 0.3 cd/m2
Fig.2 Experimental setup
Fig.3
10−3 ,
10−5
呈示角度 [°]
0, 10, 30
呈示時間 [s]
0.5
被験者 [人]
8
評価方法
評定尺度法
Fig.4
Glare rating form
Fig.5
Experimental method
Front of hemispherical screen
Results
光源輝度とグレア評価の関係
(10 -5sr)
中心 0°
BCD輝度と呈示角度の関係
(鉛直下方向)
鉛直下 30°
4.5
4
4
3.5
3.5
3
2.5
2
青
赤
白
1.5
1
Glare rating
4.5
Glare rating
II.
1000000
• 中心視においては,赤がBCD輝度が低い値と
なり,青が高い値をとった.周辺視では逆転
3
2.5
しており,青が低い値をとり,赤が高い値と
2
青 下30°
赤 下30°
白 下30°
1.5
1
なった. S錐体の分布,桿体の影響による結果
と示唆される.
0.5
0.5
15000
150000
15000
1500000
Light source luminance
150000
[cd/m2]
Light source luminance
・・・BCD 輝度[cd/㎡]
1500000
• それぞれの光色,呈示方向のポジションイン
[cd/m2]
BCD luminance [cd/m2]
I.
100000
白White000
(10-3sr)
青 (10-3sr) 青00000
赤 (10-3sr)
白赤00000
(10-5sr)
青 (10-5sr) 白
小000
赤 (10-5sr)
10000
デックスを算出する.
 BCD 輝度・・・快・不快の境界輝度
Position index ・・・ 𝑃 =
• グレア評価値が2.5となる光源輝度をBCD輝度とし,それぞれのBCD輝度を算出する.
ある呈示角度のBCD輝度
呈示角度0°のBCD輝度
1000
0
10
20
30
Presentation angle[°]
III. ポジションインデックスと呈示角度の関係
10
1
1.0×10-3
水平-3sr)
水平方向(10
1.0×10-3
鉛直上-3sr)
鉛直上方向(10
1.0×10-3
鉛直下-3sr)
鉛直下方向(10
1.0×10-5
水平-5sr)
水平方向(10
-5sr)
1.0×10-5
鉛直上
鉛直上方向(10
1.0×10-5
鉛直下-5sr)
鉛直下方向(10
1.0×10-3
水平 -3sr)
水平方向(10
1.0×10-3
鉛直上-3sr)
鉛直上方向(10
1.0×10-3
鉛直下 -3sr)
鉛直下方向(10
1.0×10-5
水平 -5sr)
水平方向(10
1.0×10-5
鉛直上-5sr)
鉛直上方向(10
1.0×10-5
鉛直下-5sr)
鉛直下方向(10
1
0
10
20
0
30
1.0×10-3
水平-3sr)
水平方向(10
1.0×10-3
鉛直上-3sr)
鉛直上方向(10
1.0×10-3
鉛直下-3sr)
鉛直下方向(10
1.0×10-5
水平-5sr)
水平方向(10
1.0×10-5
鉛直上-5sr)
鉛直上方向(10
1.0×10-5
鉛直下-5sr)
鉛直下方向(10
20
30
10
1
0.1
0.1
100
Position index
10
Position index
Position index
Red
Blue
White
10
20
30
0
Presentation angle[°]
Presentation angle[°]
Presentation angle[°]
10
•
赤・白色は周辺視においてポジションインデックスの値が上昇し,青色は呈示方向が鉛直上方向以外すべてポジションインデックスが1を下回る値となった.
•
光色間におけるポジションインデックスの比較では,赤色が最も高い値となり,青色が最も低い値となった.
•
全ての光色において,光源面積が大きくなるとポジションインデックスは低い値をとる.
•
赤色が最も光源面積の影響を受け易い.光源面積により,呈示角度が大きくなるに従ってポジションインデックスの値が大きく変化する.また,青色が最も光源面積の影響を受け辛く,変化が少ない.
Conclusion
本研究によって,光色によりグレア特性が変化すること,
• 光色とBCD輝度の関係は以下となった.
中心視野においては
青 > 白 > 赤
周辺視野においては
赤
>
白
>
青
の順に低くなる
呈示位置や光源面積によっても光色の影響が確認された.
の順に低くなる
今後増加していく事が予想される有彩色光を取り扱う際,
本研究により明らかとなった光色ごとのBCD輝度,
• 光源面積の差異によって
光色がポジションインデックスに与える影響は以下となった
赤
>
白
>
青
の順に影響を受け辛くなる
ポジションインデックスを一つの指標として提案する.
また,今後の課題として様々な順応状態における色光の
不快グレアを明らかにする必要がある.