特定健康診査等実施計画 大日本住友製薬健康保険組合 平成 25 年 3 月 1 背景及び趣旨 高齢化の急速な進展と生活習慣病が増加し、死亡原因の約6割を占め、医療費に占める生活習 慣病の割合も国民医療費の約3分1であることから、生活習慣病対策は必然的に取り組む必要が ある。 このような状況に対応するため、平成20年度から「特定健康診査及び特定保健指導」の第一 期が開始され保険者は被保険者及び被扶養者に対し、糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査(特 定健康診査)及びその結果により健康の保持に努める必要がある者に対する保健指導(特定保健 指導)を実施された。また、第一期の実施状況やその評価を踏まえ、第二期が平成25年度から 開始することとされた。 本計画は、当健康保険組合の特定健康診査及び特定保健指導の実施方法に関する基本的な 事項、特定健康診査及び特定保健指導の実施並びにその成果に係る目標に関する基本的事項 について定めるものである。 なお、高齢者の医療の確保に関する法律第19条により、5年ごとに5年を一期として 特定健康診査等実施計画を定めることとする。 当健保組合の現状 当健保組合は、大日本住友製薬株式会社及び大日本住友製薬株式会社と関連する事業所が加入 している健保組合である。 平成23年度末の事業所数は7で、大阪府に所在している。ただし、支店や営業所は全国に点 在しており、近畿地区に居住している被保険者及び被扶養者は約5割、それ以外は関東地区を中 心に全国に居住している。 当健保組合に加入している被保険者は、平均年齢が42.17歳(平成23年度末)で、男性が 全体の8割弱を占める。 健康診断については、事業主が実施する法定健診と、当健保組合が契約する外部委託会社「㈱ イーウェル」と提携する病院・クリニック及び人間ドック機関を利用する健診がある。 外部委託会社「㈱イーウェル」:主に、受診希望者からの受診の受付、提携する病院・クリニック及び人間ドック機関との取次ぎ、 受診料の精算代行、健診データ管理等、特定健診に関する業務を代行する委託先 健診内容 ・人間ドックの内容 (人間ドック利用対象者:30歳以上の被保険者、30歳以上の被扶養配偶者、いずれも希望者) 平成23年度利用実績 被保険者:423名 被扶養配偶者:709名 2 合計:1,132名 特定健康診査等の実施方法に関する基本的な事項 1 特定健康診査等の基本的考え方 日本内科学会等内科系 8 学会が合同でメタボリックシンドロームの疾患概念と診断基準 を示した。これは、内臓脂肪型に起因する糖尿病、高脂血症、高血圧は予防可能であり、 発症した後でも血糖、血圧をコントロールすることにより重病化を予防することが可能 であるという考え方を基本としている。 メタボリックシンドロームの概念を導入することにより、内臓脂肪の蓄積や、体重増加等 が様々な疾患の原因になることをデータで示すことができるため、健診受診者にとって生 活習慣の改善に向けての明確な動機付けができるようになる。 2 特定健康診査等の実施に係る留意事項 任継者及び被扶養者の特定健診は、当健保組合が契約する外部委託会社「㈱イーウェル」と提 携する病院・クリニック及び人間ドック等で行う。受診後の受診データは外部委託会社「㈱イー ウェル」から一括して受領し、当健保組合の基幹システムで管理する。 3 事業主等が行う健康診断及び保健指導との関係 従来から労働安全衛生法の定めによる法定健診は事業主が行っていることから、引き続き事業 主が主体となって行い、健診費用は事業主が負担する。 事業主が実施した法定健診のデータは、事業主から電子媒体で当健保組合が受領する。 4 特定保健指導の基本的考え方 生活習慣病予備群の保健指導の第一の目的は、生活習慣病に移行させないことである。 そのための保健指導では、対象者自身が健診結果を理解して自らの生活習慣を変えること ができるように支援することにある。 3 Ⅰ 達成目標 1 特定健康診査の実施に係る目標 平成29年度における特定健康診査の実施率を90.2%とする。 この目標を達成するために、平成25年度以降の実施率(目標)を以下のように定める。 目標実施率 (%) 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 国の参酌標準 被保険者 96.0 96.2 96.6 97.0 98.0 ― 被扶養者 53.0 57.9 63.0 70.9 75.3 ― 被保険者+被扶養者 81.2 83.0 85.0 88.0 90.2 90.0 2 特定保健指導の実施に係る目標 平成29年度における特定保健指導の実施率を73.0%とする。 この目標を達成するために、平成25年度以降の実施率(目標)を以下のように定める。 目標実施率 (被保険者+被扶養者) 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 国の参酌標準 4,803 5,037 5,216 5,330 5,471 ― 特定保健指導対象者数(人) 625 594 553 501 448 ― 実施率(%) 72.3 72.6 72.5 72.7 73.0 60.0% 実施者数(人) 452 432 401 364 327 ― 40 歳以上対象者(人) 注)第一期計画期間における実績値から推計 3 特定健康診査等の実施の成果に係る目標 平成29年度において、平成20年度と比較したメタボリックシンドロームの該当者及 び予備群の減少率を25%以上とする。 目標減少率 特定健診受診者数 メタボリックシンドロームの対象者 及び予備軍(人) 対象者(%) 減少率(%) 20 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 3,189 3,899 4,181 4,434 4,690 4,936 756 819 878 842 844 839 23.7 21.0 21.0 19.0 18.0 17.0 11.4 11.4 19.8 24.1 28.3 4 国の参酌標準 ― 25.0% Ⅱ 特定健康診査等の対象者数 1 対象者数 ① 特定健康診査 被保険者 (人) 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 52 52 52 52 52 40歳以上対象者 3,095 3,249 3,366 3,441 3,534 目標実施率(%) 96.0 96.2 96.6 97.0 98.0 目標実施者数 3,021 3,176 3,302 3,388 3,514 対象者数(推計値) 被扶養者 (人) 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 1,622 1,702 1,764 1,803 1,852 40歳以上対象者 34 34 34 34 34 目標実施率(%) 53.0 57.9 63.0 70.9 75.3 目標実施者数 878 1,005 1,132 1,302 1,422 対象者数(推計値) 被保険者+被扶養者 (人) 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 対象者数(推計値) 1,674 1,754 1,816 1,855 1,904 40歳以上対象者 3,129 3,283 3,400 3,475 3,568 目標実施率(%) 81.2 83.0 85.0 88.0 90.2 目標実施者数 3,899 4,181 4,434 4,690 4,936 *対象者数とは、事業主健診の受診者等を除外した保険者として実施すべき数(被扶養者、任意継続被保険者) *40歳以上対象者は、保険者で実施せず、他(事業主、パート先等)から、その実施した健診データを 受領する数 ② 特定保健指導の対象者数 被保険者+被扶養者 (人) 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 4,803 5,037 5,216 5,330 5,471 動機付け支援対象者 303 297 287 272 257 実施率(%) 75.0 75.0 75.0 75.0 75.0 実施者数 227 223 215 204 193 積極的支援対象者 322 297 266 229 191 実施率(%) 70.0 70.0 70.0 70.0 70.0 実施者数 225 208 186 160 134 保健指導対象者計 625 594 553 501 448 実施率(%) 72.3 72.6 72.5 72.7 73.0 実施者数 452 431 401 364 327 40 歳以上対象者 注)第一期計画期間における実績値から推計 5 Ⅲ 特定健康診査等の実施方法 (1)実施場所 特定健診は、事業主が実施する定期健康診断を受診できない任意継続被保険者、被扶養者につ いては、当健保組合が契約する外部委託会社「㈱イーウェル」と提携する病院・クリニック及び 人間ドック機関で行う。 被保険者の特定保健指導は、当健保組合が契約する外部委託会社「㈱メディヴァ」にて行う。 外部委託会社「㈱メディヴァ」:被保険者の保健指導を実施する委託先 被扶養者の特定保健指導は、当健保組合が契約する外部委託会社「㈱全国訪問健康指導協会」 にて行う。 外部委託会社「㈱全国訪問健康指導協会」:被扶養者の保健指導を実施する委託先 (2)実施項目 実施項目は、標準的な健診・保健指導プログラム第2編第2章に記載されている健診項目とす る。 (3)実施時期 実施時期は、通年とする。 (4)委託の有無 ア 特定健診 標準的な健診・保健指導プログラム第2編第6章の考え方に基づきアウトソーシングする。 イ 特定保健指導 標準的な健診・保健指導プログラム第3編第6章の考え方に基づきアウトソーシングする。 (5)受診方法 当健康保険組合では、受診可能な特定健診受診機関及び受診方法を機関紙、ホームページ及び Web等で公開する。被保険者・被扶養者のうち特定健診受診対象者(事業主が実施する定期健 康診断受診者は除く)は、公開された受診可能な特定健診受診機関及び受診方法を確認のうえ、 希望する健診機関を選び受診方法に沿って特定健診を受診する。 上記、特定健診受診結果により特定保健指導対象者を抽出し、当該被保険者・被扶養者に階層 化の結果を連絡する。 当健保組合は外部委託会社「㈱メディヴァ」及び必要により事業主と協議し、特定保健指導の 対象者の中から、優先度合いを考慮し、当該被保険者・被扶養者に特定保健指導の案内を行う。 案内を受けた被保険者は、外部委託会社「㈱メディヴァ」、被扶養者は外部委託会社「㈱全国訪問 健康指導協会」と、日程、場所等の調整をし、特定保健指導を受ける。 特定健診・特定保健指導の費用は無料とし、当健保組合が全額負担する。 6 (6)周知・案内方法 周知・案内方法は、機関紙、ホームページ及びWeb等に掲載する。 (7)健診データの受領方法 健診のデータは、外部委託会社と提携する病院・クリニック及び人間ドック機関から外部委託 会社「㈱イーウェル」を通じ電子データを随時(又は月単位)受領して、当健保組合で保管する。 また、特定保健指導のデータについても外部委託会社「㈱メディヴァ」又は外部委託会社「㈱ 全国訪問健康指導協会」から電子データで受領するものとする。 なお、データの保管年数は5年とする。 (8)特定保健指導対象者の選出の方法 特定保健指導の対象者については、特定健診の結果により優先順位をつける。また、効果の面 からは、40歳代の者から優先して選出する。 Ⅳ 個人情報の保護 当健保組合は、大日本住友製薬健康保険組合個人情報保護管理規程を遵守する。 当健保組合及び委託された外部委託会社「㈱イーウェル」、「㈱メディヴァ」、 「全国訪問健康指 導協会」及び外部委託会社「㈱イーウェル」と提携する病院・クリニック及び人間ドック機関は、 業務によって知り得た情報を外部に漏らしてはならない。 当健保組合のデータ管理者は、常務理事とする。また特定健診・保健指導に関する個人データ を利用できるのは当健保組合職員に限る。 Ⅴ 特定健康診査等実施計画の公表・周知 本計画の周知は、機関誌やホームページに掲載して行う。 Ⅵ 特定健康診査等実施計画の評価及び見直し 当計画については、毎年、健保組合と外部委託会社「㈱メディヴァ」及び必要に応じ事業主と 協議し、見直しを検討する。 また、平成27年度に3年間の評価を行い、目標と大きくかけ離れた場合その他必要がある場 合には見直すこととする。 Ⅶ その他 当健保組合の職員は、特定健診・特定保健指導等の円滑な業務運営のための研修に随時参加さ せる。 7
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