線形代数学Ⅱ 演習問題 1 2016 年度後期 工学部・未来科学部 1 年 担当: 原 隆 (未来科学部数学系列・助教) Report Problems レポート課題 ※ レポートは 自由提出 です。レポートを提出したい人は、以下の注意点を守って提出して下さい。 (ⅰ) 必ず分かるところに 学籍番号、学科、氏名 を書いて下さい。 (ⅱ) A4 の紙を用いて、複数枚になる場合はホチキスや針無しステープラーで綴じて下さい。 (ⅲ) ∗ 印の付いた問題はチャレンジ問題 (ちょっと難しめの問題) です。勿論これらの問題を解かないでレ ポート提出しても構いませんが、腕に自信のある人は是非チャレンジしてみて下さい。 (ⅳ) 提出期限は 10/20 (木), 10/21 (金) の講義時 とします。レポートボックスは設けませんので、講義 開始時に教卓へ 提出して下さい。 (ⅴ) If you are not good at writing Japanese sentences, you can draw up the report in English. n 次行列式の基本 3 性質 問題 1-1. (行列式の基本性質Ⅰ) 1◦ . 多重線形性 2◦ . 歪対称性 3◦ . 単位行列の行列式は 1 ※ 参考資料 2 のプリントも参照 (ほぼ答えそのものが載ってます) n 次正方行列 A = (aij )1≤i,j≤n = (a1 a2 . . . an ) の行列式に関する以下の設問に答えなさい。 (1) [テキスト 系 4.39. も参照] A の二つの列が一致するとき、つまりある 自然数 i, j (1 ≤ i, j ≤ n, i ̸= j) に対して ai = aj が成り立つとき、 det A = 0 となることを証明しなさい。 ◦ [ヒント: 歪対称性 2 を用いる] (2) [テキスト 定理 4.42. も参照] 行列の列基本変形の一つである ある列に他の列の実数倍を加える という操作を A に施した行列の行列式が det A と一致すること、つまり自然数 i, j (但し 1 ≤ i, j ≤ n, i ̸= j) 及び実数 c に対して等式 det(a1 . . . ai + c aj . . . aj . . . an ) = det(a1 . . . ai . . . aj . . . an ) (= det A) が成り立つことを、(1) の結果と「n 次行列式の基本 3 性質」を用いて証明しなさい。 問題 1-2. (行列式の計算Ⅰ) 「n 次行列式の基本 3 性質」と 問題 1-1. の結果のみを用いて 以下の行列式を計算しなさい (つま り、 「2 次行列式の展開公式やサラスの公式、スカラー 3 重積による 3 次行列式の計算等は 用いないで 計算しなさい」ということ)。 ( (1) ) 3 −2 det 3 −2 ( (4) det 128 130 25 24 397 400 ( 5 3 (2) det −2 1 −2 1 −3 ) 1 0 (5) det 0 0 0 2 0 0 ( ) 0 −4 3 0 [ヒント: (4) 3 0 0 4 1 (3) det 2 0 2 0 (6) det 3 0 ) 3 0 3 0 2 1 7 0 0 0 0 −1 0 1 1 0 0 −1 (1 列目)−(2 列目) を計算すると……?] 問題 1-3. (行列式の基本性質Ⅱ)*1 n 次正方行列 A = (aij )1≤i,j≤n = (a1 a2 . . . an ) に於いて、an が a1 , a2 , . . . , an−1 の 線形結合 で表されているとする。つまり、(n − 1) 個の実数 k1 , k2 , . . . , kn−1 が存在して an = k1 a1 + k2 a2 + . . . + kn−1 an−1 · · · (∗) と表されているものとする。 (1) このとき det A = 0 となることを、 「n 次行列式の基本 3 性質」(および 問題 1-1. の結果) を [ヒント: 第 n 列を (∗) と多重線形性 1◦ . を用いて分解してみよう] (2)∗ n = 3 のとき、式 (∗) は 3 つの空間ベクトル a1 , a2 , a3 が図形的にどのような位置関係に あることを表しているかを答えなさい。また、『式 (∗) が成り立つときに det A = 0 となる』 用いて証明しなさい。 ことを図形的に説明しなさい。 [ヒント: 3 次行列式=平行六面体の符号付き体積] 問題 1-4. (行列式の計算 Ⅱ) 以下の行列式を計算しなさい。 ( (1) det 1 3 −2 2014 6041 −4025 3 5 98 3 0 2 (4) det 0 −1 1 0 1 −2 −1024 −3070 2043 ) 23 5 −4 −1 1 1 1 1 0 (2) det −1 4 −3 (3) det 0 1 16 9 3 2 2 3 −1 4 1 3 2 0 1 (5) det (6) det 0 −2 −2 1 1 0 0 3 1 2 0 ( ) 0 1 3 5 0 0 −2 9 1 2 1 0 0 0 1 2 1 0 3 0 0 16 0 0 0 0 1 0 2 1 1 2 問題 1-5. (チャレンジ問題)∗ 右上から左下への対角線上に 1 が並んだ n 次正方行列 0 0 0 0 . . . . . . Jn = . . . . . . 0 1 1 0 ··· ··· . .. . .. ··· ··· ··· ··· . .. . .. ··· ··· 0 1 .. . .. . 0 0 1 0 .. . .. . 0 0 について以下の設問に答えなさい。 (1) 行列式 det Jn を計算しなさい。 (2) det Jn = + 1 となるための n の条件を求めなさい。 【ヒント】 列を入れ替えて巧く単位行列 In に変形しよう。その際、勿論歪対称性 2◦ . を用います。 *1 本問は、『数ベクトル空間』の話 (特に数ベクトルの線形独立性/線形従属性について; [新井他] の第 5 章) を学習して からもう一度解き直してみると、より理解が深まるかもしれません。
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