F24マンスリーレポート10月号

FUTURES
24
MONTHLY REPORT
DAIICHI COMMODITIES CO.,LTD.
10/12/2016
フューチャーズ24情報・マンスリーレポート 2016年10月号
◆9月の相場概況
●金相場
NY金は低調な内容となった米経済統計を受けて、早期の米利上げ観測が後退したうえ、為替がドル安に振れたこと
で買われ、7日には1350ドル台後半に上昇。しかし、米FRB高官のタカ派的な発言などで下落、16日には終値
ベースで約3カ月ぶりの安値を付けた。9月後半は9月米FOMCか買い材料視され1340ドル台後半まで上昇する
場面もあったが、投資家のリスク選好姿勢で安全資産とされる金の需要が後退したうえ、ドル高・原油高・株高も売り
材料となり、30日には1310ドル台後半まで下落した。
●白金相場
NY白金は9月上旬、為替のドル安と南アフリカの鉱山ストライキ懸念で1110ドル台に上昇。その後は9月米利
上げ観測などで16日に1010ドルまで急落。9月後半は、9月の米FOMCが買い材料視され1070ドル近くま
で反発したが、年内の米利上げ観測が根強いことで上値を抑えられた。
●原油相場
NY原油は9月中旬に42ドル台まで下落したが、OPECが約8年ぶりの減産で暫定合意したことが買い材料とな
り、30日には48ドル台まで上昇する展開となった。
●穀物相場
シカゴ大豆は、高水準にある米大豆イールド予想や米中西部の収穫進展観測などで下落、27日に約5カ月ぶりの安
値を付けた。シカゴコーンはテクニカル要因による買いに上昇した後、米農務省需給報告か売り材料となり上値を抑え
られた。
◆10月の相場見通し
●金相場=年内の米利上げ観測が重しに
10月第1週に発表された米経済統計が堅調な内容となったのを受けて、年内の米利上げ観測が強まっている。NY
金は今後発表される米経済統計も堅調な内容となれば、年内利上げ観測が台頭し売られることが予想される。ただ、1
1月FOMCでの利上げ観測が急速に台頭することがない限り、1200ドルの節目を試すようなことはないだろう。
●白金相場=年初来安値を試す可能性も
東京・NY白金とも直近の安値を下抜いたことで、チャート面で基調は弱いのに加え、欧州経済をめぐる先行き不透
明感も圧迫材料。東京は1月に付けた年初来安値が意識される。NYは4月安値、2月安値を視野に下値を試す可能性
がある。
●原油相場=概ね50-55ドルでの値動きに
11月のOPEC総会に向けて一喜一憂する展開が見込まれる。価格上昇で米シェールオイル生産が拡大する可能性
が上値を抑える材料になる一方、OPECの減産暫定合意が下支え要因になるだろう。
●穀物相場=需給報告後に値位置を切り上げる展開に
シカゴ穀物は10月の米農務省・需給報告が弱気な内容となった場合、下落することが予想される。ただ、同報告発
表後は好調な輸出需要などに支えられ、徐々に値位置を切り上げる可能性がある。
第一商品株式会社 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町 9 番 1 号 神泉プレイスビル フューチャーズ・24
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◆金相場概況(9月)
●NY金=1300ドル台前半から半ばでの値動き
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、8月の米雇用統計や8月の米ISM非製造業景況指数が低
調な結果となったのを受けて、早期の米利上げ観測が後退したうえ、為替がドル安・ユーロ高に振れたことが買い材料
となり、中心限月の期近12月限は9月7日に一時、1357.60ドルと8月19日(1357.90ドル)以来約
3週間ぶりの高値を付けた。しかし、その後は欧州中央銀行(ECB)による現行政策維持決定に対する失望感や、ロ
ーゼングレン・米ボストン連銀総裁のタカ派的発言で売られた。さらに、8月の米消費者物価指数が市場予想を上回っ
たことも売り材料となり1310ドル台に急落し、16日の終値は中心限月ベースで約3カ月ぶりの安値を付けた。
9月後半は、20-21日開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げが見送られたうえ、委員の政
策金利見通しが前回より下方修正されたことが、金利の付かない資産である金には買い材料となったほか、為替がドル
安・ユーロ高に振れたため、22日には1347ドル台まで急反発した。ただ、その後は米大統領選の第1回テレビ討
論会後に複数のメディアが民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官が共和党候補のドナルド・トランプ氏よりも
優勢だったと報じたのを受けて、投資家のリスク選好姿勢か強まり、安全資産とされる金の需要が後退したうえ、為替
がドル高・ユーロ安に振れた。さらに、原油高・株高も売り材料となり、30日には1316ドル台まで急反落した。
●東京金=右肩下がりの動きに
東京商品取引所の金先物相場は、為替の円安・ドル高やNY金が早期の米利上げ観測後退などで急伸したことで買わ
れ、先限は7日に一時、4410円と8月8日(4417円)以来1カ月ぶりの高値を付けた。ただ、その後は為替が
円高・ドル安に振れたことやNY金が下落したことで、13日には4305円まで反落。
9月後半は、15日に為替の円安・ドル高で4361円まで上昇した後、為替が日米の金融政策会合結果が円買い・
ドル売り材料となり、1ドル=100円付近まで円高・ドル安に振れたことが嫌気され、21日に4267円まで下落。
その後も、NY金が投資家のリスク選好姿勢などで売られ下落したうえ、為替が円高・ドル安傾向を継続したことで、
29日には一時、4250円と、8月26日(4250円)以来、1カ月ぶりの安値に面合わせした。
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◆金相場展望
●NY金=12月の米利上げ観測を織り込む動きに
米連邦準備制度理事会(FRB)が9月20-21日開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを見送
ったが、イエレン議長はFOMC後の会見で「年内に1回の利上げを想定している」と述べ、景気拡大の継続を前提に、
年内利上げに踏み切る意向を表明した。
10月第1週に発表された米経済統計は、9月のISM製造業景況指数が51.5と市場予想の50.3、9月のI
SM非製造業景況指数が57.1と市場予想の53.0をそれぞれ上回った。前月は製造業景況指数が製造業景況の拡
大・縮小の判断の節目である50を下回り、非製造業景況指数が約6年半ぶりの低水準を記録。
市場関係者が注目していた9月の雇用統計は、景気動向を反映する非農業部門就業者数が前月比15万6000人増
加と、市場予想の17万5000人増加を下回り、失業率は5.0%と市場予想の4.9%を0.1ポイント上回った。
非農業部門就業者数の増加幅は前月に続き市場予想を下回り、7月-9月の3カ月平均では19万2000人増加と
20万人増加を割り込んだ。たた、民間部門の就業者数は拡大し、失業率上昇も働く意欲のある人の多さを示す労働参
加率か上向いたのが要因とみられる。また、米FRBか注目する平均時給が前年同月比で2.6%上昇と前月(2.4%
上昇)から伸びが加速するなど、労働市場の基調は堅調さを維持した。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、前述の要因を背景に年内の米利上げ観測が強まり、金利の
付かない資産である金には売り材料となったのに加え、為替のドル高が進行しドル建てで取引される金は割高感からも
売られたことから、中心限月の期近12月限は心理的に重要な節目である1300ドルを割り込み、7日には1243.
20ドルと6月7日(1236.90ドル)以来、4カ月ぶりの安値水準まで急落した。
10月第1週の米経済統計の結果を受けて、市場では年内利上げ観測が強まっているが、米大統領選直前に開催され
る11月よりも12月利上げとの見方が大勢。CMEグループのフェドウオッチによると、7日現在で市場が織り込む
12月利上げの確率は70%。たた、9月米FOMC声明では、利上げについてFOMC内部の認識のかい離が鮮明に
なっており、年内利上げが確実となるには、今後発表される米経済統計が利上げ慎重派の懸念を払しょくするような力
強い内容が必要とみられている。
NY金は今後発表される米経済統計が堅調な内容となれば、年内利上げ観測が一段と強まり、ファンド筋の手じまい
などの売りが膨らみ、6月7日の安値1236.90ドルを試す展開になることが予想される。ただ、12月利上げは
これまでの急落である程度は織り込まれていると考えられ、11月利上げ観測が急速に台頭することがない限り、同安
値を割り込んだとしても、1200ドルの節目を試すことはないとみている。また、10月-12月は例年、世界の二
大金消費国である中国やインドなどで金需要が盛り上がる時期に当たるため、10月の価格急落で現物需要の増加が期
待される。
以上のことから、NY金は12月米利上げを織り込む動きとなった場合でも、1200ドル付近で強い抵抗を示すこ
とになれば、底値確認となり、新規買いや売り方の買い戻しなどで反発することが予想される。ただ、9月26日と1
0月9日に行われた米大統領選のテレビ討論会で、米メディアがいずれも民主党候補のヒラリー・クリントン氏が勝利
したと報じたことが圧迫材料。19日に開かれる最終回の第3回討論会でも、クリントン氏が勝利となれば為替のドル
高が進行する可能性があり、1300ドル回復は難しいとみている。
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◆外国為替市場概況
▽円・ドル相場=一時は100円付近まで円高・ドル安が進行する場面も
9月2日に発表された8月の米雇用統計で、非農業部門就業者数の増加幅が市場予想を下回ったことから、発表直後
は円買い・ドル売りとなり、1ドル=102円台後半まで上昇した後、
「雇用統計が9月利上げの可能性を完全に打ち
消すほど悪い内容ではない」との見方が広がったことから、ドルの見直し買いが入り104円台前半まで下落。しかし、
6日発表された8月の米ISM非製造業景況指数悪化で早期の米利上げ観測が後退し、7日に101円台前半まで上昇。
その後、米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言に左右される動きとなり、9日に103円台前半に下落したが、
12日には101円台後半に上昇。しかし、日本の財務省が40年債増発を決定したことや、日銀が20-21日開催
する金融政策会合で追加金融緩和に動くとの観測が円売り・ドル買い材料となり、14日には103円台前半まで下落。
9月後半は、日銀が金融政策決定会合で決定した新たな金融政策をめぐる懐疑的な見方に加え、20-21日開催さ
れた米連邦公開市場委員会(FOMC)で委員による政策金利見通しが下方修正されたことが、円買い・ドル売り材料
となり、22日には100円付近まで急伸。その後は100円台での取引となったが、原油高・株高を背景とした投資
家のリスク選好姿勢で、安全資産とされる円が売られ29日には101円台後半まで下落した。
10月に入ると、9月の米ISM製造業景況指数と非製造業景況指数が市場予想を上回ったのを受けて、年内の利上
げ観測が強まったことや米長期金利の上昇が円売り・ドル買い材料となり、6日には104円15銭と、9月2日(1
04円35銭)以来1カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。その後、9月の米雇用統計を受けて102円台後半まで
上昇する場面があったが、10日には年内の米利上げ観測や株高・原油高などにより、104円台前半まで下落した。
▽ユーロ・ドル=2カ月ぶりのユーロ安・ドル高水準
8月の米雇用統計は市場予想を下回ったものの、
「米FRBは向こう数カ月に利上げに踏み切る公算が大きい」との
見方がユーロ売り・ドル買い材料となり、5日に1ユーロ=1.11ドル台前半まで下落。その後、8月の米ISM非
製造業景況指数が大幅に悪化したほか、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が8日の定例理事会後の会見で、ユーロ
圏経済の下振れリスクに警戒感を表明したものの「現時点で行動を起こす必要はない」との考えを示したことが、ユー
ロ買い・ドル売り材料となり、1.13ドル台前半まで上昇。しかし、8月の米消費者物価指数が市場予想を上回る伸
びとなったことで12月の米利上げ期待が高まり、1.11ドル台半ばまで下落した。
9月後半は、9月の米FOMC結果がユーロ買い・ドル売り材料となり、22日には1.12ドル台半ばまで上昇。
しかし、ドイツ銀行の経営不安の再燃で30日には1.11ドル台半ばまで下落。
10月に入ると、年内の米利上げ観測の強まりと米長期金利上昇などで4日に1.11ドル台前半に下落したが、E
CBの量的緩和縮小観測で1.12ドル台前半まで上昇。しかし、ECBの量的緩和縮小観測の後退や年内の米利上げ
か改めて意識されたことから、11日には1.1048ドルと、8月5日(1.1046ドル)以来2カ月ぶりのユー
ロ安・ドル高水準まで下落した。
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◆日米株式市場概況
▽NY株式市場=概ね1万8000ドル台前半から半ばでの動き
ダウ工業株30種平均は、9月2日に発表された8月の米雇用統計が市場予想を下回ったことで、早期の米利上げ観
測が後退し、1万8500ドル台に上昇。しかし、9日に利上げに慎重なハト派として知られる米ボストン連銀のロー
ゼングレン総裁がタカ派的な発言をしたのを受けて、早期の米利上げ観測が再燃し1万7990ドル台に急落。その後
は12日に米FRBのブレイナード理事がハト派的姿勢を維持したことで1万8300ドル台に急伸したが、13日に
はNY原油の急落でエネルギー株が売られたことで1万7990ドル台に急落。しかし、15日には8月の米小売売上
高などが市場予想を下回ったことで早期の米利上げ観測が後退し1万8200ドル台まで上昇した。
9月後半は、20-21日開催の米FOMCで追加利上げが見送られたうえ、委員の政策金利見通しが下方修正され
たとで「利上げペースが緩やかになる」との安心感か広がり、22日に1万8400ドル台に上昇。しかし、NY原油
の急落やドイツ銀行の経営悪化懸念で26日には1万8050ドル台に急落。その後はNY原油が主要産油国による生
産量の制限合意で上昇したことから、28日に1万8300ドル台に上昇した。
10月に入ると、ドイツ銀行の経営不安再燃や欧州中央銀行(ECB)の量的緩和縮小観測に加え、年内の米利上げ
観測が売り材料となり、3日には1万8100ドル台に下落。その後、NY原油相場高や、米大統領選の第2回テレビ
討論で民主党候補のヒラリー・クリントン氏が優勢だったとの世論調査結果が買い材料となり、10日に1万8400
ドル近くまで上昇したが、11日には米主要企業の業績への不安から、1万8060ドル台に下落した。
▽東京株式市場=9月初旬に約3カ月ぶりの高値を付ける場面も
日経平均株価は、9月2日に発表された8月の米雇用統計が市場予想を下回る内容だったが、早期利上げを否定する
ものではなかったことを反映した為替の円安・ドル高進行が買い材料となり、5日に一時、1万7156円36銭と、
5月31日(1万7251円36銭)以来約3カ月ぶりの高値を付けた。しかし、為替の円高・ドル安への警戒感に加
え、米早期の米利上げ観測を背景とした米株価の下落が嫌気され、12日には1万6600円台に急落。
9月後半は、15日に米株価の下落や為替の円高・ドル安進行が嫌気され1万6300円台に下落。しかし、日銀が
21日に決定した金融緩和強化策とマイナス金利の据え置きを好感した買いに前日比300円超高となり、1万680
0円台に急伸。その後、日米の金融政策会合を受けた為替の円高基調が嫌気され、輸出関連株を中心に売られ27日に
は1万6200円台まで急落したが、29日に欧米株高や為替の円安進行で自動車や銀行などの主力株が買われ1万6
700円台に急伸。ただ、30日はドイツ銀行の経営不安によるリスク回避の動きで売られ、1万6400円台に下落。
10月に入ると、米経済統計の改善を背景とした為替の円安・ドル高で2カ月半ぶりとなる4営業日(3-6日)続
伸。7日は利益確定売りに小反落したが、連休明け11日は為替の円安・ドル高に加え、米株価と原油相場高により、
電機や商社など世界的な景気動向に敏感な銘柄を中心に買われ反発、終値では9月7日以来約1カ月ぶりに1万700
0円台を回復した。
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◆金需給動向
●8月の香港経由の中国金輸入=前月比45%減
ロイター通信が9月27日、香港統計局から入手したデータによると、2016年8月の中国による香港経由の金純
輸入量は50.484トンと、7月の91.136トンから約45%減少し、6カ月ぶりの低水準となった。消費者の
現物需要減少が響いた。
トムソン・ロイター傘下の貴金属調査会社GFMSのアナリストは、
「今年は中国における金現物、特に貴金属向け
の需要がそれほど多くない。また貴金属加工業者も、需要はまだ回復していないとの見方を示している」と指摘した。
ただ、同アナリストは「香港の輸入が中国の需要全体を表しているはずがなく、香港の減少が他の地域の変化によるも
のである可能性もある」と述べた。
香港の業界関係者は、
「金空腹の状態は通過した。中国の消費者は現在、価格に非常に敏感であり、金価格が大幅安
となれば消費は回復する」との見方を示した。
中国は世界最大の金消費国だが、金貿易にかかわる公式なデータを発表していない。そのため、香港政府統計局の数
字が、中国本土への金の流れを把握するための代替指標となる。ただ、中国は上海や北京を通しても金を輸入している
ため、中国の金輸入の全体像は捉えていない可能性もある。
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●8月の各国中銀の金準備=ロシアは18カ月連続の増加
国際通貨基金(IMF)が9月26日に公表した統計によると、ロシアは金保有高を8月に20.1トン増やし15
26.2トンと、18カ月連続の増加。また、カザフスタンが2.6トン増の244トンと金準備高を増やした。一方、
トルコが4.7トン減少の455.5トンと金準備を減らした。
●年末の金価格見通し、下振れリスク=米ゴールドマン
米ゴールドマン・サックスは10月7日までに、年末の金相場見通しである1オンス=1280ドルについて、下振
れリスクがあるとの見方を示した。価格変動に対する反応が予想より大きいことを理由としている。
今年はETF(上場投資信託)と金実物需要が堅調だが、その傾向が続く可能性が高いと指摘。戦略的ヘッジ策とし
ての金需要は衰えず、下値も限定的だと説明した。
また、世界経済成長に大幅な下振れリスクが残り、成長に何らかの打撃があった場合の金融政策の有効性が懸念され
ているため、1オンス=1250ドルを大きく下回れば、戦略的な買いの好機だと分析した。
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●投資需要
▽NY金ETF=9月は増加に転じる
ニューヨーク証券取引所に上場されている世界最大規模の金ETF「SPDRゴールド・シェア」現物保有量は、2
016年9月が8月末比4.72トン増加の947.95トン
「SPDRゴールド・シェア」現物保有量は、9月6日現在で前日比14.25トン増加と8月22日以来2週間ぶ
りの増加。8月の米雇用統計の非農業部門就業者数、8月の米ISM製造業景況指数と非製造業景況指数が市場予想を
下回ったのを受けて、9月20-21日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が後退したことから、
投資資金が流入した。ただ、7日で同0.33トン減少、8日で同1.19トン減少と2営業日連続で減少。
その後も9日で同10.68トン減少、13日で同4.45トン減少、15日で同3.26トン減少し、6月23日
(915.90トン)以来、約3カ月ぶりの低水準を記録。米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言をきっかけに
早期の利上げ観測が再び強まった。また、米株価や長期金利の上昇も売り材料視された。
9月20日に前日比3.86トン減少した後、21日に同5.64トン増加、22日に同6.53トン増加と2営業
日連続で増加。9月20-21日開催された米FOMCで追加利上げ見送りが決定。さらに、FOMC後に公表された
参加者17人の政策金利見通しで、年内の利上げ予想回数が前回6月の2回から1回に、来年が同3回から2回にそれ
ぞれ下方修正。さらに、参加者16人の長期金利水準も前回の3.00%から2.875%に下方修正されたのを受け
て、
「利上げペースがより緩やかになる」との見方が広がり、金利の付かない資産である金にとっては買い材料となっ
た。
9月23日に前日比0.30トン増加したが、27日には同2.08トン減少。9月26日に開かれた米大統領候補
による第1回テレビ討論会で、民主党候補のヒラリー前国務長官が優勢だったと多くの米メディアが報じたのを受けて、
投資家のリスク選好姿勢が強まり、ETFから投資資金が流出した。
ただ、10月に入ると、金価格急落を背景とした値ごろ感からとみられる買いにより、7日に前日比11.27トン
増加の958.90トンと、9月23日以来2週間ぶりの増加を記録。
*2016年10月は11日現在のデータ。
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▽CFTC=ファンド筋の買い越しポジションが大幅減少
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したNY金の建玉報告によると、ファンド筋の買い越しポジションは、9
月の米FOMCで今後の利上げについて慎重な姿勢が示されたことが買い材料となり、9月27日に29万1904枚
(908トン)に増加。しかし、良好な米経済統計発表で年内の米利上げ観測が強まったことが売り材料となり、10
月4日現在で24万5508枚(764トン)と、6月7日の22万8619枚(711トン)以来4か月ぶりの低水
準まで減少した。
◆米経済・金融政策
●米FOMC、利上げ見送り=根拠強まるもさらなる証拠を待つ―年内に意欲
米連邦準備制度理事会(FRB)は9月21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定、
追加利上げを見送った。イエレン議長は記者会見で「雇用改善と物価上昇のさらなる証拠を待ちたい」と述べる一方で、
「利上げの根拠は強まっている」として、年内実施に意欲を示した。
政策の現状維持は、昨年12月の利上げ以降、6会合連続。賛成7人、反対3人で、反対者は前回から2人増えた。
発表された会合声明は、米経済について「加速した」と判断した。労働市場は「強化された。雇用の伸びは堅調だ」
とし、物価上昇率も中期的に2%の目標に向かうとの見通しを維持した。
また、景気見通しに対する短期的なリスクは「おおむね均衡しているようだ」と指摘。昨年12月の利上げ前の声明
に記載した「ほぼ均衡している」に近い判断を示した。
イエレン議長は、利上げに遅れれば景気が過熱する恐れがあるが、物価が上昇しない可能性もあると述べ、双方のリ
スクを見極めながら、利上げを「慎重に判断するのが適切だ」と強調した。
声明はまた、家計支出は「力強く拡大している」とする一方、企業の設備投資は「依然弱い」と懸念を表した。
決定に反対したのは、カンザスシティー連銀のジョージ総裁とボストン連銀のローゼングレン総裁、クリーブランド
連銀のメスター総裁。いずれも主要政策金利を0.25%引き上げ、0.5-0.75%とするよう訴えた。
3人の反対者が出るのは14年12月以来。前回7月会合ではジョージ総裁のみ反対していた。
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●FOMC声明の新旧比較
米FOMC声明文の新・旧声明文の違いは以下の通り。
【米経済成長】
(新)米経済成長は、今年前半に見られた緩慢なペースから加速した。
(旧)米経済活動は緩やかに拡大した。
【雇用】
(新)失業率はこの数カ月、あまり変わらないが、雇用の伸びは平均して堅調だ。労働市場の環境はさらに幾分強固
になる。
(旧)雇用の伸びは5月の鈍化の後、6月は力強かった。全てを考慮すると、賃金、他の労働市場指標は、労働力の
活用がこの数カ月、幾分増したことを示している。労働市場に関する指標は確実になる。
【設備投資】
(新)設備投資は弱いままだ。
(旧)設備投資は引き続き弱い。
【短期リスク】
(新)景気見通しへの短期的なリスクはおおむね均衡しているようだ。
(旧)景気見通しへの短期的なリスクは後退した。
【利上げの根拠】
(新)利上げの根拠は強まっているが、当面の間、物価と雇用の目標達成に向けた進展を示すさらなる証拠を待つこ
とを決めた。
(旧)言及なし。
●イエレンFRB議長:緩やかな利上げ適切=タカ派、ハト派双方に配慮も
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は9月21日の記者会見で、
「米経済は今後数年間、徐々に拡大す
る」と述べ、緩やかに利上げを進めていくのが適切だと改めて訴えた。また、早期利上げを支持する「タカ派」と慎重
な「ハト派」双方の主張に理解を示し、さまざまなリスクを見極めた上で利上げ時期を判断する考えを強調した。
イエレン議長は、新たなリスクが生じなければ、年内「1回」の利上げを想定していると説明した。ただ、定まった
コースはなく、あくまでもデータ次第だと指摘した。
8月に伸びが鈍化した雇用については、今年は月平均18万人増という力強さが続いていると評価。改善の余地は残
るものの、労働市場の改善状況は「喜ばしい」と語った。
物価上昇率も「最終的には雇用が改善すれば上昇する」と予想し、今後2、3年で目標の2%に達すると見込んだ。
ただ、目標を下回っている現状では「慎重な対応が必要」で、緩やかな利上げが正当化されると重ねて主張した。
タカ派の高官が警戒する景気過熱の可能性については「望ましい事態ではない」と認めた。同時に「現時点では過熱
は見られない」とも述べ、ハト派が懸念する「物価が上昇しないリスク」にも注意を払う必要があるとした。
金融安定に対するリスクは強まっていないものの、反対票を投じたボストン連銀のローゼングレン総裁が指摘する商
業不動産の価格上昇の動向は注視していると述べた。
生産性の伸び鈍化については「大きな懸念だ」として、今後の動向を見守る姿勢を示した。
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●米利上げ「年内1回」=17年2回、長期水準引き下げ―FOMC参加者見通し
米連邦準備制度理事会(FRB)が9月21日公表した連邦公開市場委員会(FOMC)参加者17人の経済・金利
見通しで、年内の利上げ回数の中心的な想定は1回となった。前回6月時点では2回だったが、今会合での見送りを踏
まえ引き下げられた。17年も2回(前回3回)に引き下げた。
一方、参加者16人の長期の金利水準は前回の3.00%から2.875%に下方修正された。利上げが従来見通し
よりも緩やかに進むとの想定が示された格好だ。
発表によると、2016年中の利上げは、1回の想定が10人(6月時点は6人)と最も多く、2回が3人(同9人)
、
3回が1人(同1人)
。利上げなしも3人(同0人)おり、内部での見解の差が改めて浮き彫りとなった。
16年末の金利(中央値)は0.625%(同0.875%)
、17年末は1.125%(同1.625%)
、18年
末の金利は1.875%(同2.375%)
、19年末は2.625%を想定。19年末時点でも長期目標水準に達し
ないとの見通しが示された。
一方、16年10-12月期の実質GDP(国内総生産)伸び率は、前年同期比1.8%(同2.0%)に下方修正。
17年同期は2.0%(同2.0%)と見込んだ。長期見通しは1.8%(2.0%)に低下した。
直近で4.9%の失業率は、16年10-12月期に4.8%(同4.7%)と予想。長期水準も4.8%(同4.
8%)で年内に目標に達すると見込んだ。
個人消費支出(PCE)物価指数でみたインフレ率は、16年10-12月期が前年同期比で1・3%(同1.4%)
と下方修正。コアPCEは同期1.7%(同1.7%)と修正なし。目標の2.0%に達するのは、前回同様いずれも
18年と予想した。
■米FRBの米経済見通し
2016年度
2017年度
今回予想
前回予想
今回予想
前回予想
GDP
1.7%~1.9%
1.9%~2.0%
GDP
1.9%~2.2%
1.9%~2.2%
失業率
4.7%~4.9%
4.6%~4.8%
失業率
4.5%~4.7%
4.5%~4.7%
総合PCE
1.2%~1.4%
1.3%~1.7%
総合PCE
1.7%~2.0%
1.7%~2.0%
コアPCE
1.6%~1.8%
1.6%~1.8%
コアPCE
1.7%~2.0%
1.7%~2.0%
2018年度
長期見通し
今回予想
前回予想
今回予想
前回予想
GDP
1.8%~2.1%
1.8%~2.1%
GDP
1.7%~2.0%
1.8%~2.0%
失業率
4.4%~4.7%
4.4%~4.8%
失業率
4.7%~5.0%
4.7%~5.0%
総合PCE
1.8%~2.0%
1.9%~2.0%
総合PCE
2.0%
2.0%
コアPCE
1.9%~2.0%
1.9%~2.0%
コアPCE
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●米FRB議長:新たなリスクなければ利上げ=決まった予定表ない
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は9月28日の下院金融サービス委員会の公聴会で、FRB高官ら
が年内1回の利上げを想定していることについて「高官の多くは、経済が現在のペースで推移し、重大なリスクが生じ
なければ、利上げを進めるのが適切と予想している」と説明した。ただ「決まったタイムテーブルはない」と述べ、雇
用や物価動向を踏まえて判断する姿勢を強調した。
イエレン議長は、今年の月平均18万人の就業者数の伸びは、雇用の安定に必要な水準を上回るが、失業率は低下し
ておらず、インフレ圧力も目に見えては強まっていないと説明した。ただ、今後、労働市場が過熱し急激な金利引き上
げに迫られる恐れもあるとして、緩やかに利上げを行う必要があると述べた。
一方、中国経済については、減速は想定内で消費主導型の経済への移行は望ましいが、米経済にとっての逆風になり
得ると述べた。人民元の下落阻止のための米国債売却の影響を問われると「ここ数カ月、市場は安定している」と答え
た。
また、日銀の上場投資信託(ETF)購入を引き合いに、FRBも株式購入ができるのかとの質問も出たが、
「法的
に認められていない。FRBが求めることではなく、今後の金融政策の枠組みとして、議会の検討対象になるかもしれ
ない事柄だ」と話した。
●米FRB副議長:9月利上げ見送り「ぎりぎりの判断」=年内想定変わらず
米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は10月9日、ワシントンで講演し、9月の利上げ見送りは
「ぎりぎりの判断だった」と述べ、雇用と物価がさらに目標に近づけば利上げの年内実施は可能との見方を示唆した。
ただ、具体的な時期には言及せず、判断は経済情勢次第と強調した。
フィッシャー氏は、9月の見送りについて「米経済への自信を欠いたからではない」と指摘。9月は就業者数の伸び
が鈍化したものの、
「労働市場は完全雇用に近く、今後も改善が持続する」と述べた。物価上昇率もドル高などの一時
的な要因による影響が後退すれば、目標の2%に向かうと予想した。
FRB内には、利上げが遅れれば、急激な金利引き上げを余儀なくされ、経済に悪影響が及ぶとして早期実施を求め
る声もあるが、フィッシャー氏は「後手に回ってしまうリスクは短期的にはほとんどない」と述べた。
フィッシャー氏は、就業者数は今年月平均約18万人増加しており「労働市場への新規参入者が職を得るのに必要な
水準をはるかに上回る」と分析。9月を含めて、雇用は堅調とした。
●米プライマリーディーラー=年内利上げ観測高まる
ロイター通信が9月の米雇用統計発表後に米プライマリーディーラーを対象に実施した調査で、米連邦準備制度理事
会(FRB)が年内に利上げを実施するとの観測が高まったことが分かった。
調査に回答した15社プライマリーディーラーのうち、14社がFRBは12月の連邦公開市場委員会(FOMC)
で利上げに踏み切るとの予想を示した。8月の雇用統計発表後の9月2日に実施した前回の調査では、12月に利上げ
があるとの予想を示したのは14社中13社だった。
ドイツ銀行(ニューヨーク)のエコノミスト、ブレット・ライアン氏は9月の雇用統計について、
「FRBが示して
いた予想と整合するもので、FRBは12月に利上げに踏み切る軌道に乗っている」と述べた。
2017年の動向については、エコノミスト15人中10人が2回の利上げがあると予想。前回9月の調査でこうし
た予想を示したのは12人中9人だった。
FRBは11月1、2日のFOMCも政策変更の可能性がある「ライブ」な会合であるとしているが、プライマリー
ディーラーの一部アナリストの間では、同月8日の米大統領選挙の直前にあたることから、同会合で利上げが決定され
る公算は小さいとの見方が出ている。
ロイター調査によると、11月利上げの確率の中央値は12.5%と、前回調査の15.0%からやや低下した。
Futures 24
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●9月の米雇用統計=雇用の伸びが鈍化
米労働省が10月7日発表した9月の雇用統計によると、景気動向を反映する非農業部門の就業者数は、季節調整済
みで前月比15万6000人の増加と、前月(16万7000人増加=改定)から伸びがやや鈍化し、市場予想の17
万5000人増加を下回った。失業率は5.0%と前月と市場予想から0.1ポイント上昇。
9月の民間部門の就業者数は16万7000人増加(前月14万4000人増加=改定)
。このうち物品生産部門は
1万人増加(同2万5000人減少=同)と2カ月ぶりのプラスに転じた。内訳は鉱業・林業が横ばい(同4000人
減少)
、建設業は2万3000人増加(同5000人減少=同)と2カ月ぶりのプラス、製造業は1万3000人減少
(同1万6000人減少=同)と2カ月連続で減少した。一方、サービス部門は15万7000人増加(同16万90
00人増加=同)だった。
政府部門は1万1000人減少(同2万3000人増加=同)と5カ月ぶりのマイナスとなった。
平均時給は25.79ドルと前月比0.2%増加し市場予想と同水準。前年同月比では2.6%上昇し、前月(2.
4%上昇)から伸びが加速した。週平均労働時間は34.4時間と0.1時間増加。
働く意欲のある人の多さを示す労働参加率は62.9%と前月から0.1ポイント上昇。半年以上の長期失業者、フ
ルタイム勤務を望みながらパートしか職が見つからない人は、いずれも減少した。
●米FRB=年内利上げは慎重に判断
非農業部門就業者数の増加幅は8月に続き市場予想を下回り、7月-9月の3カ月平均では19万2000人増加と
20万人を割り込んだ。ただ、民間部門の就業者数は拡大し、失業率上昇も労働参加率が上向いたのが要因とみられる。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)が注目する平均時給の伸びが加速しており、労働市場の基調は堅調さを維持し
た形。
米FRBは年内に1回の利上げを想定しており、物価動向なども踏まえた上で判断する。年内の会合は11、12月に
開催されるが、市場では大統領選前の11月は避け、12月に実施されるとの見方が強い。
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◆関連ニュース
●トランプ氏、わいせつ発言釈明=共和下院トップが事実上見切り―米大統領選
米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官(68)と共和党候補ドナルド・トランプ氏(70)によ
る第2回テレビ討論会が10月9日、ミズーリ州セントルイスの大学で開かれた。トランプ氏は、自身のわいせつな発
言について「家族と国民に謝るが、これは更衣室での会話のようなものだ」と釈明。逆にクリントン氏の夫であるビル・
クリントン元大統領の女性問題を攻撃した。クリントン氏は「トランプ氏は大統領不適格」と訴えた。
これを受け、共和党のライアン下院議長は10日の党所属議員との電話会議で、今後はトランプ氏のための選挙運動
は行わず、議会の過半数維持に全力を挙げる考えを表明。支持撤回までは踏み込まなかったものの、トランプ氏に事実
上見切りを付ける意向を示した。投開票まで1カ月を切った時点での党下院トップの離反は、トランプ氏にとって痛撃
となりそうだ。
問題になったのは「スターなら美人はさせてくれる」などとする2005年の発言。9日の討論は有権者の質問に答
える形で進行する「対話集会」形式で、外交や経済の問題も議題になったが、関心は大統領としての資質をめぐる議論
に集中。2人は冒頭の握手も交わさず、序盤から対決姿勢をむき出しにした。
わいせつ発言について問われたトランプ氏は「私は女性を尊敬している」と述べ、実際には同意なく触るなどしたこ
とはないと説明。これに対しクリントン氏は、弁明は方便にすぎないと反論した上で、
「適性に疑問を抱かせるのは、
この発言だけではない。彼は移民、黒人、障害者、イスラム教徒も標的にしてきた」と強調した。
トランプ氏は元大統領から性的嫌がらせを受けたと訴える複数の女性を会場に招待し、これらの女性を紹介しながら
「ビル・クリントンを見れば、はるかに悪い。彼女(クリントン氏)は自分を恥じるべきだ」と反撃。クリントン氏が
長官時代に私用のメールアドレスを公務に使っていた問題も取り上げ、
「私が勝てば特別検察官に調べさせる。あなた
は刑務所行きだ」と言い放った。
CNNテレビが直後に行った世論調査では、討論会の視聴者のうち57%がクリントン氏の勝利と回答。トランプ氏
が勝ったと答えた人は34%にとどまり、初回の討論会に続いてクリントン氏に軍配が上がった。
最終回の第3回討論会は、19日にネバダ州ラスベガスで開かれる予定。
●日銀、長期金利0%誘導=新目標設定、量拡大から転換―緩和限界論否定
日本銀行は9月21日の金融政策決定会合で、長期金利を0%に誘導する金融政策の追加措置を決めた。マイナス金
利0.1%は維持した。長期金利を誘導目標とし、長短金利差を操作する新たな枠組みを金融政策の軸に据える。主に
短期金利を操作する中央銀行が長期金利を目標にするのは異例。市場への資金供給を拡大する量的緩和から金利操作を
重視する方向へ転換する。
2013年4月の量的・質的金融緩和の導入から約3年半。20日から行った現在の緩和策の「総括的な検証」を踏
まえ、金融政策の枠組みを見直した。日銀は消費者物価が安定的に2%を超えるまで金融緩和を継続する方針も表明。
政策効果を高めるため、緩和を長期間続ける姿勢を示した。
記者会見した黒田東彦総裁は新たな枠組みについて「柔軟性と持続性を確保するためだ」と説明した。その上で「マ
イナス金利の深掘りは必要に応じて実施する。
(現在の政策が)手詰まりになったということではない」と強調し、緩
和限界論を否定した。
日銀は国債買い入れに関し、現在の年80兆円の増加ペースを当面保ちながら、購入する国債の平均残存期間を「7
〜12年程度」としていた年限基準を撤廃し、手法を柔軟化した。10年物国債金利が0%程度で推移するよう買い入
れを行う。過度の金利低下を回避し、金融機関で生じているマイナス金利の副作用を緩和するのが狙い。黒田総裁は増
加ペースについては「
(今後)増減もあり得る」と述べた。
検証では、達成できていない2%の物価上昇目標について、原油安や海外経済の減速などを要因に挙げた。その上で、
その実現に「時間がかかる可能性に留意する必要がある」と指摘。目標実現に向けた強いコミットメント(約束)が重
要だと強調した。
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●黒田日銀総裁、
「揺るがぬ姿勢」強調=緩和継続を約束
黒田東彦日銀総裁は9月21日の記者会見で「緩和を継続するという強力なコミットメント(約束)を導入し、目標
実現に向けた揺るぎない姿勢を示した」と述べ、新しい政策枠組みの意義を訴えた。
「マイナス金利政策は効果がある
が、長短金利操作付き緩和でさらに強化した」と強調した。
これまで「戦力の逐次投入はしない」と繰り返してきた黒田総裁。会見でも「何か手詰まりになったということはな
い」と明言し、
「そのときそのときで最も適切な政策を行う。様子を見て追加という考え方では全くない」と強気で応
じた。
枠組みの変更については「考え方は変わっていないが、金融調節をマネタリーベースの操作から利回り曲線(長短金
利)の操作に変えた」と説明。物価上昇の障害になった原油価格下落などに関しては「金融政策ではコントロールでき
ない。外的要因がなければ2%の物価安定目標は達成できた」と主張した。
政府には「財政運営、構造改革を引き続きしっかりやっていただきたい」と注文を付け、物価目標実現の遅れに焦り
もにじませた。マイナス金利政策の副作用については「金融機関の収益へ今後どんな影響が出るかは留意をしている」
と配慮を示した。
●政府・日銀が緊急会合=円高で投機筋けん制
財務省と金融庁、日銀は9月22日、国内外の金融市場の動向などについて意見交換する緊急の会合を開いた。日米
の金融政策決定を受けて外国為替市場で約1カ月ぶりの水準まで円高が進行したため、政府・日銀が連携して市場を注
視する姿勢を示し、投機筋の動きをけん制した。
浅川雅嗣財務官は会合後、海外市場で一時1ドル=100円台前半まで円高が進んだことに関して「きのうからきょ
うにかけて若干神経質な動きが見られ憂慮している」と警戒感を表明。その上で「仮に投機的な動きが継続するなら必
要な対応を取らざるを得ない」と述べ、状況次第で円売り・ドル買い介入も辞さない姿勢を強調した。
円高をめぐっては、東京市場の関係者からも「100円を割り込むと介入がいつあってもおかしくない」との声が出て
いる。
会合では、日銀が決定した金融政策の新たな枠組みなどについても意見交換。政府・日銀がデフレ脱却と持続的な経
済成長の実現に向けて一体となって取り組む方針を確認した。
浅川財務官は日銀の決定について「高く評価したい」と強調。
「
(政府としても)
『働き方改革』をはじめとする構造
政策に本格的に手を入れていかないといけない」と語った。
財務省、金融庁、日銀による会合は8月18日以来の開催となった。浅川財務官のほか、佐藤慎一財務事務次官、森
信親金融庁長官、雨宮正佳日銀理事らが出席した。
●ドラギ総裁:ECBの資産購入、17年3月末まで継続=必要に応じて継続
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は9月8日、定例理事会後の記者会見で、量的金融緩和策として実施している
月額800億ユーロの資産購入について、2017年3月末の期限まで継続すると述べた。ただ、必要に応じて期限後
も継続する可能性を明らかにした。
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●欧州中銀、金利据え置き=4会合連続
欧州中央銀行(ECB)は9月8日の定例理事会で、ユーロ圏の銀行がECBに余剰資金を預け入れる際に適用する
マイナス金利を含め、金融政策の現状維持を決めた。据え置きは4、6、7月に続き、4会合連続。英国の欧州連合(E
U)離脱決定の影響が限定的なことなどから、政策効果を見極める考えだ。
主要政策金利も過去最低の0%、上限金利の限界貸出金利は0.25%、下限金利の中銀預入金利はマイナス0.4
0%にそれぞれ維持した。
量的金融緩和策も、国債などを対象とした月額800億ユーロの資産購入を2017年3月末の期限まで継続する現
行方針を維持した。ただ景気回復の足取りが鈍いため、
「必要に応じて期限以降も継続する」と改めて表明。緩和手法
の再評価に着手する考えを示した。
ドラギ総裁は記者会見で、ユーロ圏経済について、
「回復の兆候がある」と説明した。ただ、英国のEU離脱決定を
受け、外需に弱さも見られると指摘し、
「引き続き下方リスクがある」と警戒感を示した。
◇欧州中銀のユーロ圏経済予測
GDP伸び率
インフレ率
16年
1.7%(1.6%)
0.2%(0.2%)
17年
1.6%(1.7%)
1.2%(1.3%)
18年
1.6%(1.7%)
1.6%(1.6%)
(注)カッコ内は前回6月の予測。
●ECB理事会、債券購入の縮小討議していない=報道官
欧州中央銀行(ECB)の報道官は10月4日、ECB理事会は債券買い入れプログラムの毎月の買い入れ額の減額
について討議していないと述べた。
ブルームバーグはこの日、ユーロ圏の中銀関係筋の話として、ECBが量的緩和(QE)措置を終了させる前に債券
買い入れプログラムを緩やかに縮小させていく可能性があると報道。
これについてECBのマイケル・スティーン報道官はツイッターで「ドラギ総裁が先日の記者会見、および欧州議会
の証言で述べている通り、ECB理事会はこのような案件に関する討議は行っていない」と述べた。
●メイ英首相に不満と圧力=EU離脱方針に不透明感
メイ英首相は10月2日の与党・保守党大会での演説で、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐり、来年3月末までに
交渉を開始する意向を示し、メイ政権が示す不透明な離脱方針に対して内外で高まる不満の払しょくを狙う。ただ懸念
を抑えるのは難しく、首相への圧力は収まりそうにない。
メイ氏はこれまで、離脱方針をめぐり「ブレグジット(英国のEU離脱)はブレグジットだ」など、あいまいな発言
を繰り返し、交渉開始時期についても「年内ではない」と述べるにとどめ具体的言及を避けてきた。
こうした中、最近の世論調査では、政権が離脱を「うまく進めている」との回答は16%にとどまり、
「うまく進め
ていない」が50%に上る。また、日産自動車のゴーン社長が先月末、英国への投資をめぐり「3カ月後にも投資判断
を下したい。離脱が完了するまで待っていられない」と述べるなど、英国に拠点を持つ外国企業からも先行きの不透明
感にいら立ちの声が出始めた。
経済界の関心事は、英国の交渉方針が、EU単一市場へのアクセスを確保した「ソフトブレグジット」か、これを犠
牲にしてでも移民流入制限を優先した「ハードブレグジット」のどちらに向かうかだ。
メイ氏は演説で「英国の選択はハードかソフトではない」と述べ、
「二者択一」の議論をけん制した。しかし、単一
市場での紛争の最終判断権を持つ欧州司法裁判所からの離脱を示唆したことなどから、英メディアでは「メイ氏は『ハ
ード』を志向している」との見解が相次いだ。
これまでもデービスEU離脱担当相ら政権内の対EU強硬派の発言などから、政府の方針が「ハード」に傾いている
との懸念が経済界で強まっている。メイ氏は国内の「ソフトかハードか」のせめぎ合いの中で、交渉開始に向けて困難
な調整を迫られる。
Futures 24
17 |
●英ポンド、1.10ドルに下落へ=EU離脱で17年末までに―HSBC予測
英金融大手HSBCは10月7日、英ポンド相場が2017年末までに対ドルで1ポンド=1.10ドルに下落し、
対ユーロでは等価(パリティー)になると予測した。英国の欧州連合(EU)離脱が、EUとの経済面でのつながりよ
りも政治の自主性を重視した「ハード(強硬な)離脱」になるとの懸念が強まっていることが背景にある。
予測によると、年末までの相場は1ポンド=1.20ドル。7日は1.2432ドル付近で取引された。
HSBCの外国為替研究部門の世界責任者、デービッド・ブルーム氏はメモで「好むと好まざるとにかかわらず、離
脱は政治的な決定で、尊重しなくてはならない。ポンドは現在、政府の政策に対する事実上の公式反対を示している」
と指摘した。
その上で同氏は「英国とEUが違いを乗り越えて友好的な合意に達するだろうという議論がまだ見受けられるが、や
や非現実的だ。多くの欧州諸国が、経済的損失の制限よりも政治的損失の制限を目的として(英国との)交渉のテーブ
ルにつく見込みであることが明らかになりつつある。双方にとってマイナスになる状況が不可避だ」と述べた。
●中国・上海株式市場=9月の下落率、1月以来の大きさ
中国・上海総合指数は9月上旬、不動産株が買い戻されたうえ、自動車や消費関連銘柄も買われた。また、中国政府
が景気支援に向け財政政策を強化すると表明したことも買い材料となり、7日には3105台まで上昇。しかし、その
後は8月の中国物価統計が発表されたが金融緩和を促す内容ではないとの見方が優勢となったうえ、早期の米利上げ観
測を背景とした海外株式市場安が嫌気され下落、心理的な節目である3000を割り込む場面もあった。
9月後半は、20-21日開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げが見送られたことが好感され、
3050台まで上昇。しかし、大幅高となっていた不動産株に利益確定売りが出たのに加え、米株式市場安が嫌気され
たことで売り物が先行、27日には一時、2969.1320と、8月8日(2959.0480)以来1カ月半ぶり
の安値を付けた。その後は10月1-9日の国慶節の連休を控え、見送りムードが広がる中、原油高によるエネルギー
株の上昇などで反発。たた、9月は前月末比2.6%下落となり、月間の下落率としては1月以来の大きさを記録。
休場明け10月10日は、国慶節に伴う連休期間中に世界的な株高となったことで急伸。さらに、11日は中国国務
院(内閣に相当)が企業の債務水準引き下げに関する指針を公表したことが好感され続伸。一時は1カ月ぶりの高値と
なる3066.1040を付けた。
Futures 24
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◆白金相場概況(9月)
●NY白金は下落=米FOMCを控えた整理売りなどに下押され
9月上旬のNY白金は2週間ぶりに1100ドル台を回復する上伸。2日に米労働省が発表した8月の米雇用統計は、
就業者数の伸びが15万1000人となり、市場予想の18万人増を下回った。また、失業率は4.9%(予想は4.
8%)
、平均時給は0.1%増(予想は0.2%増)とインフレ率の上昇も見込みにくい悩ましい内容となった。また、
6日に発表された米サプライ管理協会(ISM)の8月の非製造業景況指数が2010年2月以来の低水準となり米国
の9月利上げ観測が後退すると共に、最大の白金産出国南アフリカ共和国での白金鉱山会社と労働組合間の労使交渉の
難航を受けた鉱山ストライキとそれに伴う供給リスクが意識されたことで、9月7日高値1110.50ドルをつけた。
しかし、20日、21日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米連邦準備制度理事会(FRB)高官の
発言を受け、9月利上げ観測が強まったことで、NY金が下落した流れになびいた売りが入ったことで、値位置を維持
できずに下落。16日安値1010ドルまで下落する展開となった。
9月下旬に入り、9月利上げ見通しが後退する中で値を戻し、21日発表された米FOMC声明では、米FRBが政
策金利の据え置きを決定。年内利上げの実施に意欲的な姿勢を示したものの、FOMC参加者による金利見通しで今後
の利上げ想定回数が減ったことから、声明発表後には上げ幅を拡大した。ただ、その後は値位置を維持できず9月22
日高値1068.3ドルを天井に月末にかけて下落。米FRBのイエレン議長は9月28日の下院金融サービス委員会
の公聴会で、FRB高官らが年内1回の利上げを想定していることについて「高官の多くは、経済が現在のペースで推
移し、重大なリスクが生じなければ、利上げを進めるのが適切と予想している」と説明。ただ「決まったタイムテーブ
ルはない」と述べ、雇用や物価動向を踏まえて判断する姿勢を強調したことで、小反発して月末の取引を終えた。
●東京白金は軟調=海外安になびいた売り
東京白金は為替に振られたものの、9月7日高値3619円をつけた後は、月末にかけてはほぼ一本調子で下落した。
為替の円安ドル高をみた買いに支えられる場面もあったが、米国の利上げ時期を巡るから思惑や、世界経済の先行き不
透明感を背景とした株安やドル建て白金価格の下落になびいた売りなどに下押され、値位置を切り下げた。
Futures 24
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◆白金相場展望
●白金は軟調=年初来安値を試す可能性も
10月の東京白金は月初から値位置を切り下げ、6月24日安値3158円を割り込む下落。直近の安値を下抜いた
ことで、1月21日の年初来安値となる3045円が意識される。主要生産国である南アフリカ共和国で、全国鉱山労
働組合(NUM)と鉱山大手インパラ・プラチナムとの間で賃金交渉が妥結したと報じられたことが、供給懸念が緩和
するとの思惑を呼び、ファンド筋の売り物が膨らんだ。また、3日から9日にかけて中国が国慶節で長期休暇となり、
買い手が不在だったことも相場を圧迫した。
NY白金は軟調推移が見込まれる。チャート面で基調は弱く、10月に入り陰線引けが続き、200日移動平均線と
重なる1000ドルの大台を割り込んだ後も下落基調を継続。下値支持線となっていた6月24日安値955.3ドル
を下回ったことで値を崩し、4月5日安値938.1ドル、次いで2月29日安値911ドルを視野に下値を試す可能
性がある。
欧州経済を巡る先行き不透明感の強さも圧迫要因。ドイツ銀行は9月15日、米住宅ローン担保証券(MBS)の不
正販売問題で米司法省から140億ドルに上る和解金を要求されていると明らかにしたが、28日にはドイツ政府が支
援の可能性を否定しているとの一部報道などをきっかけに同行の経営不安が再燃。ドイツ銀行の経営問題が欧州金融シ
ステムの混乱につながるとの懸念が強まった。欧州地域は自動車の排ガス触媒に白金を多く用いるディーゼル車の普及
割合が高く、同地域経済の低迷は白金の需要減少懸念を強める要因となる。その後、AFP通信は30日、司法省への
支払額が54億ドルと当初の半額以下に収まる見通しと報道。また、独政府による公的支援論まで取り沙汰される中、
クライアン頭取が「当行の経営基盤は強固」
「
(経営不安の)憶測には根拠がない」などとする声明を発表。ただ、2月
にも社債利払いへの不安から株価が急落した経緯があり、同行の経営に対する市場の疑いの目は依然根強い。
世界第2位の白金鉱山会社インパラ・プラチナム(インプラッツ)と全国鉱山労働者組合(NUM)との賃金交渉は、
3日に2年間の賃上げで合意。NUMの発表によると、現行の13%から13.5%の賃上げ率となり、未だ交渉が行
き詰まっている他の鉱山会社での労使交渉にも影響を与える可能性が出てきた。
世界最大の白金鉱山会社アングロ・アメリカ・プラチナム(アンプラッツ)の労使交渉は、9月20日に交渉打ち切
り(デッドロック)が宣言された。アンプラッツとNUM間の労使交渉は会社側が最終提示した6.75%の賃上げ案
を組合が拒否。組合側は14.5%の賃上げを会社側に求めていたが、会社側の提案はその半分に満たないものだった。
アンプラッツの報道官によると、労使調停委員会(CCMA)による調停は、10月第2週に予定され、労働組合がス
トライキを決行するかどうかの判断時期は10月末と見られている。
南ア通貨ランドの下落もドル建て白金価格を下押す要因。同国のプラビン・ゴーダン財務相が出廷命令を受けたこと
を認め、検察は同相を訴追する意向を明らかにしたことで、対ドルでランドは下落した。同相は市場の信認が厚く、腐
敗の取り締まりや投資家の信頼回復に手腕を振るってきたが、財政出動によって景気を刺激したいズマ大統領との軋轢
が強まっており、今回の訴追もズマ大統領による圧力が疑われている。各格付け会社は8月の地方選の結果とゴーダン
財務大臣訴追の可能性の2つを年末の格付け見直しの重大な考慮要素としており、今回の追訴により同国の国債が投資
不適格となる可能性があるため、今後のランドの動きには注意したい。
Futures 24
20 |
◆白金需給動向
●2016年の供給不足見通しは拡大=WPIC
白金業界団体ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)が9月8日に発表した2016年
需給報告によると、16年通年の需給見通しは16.17トンの供給不足、供給不足幅は前年度比55.2%拡大した。
前回発表(5月16日)時点の14.15トンの供給不足の見通しから不足幅が拡大。白金の需給バランスは5年連続
で供給不足となる見込みとなった。
16年通年での総需要量が前年度比0.1%増の256.60トンと僅かに増加することや、鉱山生産量が前年度比
3.7%減の184.29トンと減少の見通しとなったことで、供給不足幅は拡大した。また、リサイクル供給量は同
2.0%増の54.28トンと拡大見通しだが、鉱山生産量の減少を補うには至らないと考えられている。
自動車の排ガス除去装置の触媒需要は大きな変動が無く、前年度比0.4%減の105.44トンの見通し。一方、宝
飾需要は同0.2%増の89.73トンの見通し。インド、米国、欧州経済からの需要回復が、中国と日本の需要後退
を相殺すると見られる。投資需要は地金や硬貨の引き合いが強く、同14.8%増の10.89トン。また、白金の地
上在庫は21.7%減の58.32トンになると予想されている。
2016年第2四半期(4月~6月)の需給バランスは、5.91トンの供給過剰見通し。南アフリカ共和国で精錬
所が安全確認のために操業を停止していたことで、第1四半期は7.46トンの供給不足となったが、精錬が再開され、
鉱山生産量が通常レベルに回復したことが要因。
また、宝飾需要は前期比3.3%増の19.28トン、中国と欧州の宝飾需要が増加した。インドの宝飾需要も根強
く、前年度比25%増加の見通し。投資需要は減少見通し、白金の上場投資信託(ETF)の現物保有量の減少が響い
た。
◆白金需給見通し
2014
2015
2016
Q4 2015
Q1 2016
Q2 2016
(トン)
(トン)
(トン)
増減(%)
(トン)
(トン)
(トン)
南アフリカ
96.89
138.88
130.32
-6.2%
37.01
23.95
36.55
ジンバブエ
12.60
12.60
14.46
14.8%
3.42
4.20
3.27
北アメリカ
12.44
11.97
12.44
3.9%
3.11
3.11
3.27
ロシア
23.02
22.24
21.15
-4.9%
4.67
5.91
5.60
その他
6.84
5.60
5.91
5.6%
1.56
1.40
1.56
151.79
191.29
184.29
-3.7%
50.08
38.57
50.23
供給
鉱山採掘
鉱山採掘合計
鉱山会社在庫放出
10.89
1.40
1.87
33.3%
-1.24
4.67
2.49
162.67
192.69
186.15
-3.4%
48.83
43.23
52.72
自動車
39.03
37.01
38.57
4.2%
8.40
8.71
10.58
宝飾品
24.11
16.02
15.55
-2.9%
3.27
3.58
4.35
工業品
0.16
0.16
0.16
0.0%
0.00
0.00
0.00
63.30
53.19
54.28
2.0%
11.66
12.29
14.93
225.97
245.87
240.43
-2.2%
60.50
55.52
67.65
自動車
102.64
105.91
105.44
-0.4%
26.44
27.06
26.90
宝飾品
93.31
89.58
89.73
0.2%
20.99
18.66
19.28
工業用
47.74
51.32
50.54
-1.5%
13.06
12.44
12.75
4.67
9.49
10.89
14.8%
-2.95
4.82
2.80
248.36
-22.39
84.91
256.29
-10.42
74.49
256.60
-16.17
58.32
0.1%
55.2%
-21.7%
57.54
62.98
61.74
2.95
-7.46
5.91
鉱山生産量合計
リサイクル
リサイクル合計
供給合計
需要
投資
需要合計
需給バランス
白金地上在庫
Futures 24
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●世界の自動車販売台数
▽米国=2カ月連続で前年割れ
調査会社オートデータが10月3日発表した9月の米新車販売台数は、乗用車の低迷が重しとなり、前年同月比0.
5%減の143万5689台だった。レーバーデー(労働者の日)の連休に合わせて積極的な販促キャンペーンが展開
されたが、最近の減速基調は覆せず、2カ月連続で前年割れした。
9月の販売台数を営業日数などの季節要因を調整した年換算で1776万台。前年同月は1805万台。
業界関係者は「米ゼネラル・モーターズ(GM)などは大幅な値引きで販売を支えており、市場環境は厳しさを増し
ている」と指摘。買い替え需要の鈍化が進めば、米自動車市場の低落傾向が今後より鮮明になる可能性がありそうだ。
▽日本=16年度上期は4年連続で前年実績を下回る
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会が10月3日発表した2016年度上半期(4月-
9月)の国内新車販売台数は、前年同期比1.0%減の230万6282台と、4年連続で前年実績を下回った。軽以
外の自動車(登録車)はプラスを確保したが、三菱自動車とスズキの燃費不正問題などを背景に軽の販売が振るわなか
った。
9月の新車販売は、前年同月比0.5%減の47万6771台と2カ月ぶりのマイナス。特に三菱自は燃費不正問題
の再発覚でRVRなど8車種の販売を自粛し、40.6%減の7203台に低迷した。
Futures 24
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▽中国=3年半ぶりの高い伸び
中国自動車工業協会が9月9日発表した8月の新車販売台数は前年同月比24.2%増の207万1000台となり、
2013年1月以来、約3年半ぶりの高い伸びを記録した。減税対象の小型乗用車だけでなく、景気減速で不振が続い
ていた商用車も大幅増に転じた。
乗用車はスポーツ用多目的車(SUV)を中心に大きく伸び、26.3%増の179万5500台。これまで買い控
えられてきた商用車も12.0%増の27万5500台だった。
小型車減税は昨年10月の導入以来、自動車販売を押し上げており、アナリストは「2016年末で期限を迎える前
に販売がさらに増える」と予想している。
▽インド=14カ月連続のプラス
インド自動車工業会が9月8日発表した、8月の国内乗用車販売台数は前年同月比16.7%増の25万8722台
と、前年同月を14カ月連続で上回った。スズキ子会社で最大手のマルチ・スズキなどの新型車販売が好調だった。
Futures 24
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▽EU=7月で連続増加が止まる
欧州自動車工業会(ACEA)が9月15日発表した、8月の欧州連合(EU)域内の新車販売台数は前年同月比1
0.0%増の81万9126台。夏休みで通常売り上げの少ない8月としては非常に良い結果だとしている。一方、同
時に発表された7月は同1.4%減と、2年10カ月間続いていた増加が止まった。
シェア首位の独フォルクスワーゲン(VW)の8月の販売台数は6.9%増。ただシェアは0.7ポイント低下の2
5.9%となった。
8月の国別では、イタリア(20.1%増)
、スペイン(14.6%増)が2桁の伸びとなるなど主要国市場が軒並
み好調。一方7月は、ドイツ、フランスがともにマイナスに陥るなど低迷した。
1-8月のEU新車販売台数の累計は、前年同期比8.1%増の978万7760台となった。
●投資需要
▽南アフリカの白金ETF
南アフリカのアブサ・キャピタルの白金上場投資信託(ETF)
、ニュー・ゴールド・プラチナム(ニュープラット)
の現物保有高は、10月11日現在で8月末比0.25トン減少の24.45トンと、2013年11月20日(24.
08トン)以来、約2年11カ月ぶりの低水準。
Futures 24
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▽NYの白金ETF
ニューヨーク証券取引所(NYSE)で上場されている、英国のETFキュリティーズの子会社が運営する白金ET
F「ETFフィジカル・プラチナム・シェアーズ」の現物保有量は、10月11日現在で8月末比0.31トン減少の
15.53トン
▽米CFTC
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したNY白金の建玉報告によると、ファンド筋の買い越しポジションは9
月から減少傾向となり、10月4日現在で3万3064枚(51トン)と、6月28日(2万9817枚、46トン)
以来の低水準を記録。
◆外部要因
●中国
▽9月の中国製造業PMI=2カ月連続で節目上回る
中国国家統計局が10月1日発表した9月の製造業の購買担当者景況指数(PMI)は前月と同じ50.4となり、
景気判断の分かれ目の50を2カ月連続で上回った。
大企業のPMIが前月比で上昇した一方、中小企業は低下した。 サービス業の動向をカバーする非製造業PMIは
53.7と、前月の53.5から上昇した。
▽9月の「財新」中国製造業PMI=予想と一致
英調査会社マークイットと中国メディア「財新」が9月30日発表した9月の中国製造業の購買担当者景況指数(P
MI)は50.1と、8月の50.0から上昇した。エコノミストらの予想通り。
生産は拡大したが、この3カ月で最も鈍いペースだった。新規受注全般も引き続き小幅な伸びを示した。
Futures 24
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▽8月の中国輸入、2年ぶり増加=輸出は5カ月連続減―税関総署
中国税関総署が9月8日発表した8月の貿易統計によると、輸入は前年同月比1.5%増の1385億ドル(約14
兆円)となり、2014年10月以来約2年ぶりに増加に転じた。輸出は2.8%減の1905億ドルと5カ月連続の
前年水準割れながらも、小幅減少にとどまった。
輸入の増加は原料価格の上昇が要因とみられるが、公共投資を中心とする景気てこ入れ策で内需が勢いを盛り返して
いる可能性もある。政府は減税などの景気支援策を続ける見通しだ。
一方、深刻な過剰生産に直面している鉄鋼は、輸出の増加傾向が継続。1-8月の輸出量は前年同期比6.3%増と
なった。このほど開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議では、中国を念頭に鉄鋼の過剰生産問題が話し合われて
いた。
8月は輸出から輸入を差し引いた貿易収支は520億ドルの黒字だった。
●米国
▽4-6月期米実質GDP、1.4%増に=設備投資、輸出が上方修正
米商務省が9月29日発表した4月-6月期の実質GDP(国内総生産)確定値は、季節調整済み年率換算で前期比
1.4%増となり、8月発表の改定値(1.1%増)から上方修正された。設備投資や輸出の上方修正が要因。市場予
想の1.3%増を上回った。
GDPは依然低水準だが、上方修正により景気減速の懸念は後退する見通し。米連邦準備制度理事会(FRB)は9
月の金融政策決定会合で「利上げの根拠は強まっている」と表明しており、雇用とインフレの動向を確認し、年内の利
上げの可能性を探る。
GDPの7割を占める個人消費は4.3%増(改定値4.4%増)に下方修正。自動車などの耐久財は9.8%増(9.
9%増)
、衣料など非耐久財は5.7%増(5.7%増)
、サービスは3.0%増(3.1%増)だった。在庫投資のマ
イナス幅は95億ドル(124億ドル)に縮小し、GDPの上方修正に寄与した。
設備投資は1.0%増(0.9%減)に上方修正。住宅投資は7.7%減(7.7%減)と横ばいだった。
輸出は1.8%増(1.2%増)
、輸入は0.2%増(0.3%増)にそれぞれ修正。輸出から輸入を差し引いた純
輸出マイナス幅は5585億ドル(5620億ドル)に縮小した。
政府支出・投資は1.7%減(1.5%減)に下方修正。このうち連邦政府は0.4%減(0.3%減)
、州・地方
政府は2.5%減(2.2%減)だった。
インフレ関連指標では、個人消費支出(PCE)物価指数が2.0%の上昇(2.0%上昇)
。エネルギーと食料品
を除いたコアは1.8%の上昇(1.8%上昇)だった。GDPデフレーターは2.3%上昇(2.3%上昇)だった。
Futures 24
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●世界経済
▽IMF=世界経済見通しを据え置き
国際通貨基金(IMF)は10月月4日に世界経済見通しを発表。2016年の世界経済成長率予想を3.1%、1
7年は3.4%にそれぞれ据え置いた。今年の米経済下振れを日本やドイツ、ロシアやインドなどの景気改善が補うだ
ろうとした。
2016年の日本の成長率を0.5%と、7月時点の予想から0.2ポイント上方修正した。8月に策定した28兆
円規模の経済対策などの効果を見込んだ。17年は4月の消費税増税延期の効果を加え、0.6%と0.5ポイント上
方修正した。ただ、日本の成長は依然として、主な先進国で最も低い。円高による輸出停滞などをリスクに挙げたほか、
「人口減少に伴い中期成長は低水準にとどまる」と分析した。
2016年の米成長率予想は1.6%と、7月予想の2.2%から下方修正。設備投資の低迷や在庫圧縮の動きによ
り、上半期の成長が弱まったためとした。ただドル高やエネルギー価格下落による影響は来年までに和らぐと見込む。
米金融政策をめぐっては、
「賃金および物価の持続的な上昇を明確に示す兆候に連動させる」緩やかな利上げを求め
た。
欧州ユーロ圏と英国はともに0.1ポイントの上方修正。ただ、英国は欧州連合(EU)離脱により貿易や金融取引
が縮み、中期的な低迷は避けられないと警告した。
中国は財政拡張などから、6.6%の予想を維持した。原油価格の下落が落ち着き、資源国のロシアは上方修正。ブ
ラジルは景気後退の底を打ち、17年以降改善すると予想した。
オブストフェルドIMFチーフエコノミストは、保護貿易主義の広がりなどを背景に「世界経済はあまりにも低い成
長が長期化している」と懸念を表明した。
■IMF・世界経済見通し
最新予想
2016
2017
世界
3.1
3.4
先進国
1.6
1.8
新興国
4.2
4.6
米国
1.6
2.2
ユーロ圏
1.7
1.5
ドイツ
1.7
1.4
フランス
1.3
1.3
日本
0.5
0.6
英国
1.8
1.1
ロシア
-0.8
1.1
中国
6.6
6.2
インド
7.6
7.6
ブラジル
-3.3
0.5
(注)実質GDP伸び率、単位=%
16 年 7 月予想からの変化
2016
±0
-0.2
0.1
-0.6
0.1
0.1
-0.2
0.2
0.1
0.4
±0
0.2
±0
2017
±0
±0
±0
-0.3
0.1
0.2
0.1
0.5
-0.2
0.1
±0
0.2
±0
Futures 24
27 |
◆原油相場概況(9月)
●NY原油=OPECの減産暫定合意で上昇
1日のNY原油相場は、米エネルギー情報局(EIA)週報で、原油在庫の大幅積み増しが示されたほか、米サプラ
イ管理協会(ISM)製造業景況指数が低調な内容となり、米経済の先行き不透明感が台頭したことから、1バレル=
43.00ドルまで水準を下げた。その後、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相とロシアのノバク・
エネルギー相が、価格の安定化に向けて協力することで合意したと報じられたことで一転して買われる格好となり、8
日には47.75ドルまで切り返した。
しかし、国際エネルギー機関(IEA)が月報で、世界的な供給過剰状態が「少なくとも2017年前半まで続く」
との見方を示したため、13日には再び45ドルを割り込む展開。イランの石油輸出が増加するとの観測や、ナイジェ
リアの産油量回復見通しから、供給過剰感が再燃したため、20日には42.55ドルまで下落した。
21日のEIA週報で原油在庫が大幅減少となったことで買い戻しが優勢となり、45ドル台を回復。その後は、石
油輸出国機構(OPEC)がナイジェリアで開かれる国際エネルギーフォーラム(IEF)に併せて開催する非公式会
合への思惑から、45ドルを挟んでもみ合い推移が続いた。
28日にOPECが約8年ぶりの減産で暫定合意したと発表。前日までは合意は難しいとみられていたため、ポジテ
ィヴ・サプライズとなり、30日には48ドルまで上昇する展開となった。
Futures 24
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◆原油相場展望
●NY原油=10月は概ね50-55ドルでの値動きに
石油輸出国機構(OPEC)が9月28日に約8年ぶりの減産実施で合意したことで、ニューヨーク原油(WTI)
相場は上昇基調となっている。10月10日の取引では1バレル=51.60ドルまで上昇し、6月2日に付けた年初
来高値(51.67ドル)に迫った。ロシアのプーチン大統領がOPECの減産に追随する意向を表明したことが支援
要因となった。
8日~13日にトルコ・イスタンブールで開かれているエネルギー会議に併せて、OPEC加盟・非加盟国が非公式
会合を開いており、11月のOPEC総会での正式な減産合意に向けた協議が進められている。サウジアラビアのファ
リハ・エネルギー産業鉱物資源相が12日の会合に出席しない意向を示したほか、イラン、イラクの石油相も欠席して
おり、今会合で具体的な合意事項はないとの見方が大勢となっている。しかし、前月のアルジェリア会合でも事前にロ
シアのノバク・エネルギー相が帰国したと報じられ、合意に否定的な見方が台頭した後でのサプライズ合意であったた
め、最終日13日までは市場の注目を集めることになりそうだ。
11日に国際エネルギー機関(IEA)が公表した月報では、OPEC減産を受けた市場動向について「来年前半ま
で供給過剰が続く」との見通しを示した。減産が順調に進めば「需給バランスの回復はより早く実現する」とも指摘し
たものの、今後の産油国の対応が焦点としている。
11月のOPEC総会に向けて、産油国関係筋の発言に一喜一憂する相場展開が見込まれるが、ニューヨーク原油(W
TI)相場が1バレル=50ドル台を回復したことで、米国のシェールオイル生産の拡大が進む可能性が強く、上振れ
場面でも60ドルを突破するような一段高の公算は小さい。一方で、減産合意が引き続き下支えとなるため、概ね50
~55ドルでの値動きとなりそうだ。
Futures 24
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◆原油需給動向
●OPEC=約8年ぶりの減産合意
石油輸出国機構(OPEC)加盟国は9月28日の非公式会合で、低迷する原油相場の押し上げに向け、石油の生産
量を減らすことで合意した。減産合意は金融危機に見舞われた2008年以来約8年ぶり。OPECは長引く原油安の
中で増産を続けてきたが、国家財政を石油収入に頼っており、危機感を募らせ方針転換を図る。
8月のOPECの産油量は日量約3324万バレル。会合で各国は、3250万~3300万バレルに制限する方向
となったという。国別の生産上限については11月のOPEC総会での決定を目指すが、調整は難航も予想される。
OPEC内では、欧米による制裁解除を受けて増産を続けるイランと、盟主サウジアラビアが対立。しかし、サウジ
のファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、イランに加え、政情不安で生産が落ち込んでいるリビア、ナイジェリアは
「近年で最高水準の生産量を認められる」との見解を示し、大幅な譲歩に踏み切ったことで、合意に至ったとみられる。
イランのシャナ通信は、同国のザンギャネ石油相が会合後、
「素晴らしい決定が下された」と述べたと伝えた。
OPECは減産効果を高めるため、ロシアなどのOPEC非加盟国にも協力を呼び掛けていく。
OPECは15年、各国の意見の隔たりを背景に、産油量の上限となる「生産目標」を棚上げし、事実上の機能不全
に陥った。今年4月にはロシアとともに生産水準を据え置く「増産凍結」を模索したが、物別れに終わっていた。
●ロシア、OPEC減産に「追随の用意」=プーチン大統領
ロシアのプーチン大統領は10月10日、イスタンブールで開かれたエネルギー会議で、石油輸出国機構(OPEC)
が合意した原油減産について「ロシアはこの協調行動に加わる用意があり、他の石油輸出国にも加わることを求めてい
る」と述べ、実現した場合は追随する考えを示した。ロイター通信などが報じた。
プーチン氏は、原油相場の低迷が世界的にエネルギー部門の設備投資不足を招いており、予期しない事態が起きれば
相場が高騰するリスクがあると指摘。この状況を踏まえ、
「世界のエネルギー産業の安定を維持するには、増産凍結や
減産でさえ唯一の正しい決定になり得ると考えている」と述べた。
OPECは低迷する原油相場のてこ入れを目指し、9月にアルジェリアで開いた非公式会合で減産に合意。11月の
総会で各国別の割当量などを調整した上で、非加盟国にも参加を呼び掛ける方針だ。
●9月のOPEC産油量、過去最高の日量3360万バレル=ロイター調査
ロイター通信が9月30日に海運データと業界筋の情報をまとめた調査結果によると、石油輸出国機構(OPEC)
の9月の産油量は過去最高の日量3360万バレルとなる見通しだ。前月は3353万バレル(改定値)だった。イラ
ク北部の輸出増と、リビアの主要石油ターミナル3カ所の再開が背景。
今週のOPEC非公式会合では、生産目標を日量3250万~3300万バレルに減産することで合意。今回の調査
結果は、この生産目標の上限を60万バレル上回っている。
国別の生産目標は11月に決定する予定。産油量が実際に増加すれば、各国に産油量を割り当てられるのか懐疑的な
見方が強まりそうだ。
最大輸出国サウジアラビアの産油量は、夏の記録的高水準から若干減少した。また、イランは欧米による制裁解除後
に産油量が急増し、制裁前の水準に近づいているものの、9月はほぼ横ばいだった。
●OPEC減産で原油価格は50~60ドルに=米PIRAエネジー
米国のエネルギー市場分析会社のPIRAエナジーのゲイリー・ロス会長は、石油輸出国機構(OPEC)の減産へ
の方針転換で、原油価格水準は1バレル=50~60ドルに近づくとの見方を示した。
サウジアラビアはこの価格帯を目標に定め、イランが協調減産への参加に前向きになったことから、合意に至ったと
いう。
ロス氏は、減産が実施されれば、供給不足に向かうと予測。2017年下半期までに供給過剰市場は解消するとの見
方を示した。
Futures 24
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●OPEC非加盟国参加で日量120万バレル減産に=ベネズエラ石油相
ベネズエラのデルピノ石油相は、石油輸出国機構(OPEC)の非加盟産国が、原油価格安定に向けた取り組みに加
われば、減産幅は日量120万バレルに上るとの見方を明らかにした。
OPECは先月、産油量を同3250万~3300万バレルと、日量約70万バレル減産することで合意した。11
月30日の総会で最終決定する方針で、ロシアや他の非加盟産油国に参加を呼び掛けている。
デルピノ氏は「OPEC加盟国の減産で約70万バレル、非加盟国が加われば計120万バレルを市場から減らせる」
と指摘した。
また、非加盟産油国との交渉は「大きく進展している」とし、ロシア、オマーン、アゼルバイジャン、カザフスタン
などが「歴史的合意」に参加するとの見解を示した。
●9月のイラン原油輸出=制裁前水準に
関係筋が明らかにしたところによると、9月のイランの原油とコンデンセート輸出は日量計約280万バレルと、制
裁措置が発動される前の2011年のピーク時にほぼ匹敵する水準に達したもようだ。8月は同250万バレルだった。
生産が急増したのは、石油輸出国機構(OPEC)の生産割当対象外となっている軽質油であるコンデンセートが主
に貢献したことが背景。コンデンセートは天然ガスとともに生産されることが多く、石油化学で用いるナフサの製造に
使われる。
9月のコンデンセート輸出は同約60万バレル(備蓄からの同10万バレルを含む)
。原油輸出は前月から微増の同
220万バレルだった。
イランは先週のOPEC減産合意で、リビア、ナイジェリアとともに「合理的に最大限の水準」での生産が認められ
ている。
●OPEC減産への非加盟国の追随難しい=ブラジル・ペトロブラス関係者
ブラジル国営石油会社ペトロブラスの関係者は、石油輸出国機構(OPEC)の減産に対し、非加盟産油国が追随す
ることで合意する可能性は低いとの見方を示した。この関係者は匿名を条件に「ブラジルのような非加盟国が減産を受
け入れるのは非常に難しいだろう」と述べた。
同氏はさらに、現在のOPECには生産抑制を働きかけるほどの力はないようだと指摘。
「市場が変化し、産油国間
の力関係も変わった。米国とロシアは強くなった。特に米国はシェール革命が寄与している」と説明した。
ブラジルは世界12位の産油国。ペトロブラスは国内原油生産の約8割を担っている。
●国内業者に増産継続を要請=イラク石油相
イラク石油省は10月9日、声明を発表し、ルアイビ石油相が国内で操業する石油・天然ガスの生産者に対し、20
17年も増産を続けるよう要請したと明らかにした。
声明によると、石油相は先に、同国石油業界幹部を集めバスラで開催した同省の油田開発計画に関する会合で発言。
「年内そして2017年に国家や認可企業が一段と努力し、石油・ガスの増産を推進する必要性を確認した」という。
また、外国企業の生産目標は「決められた期限内に達成されなければならない」と語った。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国は原油価格押し上げを狙いに、金融危機が本格化した2008年以来初の減産合
意の実施を試みているが、イラク石油省の声明は合意に言及していない。
Futures 24
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●減産合意後も供給余剰続く=IEA月報
国際エネルギー機関(IEA)は10月11日発表した10月の石油市場月報で、石油輸出国機構(OPEC)によ
る9月末の減産合意を受けた市場動向について「来年前半まで供給過剰が続く」と予想した。
一方で、減産が順調に進めば「需給バランスの回復はより早く実現する」とも指摘し、今後の産油国の対応が焦点に
なるとの見方を示した。
月報によると、減産合意の発表を受けて原油価格は1バレル=53ドル程度と約15%上昇した。ただ実際の減産に
向けた産油各国の調整は難航が予想される。価格の上昇傾向が今後も続くかは予断を許さない状況だ。
●サウジ・エネルギー相:OPEC非加盟国との会合、出席見送り=遠方からフォロー
サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は10月11日、ロイター通信に対し、12日にトルコのイ
スタンブールで開催される石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国との非公式会合に出席しないことを明らかにした。
同相は「あすの会合は極めて非公式な諮問的会合だ。残念だが、先約があって会合には出席しないが、遠方からフォ
ローするつもりだ。どの国が同意するか、感触は得られるだろう」と語った。
ファリハ氏はまた、ロシアのノバク・エネルギー相と会談したことを明らかにした上で、今回のエネルギー会合は「大
きな前進があった」と説明。
「産油国の多くが、アルジェリア会合でのOPECの決定を支持しているだけでなく、積極的に加わろうとしている
ことは極めて明らかだ」と語った。
さらに「われわれは常に、能力に余裕を持たせ、緊急時に対応できるようにしているが、そのためには石油産業全体、
地域全域で投資を始める必要がある」と指摘。
「今後数年間、漸増する需要に対し、能力拡大が十分ではないのと懸念している」と指摘した。
●ロシア政府、OPECの生産抑制に協調を表明=ペスコフ大統領報道官
ロシアのペスコフ大統領報道官は10月11日記者団に対し、石油輸出国機構(OPEC)内での減産策がまとまれ
ば、協調すると表明した。
一方、石油業界の最有力者で国内石油最大手ロスネフチのセチン社長はロイター通信に対し、ロシアがOPECとの
協調に合意しても、ロスネフチでは生産を抑える計画はないと発言している。
記者団がこの発言と政府見解の相違について問うと、ペスコフ報道官は「何の矛盾もない。増産凍結もしくは減産に
ついての政府見解は、プーチン大統領の発言から来るものだ」と述べた。
●バーキンドOPEC事務局長=産油量凍結期間は当初6カ月、その後見直し
石油輸出国機構(OPEC)のバーキンド事務局長は10月11日、産油量凍結で何らかの取り決めが行われた場合、
凍結期間は当初6カ月とし、その後見直しする可能性が高いことを明らかにした。
イスタンブールで開催中の世界エネルギー会議(WEC)に際して、事務局長は記者団に対し「OPEC加盟、非加
盟産油国ともに、凍結期間は6カ月として、その後見直すという意見が圧倒的多数だ」と述べた。
OPEC加盟国は先月、アルジェで一定水準の減産で大筋合意した。詳細を固めるため、加盟国閣僚たちは調整に乗
り出しており、11月末の正式合意を目指している。
OPEC高官によると、加盟国と、ロシア、アゼルバイジャンなどの非加盟国(メキシコも参加の可能性)は、エネ
ルギー会議に合わせ、円卓会議を開催する。最低6カ月の増産凍結について、世界的な協定に向け協議する予定だとい
う。
Futures 24
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◆大豆相場概況(9月)
●シカゴ大豆=約5カ月ぶりの安値
9月のシカゴ大豆相場は、8月下旬にかけて下値を探るなど、売られ過ぎ感に対するテクニカル買いや、世界最大の
輸入国である中国による米国産大豆の買い付けなど好調な輸出需要を背景に、9日にかけて6営業日続伸した後、12
日の米農務省需給報告で、今年度のイールド(単位面積当たり収量)予想が上方修正されたうえ市場予想も上回ったこ
とから、13日にかけて下値を切り下げた。その後は再び好調な輸出需要が着目され、20日にかけて4営業日続伸と
なり、同日に9月の高値(994.00セント)を付けた。
ただ、その後は現物市場が軟調なことや、高水準にあるイールド予想、米中西部産地の収穫進展観測などを背景に、
27日にかけて下値を切り下げ、同日に4月以来約5カ月ぶりの安値を付けるとともに、9月の安値(934.00セ
ント)を付けた。30日の米農務省四半期在庫報告が市場予想を下回ったものの、米国の収穫が記録的な規模になると
の見通しから、上値は限定的となった。
Futures 24
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◆とうもろこし相場概況(9月)
●シカゴ・トウモロコシ=月初に付けた安値からは反発
9月のシカゴ・トウモロコシ相場は、8月下旬の軟調地合いを引き継ぎ、1日に9月の安値(315.00セント)
を付けた後は、売られ過ぎ感に対するテクニカル買いや、需給報告を控えたポジション調整の買いに、9日にかけて6
営業日続伸となり、12日に9月の高値(343.25セント)を付けた。
ただ、12日の米農務省・需給報告で、今年度のイールドと期末在庫が市場予想を上回ったほか、米国の生産高が過
去最大規模になるとの観測を背景に、13日には1日としては約2カ月ぶりの下げ幅を記録した。
その後は上下動を繰り返す中、30日の四半期在庫報告が市場予想を下回ったことで、10月初めには7月19日以
来の高値を付けている。
Futures 24
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◆穀物相場展望
●10月の展望=需給報告後にも値位置を切り上げる展開に
▽シカゴ大豆
米中西部の主産地アイオワ、イリノイの多くの農家からは、今までに見たことのない大豆の出来栄えとなっていると
伝えられ、米農務省の高水準なイールド予想に反旗を翻す市場参加者はもう既に少数派になったと言われており、豊作
観測が一段と強まっていることで、10月12日の需給報告が弱気な内容となった場合、一段安となることが予想され、
9月27日の直近安値934セントを試す可能性が強まりそうだ。
ただ、中国が国慶節に伴う連休期間中(1~7日)も、米国産大豆を買い付けるなど、引き続き好調な輸出需要が下
支えとなっており、ブラジル産が出回る来年2月ごろまでは旺盛な需要が続くことが予想されるため、需給報告を受け
て下値を試す場面があったとしても、徐々に値位置を切り上げる可能性がありそうだ。
▽シカゴ・トウモロコシ
米農務省・需給報告で高水準なイールド予想が発表されることは確実視されるものの、前月の農務省予想からは下方
修正されることが見込まれる。また、9月末に発表された全米在庫を受け、16年度の米国産トウモロコシの期初在庫
は上方修正されることが見込まれるが、好調な輸出需要を背景とした上方修正となるため、期初在庫の増加をカバーす
ることが予想される。
大豊作をトウモロコシ相場は次第に織り込み始めた兆しもあるだけに、過去2度の豊作年では、09年、14年とも
に9月に安値を付けた後、年末にかけて値を戻していることで、今年に関しても同様のパターンとなる可能性もありそ
うだ。
◆穀物需給動向
●四半期在庫報告=トウモロコシ・大豆ともに予想下回る
米農務省が9月30日発表した米国産農産物の四半期在庫報告(9月1日時点)によると、トウモロコシが前年同時
点比0.4%増の17億3777万1000ブッシェル、大豆が3.4%増の1億9704万5000ブッシェルとな
った。いずれもロイター通信がまとめた市場予想(トウモロコシ17億5400万ブッシェル、大豆2億0100万ブ
ッシェル)を下回った。
トウモロコシ在庫の内訳は、農場内が5.8%増の6億2740万ブッシェル、農場外が2.4%減の11億103
7万1000ブッシェル。6~8月の消費量は29億7000万ブッシェルとなり、前年同期の27億2000万ブッ
シェルから増加した。
大豆の在庫のうち、農場内は16.4%減の4156万ブッシェル、農場外が10.3%増の1億5548万500
0ブッシェル。6~8月の消費量は前年同期比55%増の6億7500万ブッシェルとなった。
小麦の在庫は20.5%増の25億2703万6000ブッシェルとなり、市場予想(23億9700万ブッシェル)
を上回った。在庫のうち農場内が11.7%増の7億2640万ブッシェル、農場外が24.4%増の18億0063
万6000ブッシェル。6~8月の消費量は6%増の7億5800万ブッシェルとなった。
Futures 24
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●16年の米トウモロコシ生産、152億1500万ブッシェルに=インフォーマ予想
10月12日の米農務省需給報告を控え、米穀物調査会社インフォーマ・エコノミクスは10月5日、2016年の
同国トウモロコシ生産量は152億1500万ブッシェル、平均イールド(単位面積当たり収量)はエーカー当たり1
74.5ブッシェルとの見通しを示した。大豆生産は43億ブッシェル、イールドは同51.6ブッシェルと予想した。
また、INTL・FCストーンは10月3日、トウモロコシの2016年度米国産のイールド予想を1エーカー=1
75.2ブッシェルと、従来の175.6ブッシェルから下方修正。大豆の2016年度米国産のイールド予想を1エ
ーカー=52.5ブッシェルと、従来の50.1ブッシェルから上方修正した。
●トウモロコシ収穫作業、欧州で本格化
トウモロコシの収穫作業が本格化している欧州では、収穫結果が各地でまちまちになっている。主産地フランスは夏
に再び降雨に乏しい天気に見舞われた一方、ハンガリーとポーランドは昨年水準を大幅に上回る生産量が見込まれてい
る。今年悪天候で最も大きな影響を受けるのは、EU有数の生産国フランスとみられている。
欧州連合(EU)欧州委員会が公表した地域別の詳細な推計によると、今年のフランスのトウモロコシ生産量は、1
3年ぶり低水準の1280万トンの見込み。これは前年比で約6%減、過去5年平均を19%下回る。EUで生産2位
のルーマニアは、一部産地が大雨に見舞われ、収穫作業が滞っている。
トレーダーによると、生産量は昨年水準を下回る見通し。南部と南東部では降雨に乏しいが、西部は7月と8月の降
雨を理由に、豊作になるとみられている。ドイツでは、9月に極めて良好な天気に恵まれ、例年よりも最大2週間早く
収穫作業を開始した。
スパークス・ポルスカのアナリストは、ポーランドでも好天で、中部、北部、北西部で収穫作業が早めに始まったと
説明。生産量は前年比30%増の400万トン超になると予想した。主産地ハンガリーでも、生産量が大幅に回復する
見通し。先月に農業省が公表した推計では約800万トンと、15年の660万トンを上回る見込み。
Futures 24
36 |
◆2016年9月の価格データ
*東京金は夜間取引を含んだ価格。*NY金は中心限月。
東京金
2017.8月限
日 始値 高値 安値
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
終値
4329
4317
4340
4378
4386
4376
4374
4363
4345
4330
4360
4324
4338
4350
4395
4393
4410
4383
4381
4397
4347
4351
4361
4330
4314
4316
4316
4373
4368
4364
4363
4340
4305
4320
4322
4286
4321
4335
4377
4390
4376
4377
4365
4350
4330
4349
4324
4294
4284
4285
4297
4325
4279
4267
4285
4325
4312
4315
4307
4309
4265
4298
4331
4331
4319
4310
4308
4304
4273
4307
4291
4262
4250
4270
4313
4310
4313
4267
4304
4282
NY金
始値
高値
2016.12月限
安値
1311.70 1318.60 1305.50
1318.00 1334.00 1307.40
1328.10
1353.50
1349.10
1341.60
1332.00
1331.70
1322.60
1325.80
1318.30
1313.20
1316.30
1318.00
1338.90
1340.30
1340.80
1342.00
1330.10
1325.00
1323.60
1357.20
1357.60
1353.90
1343.60
1333.80
1335.90
1329.80
1332.50
1321.50
1321.80
1321.10
1341.30
1347.80
1344.50
1346.10
1343.50
1331.10
1329.40
1331.50
1325.50
1346.90
1339.10
1331.20
1323.30
1318.80
1316.60
1312.10
1309.20
1312.60
1315.20
1310.90
1335.10
1337.40
1336.50
1327.70
1321.10
1318.60
1316.00
終値
ドル建て金現物
始値
高値
1317.10 1308.80 1315.06
1326.70 1313.77 1328.73
1323.67 1328.57
1354.00 1325.05 1351.84
1349.20 1348.31 1352.65
1341.60 1344.71 1349.38
1334.50 1337.95 1339.57
1325.60 1327.81 1330.20
1323.70 1327.55 1332.20
1326.10 1318.50 1325.88
1318.00 1322.27 1327.08
1310.20 1313.55 1318.06
1317.80 1310.60 1318.15
1318.20 1312.30 1318.00
1331.40 1314.70 1336.82
1344.70 1334.50 1343.64
1341.70 1337.30 1340.66
1344.10 1336.66 1342.05
1330.40 1337.55 1339.56
1323.70 1326.72 1327.56
1326.00 1321.86 1325.80
1317.10 1320.40 1328.07
安値
終値
1301.91
1309.15
1321.56
1324.45
1342.38
1335.14
1327.24
1320.31
1315.27
1315.76
1309.25
1306.26
1309.10
1311.81
1308.20
1330.93
1333.19
1332.15
1324.59
1317.71
1315.67
1312.67
1313.47
1324.65
1326.33
1349.56
1344.88
1337.95
1327.69
1327.15
1318.61
1322.60
1313.80
1310.06
1313.22
1314.60
1336.45
1336.67
1337.21
1337.56
1327.14
1321.23
1320.05
1315.80
*東京白金は夜間取引を含んだ価格。*NY白金は中心限月。
東京白金
2017.8月限
日 始値 高値 安値
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
終値
3496
3479
3467
3545
3578
3579
3558
3541
3464
3446
3448
3392
3512
3499
3566
3581
3619
3582
3572
3575
3471
3467
3457
3410
3471
3450
3465
3531
3571
3547
3532
3458
3390
3400
3392
3357
3476
3469
3542
3579
3585
3560
3555
3468
3454
3433
3394
3360
3344
3357
3364
3425
3336
3333
3353
3425
3417
3434
3373
3380
3304
3368
3443
3442
3384
3383
3386
3372
3380
3366
3337
3300
3271
3331
3427
3376
3377
3305
3382
3348
NY白金
始値
高値
2016.10月限
安値
1054.50 1059.40 1043.00
1049.80 1069.90 1047.80
1066.90
1103.00
1094.00
1087.00
1065.10
1057.80
1037.50
1039.50
1034.60
1020.00
1022.00
1032.50
1052.80
1057.40
1057.60
1043.90
1027.50
1030.40
1026.00
1106.90
1110.50
1100.60
1093.10
1069.30
1065.90
1048.80
1044.60
1038.10
1032.70
1038.90
1059.80
1068.30
1063.90
1057.80
1050.10
1030.60
1041.70
1040.00
1064.70
1090.50
1082.80
1064.40
1039.10
1031.80
1034.20
1026.70
1010.00
1018.80
1020.50
1025.70
1046.50
1052.00
1036.60
1022.60
1012.30
1020.00
1025.00
終値
ドル建て白金現物
始値
高値
1048.90 1047.50 1055.20
1062.20 1042.50 1065.20
1060.00 1075.40
1102.70 1072.60 1103.40
1092.80 1098.00 1105.80
1084.70 1087.90 1096.00
1067.50 1083.10 1089.00
1042.90 1062.10 1066.10
1036.00 1052.60 1064.00
1040.90 1035.20 1047.00
1033.80 1036.50 1041.00
1017.60 1032.40 1036.20
1023.70 1017.20 1030.80
1030.90 1020.40 1036.80
1047.90 1029.10 1056.60
1062.80 1050.10 1065.80
1057.00 1054.70 1060.60
1042.90 1051.20 1055.00
1025.20 1039.60 1047.80
1022.30 1024.50 1029.60
1030.80 1028.90 1040.00
1028.60 1026.80 1041.00
安値
終値
1035.15
1040.00
1057.74
1066.99
1082.00
1075.45
1057.25
1033.45
1026.10
1028.00
1020.75
1005.00
1013.49
1015.00
1020.24
1040.99
1043.40
1030.65
1016.75
1007.20
1015.75
1020.75
1043.00
1058.50
1068.80
1095.74
1085.00
1082.60
1057.74
1053.80
1032.24
1032.49
1031.10
1014.90
1021.10
1025.99
1048.24
1051.99
1050.74
1035.99
1022.24
1025.49
1026.70
1023.74
Futures 24
37 |
*東京原油は夜間取引を含んだ価格。 *NY原油は中心限月。
東京原油
日
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
始値
高値
2017.2月限
安値
終値
29900
29170
28190
29750
29550
29020
29640
30220
29120
29150
29320
28320
30030
29190
29180
30490
29590
29810
30850
30330
29700
29390
29390
28780
28930
28000
28130
29110
28570
28600
29440
28910
28660
28810
28090
28010
29060
28250
29020
29710
28730
29790
30330
28950
29340
29190
28210
28440
28140
27930
28240
29030
27960
27640
28000
29030
28790
28960
28070
28650
28030
29780
29110
29430
28970
28700
30060
30630
28260
28050
27860
27750
27890
29450
28870
28260
28900
28010
30060
29790
2016.10月限
21日から11月限
高値
安値
終値
始値
NY原油
始値
44.85
43.55
45.08
44.67
43.00
43.16
44.15
44.85
46.12
47.36
45.57
46.06
45.00
43.70
43.71
43.18
43.13
44.50
45.62
46.07
44.62
45.62
44.96
47.20
47.76
46.53
46.17
47.75
47.36
46.51
46.13
45.33
44.34
43.75
44.15
44.05
45.65
46.52
46.55
46.20
45.96
47.45
48.32
48.30
43.84
44.55
45.77
45.56
44.72
44.77
43.42
43.26
42.74
43.12
42.55
44.50
45.52
44.22
44.43
44.19
44.35
46.60
47.04
43.16 103.41
44.44 103.26
104.07
44.83 103.39
45.50 102.01
47.62 101.71
45.88 102.47
46.29 102.54
44.90 101.81
43.58 102.54
43.91 102.42
43.03 102.06
43.30 102.13
43.44 101.91
45.34 101.71
46.32 100.29
44.48 100.73
45.93 101.00
44.67 100.31
47.05 100.41
47.83 100.67
48.24 100.97
ドル・円
高値
安値
終値
103.99
104.31
104.12
103.80
102.12
102.59
103.05
102.66
102.74
103.34
102.74
102.45
102.41
102.06
102.78
100.92
101.23
101.10
100.98
100.81
101.83
101.76
103.06
102.82
103.14
101.93
101.20
101.41
101.96
101.58
101.42
102.21
101.93
101.77
101.57
101.54
100.30
100.09
100.67
100.21
100.09
100.25
100.61
100.73
103.23
103.98
103.40
101.98
101.72
102.47
102.69
101.83
102.60
102.41
102.09
102.25
101.87
101.72
100.35
100.76
101.01
100.29
100.36
100.69
101.06
101.39
*シカゴ穀物は中心限月。
シカゴ大豆
2016.11月限
シカゴ・コーン
2016.12月限
ユーロ・ドル
日
始値
高値
安値
終値
始値
高値
安値
終値
始値
高値
安値
終値
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
942.25
945.00
948.50
955.50
937.00
944.50
943.75
952.50
315.50
323.75
325.00
329.75
315.00
323.50
952.50
958.75
976.50
977.50
978.00
965.00
944.25
943.00
949.00
970.50
973.50
988.25
975.00
975.00
951.50
946.75
951.75
947.00
950.00
964.00
978.25
983.75
983.00
990.00
971.00
948.00
953.00
969.00
981.25
994.00
990.25
983.50
976.25
960.25
953.50
955.75
957.25
958.50
946.50
958.25
970.25
972.00
958.75
942.50
940.50
941.25
945.75
966.25
970.75
971.50
970.25
952.50
943.75
934.00
944.50
946.00
943.00
959.75
975.50
976.75
980.25
964.25
944.00
942.75
950.50
966.00
972.50
989.75
975.50
976.50
955.00
945.25
952.50
945.50
950.25
954.00
327.75
327.50
333.50
338.00
340.50
339.25
330.00
331.50
329.00
337.25
336.00
339.00
339.25
336.00
334.00
329.25
331.75
329.75
329.00
329.50
334.00
338.75
342.00
343.25
341.50
332.25
334.75
338.25
340.00
342.25
341.00
341.50
338.50
336.50
332.50
332.50
333.50
337.50
323.25
326.25
332.50
334.50
335.50
329.50
326.50
327.50
327.50
332.25
335.00
338.00
334.75
333.75
328.50
327.25
328.75
328.00
325.00
323.75 1.1157
328.50 1.1196
1.1154
328.50 1.1145
333.25 1.1254
338.50 1.1238
341.00 1.1259
339.50 1.1230
330.00 1.1232
331.75 1.1219
330.00 1.1249
337.00 1.1243
337.25 1.1151
340.50 1.1172
340.00 1.1150
336.75 1.1187
336.50 1.1206
329.00 1.1227
331.75 1.1253
329.25 1.1213
329.25 1.1216
336.75 1.1219
1.1205
1.1250
1.1182
1.1262
1.1270
1.1326
1.1284
1.1265
1.1258
1.1273
1.1283
1.1249
1.1197
1.1212
1.1195
1.1257
1.1240
1.1278
1.1258
1.1236
1.1249
1.1248
1.1127
1.1150
1.1140
1.1140
1.1229
1.1234
1.1199
1.1210
1.1203
1.1209
1.1218
1.1148
1.1150
1.1150
1.1123
1.1182
1.1192
1.1220
1.1191
1.1181
1.1197
1.1153
1.1197
1.1156
1.1151
1.1256
1.1241
1.1259
1.1231
1.1234
1.1218
1.1249
1.1244
1.1155
1.1174
1.1151
1.1191
1.1207
1.1229
1.1252
1.1216
1.1217
1.1224
1.1242
Futures 24
38 |
*東京一般大豆、東京とうもろこしは夜間取引を含んだ価格。
東京一般大豆
日
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
始値
高値
1
2
5
6
7
8
9
12
13
14
15
16
19
20
21
22
23
26
27
28
29
30
安値
終値
42840
43000
43100
43200
43130
42920
43530
43590
43150
43060
43150
42750
42950
43290
43480
43300
43200
43780
43850
43820
43490
43440
43150
42850
42500
42900
43000
43000
42620
42920
43520
43340
42940
42500
42680
42750
42890
43140
43010
43130
43000
43610
43590
43340
43060
42980
42750
42850
42940
42990
43380
43600
42930
42980
43000
43450
43460
43520
43110
42800
42850
43280
43600
43530
43390
43370
43500
43280
43110
43000
42510
42800
42510
42510
43220
43110
42720
42890
43280
42790
東京とうもろこし
日
2017.8月限
始値
高値
NYダウ工業株30種平均
始値
終値
安値
終値
18419.30
18491.96
18493.40
18527.71
18486.69
18404.17
18028.95
18262.99
18073.39
18024.91
18217.21
18154.82
18175.36
18164.96
18343.76
18377.36
18217.76
18099.21
18240.22
18322.88
18181.80
18538.12
18526.14
18479.91
18085.45
18325.07
18066.75
18034.77
18212.48
18123.80
18120.17
18129.96
18293.70
18392.46
18261.45
18094.83
18228.30
18339.24
18143.45
18308.15
2017.9月限
安値
高値
18396.57 18430.05 18295.48
18466.01 18544.76 18439.10
18551.54
18536.89
18506.24
18404.17
18358.69
18262.99
18163.48
18250.11
18217.21
18254.88
18227.21
18307.43
18449.88
18383.76
18217.76
18238.10
18349.86
18366.23
18369.62
18450.32
18474.77
18446.69
18085.45
17994.84
18028.06
17992.21
18015.49
18070.21
18093.05
18128.80
18121.57
18343.76
18254.84
18083.32
18052.16
18179.34
18091.64
18181.80
日経平均株価
始値
高値
安値
終値
16885.16
16903.78
17131.52
17035.03
16937.38
16984.00
16994.37
16748.36
16764.65
16632.06
16512.42
16458.74
16941.18
16946.49
17156.36
17097.59
17024.26
17001.84
17029.78
16802.00
16787.06
16706.61
16528.02
16532.84
16864.56
16848.12
17009.21
17022.64
16903.20
16836.65
16902.09
16601.54
16658.40
16585.80
16359.78
16415.86
16926.84
16925.68
17037.63
17081.98
17012.44
16958.77
16965.76
16672.92
16729.04
16614.24
16405.01
16519.29
19380
19450
19450 16403.22 16591.70 16403.22
19710 16471.85 16823.63 16399.65
16492.15
16807.62
19280
19280
19020
18870
18770
18910
19290
19330
19140
18900
19130
18920
16754.02
16544.56
16683.93
16465.40
16693.71
16449.84
19390
19500
19760
19600
19680
19420
19550
19640
19710
19560
19520
19390
19550
19750
19910
19750
19680
19670
19760
19800
19740
19600
19600
19480
19300
19500
19530
19530
19280
19310
19500
19590
19510
19380
19370
19180
19500
19730
19630
19740
19400
19580
19650
19710
19580
19530
19380
19220
19480
19450
19500
19740
19730
19280
19300
19090
18850
19140
19730
19450
19310
19370
19180
19150
16759.84
16707.45
16390.91
16504.99
16606.30
16474.45
16808.59
16707.45
16683.93
16515.84
16756.43
16497.55
16725.53
16514.93
16285.41
16385.03
16584.14
16407.78
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マンスリー予定表(経済・商品10月)
12日(水) 8月の米JOLTS(求人労働移動調査)求人件数
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月20-21日分)
10月1日現在の米農務省・穀物需給報告
米エネルギー情報局(EIA)・石油市場月報
石油輸出国機構(OPEC)・石油市場月報
13日(木) 9月の米財政収支
9月の中国貿易統計
14日(金) 9月の米小売売上高
9月の米卸売物価指数
同コア指数
10月の米ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値
9月の中国消費者物価指数(前年比)
9月の中国卸売物価指数(前年比)
17日(月) 10月のニューヨーク連銀・製造業景況指数
9月の米鉱工業生産指数
9月の米設備稼働率
9月のユーロ圏消費者物価指数・確定値(前年比)
18日(火) 9月の米消費者物価指数
同コア指数
10月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅建設業者信頼感指数
19日(水) 9月の米住宅着工件数
米地区連銀景況報告
米大統領選、第3回大統領候補テレビ討論会
今年第3四半期の中国国内総生産(GDP、前年比)
9月の中国小売売上高(前年比)
9月の中国鉱工業生産(前年比)
20日(木) 10月のフィラデルフィア連銀・製造業景況指数
9月の米中古住宅販売件数
9月の米景気先行指数
欧州中央銀行(ECB)定例理事会
ECB記者会見
24日(月) 10月の米製造業PMI(購買担当者景況指数)・速報値
9月の日本貿易統計
25日(火) 8月のS&P/ケース・シラー米住宅価格指数(前月比)
8月のS&P/ケース・シラー米住宅価格指数(前年同月比)
10月の米消費者信頼感指数
26日(水) 9月の米新築住宅販売件数
27日(木) 9月の米耐久財受注
28日(金) 今年第3四半期の米国内総生産(GDP)・速報値
10月の米ミシガン大学消費者信頼感指数・確定値
9月の全国消費者物価指数(前年比、生鮮食品除く)
31日(月) 9月の米個人所得
9月の米個人消費支出
10月のシカゴ購買部協会景況指数
10月のユーロ圏消費者物価指数・速報値(前年比)
日銀政策委員会・金融政策決定会合(11月1日まで)
注) 日付はすべて現地時間。上記の予定は予告なく変更される事があります。
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ものではありません。また、本資料は情報提供を目的としており、相場見通し等の確実性を保証するものではありませ
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相場の変動によって変更される場合もあります。詳しくはその都度お問い合わせ下さい。
(平成28年10月3日現在)
※ 当社お客様相談窓口
(東京本社)℡0120-770-266
※ 日本商品先物取引協会相談センター ℡03-3664-6243
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