自動遺伝子検査装置 TRCReady

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自動遺伝子検査装置 TRCReady-80 使用検討
◎河原 菜摘 1)、入村 健児 1)、角 正恵 1)、緒方 昌倫 1)
公立学校共済組合 九州中央病院 1)
【目的】結核菌群
rRNA と MAC rRNA を
が、ルーチン検査(培養・PCR)の感度を保つた
3 時間以内に検出する自動遺伝子検査装置
め、外注提出検体の 1/10~2/10 量しか使用し
TRCReady-80(以下 TRC 法)を使用経験する機
ていないことも影響している可能性がある。
会を得た。TRC 法は Transcription
Reverse
また検討数が若干少ないが、今回の検討結果
transcription Concerted Reaction を原理とした
は満足できる結果であったと考える。血液混
測定方法である。今回は、外注検査 PCR 法
入検体が提出される場合もあり、実際は前処
(TaqMan48)との比較検討とヘモグロビンによ
理でいくらか除去されることも考慮されるが、
る影響について報告する。
今回は陽性コントロールに高濃度のヒトヘモ
【検査方法】抗酸菌 PCR 検査依頼のあった
グロビンを加えて測定したが、影響はみられ
呼吸器材料(喀痰、気管支洗浄液)32 検体を対
なかった。
象に、全検体量の 1/10~2/10 量を TRC 法で
【まとめ】TRC 法は、結核菌群だけなら前
測定し、残りを外注 PCR 法へ提出し、結果
処理時間を加えても約 2 時間で、その後
を比較検討した。また、ヘモグロビンの影響
MAC 測定を追加しても約 2 時間 30 分で結果
については、MAC 陽性コントロール中にヒ
が出るため、迅速性に優れた遺伝子検査装置
トヘモグロビン(720mg/dL)調整液(肉眼的
である。院内で迅速に測定することで、結核
4+)を加えて測定し、偽陰性にならないこと
か非結核かの診断が早くなり、院内感染対策
を調べた。上記検討の前に、測定部位 8 チャ
にも貢献できると期待する。
ンネルに誤差がないか、コントロールを同時
に測定し再現性も確認した。
【結果】8 チャンネルの同時再現性は、
TB(陽性・陰性コントロール)、MAC(陽性・陰
性コントロール)で CV=0.007~0.017 と問題
ないことが確認できた。PCR 法との比較では、
TB・・・・・感度 80%、特異度 100%、一致率
96.8% (n=31)
MAC・・・感度 75%、特異度 100%、一致率
96.3% (n=27)
となった。ヘモグロビンの影響については、
ヒトヘモグロビン調整 MAC コントロールを
測定し、MI=2.37、MA=2.77、IC=2.83(全て蛍
光強度比)で影響はみられなかった。
【考察】TRC 法(-)、PCR 法(+)が 2 件あった
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