2016 年度後期 マクロ経済学 2 今回の講義

2016 年度後期 マクロ経済学 2
第 2 回 対外取引に関する事実と諸概念
Macro 2 第 2 回 page 1
今回の講義
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次回からの 3 回の講義
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価格が伸縮的な場合の開放経済モデル
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価格が硬直的な場合の開放経済モデル ( マンデル・フレミングモデル )
今回:対外取引の実態と基礎概念
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貿易 ( 財市場における対外取引 ) の重要性
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貿易と GDP
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名目為替レートと実質為替レート
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金融市場における対外取引の重要性、両市場の対外取引の関係
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国際収支 –
金利平価条件 Macro 2 第 2 回 page 2
貿易の重要性 輸出•輸入の対 GDP 比率 ( 名目値 )
25
輸出 /GDP
輸入 /GDP
%
20
輸出+輸入の対 GDP比率
(2014年 , %)
38.5 China
29.9 Korea
58.7 Thailand
59.2 Indonesia
84.7 India
154.4 Hong Kong
25.1 Ethiopia
15
10
5
0
1955
1960
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
Japan
USA
UK
France
Germany
Netherlands
Brazil
(出所 ) World Bank, World Development Indicators
41.5
95.9
131.8
48.2
48.7
439.2
40.7
会計年度
●
( 出所 ) 内閣府経済社会総合研究所 国民経済計算 (1979 年度までは 68SNA,1980 年度より 93SNA) ●
貿易の対 GDP 比率は (1) 人口 , (2) 他国との
物理的距離 , (3) 経済の発展段階に依存。 為替レートと原油価格の変動の影響も重要。 Macro 2 第 2 回 page 4
貿易と GDP
●
●
貿易は国内総生産 (GDP) とどのように関係しているか ?
国内総生産 (GDP) を需要 ( 支出 ) 面から見た恒等式 ( 学生用 : 式なし変数説明あり ) Y :国内総生産(GDP), C :民間消費 , I : 民間投資 *教科書は「民間」を省い
ており不正確
G : 政府支出(政府消費+政府投資)
, X :輸出 IM : 輸入
*教科書は政府購入と読んでいるが普通は政府支出と呼ぶ ( これは政府の消費と投資の合計 ) 。前頁の図は日本の SNA での呼び方。
、
C+
I +G : 国内の居住者の財に対する総需要 ( 自国財と外国財の双方を含む )
– X
: 海外の居住者の国内財に対する需要 *GDP は大雑把に言えば国内の財の生産高を測ったもの
–
–
: 国内の居住者の外国財に対する需要
IM
従って支出面からみた場合も国内財のみが含まれる
*上式は定義から導かれる恒等式なので常に成立する。
*厳密に言えば、輸出・輸入に最終財だけでなく中間 ( 投入 ) 財が含まれることを考慮する必要
がある ( 上式自体は変わらない ) 。その場合の式の導出については教科書 p166 の訳者注を参照。
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NX =X − IM を純輸出 (net exports) と呼ぶ。
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上の恒等式を変形すると ( 学生用は式なし ) Macro 2 第 2 回 page 5
名目為替レートと実質為替レート
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自国財と外国財のどちらに支出するかという選択に影響するのが両者の相対価格。 *相対価格を計算するには同一通貨 ( 円 ) で評価する必要→ ( 名目 ) 為替レート.
●
名目為替レート (nominal exchange rate) 自国通貨で測った外国通貨の価格。
円・ドルレートの例で説明。 1 ドルは何円に相当するのか。 –
●
自国通貨高 ( 増価 ): 外国通貨で測った自国通貨の価格の上昇。円当りドルの上昇。逆に
言えばドル当たりの円の低下。よって名目為替レートの低下=外国通貨安=自国通貨高。 *名目為替レート、外国 / 自国の物価がわかれば相対価格計算可能→実質為替レート
実質為替レート (real exchange rate) : 自国財で測った外国財の価格 ( 学生用は式な
し・変数の説明あり ) 外国財 1 単位で自国財がいくら買えるか。 ε : 実質為替レート , e : 名目為替レート ( 円 / $),* 分子 : 自国通貨で測った外国財の
価格水準 P : 自国のGDPデフレーター ( 物価水準 )
*注意点 :GDP デフレーターは基準年を変えれ
P∗ : 外国のGDPデフレーター
ば変化するから、実質為替レートの水準自
体には意味なし。重要なのは実質為替レートがどの方向にどれだけ変化するか。
*実質為替レートの上昇 = 外国財の相対価格上昇→輸入量にマイナス、輸出量にプラスの影響。
Macro 2 第 2 回 page 6
名目為替レートと実質為替レート (2)
●
金が基軸通貨 ( ドル金本位制 ) 。アメリカ以外の国はドルと
の交換レートが固定されるよう調整 ( 為替取引の制限、ある
いは為替市場への介入により ) 。現在でも途上国では固定相
場制の国が存在 ( 完全な固定相場制は少なくなったが ) 。
対 US ドル名目•実質為替レート
(2005 年基準 GDP デフレータによる )
450
*1973 年以降:変動相場制レートが市場の需給により
決定。 70 年代後半から 80 年代前半を除けば 90 年代半ばまではほぼ一
貫して円高傾向。その後はほぼ一定。 2008 年以降円高傾向で名目
レートでは 2012 年は最も円高水準。 2013 年以降は円安方向に変化。
名目為替レート
400
実質為替レート
350
300
250
●
200
150
実質為替レート :2005 年基準-水準自体には意
味なし (2000 年において実質 = 名目 )90 年代半ばまでは、 80 年代後
半以降を除けば、ほぼ一貫して「日本財高」=日本財のアメリカ財に
対する相対価格上昇。固定相場制下では日本の相対的に高いインフレ
率を反映。変動相場制導入後は名目レートの変化と類似。名目レート
と異なり90年代半ば以降 2007 年までは「日本安」傾向、日本のデフ
レ。その後 2012 年まで日本財高傾向だが、 2013 年以降大きく日本財
安化。現在は 1986 年頃と同程度 (80 年代終わりから 90 年代のほとん
どの時期よりも日本財安 ) 。 GDP デフレーターではなく輸出デフレー
ターを用いて計算を行っても大きな違いはない。 100
50
1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
暦年
( 出所 ) 日本銀行、内閣府経済社会研究所、 BEA データより作成
*もし生産される財の構成が等しく、すべての財が貿易財であれば、景気
循環などの短期的影響を除けば、実質レート=相対価格は一定となるはず。
90年代半ばまでの実質レートのほぼ一貫した上昇は経済発展を反映してい
る。その上昇の一部は経済発展に伴う非貿易財価格の大幅な上昇を反映して
おり、真の実質レート増価とは言えない。真の実質レート増価は貿易財の生
産構成が unskilled labor 集約的な財から資本・ skilled labor 集約的な財
へのシフトに起因している。招集の国のみが生産できる財へのシフトによっ
て輸出財の高く売れるようになり実質レートが上昇。 Macro 2 第 2 回 page 7
名目為替レートと実質為替レート (3)
●
日本の実効実質為替レート
( レート大 = 自国財高)
160
140
指数 (2010 年 =100)
円 /US ドル
名目為替レート *1971 年 8 月まで : 固定相場制 アメリカがドルと金との一定率での交換を保証。米ドル =
120
100
80
60
40
20
0
1970
1975
1980
1985
1990
暦年
( 出所 ) 日本銀行統計
1995
2000
2005
2010
2015
実効実質為替レート (effective real
exchange rate) :多国間実質為替レート
*普通の為替レートは二国間。日本とアメリカと
か。相対価格の変化は貿易相手国により異なる。日
米と日中。 *これに対して実効実質為替レートは多数存在する
貿易相手国の財と自国財との相対価格が平均してど
のように変化しているのかを測った指標。 *具体的には 2 国間実質為替レート ( 日本が採用し
ている BIS ブロードベースのレートの場合約 60 カ国
について CPI をもとに算出 ) を貿易比重によって
ウェイト (BIS ベースでは第三国競争も加味した工業
製品貿易額ベース ) づけしたもの。算術平均ではな
く幾何平均。 * 2000 年頃までは対米ドル実質レートと似た動き。
それ以降は対米実質レート以上に大きく日本財安
に。アジア諸国やユーロ圏などに対する実質為替
レート低下の影響。 2008 年から 2012 年にかけて日
本財高に変化。しかしこの時期でも 80 年代半ば以降
の大半の期間と比べて日本財安。 2013 年以降は大き
く日本財安に。現在は 77 年頃のレベルの日本財安。
( 前の図と異なり円高は指数の上昇であることに注
意) *日銀レビュー 2011-J1 「実質実効為替レートにつ
いて」
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金融市場の開放性・両市場の対外取引の関係
●
金融市場における対外取引の重要性
–
日本の 1 年間の輸出・輸入額 (2015 年 ) 約 154 兆円。ほぼ財市場での対外取引の規模。
–
東京外国為替市場の 1 営業日の取引規模 (2015 年)約 9.1 兆円。 *1 ヶ月 ( 営業日の
み ) で 1 年間の輸出入額を上まわる。海外 ( 外国 ) の債券、株式などの金融資産の購入には外貨 ( 外国の金融
資産の一つ ) の購入が必要であるし、海外の資産を売却すれば外貨の売却 ( 自国通貨への交換 ) が必要とな
るから、金融市場における対外取引のおおよその規模を反映。
●
財市場と金融市場の対外取引はどのように関係しているか? ( 貿易の例 ) * 数値例を使って説明
–
ある企業の商品の輸出額 = 外国の取引企業からの ( 対価としての ) 資産の受取額 ( 殆ど
の場合金融資産なので財市場で対外取引があれば金融市場でも対外取引が存在することになる )
–
一国の総輸出額 = 外国からの ( 対価としての ) 資産の受取額
–
貿易収支 = 財の輸出-財の輸入
= 外国からの ( 対価としての ) 資産の受取-外国への ( 対価としての ) 資産の支払
国 ) 通貨、自国(外国)債券、株式などの金融資産,機械、建物、土地などの実物資産の総計(他に貸付や貿易信用
も)。金融資産の場合一方にとっての資産は他方にとり債務 ( 負債) –
ただし実際には対外金融取引の殆どは貿易とは無関係。 * 上の外為市場の取引規模に注意。
* たとえば金融機関が保有金融資産の配分を変えるために海外と行う取引 ( たとえばアメリカの株式を売却してドイツ
の国債を購入 ) を考えてみてもよい。 [ 後で見るようにこれらの取引では収支がゼロとなる ]
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金融市場と財市場の対外取引の関係
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●
しかし一国経済全体では、金融市場での対外取引と財市場での対外取引 ( 貿易 ) との間
に決まった関係があることを示すことができる。*現物による所得移転の場合も貿易収支に計上
先ほど導出した恒等式
Y :国内総生産(GDP), C :民間消費 , I : 民間投資
G : 政府支出 , X : 輸出 、 IM :輸入
IT
政府支出 G を政府消費G Cと政府投資に分け、国内の総投資を で表すと Y =C + I +G+ X − IM
●
Y =C + I T +GC + X − IM
●
貯蓄 (savings) の定義 ( 可処分所得 )-( 消費支出 )
* 国全体だけでなく各部門 ( 民間部門、政府部門 ) についても定義できる。
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●
●
教科書の暗黙の仮定:外国との要素所得 ( 例 : 外国国債からの利子所得 ) の受取額と支払額が
等しく ( つまり GDP=GNI[ 国民総所得 ]) 、外国との所得移転 ( 例 : 外国への援助 ) の受取額と支払
額が等しい。
このとき民間貯蓄は で、政府貯蓄は なので、国内総貯蓄 S は ( 学生用
は全ての式なし )
* 教科書の式は不正確
T : 税− 所得移転
上の恒等式に代入すると ( 学生用は全ての式なし )* 教科書の式は不正確 * 純流出=流出 - 流入。
海外への資金の貸出 - 海外からの借入。国内
の貯蓄の余りが海外に ( 純 ) 貸出される。 貿易収支黒字 = 海外へ資金のネットでの貸し手 *なぜ資本の純流出なのか?たとえば日本企業が外企業を買収したことにより
対外資産が増加した場合、買収に伴い自国から外国へ資金が移動 (= 流出 ) =購買力を貸し付けている事に相当するわけだから。
*上の仮定を外した場合、上式の右辺は貿易収支ではなく経常収支 ( 後で説明 ) になる。
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国際収支
●
国際収支 (balance of payments) : 一国の海外とのあらゆる経済的取引を体系的に記録し
た会計システム。上の例・恒等式はこれを理解する上で重要。 Mankiw にはないが多くの text で解説 ( ただし最新版ではない )
(1) 経常収支 (current account): 貿易、要素所得 ( 例 : 外国国債からの利子所得 ) 、所得移転
( 例 : 外国への援助 ) に伴う海外との受取・支払を記録。 * 経常 : その場限りで完結する取引 受取 > 支払→経常黒字 受取 : 貸方、支払 : 借方 page3 の図に描かれているやりとりを記録 *所得の受払 :GNI と GDP の違いの部分。キャピタルゲイン・ロスは含まず。 (2) 金融収支 (financial account): 海外との金融資産・負債の受払を記録。 ( 厳密には資産と負債が
次のように区別される ) *対外資産 : 国内居住者の保有する海外に存在する実物資産および海外居住者 ( 外国政府、企業 ) に
債務の存在する金融資産。*対外債務 : 国内非居住者の保有する国内に存在する実物資産および国内居住者に債務の存在す
る金融資産。つまり国内の実物資産の保有量の増加は対外資産の増加ではなく対外債務の減少。 受取 ( 資産増、負債減 )> 支払 ( 資産減、負債増 )→ 金融収支黒字キャピタルゲインロスは含まず。
(3) 資本移転等収支 (capital account): 海外との非金融非生産資産 ( ライセンス、契約、商標権
など ) や資本移転 ( 債務免除やインフラ整備目的の援助など ) の受払を記録。 * 特許・著作権などの
*formal def. Of capital transfers on page 11 資本移転受取 + 非金融非生産資産支払 > 資本移転支払 + 非金融非生産資産受取 →収支黒字
知的財産権は BPM6 より生産資産 ( 機械等は貿易に記録 ) 扱いとなりサービス収支に記録
原理的には (1)-(3) の間に以下の関係が成立。 ( 学生用は最後の恒等式なし )
*前ページの恒等式は教科書の暗黙の仮定を置いたときの上式に相当。経常収支 = 貿易収支。 S>I の分だ
け対外純資産が増加。資産には金融資産と非金融非生産資産が存在。また [ 資本移転部分の (3)]=[ 対応する
(2)] なので (1) とは無関係。なぜこのような関係が成立するのか ? 2 ページ前の貿易収支の例が直観的説明
( 所得・所得移転の受け払いについても同様 ) 。前ページでも見たように経常収支の項目に影響しない金融取
引も多く存在するが、それらの総収支 =0 になる。例えば現金による外国債券の購入は金融収支内でのやりと
りで金融収支に影響しない。 Macro 2 第 2 回 page 11
国際収支 (2)
( 経常収支 )
●
国際収支 (2015年度)
貿易収支 : モノの取引 ( 前ページまでの [ 広義
の ] 貿易収支はサービスの取引を含む )
(単位:兆円)
(1) 経常収支
貿易・サービス収支
貿易収支
輸出
輸入
サービス収支
第一次所得収支
第二次所得収支
(2)金融収支
直接投資
証券投資
金融派生商品
その他投資
外資準備
(3) 資本移転等収支
(4) 誤差脱漏
(出所)財務省・日本銀行『国債収支統計』
17.98
- 0.58
0.63
73.14
72.51
- 1.21
20.56
-2
24.53
16.31
29.85
- 0.55
- 21.68
0.61
- 0.7
7.26
●
サービス収支 : サービスの取引 *輸送、情報 ( コンピュータ )( 赤字 ) 、通信、保険 ( 赤字 ) 、金
融サービスなどの取引。海外旅行での財・サービスの購入 ( 赤
字 ) 、特許使用料 ( 黒字 ) など。 *なお自国企業が海外現地事務所を介さずサービスを提供した場
合のみサービス輸出となる。 *二つの合計が大雑把に言って、国民経済計算、そしてマンデ
ル・フレミングモデルでの純輸出に対応(厳密には特許等使用
料、建設サービスは除く)。
●
●
第一次所得収支 : 資本所得 ( 金融資産からの収
益 ) などの受払 *利子・配当、外債など
第二次所得収支 : 対外援助 ( インフラ整備関係等
を除く ) や労働者送金などの無償取引 ( 所得移
転 ) *出稼労働者は 1 年以上の場合外国の居住者。インフ
ラ整備への援助は資本移転。
( 金融収支 )* 現物支給の場合財の輸出にも計上。 *ここでの「投資」は金融資産・負債の取引
を意味する。
●
外貨準備 ( 増減 ): 中央銀行の管理下にある対
外資産 ( 金や外貨)の増減。 * 経常収支=0のとき
民間金融収支が黒字であれば外貨保有は赤字=外貨準備減
が発生している。*変動相場制で非介入の場合(保有する外債
などからの利子収入などを除けば)0。固定相場制ではレート維
持のために、民間の需給差の分だけの介入が必要。結果外貨保有
高が変化し、その分だけ資本収支が逆方向に変化。
Macro 2 第 2 回 page 12
国際収支 (3)
貿易・サービス・所得・経常収支の対 GDP 比 ( 名目値 )
6
貿易収支 /GDP
5
サービス収支 /GDP
4
経常収支 /GDP
第一所得収支 /GDP
パーセント
3
2
1
0
-1
-2
-3
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
暦年
( 出所 )IMF International Financial Statistics 日本銀行・財務省 国際収支統
計、内閣府 国民経済計算 より作成
Macro 2 第 2 回 page 13
金利平価条件
●
金融市場における対外取引-国内 ( 金融 ) 資産と海外 ( 金融 ) 資産との間の選択 *財市場では実質レート ( 財の相対価格 ) が選択に影響したが金融市場では両資産の収益率が問題となる。金融市場の取引は
貿易に伴う資金の受払も含まれるが、取引に制約がなければそのシェアは小さい ( 先の日本の外為市場の取引額の相対規模)。
●
単純化のため貨幣と債券のみを考える。*外貨は国内での財の取引に用いることはできず利子も 0
なので超短期を除き選択対象にはならない。
●
t 期における国内居住者の債券投資 ( 購入 ) の選択 ( 外国債券以降学生用は右側の数式なし )
1+it ( it : t 期の名目利子率) の粗リターン
国内債券への 1 円の投資 → 1 期後 円
米国債券への 1 円の投資 = 米国債券への ドルの投資
→ 1 期後
= 1 期後
●
●
ドルの ( 粗 ) リターン
円の期待 ( 平均 ) リターン . :1 年後の期待名目為替レート
リスクを考慮しない投資家が自由に取引できるとき、両債券投資からの期待収益率は等
しくならねばならない。 * 先物レートを利用できる場合はリスクゼロでカバーつき条件と呼ばれる。
裁定条件 :( カバーなし ) 金利平価条件 (interest parity condition)( 以下学生用は式なし、利上
げなどの実例を出して説明、リスクを考慮した場合についても ) * 右辺:自国通貨の予想下落率
* 1+i= (1+r)(1+pi^e) と実質為替レートの定義を用いることで、実質変数について同様の条件を導出できる。
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