阿波市保育所給食衛生管理マニュアル 1 健康管理 ・ 従事者の健康診断は年 1 回の定期健康診断を含め、月 2 回以上検便を実施し、 結果を保育所長に報告する。(赤痢菌、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌 O-157) ・ 次の疾病に罹り、またはその疑いのある場合は、直ちに保育所長に報告し、給 食作業に従事しない。 ① 下痢、発熱、腹痛、嘔吐、手指等に化膿症の皮膚疾患や火傷等のある場合。 *腕や顔に化膿した傷等ある場合は完全に防護すること。 *手指に化膿症の皮膚疾患があるときは、調理作業に従事させないこと。 *手指に傷や手荒れがある場合は手袋をすること。 ② 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における一類 感染症、二類感染症若しくは三類感染症の患者、擬似症患者(急性灰白髄炎、 ジフテリア、腸管出血性大腸菌を除く)又は無症状病原体保有者である場合。 2 作業員の留意事項 ・ 調理作業を行うときは、指輪、ネックレス、イヤリング、ヘアピン、腕時計等は 必ずはずす。爪を切り、マニキュア、香水は使用しない。 ・ 毎日、清潔は白衣、帽子を着用し、毛髪が出ないようする。 ・ 作業に入る前には用便をすませ、用便後は手洗いと消毒を念入りに行う。 その際必ず白衣、帽子を脱衣し、便所専用の履物を使用する。 3 ・ 白衣、帽子のまま外へ出ない。 ・ 作業靴のまま調理室外へ出ない。 手洗い 1.流水で手をぬらし、石けんをつける。 2.石けんを泡立てて、腕(肘から下)をよく洗う。特に爪の間は個人用爪ブラ シを使ってよく洗う。 (30 秒程度) 3.流水で石けんを十分洗い流す。(20 秒程度) 4.使い捨てペーパータオル等でふく。(タオル等の共用はしないこと。) 5.消毒用のアルコールをかけて手指によくすりこむ。 (1 から 3 までの手順は 2 回以上実施する。) 手洗いのタイミング ① 作業開始前、厨房入室時、及び用便後 ② 作業の切り替え時 ③ 生の肉、魚介類、卵、生野菜、ダンボール等に触れた時 ④ 調理途中でも頭髪、耳鼻等に触れた時 1 4 使用水の確保 ① 使用水は、使用開始前に遊離残留塩素が、0.1 ㎎/1以上あること、及び色、濁り、 におい、異物等について、水質検査を毎日実施し記録する。 ② 水質検査で異常があり、残留塩素が基準に満たなかった場合には、再検査を行い、 なお不適な場合には保育所長に報告する。 5 原材料の取り扱い ・ 食品の検収にあたっては、品名、納入業者名、納入時刻、配送、包装形態、生産 地数量、品質、鮮度、異物の有無、賞味期限・品質保持期限(製造年月日)を確認 し、 品温を測定し、検収者名とともに記録する。異常を認めたら保育所長に報告 する。 ・ 原材料は分類ごと区分して、冷蔵庫、冷凍庫、乾物調味料庫に格納し、さらに食 品ごと区分して、適切な温度で保管する。 ・ 魚・肉類等汁の漏れる恐れのある物は、ビニール袋、トレイなどを使用して汚染 しないようにする。やむを得ず箱ごと入れる場合はビニール袋に入れて保存する。 6 ・ 冷蔵庫、冷凍庫から出した原材料は、速やかに調理に移行させる。 ・ 食品庫は常に清潔に保ち、整理、整頓し、ダンボールを持ち込まない。 保存食 保存食は、原材料及び調理済食品を 1 品ずつ清潔な容器(検食缶、ビニール袋)に ・ 入れ、-20℃以下の冷蔵庫で 2 週間以上保存する。 ① 原材料 ・原材料は洗浄、消毒を行わず、納入された状態の物から 1 食品 50g以上採取 する。 ・採取に使用する包丁、まな板は清潔なものを用いる。 ・使用量の少ない食材は 1 茎、1 本、数枚とする。 ・鶏卵は割卵し、攪拌したものを採取する。 ・納入された食品の製造年月日またはロットが違う場合は、それぞれ保管する。 ・乾物、缶詰、調味料は保存食からのぞく。ただし、調味用牛乳は採取する。 ② 調理済食品 ・調理済食品の採取にあたっては、衛生的に取り扱う。 ・献立表に料理名としてあがっているものは、調理済食品として 50g程度保存 する。(使用している食材がすべて含まれるように採取する。) ・離乳食等少量しか作らないものについては、10g(1 さじ程度)保存する。 ただし、飲用に調節した乳児用ミルクの採取は必要ない。 2 7 検食 保育所長は、給食献立の全てについて、給食時間前に検食を行い、検食簿に記録する。 ・加熱調理や冷却が適切におこなわれていたか。 ・異味、異臭等の異常はないか。 ・異物が混入していないか。 ・一食分として、それぞれ食べものの量が適当か。 ・味付けや、香り、色彩、形態などが適切にされているか。 8 下処理 ・食品ごとに、専用の容器・器具を使用するなど、2 次汚染防止に努めて作業する こと。食品、食品を入れた容器は床に直置きしない。 ・野菜等は付可食部分・異物を除去し、流水で 3 回以上丁寧に洗う。 ・野菜及び果物を加熱せずに供する場合には、清潔な水槽で流水で 3 回以上水 洗いする。 ・同一水槽で処理を行う場合は、果物類、準生食用野菜(トマト、きゅうり、大 根、かぶ等) 、葉物、根菜類、魚介、肉の順におこなう。 ・作業終了後はシンクを洗剤で洗い、殺菌する 殺菌方法は、次の方法のいずれかでおこなう。 9 1 次亜塩素酸液 0,1%液(水 1 ㍑に 15cc(次亜塩素酸 6%含有の場合)でふく 2 乾いた状態でアルコール噴霧する 調理過程 ・前日から調理を行ってはならない。 ・汚染源となるおそれのある肉、魚介類、卵の取扱いは、特に衛生に気をつける。 取扱いには、使い捨て手袋をしようする。 なお、使い捨て手袋を使用する場合は原則として、次に定める場合に交換を行う こと。 1 作業開始前及び用便後 2 汚染作業区域から非汚染作業区域に移動する場合 3 食品に直接触れる作業にあたる直前 4 生の食肉類、魚介類、卵殻等微生物の汚染源となるおそれのある食品等 に触れた後、他の食品や器具等に触れる場合 5 配膳の前 ・肉類、魚介類、卵が入った容器・ビニール袋は、他の容器・食品に触れないよう 処理する。 ・包丁、まな板は、専用のものを使用する。 3 ・揚げ物、焼き物、蒸し物は、75℃で 1 分間以上(同等は 85℃/5 秒以上)中心まで 加熱できたかを確認し、記録する。(3 点以上) ・炒め物は、全材料を十分炒めたかを確認し、特に肉類は肉の色が変わり、ばらば らになるまで炒め、中心温度計を用い、75℃で 1 分間以上(同等は 85℃/5 秒以上) 中心まで加熱できたかを確認し記録する(3 点以上) ・煮物、汁物は、最も熱が通りにくい具材を選び、食品の中心温度を 75℃以上に達 していることを確認した後、さらに 1 分以上加熱を続ける。なお、中心温度測定 できるような具材がない場合には、釜の中心付近の温度 3 点以上測定する。 ・ボイルする場合、湯は沸騰しているか、1 回ゆでる量は適量で十分加熱できたか、 確認する。 ・調理終了時刻、調理室搬出時刻、調理終了後 30 分以上経過したときの保存状況を 記入する。 ・調理後の食品は 12 時 30 分までには(2 時間以内)食べ終わる。 10 配膳 ・配膳は消毒済みの調理台で行い、清潔な器具を使用するとともに、料理に直接手 を触れない。 11 食器・器具等の洗浄 ・食器・器具は洗剤で洗い、流水で洗剤を十分に洗い流した後、消毒保管庫又は食 器乾燥機等で 85℃以上で 30 分以上で殺菌 をおこない、十分乾燥させる。 ・消毒保管庫で殺菌した食器・器具の使用を原則とするが、途中で消毒の必要が生 じた場合は、80℃、5 分間以上の熱湯消毒を行う。 ・包丁・まな板は洗剤で洗い、流水で洗剤を十分に洗い流した後、消毒庫又は食器 乾燥機等で消毒する。乾燥後、2 時間運転とする。殺菌灯は 5 年で交換する。 12 残菜・ゴミ処理 ・ゴミは市の分別方法にしたがい処理する。 ・使用後の牛乳瓶、一升瓶は、内部を洗って、入荷時のケースに入れて空き瓶置き 場に運ぶ。 13 調理器具、機器の洗浄・消毒 調理台 ① 清潔な布巾で水拭き(湯拭き)し、汚れを完全に拭き取る。 ② 次亜塩素酸液で拭くか、アルコールを噴霧する。 (作業前、配膳前、終了後) 4 配膳台 ① 次亜塩素酸液で拭くか、アルコール噴霧する。 (作業前、おやつ配膳前、終了後) 冷蔵庫(月1回程度) ① 庫内の食品、食材を別の冷凍、冷蔵庫に一時的に移すか、衛生上安全な 場所に保管する。 ② 薄い石けん液で庫内の隅々までまんべんなくこすり洗いをする。 ③ 清潔な布巾で汚れと洗剤を拭き取る。 ④ 次亜塩素酸液で拭き殺菌する。 ⑤ 食品、食材を格納する。 庫内・戸棚(月1回程度) ① 清潔な布巾で水拭き(湯拭き)し汚れを完全に拭き取る。 ② 次亜塩素酸液で拭くか、アルコールを噴霧する。 布巾 ① 石けんで洗い、流水ですすぐ。 ② 殺菌(5 分間煮沸又は次亜塩素酸液に 5 分以上浸す又は食器消毒保管庫に 入れる。 )し、乾燥する。 たわし・スポンジたわし・爪ブラシ ① 流水でよく洗剤を洗い流す。 ② 5 分間煮沸、又は次亜塩素酸液に 5 分以上浸した後、水洗いし乾燥させ る。 その他 ① 作業終了後、冷蔵庫のノブ、ガスコック等を次亜塩素酸液で拭くか、アル コール噴霧する。 ② 下痢・嘔吐時の食器の扱いについては、他の食器とは区別して回収し、回 収した食器は次亜塩素酸液に通した後、洗浄する。食中毒が疑われる時は、 別途指示に従う。 5
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