1 2016年9月議会 一般質問 1問目 日本共産党の田所健太郎です

2016年9月議会 一般質問
1問目
日本共産党の田所健太郎です。通告に従い、一般質問をおこないます。
はじめは、公民館および津久井地域の市民利用施設の有料化についてです。
市が検討している公民館の有料化について、日本共産党相模原市議団ではこれまでも、
代表質問や一般質問で、様々な角度から質問してきました。
市は、今月から順次、各公民館の運営協議会で、公民館の有料化に関する説明をおこな
っており、動きが市民の目にも見える状況となってきました。そこで今回も公民館の有料
化について、あわせて、同時に検討されている津久井地域の市民利用施設の有料化につい
て、質問します。
1点目は、本市の公民館が、
「まちづくり」の面でどのような役割を果たしてきたかにつ
いてです。
大沢公民館の初代館長を務め、その後教育長などを歴任した舘盛市長は、昭和53年3
月9日の施政(しせい)方針演説の中で、主要施策(しさく)の1つとして、「心のふれあ
いを求めるコミュニティづくりの推進」を掲げました。そして、
「地域にコミュニケーショ
ンの輪を広げるための施策(しさく)
」として、独立公民館の整備を急ピッチで進め、年1
館を上回るペースで建設されてきました。昭和60年には、市内全地区の公民館が独立公
民館へと衣替えしています。
各地域の公民館は、地域と住民が支え、地域の学びの拠点、社会教育の拠点として、人
づくり、コミュニティの形成など、重要な役割を果たしてきています。その成果が、今日
の相模原市の姿につながっているのではないでしょうか。
本市の公民館は、
「まちづくり」の面においても、非常に重要な役割を果たしてきたと考
えますが、市長の見解を伺います。
2点目は、公民館活動における「受益者」についてです。
公民館は、社会教育法に基づく社会教育施設であり、そこでの活動は、
「学習・文化・ス
ポーツ・青少年活動などを通して、話し合い、考え合いながら心の触れ合いを深め、交流
を図る中で人々の暮らしや地域を豊かにしていくこと」を目的にしています。
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公民館において、学習・文化・芸術・スポーツといった市民による活動が繰り広げられ
ることは、健康・福祉・文化の向上につながり、また、人づくりなどの点において、大き
な役割を果たしており、その利益は、実際の利用者に限らず、地域そして社会全体に及ん
でいると考えます。
公共施設の有料化や値上げをおこなう際、「受益者負担」という言葉が使われますが、公
民館活動における「受益者」について、教育委員会ではどう考えているのか、見解を伺い
ます。
3点目は、
「相模原市の公民館が大切にしてきたもの」
(4つの原則)についてです。
相模原市の公民館は、
「住民主体の原則」、
「地域主義の原則」、
「教育機関としての原則」、
「貸館の無料・公平・自由の原則」の4つの原則を、「大切にしてきたもの」として、今日
まで引き継いでいます。
この「4つの原則」は、相模原市の公民館の「憲法」ともいうべきものであり、これか
らも大切に引き継いでいくことが求められていると考えますが、教育委員会として、
「4つ
の原則」について、どのように認識しているのか、見解を伺います。
つぎに、「4つの原則」のうちの1つである、「貸館の無料・公平・自由の原則」につい
てです。
公民館の有料化をおこなうとするならば、「4つの原則」のうちの1つである、「貸館の
無料・公平・自由の原則」が崩れることになります。
公民館の有料化は、社会教育委員会議からの建議で、
「市において検討すること」とされ
たわけですが、有料化の検討にあたり、これまで大切にしてきた原則の1つ「貸館の無料・
公平・自由の原則」について、見直すことなどどのような議論をおこなってきたのか、伺
います。
4点目は、津久井地域の各施設が果たしてきた役割と、無料としてきた経過についてで
す。
今回、公民館の有料化とあわせ、津久井地域の市民利用施設として、津久井生涯学習セ
ンター、地域センター8館、さがみ湖リフレッシュセンター、藤野農村環境改善センター
の有料化も検討されています。
これらの施設は、合併前に建設された施設であり、合併後も各施設の設置目的に沿って、
市民に利用されてきました。
各施設が今日まで果たしてきた役割について、どのように評価しているか伺うとともに、
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各施設とも合併時の協定等に基づき、合併後も無料となっていると聞いていますが、その
経過についても伺います。
5点目は、津久井地域の各施設の有料化による影響についてです。
有料化対象の4施設は、社会教育法に基づく「公民館」ではないものの、各地域で公民
館と同様の役割を果たし、市民の様々な活動で利用されてきたと認識しています。
有料化をおこなった場合、利用者の減少や市民による活動の低下等、懸念されることが
ありますが、見解を伺います。
6点目は、有料化の中止についてです。
日本共産党市議団ではこの間、有料化についての説明がおこなわれる公民館運営協議会
やまちづくり会議を傍聴してきました。
様々な声が出される中で、
「公民館の有料化はふさわしくない」といった声が出されてい
ます。
9月16日の藤野地区公民館運営協議会では、
「公民館でのすべての活動が、地域の活性
化につながっていると考えている」、「私たちは、市の中心部にある公共施設の恩恵を受け
ていない」、「公民館に出てくるのにもバス代やガソリン代がかかるのに、施設まで有料に
なったら、だれも使わなくなる」、「有料化になったら、利用者に出てきてもらう大掃除を
頼みにくくなる」といった声が。
また、9月21日の大沼公民館運営協議会では、
「有料化したら、公民館を使えなくなる」
、
「貧富の差が広がる中で、払える人、払えない人の問題が出る」、「教育は大人になっても
大切なことであり、公民館は非常に大事」などの声が出されています。
この声を聞いただけでも、私は有料化を中止すべきだと考えます。
少子高齢化社会、核家族化が進むいま、地域の課題について取り組むことや、コミュニ
ティの再構築、人づくりが求められており、公民館の役割、社会教育、生涯学習の役割が
いっそう重要になると考えます。
そのような状況の中で、
「受益者負担」という論理の下、有料化をおこない、利用者に負
担を強いることは、今日まで市民と地域が力をあわせて築き上げてきた相模原市の公民館
を衰退させることにつながり、先進的ともいわれていた相模原の社会教育を後退させるも
のであると考えます。
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公民館および津久井地域の市民利用施設の有料化の検討を中止し、無料を継続すべきと
考えますが、見解を伺います。
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次に、児童相談所及び児童虐待に関する問題について、伺います。
親から虐待を受け、児童相談所等の関係機関が関わっていた男子中学生が自殺を図り、
今年2月にお亡くなりになった件についてです。
8月3日、市としての検証、現時点で考えられる要因や対策等がまとめられた「相模原
市における中学生の自殺企図事案に関する報告書」が、国に提出されました。
報告書では、児童相談所やこども家庭相談課、教育委員会、学校といった、本件に関わ
っていた関係機関において、様々な角度から検証がおこなわれ、対策の検討がされていま
す。
また、この報告書で市は、市がおこなってきた対応について、「本児から家に帰りたくな
い、施設で暮らしたいとの訴えがあったにも関わらず、児童の気持ちに寄り添った支援が
できていなかった」としています。
「最後の砦」とも言われる児童相談所において、児童に寄り添った支援がされていなか
ったことは重大な問題だと考えますが、この報告書について、市長はどのように受け止め
ているか、見解を伺います。
つぎに、児童相談所等の体制強化の検討状況についてです。
私はこの問題を、6月定例会議の代表質問で取り上げ、児童相談所の体制強化、児童福
祉司および児童心理司等の専門職の増員、人材育成を求めました。市長からは、
「専門職の
体制を強化するとともに、職員のさらなる資質向上を図ってまいりたい」との答弁があり
ました。
来年度に向けた、児童相談所および、市の窓口である各区のこども家庭相談課の体制強
化、専門職の配置強化等の人材育成について、どのような検討をおこなっているのか、状
況を伺い、1問目を終わります。
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