確かな学力を身に付け、豊かに表現する児童・生徒の育成

Ⅰ
研究の概要
1
研究主題・副題
確かな学力を身に付け、豊かに表現する児童・生徒の育成
~各教科等の特質を踏まえた言語活動の充実~
2
研究主題設定の理由
児童・生徒が自立を目指して学んでいくためには、基礎的・基本的な知識や技能を習得し、これらを活用
しながら、より確かな思考力・判断力と豊かな表現力を身につけることが大切であると考える。そのために
は、各教科等の特質に応じて学習活動や言語活動を工夫し探究活動の充実を図る必要がある。
全国学力状況調査やみやざき学力調査、標準学力検査等の結果から、生目中学校区においては、基礎的・
基本的な定着については全体的にみても一定の成果が見られた。一方で成績分布に二極化の傾向も見られた。
また、普段の学習状況から、考えたことをわかりやすく伝えたり、話合い活動によってお互いの考えを深め
たりする力が十分でない等、思考力・判断力・表現力に課題が見られた。さらに学習に粘り強く取り組む態
度や学習習慣の確立などでも個人差が広がっている状況がある。このことから、生目中学校区の児童・生徒
の課題は、①思考力・判断力、表現力の育成、②学習意欲の向上、③学習習慣の確立の 3 点であると考える。
これらの課題を解決し、義務教育9ヵ年の中で児童・生徒が生き生きと学校生活を送り、確かな学力と豊か
な心を培いながら自己実現を図っていく教育を推進するために、本主題を設定した。
3
研究の仮説
9年間を通して、各教科等の特質を踏まえた言語活動を充実させれば、確かな学力を身に付け、豊かに表現
する児童・生徒を育成することができるであろう。
4
小中一貫教育でめざす15歳の姿(卒業の時の姿)
よりよい生活や学習をするために主体的に思考し、的確に判断しながら行動(表現)できる生徒
5
目指す児童・生徒像
小
低学年


自分の思いや
学 校
中学年

自分の意見や考え
中学校
高学年

自分の考えを明確

理由や根拠を基に
考えをもち、発表
をしっかりともち、
にもち、発表し合い、
論理的に考え、その
することができ
発表し合い、違いに
その考えを広げたり
考えを説明したり、
る児童
気付きながら解決し
深めたりしながら解
論述したりすること
ようとする児童
決しようする児童
ができる生徒
はっきりと話

相手や目的に応じ

目的や意図に応じ

考えたことを相手
したり、最後まで
て理由や事例などを
て事柄が明確に伝わ
に伝えたり、話し合
聞いたりするこ
あげながら話した
るように話したり、
い活動によって互い
とができる児童
り、話の中心に気を
話し手の意図を考え
の考えを深めたりす
つけて聞いたりする
ながら聞いたりする
ることができる生徒
ことができる児童
ことができる児童
1
6
研究の全体構想
(1) 言語活動の充実とは
各教科の目標を実現するために、意図的・計画的に言語活動を取り入れ、思考力・判断力・表現力を高め
ること。
① 言語活動の充実を図る授業の構想
確かな学力
↑
言
語
↑
どの場面に
活
★思考力・判断力・表現力の育成
動
の
↑
何のために
充
実
↑
どのような言語活動を
② 言語活動の充実と理論的な思考力を高めるための授業モデルのイメージ
■言語活動班■
めあての提示
■生目授業モデル班■
導
入
聞く 話す 書く 読む
本時のねらい
または
単元のねらい
思考・判断(個で考える場面)
■児童・生徒の「聞く、話す、書く、
読む」活動を明確にする。
■すべての教科で「聞く、話す、書
く、読む」の言語活動を各教科等の 展
ねらいの達成に向けて学習過程に
位置づけ、指導の工夫を図る。
※何をするために「聞く、話す、書く、読
む」活動をするのか目的を明確にし、
指導法を工夫する。
開
 ~するために終わりまでしっかり聞く
 ~するために相手に伝わるように話す
■板書とノート、板書とワークシートの一
体化
言語活動の充実
・課題解決のために個で考える。
根拠をもとに論理的に考えることができる児
童・生徒
表
確
現(話し合い活動)
・考えた内容を表現する。
考えたことをわかりやすく伝えることができる
児童・生徒
★話し合い活動=「論理的な思考のやり取りを行う場」
まとめで確認
な
話し合い活動によってお互いの考えを深めるこ
とができる児童・生徒
学
思考・判断(再度、個で考える場面)
・再度、個で考える。(理論的な思考の高まり)
ま
と
め
か
本時のまとめ
または
力
単元のまとめ
の
■家庭との連携班■
■学習の約束班■
 家庭学習習慣の定着と充実
 学習に関する掲示物、啓発
・
「家庭学習のしおり」
資料の作成
・「家庭学習週間」
・授業の始まりと終わり
・
「宅習リレー」
「宅習コンクール」
・業間の使い方・チャイム
 親子家庭学習連絡カード
・あいさつ ・聞く・話す
 規則正しい生活リズムの確立と家
・書く ・姿勢 ・礼
庭学習習慣定着のための目安表
 学習の約束に係るアンケー
 家庭学習の時間の目安
ト
 コミュニケーション
等
2
■読書活動班■




あらゆる教育活動を通し
て、児童・生徒が多くの本
や情報に触れる機会を増や
す。
テーマ別読書週間
読書習慣の形成、クリティ
カル・シンキングのでき
る・児童生徒を育てる。
読書量調査、読書内容調査
育
成
7
三校合同の研究組織
研
3校校長部会
研
究
推
究




企
画
委
員
3校教務主任会
企画・運営
推進委員会、合同研修会における指導・助言
保護者・地域への啓発
等
進





研
校長





教頭
究
推
教務主任
進
委
員
研究主任
授業改善研究部
小
全
中
合
体
同
研
研
修
修
会
会
研究推進
研究授業計画
授業研究会運営
研究のまとめ
等
会
部長
副部長
学習環境研究部
生目授業モデル班
 理論的な思考を高め
る授業づくり
業づくりに関わる研究
 「論理的な思考のや
「めあて」→「話す、聞
り取りを行う場」を取
く、書く、読む」→「まと
り入れた各教科の取
め」
り組み
 9年間継続した指導の
 指導案
あり方
 評価項目の設定
 言語活動を工夫した授
授業実践
3校研究主任会
企画・運営
行事日程調整
研究授業日程調整
体験入学関係
等
部
言語活動班
会
研究授業
3
家庭との連携班
 家庭学習に関する研究
家庭学習のしおり、家
庭学習週間
 コミュニケーション
 家庭学習実態調査
↓
学習の約束班
 小中共通の学業的指導に
関わる研究
 アンケート
・目指す児童像をはっきり
させる。
・研究の成果を見るための
視点を絞ってアンケート調査
アンケートであることが大
↓
切
研 究
 聞く、話すときの態度、
↓
メモのとり方など
●メディアコントロールを ・話型だけではなく、話し
同時期に取組、変容を見 合いに積極的に参加できる
ていく。
ような態度が育てられるよ
う、共通実践する。
読書活動班
 読書活動に関わる研究
読書量、読書内容調査
○読書量の分析
○低・中学年→読書に親しむ
(たくさん読む)
○高学年・中学生→幅広い分
野の本にふれる。
○読書週間の充実→量から質
の読書へ
○読書内容(傾向)のアンケ
ート→夏休みまでにとる。
結果をもとに、研究や取組
の方向性を決める。