追加緩和見送りで円高、株安:緩和期待は継続

2016年6月16日
(No.2,487)
〈マーケットレポートNo.4,860〉
日銀の金融政策(2016年6月)
追加緩和見送りで円高、株安:緩和期待は継続
金融政策は現状維持
英国の国民投票も考慮か
■日銀は、6月16日の金融政策決定会合で、現行の
金融政策の維持を決定しました。日銀は、物価が弱
含んでいるものの、2月に導入したマイナス金利政策
の効果を見極めるため金融政策を維持したと見られ
ます。また、6月23日に英国の欧州連合(EU)離
脱を巡る国民投票が控えていることから、現時点で
の追加緩和に慎重になった可能性もあります。
【株価、金利、円相場の推移】
(円)
19,000
日経平均株価
18,000
17,000
16,000
15,000
14,000
(%)
10年国債利回り
0.3
0.2
0.1
0.0
円高、株安が進行
円は対ドルで104円台に上昇
■市場では追加緩和見送りを予想する見方が大半で
現状維持は予想通りでしたが、金融政策維持決定
後の市場の反応はリスク回避の動きとなっています。
■日経平均株価は、円高が嫌気され、一時
15,500円台と、約4カ月ぶりの水準に下落しました。
■債券市場では、 10年国債利回りが前場に一時
▲0.210%をつけ、過去最低を更新しましたが、そ
の後は前日引け近辺で推移しています。
■円相場は急伸し、一時1ドル=104円台半ばと、
2014年9月以来の円高となりました。
(16日13時時点)
▲ 0.1
▲ 0.2
▲ 0.3
(円)
125
円/ドルレート
120
115
110
105
100
16/1
16/2
16/3
16/4
16/5
16/6 (年/月)
(注)データは2016年1月4日~2016年6月16日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に
三井住友アセットマネジメント作成
金融緩和期待が続く見通し
■米連邦準備制度理事会(FRB)は6月15日の ■物価が低迷していることや円高地合いが続いている
米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げ
ことから、日銀の追加緩和観測は継続すると見られ
を見送りました。米国の利上げ観測が後退したことで、 ます。早ければ7月の金融政策決定会合で追加緩
為替市場ではドルが売られやすく、円高圧力がかか
和の可能性があります。英国のEU離脱というリスク
りやすい環境になっています。また、英国のEU離脱を
がありますが、金融緩和観測が円相場の上昇や日
巡る問題も安全通貨とされる円の買い材料です。
本株の下落に歯止めをかけることが期待されます。
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