院内感染対策ニュース第36号

院内感染対策ニュース
第 36 号
平成 28 年 9 月 21 日
院内感染対策委員会
蚊やマダニなど節足動物が媒介する感染症をご存知ですか?
昨年流行したデング熱や最近話題のジカ熱、ダニによる感染症があることをご存知ですか?最近では
マダニによる SFTS という感染症で死亡例が出ました。夏はダニに咬まれたり蚊に刺されたりしますが、こ
れらの動物には危険がいっぱいあります。少し遅いですが、今回はダニや蚊による感染症のお話です。
ダニによる感染症
蚊による感染症
よく聞かれるのはマダニによる重症熱性血小板減少症
候群(SFTS)です。平成 23 年に初めて特定され、
SFTS ウイルスに感染することで起こる病気です。主な
症状は発熱と消化器症状で重症化し死亡することもあ
ります。その他にはライム病、日本紅斑熱などもありま
す。マダニに咬まれることによって感染し、ヒトからヒト
への感染はないと言われています。
マダニに噛まれたらどんな症状がでるの?
どんな症状が出るの?
マダニに咬まれてから6日から2週間程度の潜伏期間
発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、発しんなど。デング熱、チ
を経て,主に原因不明の発熱,消化器症状(食欲低
クングニア熱、マラリアは突然発熱します。マラリアは原
下,嘔気,嘔吐,下痢,腹痛)が出現します。
虫ですが他はウイルス感染です。
時に頭痛,筋肉痛,神経症状(意識障害,けいれん,
話題のジカ熱では症状はデング熱程ではありませんが
昏睡),リンパ節腫脹,呼吸器症状(咳など),出血症
妊娠中にジカウイルスに感染すると小頭症の児が生ま
状(紫斑,下血)を起こします。
れる危険性があります。
感染経路は?
予防法は?
草むらや藪など、マダニが多く生息す
る場所に入る場合には、長袖・長ズボ
予防法は?
ンを着用し肌の露出を少なくする。ダ
蚊に刺されないことが一番の予
ニに咬まれたら無理に引きぬこうとせ
防法です。肌の露出を少なくしま
ず、病院(皮膚科)に行きましょう。
しょう。