化学工学会関西支部 第4回技術シーズフォーラム 2016.10.7 同志社大学 室町キャンパス -攪拌、混合、流動、伝熱- ~マイクロミキシグからヒートインテグレーションまで~ 金属表面での直接カーボンナノチューブ合成 ―新しい熱伝導促進材料としての可能性― 京都大学大学院化学工学専攻 佐野 紀彰 研究目的: ・金属表面にカーボンナノチューブを直 接合成し、伝熱促進機能を持つ表面と する。 ・細かい複雑な形状の表面(例:注射 針のように径の小さなチューブの内壁 や、多孔体、細かい網目構造の表面 等)に適切な構造(径、長さ、間隔、等) のカーボンナノチューブを合成する技 術を開発する。 右上:ステンレス表面に直 接合成した カーボンナノ チューブのSEM像 左上:同カーボンナノチュー ブのTEM像 下:アルミニウム放熱フィン 1/3 研究方法、主要な成果: 酸化・還元を⽤いた⾦属表⾯への合成プロセスの開発 CVD 還元処理 酸化処理 ⾦属微粒⼦ 金属板 ・省プロセス化による、より安価なCNT⽣産 ・様々な基板形状へのCNT合成による⽤途の拡⼤ →伝熱促進機能 表1 熱伝導度 材 料 100 μm 1 μm 熱伝導度 [W/(m·K)] カーボンナノチューブ > 3,000 銅 400 炭素繊維 - Pitch 1,000 炭素繊維- PAN 8 - 105 金属多孔体内に合成したカーボンナノチューブ 2/3 結論: 1) カーボンナノチューブをステンレス等の金属表面に直接合成することが可能 2) 複雑な形状の表面にカーボンナノチューブを合成することが可能 3) カーボンナノチューブの熱伝導度が極めて高いことから、カーボンナノチューブを 合成した固体表面は熱伝導促進の機能を持つと期待される。 ➡ 内部を流れる流体に対して伝熱を促進する毛細管等を作製できる可能性 今後の展開、応用への展開: ・毛細管内壁にカーボンナノチューブ合成 ➡ 用途開発 (伝熱を考慮した応用を含む) ・多孔体内にカーボンナノチューブ合成 (高比表面積・高電導性の材料) ・カーボンナノチューブを表面に合成した 様々な形状の金属材料の新しい用途開拓 300 nm 100 m 100 m ステンレス金網表面に合成した カーボンナノチューブ 3/3
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