平成28年9月23日招集の定例県議会における知事提案説明

平 成 28 年 9 月 23 日 招 集 の 定 例 県 議 会
に お け る 知 事 提 案 説 明 要 旨
本日ここに9月定例県議会を招集申し上げましたところ、
議員各位におかれましては御参会を賜り、議案をはじめ、当
面する県政の諸課題について御審議いただきますことに、心
から感謝を申し上げます。
はじめに、樋口
議員におかれましては、去る9月16
日に御逝去されました。心から哀悼の意を表する次第でござ
います。
樋口議員は、平成9年9月、地元の信望を集めて県議会議
員に当選され、警察委員、環境生活農林委員などを歴任され
た 後 、平 成 1 1 年 に 総 務 副 委 員 長 に 就 任 さ れ ま し た 。さ ら に 、
平成12年に土木住宅都市委員長、平成14年に文教委
員長に就任され、平成18年には埼玉県議会副議長、平成
26年には埼玉県議会議長を務められるなど、県政の進展に
多大な御貢献をいただきました。
議員の逝去は、本県にとりまして大きな損失であり、痛惜
の念を禁じ得ません。
ここに議員の御功績をしのび、謹んで御冥福をお祈り申し
上げます。
ニ ゼ ロ イ チ ロ ク
さて、世界中から注目を集めたリオデジャネイロ2016
オリンピック・パラリンピック競技大会が成功裏に幕を閉じ
ました。
大会での日本選手の躍進は目覚ましく、埼玉県ゆかりの選
- 1 -
手たちも数多く活躍されました。
次は、いよいよ2020年の東京オリンピック・パラリン
ピックとなります。
本県では、オリンピックでは、バスケットボール、サッカ
ー、ゴルフ、射撃の4競技、パラリンピックでは射撃の1競
技が開催されることになっており、世界中の注目を浴びるこ
とになります。
また、その前年には熊谷ラグビー場においてラグビーワー
にせんじゅうきゅう
ルドカップ2019が開催されます。
両大会の成功のために県民、関係者一丸となって「オール
埼玉」体制で取り組んでいくとともに、本県の魅力を広く世
界に発信してまいります。
さて、私は去る9月8日から14日まで、アメリカ合衆国
のカリフォルニア州とミズーリ州を訪問いたしました。
カリフォルニア州では、シリコンバレーのキーパーソンと
く し だ け ん じ
も言えるスタンフォード大学の櫛田健児氏やジョン・ルース
前駐日特命全権大使と会談し、日系企業のシリコンバレーで
のビジネス展開についての意見交換を行ったところでござい
ます。
本県の「先端産業創造プロジェクト」の取組を紹介すると
ともに、県内企業とシリコンバレーの企業との連携について
協力を要請したところ、賛意を示していただきました。
また、ジェトロ・サンフランシスコ事務所長や現地に進出
- 2 -
している県内企業のトップと会談し、アメリカにおけるビジ
ネスの起業の動向などについて意見交換を行いました。
ミズーリ州では「日本・米国中西部会」に出席し、日米両
国の要人約300人を前に、本県の先進的な取組や優れたビ
ジネス環境についてアピールをしてまいりました。
このたびのアメリカ訪問の結果を踏まえ、今後とも先端産
業の創出や誘致に努めるとともに、県内中小企業の海外での
ビジネス展開を積極的に支援してまいります。
そ れ で は 、今 定 例 会 に 御 提 案 申 し 上 げ ま し た 諸 議 案 の う ち 、
主なものにつきまして、順次、御説明をいたします。
はじめに、第92号議案「平成28年度埼玉県一般会計補
正予算(第2号)」でございます。
まず、埼玉農業の競争力強化のための「次世代技術実証・
普及センター(仮称)」の整備でございます。
本県では、農業技術研究センター久喜試験場内に次世代施
設園芸拠点を整備し、ICTなど高度先端技術を活用した高
収益栽培の技術を確立する、埼玉スマートアグリ推進事業に
取り組んでいます。
この事業に関しては、去る2月定例県議会の環境農林委員
会において、「県内園芸生産者の技術の向上、生産力の強化
のため、県が責任を持って実証・普及を一元的に行う体制」
を整えるべきとの附帯決議がなされました。
県では、今年の6月から7月にかけて県内のトマト生産者
- 3 -
を対象にアンケート調査を行うとともに、生産者を直接訪問
して御意見を伺いました。
高度な栽培技術の実証を進める埼玉スマートアグリ推進事
業に対し、回答者のほとんどの方から期待の声が寄せられま
した。
一方では、水耕栽培での実証に加えて、県内で一般的な土
耕栽培での実証研究や実証データの公開にも取り組んでほし
いとの御要望をいただきました。
このため、埼玉スマートアグリ推進事業で得られた次世代
技術を、土耕栽培を含めて実証し、その結果を県内生産者に
普及する「次世代技術実証・普及センター(仮称)」を埼玉
次世代施設園芸拠点に隣接して設置するものでございます。
次に、さいたま水族館の復旧についてでございます。
去る6月12日の火災で損傷した施設の復旧工事を早期に
行い、来年3月の春休み期間までに営業が全面再開できるよ
うにしてまいります。
ディーエムオー
このほか、埼玉県物産観光協会について、日本版DMOと
してふさわしい体制の強化を支援します。また、歩行者の安
全確保のための歩道や自転車レーンの整備など公共事業の追
加 な ど に つ い て 、所 要 の 補 正 を お 願 い す る も の で ご ざ い ま す 。
この結果、一般会計の補正予算額は、
13億8,304万円となり、既定予算との累計額は、
- 4 -
1兆8,824億3,499万1千円となります。
次に、その他の議案のうち主なものにつきまして、御説明
をいたします。
第96号議案「埼玉県特別県営住宅条例の一部を改正する
条例」は、東日本大震災による福島県からの自主避難者の住
宅を引き続き確保するため、特別県営住宅である上尾シラコ
バト団地の入居者資格要件を緩和するものでございます。
第97号議案「埼玉県病院事業の設置等に関する条例の一
部を改正する条例」は、県立小児医療センター新病院及び県
立循環器・呼吸器病センター新館の開設に伴い、診療科目の
追加等を行うものでございます。
や
ん
ば
第105号議案「八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変
更に係る意見について」は、基本計画のうち事業費を
約4,600億円から約5,320億円に改めることについ
て、国土交通大臣から意見を求められたものでございます。
や
ん
ば
八ッ場ダムの建設に関しては、平成16年に事業費が4,
600億円に倍増したことを踏まえ、国はこれまでその事業
費の範囲内で完成を目指すとしてきただけに、今回の増額は
簡単に納得できるものではありませんでした。
増 額 理 由 等 に つ い て 、1 都 5 県 の 担 当 者 が 合 同 で 調 査 を し 、
有識者にも御意見を伺った上で、やむを得ないものだと考え
たところです。
や
ん
ば
八ッ場ダムは本県にとって治水と利水両面で極めて大きな
- 5 -
役割を担っています。
国に対しては、更に徹底したコスト縮減に取り組み、総事
業費を圧縮するとともに、早期完成を図るように求めてまい
ります。
その他の議案につきましては、提案理由等により御了承を
いただきたいと存じます。
以上で私の説明を終わりますが、なにとぞ慎重審議の上、
御議決を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
- 6 -