青い心臓 文生みすゐ 作 いきることは、本当は何よりも難しい。 ふたつだけでいいです。 好きか嫌いか、 白か黒か、 0か1か、 ふたつだけあれば立っていられる気がした 好きじゃないとか、 むげんの灰色とか、 小数点と見えない数とか、 そういうの、いらないんです、いらないでしょう。 いきているか、しんでいるか、それもふたつだけでいいんです、 そうしたら息をしているだけでいきているって誰もいわなくなる。 地球は何も愛さないし、太陽は何もみていない、 呼吸をしているだけで誰もが生きていてそれがなによりも尊いって誰が 言ったの。嘘つきだネ。 可哀そうだ 騙されてるんだ。 じんせいってのは空虚でしかなくてなにもない、 だから青い心臓をけずって価値を産まなくちゃいけない、と 知っているひとがすくないから 朽ちていくだけの息をするカタマリをひたすら称賛しては ひきちぎりながら、パンや紙切れのように捨ててゆくよ グッバイ鼓動また来世。 ナップサックに詰めたら滴り落ちたのは咲かなかった花の血だ 青い心臓 青い心臓 作 文生みすゐ 更新日 2016-09-17 登録日 2016-09-17 形式 自由詩 文章量 掌編(433文字) レーティング 全年齢対象 言語 ja 管轄地 JP 権利 Copyrighted (JP) 著作権法内での利用のみを許可します。 発行 星空文庫
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