金木犀 向かってくる金木犀の香は重い すぎ去った私を振り向かせ 憂い、酸っぱさをひっぱりだしてくる 夜では、より強まり そこだけ妙に発光しているよう 腫れぼったくさせる、幾重にもまとい、 すこしずつ冷えてきた空気を 避けるなんてことはしない ただ、露わにさせられないよう 伏し目がちに その前を通り抜けるのみ 皆さんも感じたことはありませんか? 二木 幸 作 金木犀 金木犀 金木犀の香は、小学生の頃から馴染みのあるものです。この季節になると、その強い香りを嫌が応にも嗅がされて、 過ぎ去ることしか出来ません。 嫌いではないのに、何故か、嫌な思い出を懐旧させるこの匂いには、不思議な力が 掌編︵160文字︶ 自由詩 2016−09−16 2016−09−16 二木 幸 込められているのかもしれませんね。 作 更新日 登録日 形式 文章量 星空文庫 Copyrighted ︵JP︶ 著作権法内での利用のみを許可します。 JP ja レーティング 全年齢対象 言語 管轄地 権利 発行
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