インド:石炭省次官 石炭需要の減少は一時的

インド:石炭省次官 石炭需要の減少は一時的
2016 年 9 月 15 日掲載
9 月 6 日付けの地元報道によると、石炭省(MOC)次官は、石炭需要の減少は一時的なものとした。同次
官は、石炭省大臣は 10 億トン目標を止めたとは公表しておらず、石炭省は、まだ 10 億トン目標に向かって進
んでいるとした。同次官の発言は以下のとおり。
(1)石炭価格または電力プロジェクトの根本的なコスト : インドの石炭価格は安価であり、他国の価格
と比較して最も安いとし、本当の問題は電力需要の不足である。
(2)石炭公社(CIL) : 鉄道運賃の値上げ、石炭地方税は、その利益には影響しない。
(3)石炭鉱区の競売 : 市場環境にもよるが、4 回目の石炭鉱区競売での参加者はさほど多くないと思われ
るので、競売を延期し、様子を見る。
(4)石炭生産目標 : 政府は、CIL の生産目標 2020 年 10 億トンは止めてはおらず、2~3 年後には再検討さ
れる。
(5)火力発電所の設備稼働率(PLF) : 現在は 62%だが、将来は 70%となり、石炭の需要量は増加する。ま
た、火力発電所ではその発電能力が追加で増加するので、石炭生産量の削減とはならない。
(6)配電会社の債務解消策(Ujwal Discom Assurance Yojana : UDAY) : 地方政府の配電会社の財務状況
の改善の手助けとなり、石炭需要へ前向きな影響を与える。20 州と連邦直轄領は、UDAY に原則同
意し、16 の州では既に UDAY に調印している。UDAY では、地方政府は配電会社の累積負債の 75%
以上を譲り受け、25%は配電会社が社債を発行する。
(石炭開発部 辻
誠)
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