第3章 交通安全施策の重点

第3章 交通安全施策の重点
第3章 交通安全施策の重点
1 施策の重点
本計画においては、高齢者、自転車、二輪車の交通事故防止及び飲酒運転の
根絶に重点を置き、実効性のある各種施策を実施します。
また、生活道路及び幹線道路における道路交通環境の整備など、分野ごとの
各種交通安全対策を関係機関等と連携して推進します。
さらに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた交通安全の
確保や、高度道路交通システム(ITS)の活用も進めていきます。
(1) 高齢者の交通安全の確保
事故状況から分かるように、高齢社会の進展とともに高齢者の関係する事故
が増加し、他の年代と比較して、致死率が高く都内の交通事故死者の4割近く
を占めています。
高齢者の事故では、歩行中や自転車乗車中の事故による死亡事故が多く、
事故の発生場所は、自宅から500メートル以内が多いことから、これらの点に
重点を置いた安全な交通環境対策の強化が必要です。
また、高齢ドライバーの増加に伴い、高齢者が被害者のみならず加害者と
なる危険性も高くなっています。歩行中に亡くなった高齢者の中には、歩行者
側に何らかの違反があった割合が半数以上を占めており、高齢者の中には、
運転免許証を保有したことがなく、交通安全教育を受ける機会が少ない高齢者
も多いことから、参加・体験・実践型安全教育を推進するとともに、運転
免許証の自主返納制度への広報啓発活動の積極的な取り組みも必要となって
います。
(2) 自転車の安全利用の推進
近年、自転車は健康やエコ指向などで子供から高齢者まで幅広い年齢層に
利用され、利用形態も通勤、通学、買物など様々となっています。
自転車の事故件数は、ここ10年横ばい状態で推移しており、平成23年以降
死亡事故は発生しておりませんが、事故原因は、信号無視や安全不確認等の
交通ルール無視、歩行者に対する通行妨害等の違反行為が主な原因となって
おり、交通マナーの向上対策の必要性があげられます。
このため、自転車利用者に対して「自転車安全利用五則」の周知徹底、参加・
体験・実践型の安全教育の推進、指導取締りの強化、TSマークの推奨など
様々な取組みを行うことで自転車の安全利用を推進します。
第10次中央区交通安全計画
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第3章 交通安全施策の重点
(3) 二輪車の安全対策の推進
二輪車の事故は、この10年で件数は265件(65.3%)
、死傷者数は257人(64.2%)
と大幅に減少しました。しかし、10年間の死者数に占める二輪車による死者数
の割合は、32.2%を占め、頭部損傷及び胸部損傷が主因で亡くなっています。
このため、二輪車運転者に対して、ヘルメットやプロテクターの正しい装着
など広報啓発活動の推進による安全意識の徹底とともに、運転技能向上のための
効果的な安全教育を推進し、更に指導取締りの強化を図ります。
(4) 飲酒運転の根絶
飲酒運転は、自ら酒を飲み、なおかつ自動車等を運転するという故意によって
成り立っている点で、一般的な交通違反・交通事故と違いその悪質性は特異な
「犯罪」と言えます。
アルコールは人の認知判断能力を低下させ、重大事故に繋がることが多く、
致死率は事故全体の平均の約10倍に及びます。
平成19年9月に道路交通法の改正により飲酒運転の罰則強化が図られ、都内
の飲酒運転による交通事故の発生件数は、平成18年が912件、27年が158件と
激減しました。今後も飲酒運転の根絶に向けて、啓発や取締り活動を推進し、
飲酒運転の根絶を目指します。
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