〈平成28年度県央地域農業改革推進方針〉 県央農林事務所では, 「茨城農業改革大綱(2016~2020) 」や「茨城県森林・林業振興計画(2016~2020) 」 の主要テーマと管内農林業の情勢を踏まえ,平成 28 年3月に「県央地域農林振興計画」を策定し,5カ年 の目指すべき目標とそのための施策等を示しました。 平成 28 年度は,県央地域農業の特長として「茨城農業改革大綱」中の産地ビジョンに位置づけた,次の 5項目を重点に所内横断的なプロジェクトチームが中心となり取り組んでまいります。 1 ほしいも・くり産地の強化 ほしいもは,伝統産地として蓄積された栽培・加工技術を地域で共有・研鑽する新たな研究会を設立 し,知名度や顧客(リピーター)確保など新興産地に先んじた優位性の強化を図るとともに,ほしいも を原料としたスイーツなどの商品開発や産地PR活動を支援します。 くりは,生産意欲の高い農業者を核に品種別出荷や低温貯蔵等による有利販売や加工・直売への取組 を支援します。また,農商工観が連携した地域ぐるみのくり産地としてのイメージ浸透を支援していき ます。 2 需要に対応できる加工・業務用野菜の産地づくり 食の外部化が進み加工・業務用野菜の需要は伸びています。キャベツやほうれんそう,しょうがなど は,契約栽培取引で求められる食材としての安全安心を裏付けるGAP等の取組を推進するとともに, 加工に適した品種の選定や作期の拡大,定品質・定時・定量出荷に必要な施設整備,高性能機械(収穫 機)や流通資材(鉄コンテナ)の導入,担い手の経営戦略に合った区画拡大などの簡易な基盤整備を推 進します。 3 畜産・水田農業の国際競争力強化 畜産については,TPP 協定の影響が特に懸念されることから,飼料用稲(飼料用米・稲 WCS)等の国産 飼料の増産とその利活用,良品質な堆肥の農地への還元などの耕畜連携を支援するとともに,施設や機 械等の生産基盤の整備を支援します。 水田農業については,基盤整備による耕作条件の改善と農地中間管理機構を介した担い手への農地集 積・集約を連動させ,経営の効率化を図ります。また,主食用米では“ふくまる”の大粒生産(2.0mm) を,飼料用稲(飼料用米・稲 WCS)では直播栽培等による生産コスト低減や飼料としての品質向上を支援 します。 4 農業関係学校等と連携した新規就農者等の確保・育成 管内4つの農業関係学校(鯉淵学園農業栄養専門学校,日本農業実践学園,県立農業大学校,県立水 戸農業高等学校)と市町村,JA,農業法人等による学生の就農や就農後の経営安定に向けた支援の場を 新たに設けます。 また, 農業経営士をはじめとする将来の目標になる農家と新規就農者の交流を促します。 5 地域資源を活かした中山間地域の活性化 生産組織や市町村等と連携して,都市住民に中山間地域の豊かな自然や景観を体感してもらい,その環境で 生産された地元農産物等に愛着を持ち,率先して購入していただけるよう消費者(応援者)との交流活動に取 り組みます。 また,中山間地域の特産品や加工品販売の拠点となる地元直売所の活性化を図るため,6次産業化プランナ ーなど専門家を活用して商品づくりの取組を支援します。
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