インド:CIL と石炭輸入量減少、石炭価格上昇 2016 年 9 月 15 日掲載 9 月 10 日付けの地元報道によると、 インドの石炭輸入量は、 国内石炭火力発電所の石炭在庫 20 日間分、 化石燃料の価格が発熱量 6,000 Cal/Kg で 50 USD/トン以上という状況下、減少傾向にある。 最近の石炭価格の上昇にて、中国石炭産業には利益がもたらされ、石炭公社(CIL)も世界の石炭価格に合 わせて 6.29%値上げした。 しかし、インドネシアの石炭会社には最近の石炭価格の回復の利益は得られていない。インドネシア炭 の約 37%は、インドにて消費されているが、CIL は石炭産業の需要に応じた調達の権限を有しており、イ ンドネシアの輸出業者とは衝突している。また、2 月からのインドのクリーンエネルギー税(石炭トン当たり 400 ルピー)は、インドネシア産の低発熱量の石炭需要にとって不利なものとなった。2016 年度の 4 カ月間 にて、インドネシアの石炭生産量は 10.5%減、輸出量は 14.3%減であった。 他方、インドは、南アフリカ(高発熱量炭)からの輸入量を増加させている。また、アジア産炭国では豪雨 にて生産量が妨げられ、結果的に生産量が減少した。 アナリストは、CIL は、高品位炭の価格値下げにて、セメント業界や海綿鉄業界の需要を喚起した。沿 岸部の火力発電所は、主として輸入炭に頼っているが、石炭価格の影響は僅かと思われる。しかし、イン ド国産の高品位炭への切り替えの選択肢はあるとした。 世界の石炭価格の上昇により、中国の幾つかの石炭会社は設備投資を増額しているが、CIL も、2016 年 度の設備投資額を 10.9%増額し 19.2 億 USD とした。 (石炭開発部 辻 誠) おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確 な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとら れた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願 い申し上げます。
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