ステップ4: 地磁気センサで方位を測る

第2部
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6章
絶対座標系での向きを知るために欠かせない
ステップ 4:
地磁気センサで方位を測る
角度
[deg]
近藤 亜希子
260
240
220
200
180
160
140
120
100
0
地磁気センサ
ジャイロ・センサ
2
4
6
8
10
時間[s]
12
14
16
18
図 1 ジャイロ・センサで求めたヨー角には誤差が含まれる
角度[deg]
260
大きく左
240 左からねじる運動
左
220
200
180
大きく
南側を向いて
開始
160
140
120
右
100
0
2
4
6
小さく
右
8
10
時間[s]
(a)左へねじる
(b)右へねじる
小さく
12
14
16
18
図 2 ラジオ体操を行ったときの方位の変化
前章では,加速度センサ,ジャイロ・センサを用い
た姿勢情報の算出を行いました.しかし,加速度セン
サの重力加速度からは,方位(ヨー角)を知ることが
できません.また,ジャイロ・センサから算出した
ヨー角にはドリフトによる誤差が含まれるほか
(図 1),初期姿勢をゼロとして変化した角度しか分か
りません.そこで,絶対座標系における方位を知るた
めに,本章では地磁気センサを用いた方位計測につい
て解説します.
● 本章でできるようになること
図 2 に,ラジオ体操を行ったとき(写真 1)の,方位
の変化を示します.地磁気センサを両肩の中心に付け
ています.このように左右にどれくらい上体をひねっ
たのかが読み取れます.
72
X
Y
Z
(c)センサは両肩中心に取り付けた
写真 1 ラジオ体操第一のねじる運動を実行中
地磁気センサとは?
● 地球が大きな磁石であることを利用し方向を
知る
地球は,磁気の性質を持っており,大きな磁石に例
えられます(図 3)
.地球が作っている磁場を「地磁気」
といい,この地磁気を計測するのが地磁気センサです.
2016 年 9 月号