平泉町地域福祉計画 平成28年 平 泉 -1- 月 町 目 第1 次 計画策定にあたって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 1 地域福祉とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 2 地域福祉計画とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 3 計画策定の目的と背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 4 計画の期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 5 計画の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 6 個別計画の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 第2章 1 2 3 4 5 地域福祉を取り巻く状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 人口・世帯の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 高齢者の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 障がいのある人の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 児童・ひとり親の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 アンケートからみる状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 第3章 1 2 計画の基本的考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 計画の基本理念・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 計画の基本目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 第4章 施策の方向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 基本の目標① 福祉を支える人づくり・・・・・・・・・・・・・・・24 (1) 地域活動・ボランティア活動の充実・支援・・・・・・・・・・24 (2) 支え合い意識の醸成、福祉教育・・・・・・・・・・・・・・・25 基本の目標② 福祉サービス提供の仕組みづくり・・・・・・・・・・26 (1) 町社会福祉協議会との連携の強化・・・・・・・・・・・・・・26 (2) 民生児童委員の充実・支援・・・・・・・・・・・・・・・・・27 (3) 福祉サービス情報提供体制の充実・・・・・・・・・・・・・・28 (4) 相談支援体制の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29 (5) 利用者の権利擁護の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 基本の目標③ 安心・安全に暮らせるまちづくり・・・・・・・・・・31 (1) 安全・安心対策の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 (2) 社会的に支援を必要としている人を 支えるネットワークの構築・・・・・・・・・32 -2- 第5章 1 2 3 計画の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 計画内容の周知徹底・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 関係機関等との連携・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 計画の進行管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 資料編・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 -3- 第1章 計画の策定にあたって -4- 一般に福祉というと、高齢者福祉・障がい者福祉・児童福祉など対象者ごと に分かれたものを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。それは、こう した対象者ごとにそれぞれの法律や制度によって、必要な福祉サービスが提供 されてきたからです。 しかし、地域福祉とは、制度によるサービスを利用するだけでなく、地域の 人と人のつながりを大切にし、お互いに助けたり助けられたりする関係やその 仕組みをつくっていくことです。 これからのまちづくりは、子どもから高齢者まで住民の誰もが住み慣れた地 域の中で、心豊かに安心して暮らせるような仕組みをつくり、それを維持させ ていくことが求められています。そのためには、さまざまな生活課題について 住民一人ひとりの努力(自助)、住民同士の相互扶助(共助)、公的な制度(公 助)の連携によって解決していこうとする取り組みが必要です。 こうした背景には、それぞれ異なる個性を持った人々が、その個性を尊重しな がら他の人や行政などに過度に依存せず自立した生活を送ることができ、その上 で互いに協力して、お互いの不足を補い合いながら協働できる地域社会をつくる ということが前提となっています。 自 助 自分や家族による自助努力 連携 ボランティア・NPO、自治会等 による支え合い 行政計画等に基づいた 支援(各種福祉サービス) 共助(互助) 公 -5- 助 「地域福祉計画」は、「地域の助け合いによる福祉」を推進するため、一人 ひとりの尊厳を重んじ、人と人のつながりを基本として、困った時に助け合う 「顔の見える関係づくり」、お互いを認め合い支え合う「共に生きる社会づく り」を目指すための「理念」と「仕組み」をつくる計画です。 即ち、住民・福祉団体・福祉施設関係者などが、それぞれの役割の中で、お互い に力を合わせる関係をつくり、住民のボランティアパワー、関係諸団体の活動、 公的サービスの連携の下で、「自助」「共助」「公助」を重層的に組み合わせた「地域 ぐるみの福祉」を推進するための計画です。 近年、少子化等の影響により人口が長期的な減少傾向にあるなかで高齢化が 進展し、とりわけ一人暮らし高齢者や高齢者だけの世帯の増加が顕著となって います。また、核家族化が進む中で、住民の価値観や生活スタイルが変化し、 住民同士のふれあいや子どもから高齢者まで参加した地域活動なども少なくな ってきています。 このようなことから、高齢者の孤独死や引きこもり、介護や育児のストレス などが起因する家庭内暴力など、新たな社会問題が起こっており、地域社会の 状況が大きく変化しています。地域での住民相互の支え合い、自立した生活を 支援する福祉サービスなど複雑多様化する福祉のニーズに対応し、誰もが安心 して暮らせる福祉コミュニティーをつくることが求められています。 また、平成 23 年 3 月に発生した東日本大震災を契機に改めて地域における 人と人のつながり、支え合いの重要性が再認識されるとともに、平時からの地 域のつながりや緊急時における要援護者への支援体制の構築が求められていま す。 平成 12 年に社会福祉法が改正され、今後の社会福祉の理念の一つとして「社 会福祉の推進」が掲げ、地域住民や社会福祉事業者、社会福祉活動を行う者は、 相互に協力し、地域福祉の推進に努めなければならないとされており、こうし た地域福祉推進のための方策として、同法第 107 条で「地域福祉計画」の策定 が規定されました。 「すべての町民が住み慣れた地域で共に支え合いながら生きることができる」 ことをめざし、地域に住む住民同士のふれあい・助け合い・支え合いで活発な地 域づくりを進め、公的なサービスだけでは解決できない福祉の問題を地域社会の 力を活かし、共に解決していくことを目的とし、新たに地域福祉計画を策定する ものです。 この計画の期間は、5年間とし、関係諸法及び制度等の改正を踏まえ、適宜 必要な見直しを行います。 -6- 平泉町地域福祉計画は、社会福祉法第107条に規定する市町村地域福祉計 画として位置づけます。 この計画は、「新平泉町総合計画」を上位計画として、個別計画の「平泉町 高齢者福祉計画」、 「第6期介護保険事業計画」、 「平泉町障がい者福祉計画」、 「平泉町障がい福祉計画」、「平泉町子ども・子育て支援事業計画」などど整 合性を図り、中・長期的な視点で推進する計画です。 また、平泉町社会福祉協議会で策定している自主的な福祉活動を中心とした 行動計画「第 2 次平泉町地域福祉活動推進計画」と相互に連携するものとし ます。 図1-1 計画の相関関係 新平泉町総合計画 平泉町地域福祉計画 高齢者プラン 平泉町高齢者福祉計画 第6期介護保険事業計画 (一関地区広域行政組合) 障がい者プラン 平泉町障がい者福祉計画 第4期平泉町障がい福祉計画 子どもプラン 平泉町子ども・子育て支援事業計画 平泉町避難行動要支援者避難支援計画 健康ひらいずみ21(第2次) 今回策定 連携して検討・策定が考えられる計画 -7- 第 2 次 平 泉 町 地 域 福 祉 活 動 推 進 計 画 平 泉 町 社 会 福 祉 協 議 会 □新平泉町総合計画(平成 23 年~平成 32 年) 将来像:やすらぎと文化をおりなす 千年のまちづくり 目 標:みんなにやさしい 健康・福祉・子育て応援のまち みんなで創る魅力と活力にあふれる産業のまち みんなが主役 人が輝く教育・文化・スポーツのまち やすらぎの確保 自然にやさしい快適生活環境のまち ふれあいの醸成 定住と交流を支える生活基盤のまち ともに歩む みんなで進める協働のまち □平泉町高齢者福祉計画・第 6 期(平成 27年~平成 29年) 基本理念:地域で支え合い いつまでもいきいきと暮らせるまち ひらいずみ 基本目標:住み慣れた地域で暮らしを続けるための体制整備 高齢者の自立と安心した暮らしを支える地域づくり 根 拠 法:老人福祉法第 20 条の 8 □第6期介護保健事業計画(平成 27年~平成 29年) 基本理念:介護が必要になっても、尊厳を保持し、その有する能力に応 じ自立した日常生活を営むことができる 基本方針:高齢者が要介護状態や認知症となっても、住み慣れた地域で安 心して生活できるよう、介護、医療、生活支援、介護予防等を 充実させ、地域全体で高齢者を支え、切れ目なくサービスを提 供できる仕組みづくりである、地域包括ケアシステムの構築を 目指す 根 拠 法:介護保健法第 117 条 □平泉町障がい者福祉計画(平成 24 年~平成 29 年) 基本目標:すべての町民が安心して豊かに暮らせるまち ひらいずみ 基本方向:権利擁護・相談支援体制の充実を図る ライフステージに応じた切れ目のない支援を提供する 自立と社会参加の促進を図る 安心して暮らせる地域を作る □第 4 期平泉町障がい福祉計画(平成 27年~平成 29年) 基本方針:障がい者等の自己決定の尊重と意思決定の支援 障がい福祉サービスの一元化 入所等から地域生活への移行、地域生活の継続の支援、就労支 援等の課題に対応したサービス提供体制の整備 根 拠 法:障害者基本法、障害者総合支援法 -8- □平泉町子ども・子育て支援事業計画 (平成 27 年~平成 31 年) 基本理念:みんなで子育て 子ども・親・地域が輝く まちづくり 基本目標:安心して子どもを産み育てるまち 母性並びに乳幼児の健康の確保・増進 地域における子育ての支援 子どもの健やかな成長のための教育環境の整備 笑顔で子どもを育むまち 職業生活と家庭生活の両立の推進 要保護児童等へのきめ細かな対応 みんなが子どもをつつむまち 子育てを支援する生活環境の整備 子どもの安全の確保 根 拠 法:子ども・子育て関連3法 【参考】社会福祉法(抜粋) (目的) 第一条 この法律は、社会福祉を目的とする事業の全分野における共通的基本事項 を定め、社会福祉を目的とする他の法律と相まつて、福祉サービスの利用者の利 益の保護及び地域における社会福祉(以下「地域福祉」という。)の推進を図る とともに、社会福祉事業の公明かつ適正な実施の確保及び社会福祉を目的とする 事業の健全な発達を図り、もつて社会福祉の増進に資することを目的とする。 (地域福祉の推進) 第四条 地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する 活動を行う者は、相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会 を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の 活動に参加する機会が与えられるように、地域福祉の推進に努めなければならな い。 (市町村地域福祉計画) 第百七条 市町村は、地域福祉の推進に関する事項として次に掲げる事項を一体的 に定める計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、住民、社会 福祉を目的とする事業を経営する者その他社会福祉に関する活動を行う者の意見 を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、その内容を公表す るよう努めるものとする。 一 地域における福祉サービスの適切な利用の推進に関する事項 二 地域における社会福祉を目的とする事業の健全な発達に関する事項 三 地域福祉に関する活動への住民の参加の促進に関する事項 -9- 第2章 地域福祉を取り巻く状況 - 10 - 総人口は、年々減少しており平成25年度末で8,142人となっています。 また、平成32年の人口を予測した将来推計値でも、さらに減少を続けていくと 見込まれています。 図 年齢3階級別人口の推移 0~14歳 人 10,000 8,000 15~64歳 65歳以上 8,575 8,429 8,286 8,218 8,142 2,549 2,524 2,536 2,610 2,630 6,000 4,000 7,668 2,806 5,013 4,925 4,789 4,669 4,568 4,000 1,013 980 961 939 944 862 2,000 0 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H 25年度 H32年度 資料:住民基本台帳 平成22年度国勢調査における年齢構成を全国・岩手県と比較すると、本町 の人口構成は0~14歳の割合は低く、65歳以上の高齢者の割合は高くなっ ています。 図 人口割合の比較 0~14歳 平泉町 11.9% 岩手県 12.7% 全国 13.2% 0% 15~64歳 65歳以上 30.5% 57.7% 27.2% 60.1% 23.0% 63.8% 20% 40% 60% 80% 100% 資料:国勢調査 - 11 - 世帯数は増加傾向にありますが、1世帯当たりの人員は減少し核家族化が進 行しています。 図 総世帯数と1世帯当たり人数の推移 世帯 3,500 3,000 世帯数 3.3 3.2 総人口/世帯数 3.2 人 3.5 3.1 3.1 3.0 2,500 2.5 2,000 2.0 1,500 1,000 2,609 2,605 2,602 1.5 2,628 2,616 1.0 500 0.5 0 0.0 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 資料:住民基本台帳 65歳以上の高齢者は増加傾向にあり、さらに前期高齢者(65~74歳) を後期高齢者(75歳以上)が上回っています。高齢化率は著しい伸び率を見 せており、高い状態で推移しています。 図 65歳以上人口と高齢化率の推移 65~74歳 人 4,000 3,000 2,000 29.7% 2,549 高齢 化率 75歳以上 29.9% 2,524 30.6% 31.8% 32.3% 2,536 2,610 2,630 1,448 1,479 1,482 30.0% 20.0% 1,434 1,449 10.0% 1,000 1,115 1,075 1,088 1,131 1,148 0.0% 0 H 21年度 H 22年度 H 23年度 H 24年度 H 25年度 資料:住民基本台帳 - 12 - 高齢者世帯は、ひとり暮らし高齢世帯、高齢者のみの世帯とも大幅に増加し ています。 図 高齢者のいる世帯の推移 人 210 ひとり暮らし高齢世帯 高齢者のみの世帯 199 196 200 190 183 181 202 202 207 198 191 187 180 170 160 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 資料:民生児童委員調べ 65 歳以上の人口は、増加を続けていくと見込まれています。 図 65歳以上人口の推計 65~74歳 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 75歳以上 高齢化率 50.0% 45.0% 40.0% 35.8% 35.0% 35.0% 34.2% 32.4% 30.0% 25.0% 1,507 20.0% 1,523 1,492 1,483 15.0% 10.0% 1,272 1,240 1,153 1,183 5.0% 0.0% H26年度 H27年度 H28年度 H29年度 資料:平泉町高齢者福祉計画 - 13 - 介護保険制度における要介護認定者は、増加傾向にあります。特にも、要支 援1、要支援2、要介護1の増加は大きく、全体に占める割合も高くなっています。 認定率(65歳以上人口に占める割合)も増加傾向にあります。 人 図 要介護(要支援)認定者数の推移 600 490 18.8% 488 18.6% 67 77 50 72 69 58 44 80 87 103 111 58 57 66 55 75 51 500 16.6% 425 16.8% 424 17.6% 446 400 63 66 50 61 69 68 50 57 300 200 100 0 66 82 48 54 76 52 47 85 60 39 20.0% 要介護5 15.0% 要介護4 10.0% 要介護3 要介護2 5.0% 要介護1 要支援2 0.0% H21年度 H22年度 H23年度 H24年度H 25年度 要支援1 認定率 資料:介護保険事業計画 身体障害者手帳所持者は、ほぼ横ばいで推移し、総人口に占める割合は、総 人口の減少に伴い増加しています。 図 身体障害者手帳所持者数の推移 18歳未満 人 600 総人口に占める割合 18歳以上 6.0% 5.3% 5.3% 5.2% 500 5.5% 5.4 % 5.0% 400 4.0% 300 3.0% 200 439 444 440 442 445 2.0% 1.0% 100 0 3 H 2 1 年度 0 1 2 2 H 2 2 年度 H 2 3 年度 H 2 4 年度 H 2 5 年度 0.0% 資料:平泉町障がい者福祉計画 - 14 - 養育手帳所持者は、微増傾向で推移し、総人口に占める割合は、総人口の減 少に伴い増加しています。 図 療 育 手 帳所 持者数の推移 18歳未満 人 120 総人口に占める割合 18歳以上 1.2% 100 1.0% 1.0% 1.0% 0.9% 1.1% 1.0% 0.8% 80 0.6% 60 68 40 73 73 76 76 0.4% 0.2% 20 13 10 11 9 14 H 2 1 年度 H 2 2 年度 H 2 3 年度 H 2 4 年度 H 2 5 年度 0 0.0% 資料:平泉町障がい者福祉計画 精神障害者保健福祉手帳所持者は、微増傾向で推移し、総人口に占める割合 は、総人口の減少に伴い増加しています。 人 300 図 精神障害者保健福祉手帳所持者数等の推移 3.0% 2.5% 250 2.1% 2.1% 200 自立支援医療受 給者 100 50 2.0% 1.7% 150 158 137 42 46 95 手帳所持者 2.5% 51 152 128 47 1.0% 49 0 0.0% H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 自立支援医療受 給者数の総人口 に占める割合 資料:平泉町障がい者福祉計画 - 15 - 児童人口は、微減傾向で推移し、0~5歳人口に総人口に占める割合は、ほ ぼ横ばいで推移しています。 図 児童人口(0~17歳)の推移 人 2,000 14.2% 1,500 1,218 14.1% 13.9% 13.7% 15.0% 12~17歳 1,153 1,148 1,161 10.0% 6~11歳 1,000 453 408 430 434 500 413 409 394 391 352 336 324 336 0 5.0% 0~5歳 0.0% 0~5歳人口の 総人口に占め る割合 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 資料:住民基本台帳 父子世帯は、ほぼ横ばいで推移し、母子世帯は微増傾向で推移しています。 図 ひとり親世帯数の推移 父子世帯 人 母子世帯 100 75 50 11 74 72 69 68 25 15 9 11 73 9 0 H21 年度 H 22年度 H23年度 H24年度 H25年度 資料:民生児童委員調べ - 16 - 本計画の策定に向け、町民の福祉観や地域活動への参加状況などの実態、町 民のご意見・ご提言などを把握するため、アンケート調査(平成26年4月調 査)を実施しました。そこからみえる主な現状等は次のとおりです。 ■調査概要 調査対象者 調査対象者数 抽出方法 調査方法 調査実施期間 回収結果 ■回答者の属性 性別 年代 居住地区 職業 家族構成 居住年数 町内の20歳以上の男女 1,000人 住民基本台帳より無作為抽出 郵送配布・郵送回収調査方法 平成26年3月 回収数:603件、回収率:60.3% 「男性」が40.5%、「女性」が59.2% 「70代」が37.7%と最も多く、次いで「60代」が 25.5%、「50代」が15.8% 「平泉地区」が71.5%、「長島地区」28.0% 「無職」が31.0%と最も多く、次いで「会社員、団体 職員」23.1%、「農業」14.1% 「二世代世帯(親と子)」が39.5%と最も多く、次いで 「夫婦のみ」20.2%、「三世代世帯(親と子と孫)」18 .1% 「30年以上」が70.1%と最も多く、「20~30年」 10.6%、「10~20年」7.8% - 17 - (1)地域活動・ボランティア活動 「地域活動や行事への参加状況」については、「積極的に参加」と「ほとん ど参加」を合算させた『参加』が41.3%、「あまり参加していない」と「参 加していない」を合算させた『不参加』が54.4%と、『不参加』が『参加』 を上回っています。 『参加』は壮年層、熟年層、特に女性が多くなっており、『不参加』は若年 層が多くなっています。 N=603 無回答 4.3% 4 参加していない 16.9% 3 あまり参加していない 37.5% 2 ほとんど参加 28.7% 1 積極的に参加 12.6% 0% 25% 50% 75% 100% 「ボランティア活動への参加状況」については、「ない」が「ある」を上回 っています。若干、女性の参加が多くなっています。 N=603 無回答 4.3% 2 ない 50.4% 1 ある 45.3% 0% 25% 50% 75% 100% 地域活動やボランティア活動は、今後の地域づくりにおいて欠かすことの できない重要な役割を担っていることから、引き続きさまざまな活動を通じ た地域活動やボランティア活動への参加が求められています。 - 18 - (2)住民同士の支え合い活動 「住民同士のつながり支え合いの状況」については、「いつも感じる」と「時 々感じる」を合算させた『感じる』が76.5%、『感じられない』が11. 9%と、『感じる』が『感じられない』を上回ってはいますが、希薄化が進ん でいると考えられます。 N=603 無回答 2.3% 4 わから ない 9.3% 3 感じられない 11.9% 2 時々感じる 44.3% 1 いつも 感じる 32.2% 0% 25% 50% 75% 100% 「福祉で重点とすべきこと」については、「住民がお互いに助け合えるまち づくり」が47.3%と半数の人が望んでいます。 N=603 無回答 7.1% 10 その他 1.3% 9 気軽に集 まれる場の充実 22.2% 8 気軽に相談できる人や場所の充実 32.8% 7 福祉サービスに関する情報提供 26.2% 6 幼稚園や学校などにおける福祉教育 16.3% 5 個人の自立を支援するためのサービスの充実 15.1% 4 住民がお互いに助け合えるまちづくり 47.3% 3 ボランティアや NPOなどの町民活動への支援 5.5% 2 在宅福祉 を支えるサービスの充実 40.6% 1 健康や生きがいづくりへの支援 38.1% 0.0 25.0 50.0 75.0 100.0 町民の福祉意識を高めるとともに、日常的に助け合える行動につながるよ う啓発を進める必要があります。 - 19 - (3)町社会福祉協議会について 「町社会福祉協議会に期待すること」については、「福祉サービスの情報提 供」が51.6%、「福祉に関する総合的な相談・援助活動」が42.5% となっており、町民の多くが期待していると考えられます。 N=603 無回答 12.4% 11 その他 1.7% 10 期待していない 5.0% 9 福祉教育や啓発活動 10.3% 8 ボランティア活動の支援や講座の開催 15.9% 7 子育て支援 22.9% 6 障がい者(児)や家族などの組織化と援助 23.6% 5 介護者の支援 40.6% 4 福祉に関する総合的な相談・援助活動 42.5% 3 高齢者の集える場所づくり 26.9% 2 身近な場所での福祉の拠点づくり 25.7% 1 福祉サービスの情報提供 51.6% 0% 25% 50% 75% 100% 町民の多くが期待している一方で、町社会福祉協議会の存在を知らない人や 活動内容も把握していない人も多くいます。 町社会福祉協議会の存在や活動内容の周知を図り、地域福祉を推進してい くうえで、重要な役割を担っていくことが求められています。 - 20 - (4)民生児童委員の認知度 「民生委員の認知度」については、「どんな活動しているのか大体知ってい る」と「どんな活動しているか少し知っている」を合算させた『知っているが』 が66.4%、「聞いたことはあるが、どんな活動しているかは知らない」が 27.0%となっており、民生児童委員の存在は知られているが、活動内容に ついて理解されていない面も考えられます。 N=603 無回答 4.5% 4 聞いたこともない 2.2% 3 聞いたことはあるが、どんな活動をして いるかは知らない 27.0% 2 どんな活動しているか少し知っている 37.2% 1 どんな活動しているのか大体知ってい る 29.2% 0% 25% 50% 75% 100% 民生児童委員は、地域の身近な相談相手であり、活動内容の周知を図って いくことが求められています。 - 21 - (5)福祉サービスの情報の入手状況 「福祉サービスの情報の入手状況」については、「十分できている」と「大 体できている」を合算させた『できている』が24.6%、「ほとんどできて いない」と「あまりできていない」を合算させた『できていない』が57.2 %、『できていない』が『できている』を大きく上回っています。また、「わ からない」方も15.9%となっています。 N=603 無回答 2.3% 5 わからない 15.9% 4 ほとんどできていな い 19.4% 3 あまりできていない 37.8% 2 大体できている 21.4% 1 十分できている 3.2% 0% 25% 50% 75% 100% 「福祉サービスの情報の入手先」については、「町の広報紙」、「町社会福 祉協議会の社協たより」や「新聞・雑誌」など書面・書物が情報源となってお り役場や町社会福祉協議会の窓口での入手は少ない状況です。 N=603 無回答 10 その他 9 インターネット 8 友人や近所の人 7 テレビ・ラジオ 6 新聞・雑誌 2.3% 3.7% 6.0% 30.2% 29.7% 30.9% 5 民生委員・児童委員 4 社会福祉協議会の窓口 3 社会福祉協議会の「社協だより」 2 役場の窓口 1 町の広報誌(広報ひらいずみ) 7.8% 7.6% 30.5% 9.8% 72.0% 0% 25% 50% 75% 100% 福祉サービスを必要とする全ての人に、福祉サービスに関する情報の提供 や相談体制の充実が求められています。 - 22 - 第3章 計画の基本的考え方 - 23 - この計画は、新平泉町総合計画において「やすらぎと 文化をおりなす 千 年のまちづくり」を将来像として掲げ、その実現に向けた基本目標の一つを「み んなにやさしい 健康・福祉・子育て応援のまち」とし、すべての町民が住み 慣れた地域で共に支え合いながら、いきいきと生活ができる社会づくりを目指 し、より多くの人々の福祉活動への参画を促進しながら、町民と行政が一体と なり、地域福祉の充実に向けた取り組みなど、地域福祉活動を推進するものと します。 こうした考え方に立ち、目指す基本理念を、 『共に支え合い やすらぎを感じる 福祉のまちづくり』 と掲げ、本町における地域福祉を推進していきます。 ① 福祉を支える人づくり 私たちは、自分の住んでいる地域に関心を持ち、地域の生活課題を自分自 身の問題として捉えられるよう、人づくり、組織づくりを推進します。 ② 福祉サービス提供の仕組みづくり 私たちは、支援を必要とする人たちが住み慣れた地域で、質の高い福祉サ ービスが利用できるよう福祉サービスの提供の仕組みづくりを推進します。 ③ 安心・安全に暮らせるまちづくり 私たちは、町民一人ひとり、子どもから高齢者まで、障がいのある人もな い人もそれぞれの能力を活かした社会生活や快適な日常生活を送れるよう、 安心・安全に生活できる環境づくりを推進します。 - 24 - 基本理念 基本目標 ①福祉を支える 共に支え合い 人づくり 基本目標達成のための取り組み (1)地域活動・ボランティア活動の充実・支援 (2)支え合い意識の醸成、福祉教育 やすらぎを感じる (1)町社会福祉協議会との連携の強化 (2)民生児童委員の充実・支援 ②福祉サービス 提供の仕組み づくり (3)福祉サービス情報提供体制の充実 (4)相談支援体制の充実 福祉のまちづく り (5)利用者の権利擁護の推進 ③安心・安全に 暮らせるまち づくり (1)安心・安全対策の充実 (2)社会的に支援を必要としている人を 支えるネットワークの構築 - 25 - 第4章 施策の方向 - 26 - (1) 地域活動・ボランティア活動の充実・支援 【現状と課題】 地域活動・ボランティア活動の担い手は壮年層や熟年層で女性が多くなっ ています。自主的・実践的な地域福祉活動を展開し定着させるためには、ボ ランティア活動に対する関心を深めるとともに男性や若者の参加を促進させ る必要があります。 【施策の方向】 地域を基盤に活動する様々な団体やボランティア等が活動しやすい環境を 整備します。 町社会福祉協議会ボランティアセンターの機能充実を、町社会福祉協議会 と連携のもと推進します。 《自助》 ・地域活動やボランティア活動に関心を持ちます。 《共助》 ・あらゆる世代の人が地域活動・ボランティア活動に参加しやすい環境づ くりに努めます。 ・町社会福祉協議会は、地域福祉活動の積極的な展開やボランティアセン ターの活性化に取り組みます。 《公助》 ・あらゆる世代の人が地域活動・ボランティア活動に参加しやすい環境を 整備し、活動の活発化を促進します。 ・町社会福祉協議会と連携し、町社会福祉協議会ボランティアセンターの 充実を図るとともに、ボランティア活動をコーディネートする人や機関 の充実を図ります。 【主な施策等】 地域介護予防活動事業 さくらの会 婦人会・老人クラブ活動 ボランティア団体連絡協議会 スクールガード - 27 - (2) 支え合い意識の醸成、福祉教育 【現状と課題】 地域には、高齢者や障がいのある人、子育て中の親子など、日々の生活の 中で様々な課題を抱えながら暮らしているなど、手助けを必要としている人 が増加しています。こうした人たちへの理解を深め、自然に声をかけ、支援 の手を差し延べることができる思いやりの心を育むことが大切です。 また、幼児や児童生徒等、早くから“支え合いの必要性”にふれる機会を 推進するとともに、さまざまな広報・啓発活動により町民の福祉意識の醸成 を図る必要があります。 【施策の方向】 地域のすべての人々が、お互いを認め合い、共に支え合うことへの理解を 図ります。 学校教育や生涯学習などを通じて、福祉や人権に対する意識の向上を図り ます。 《自助》 ・福祉や人権に対し、関心を持ちます。 ・相手を思いやる気持ちを育みます。 《共助》 ・地域で福祉や人権について学ぶ機会を設けます。 ・福祉にふれる多様な体験の機会を設け、地域全体の意識を高めます。 《公助》 ・福祉に対する意識の向上や福祉・人権教育を推進します。 ・広報・啓発に努め、地域での支え合い意識の醸成を図ります。 ・障がいのある人に対する理解を深める取り組みを推進します。 【主な施策等】 認知症サポート養成講座 傾聴ボランティア養成講座 子育て支援ボランティア養成講座 介護予防サポーター養成講座 平泉町社会福祉大会 - 28 - (1) 町社会福祉協議会との連携の強化 【現状と課題】 社会福祉協議会は、「地域福祉の推進を目的とする団体」として位置づけ られており、地域福祉を推進していくうえで、重要な役割を担っています。 町社会福祉協議会でも、関係行政機関、福祉団体などとの連携のもと、福祉 サービス事業の展開を進めています。 しかしながら、近年の急速に進む少子高齢化や核家族化等にともない、福 祉のニーズが多様化し、従来の活動では対応しきれない状況が出始めていま す。 町社会福祉協議会の存在や活動内容に対しての理解が低いという一面もあ り、地域福祉の推進母体としての社会福祉協議会の役割を積極的にPRして いくとともに連携を強化していく必要があります。 【施策の方向】 町社会福祉協議会は地域福祉の推進母体であり、住民や地域活動団体、行 政等のコーディネート役として、福祉の課題を把握し、その課題に対応した 事業展開を図ります。 《自助》 ・町社会福祉協議会の活動に理解を深めます。 《共助》 ・町社会福祉協議会は、活動内容についてPRを図ります。 ・町社会福祉協議会は、地域福祉推進計画の推進を図ります。 《公助》 ・町社会福祉協議会「地域福祉活動推進計画」と「地域福祉計画」との連 携を図ります。 ・町社会福祉協議会との連携により、地域における福祉課題、福祉ニーズ の共有を図ります。 【主な施策等】 地域活動支援センター補助金 社会福祉活動専門員設置事業補助金 社会福祉協議会事務局長設置補助金 生活福祉推進事業補助金 地域子育て支援拠点事業補助金 高齢者保健福祉推進特別事業補助金 - 29 - (2) 民生児童委員の充実・支援 【現状と課題】 民生児童委員の相談支援活動件数は年 1,290 件(26 年度)と増加してお り、相談支援活動以外の活動では各会合や行事・事業への参加を目的とする 活動への参加件数が増加しており、要援護者への相談支援活動を充実させる 必要があります。しかしながら、福祉ニーズが多様化し各種制度や福祉に関 する情報が増えており福祉に関する情報のすべてを理解することは困難とな っています。 また、地域の身近な相談相手である民生児童委員の活動内容を知らない住 民が多く、民生児童委員が果たす役割の重要性に関し、一層の周知・啓発を 図る必要があります。 【施策の方向】 住民が民生児童委員の活動を理解できるよう、また、民生児童委員が活動 しやすい環境づくりを進めるため、活動の周知を図ります。 民生児童委員が新しい福祉ニーズを発見できるよう、また、各関係機関と のネットワークを活かして問題を解決できるよう、研修内容を充実させ、資 質の向上を図ります。 《自助》 ・民生児童委員の活動に対する理解を深めます。 ・民生児童委員に生活に関する相談をします。 《共助》 ・町民生児童委員協議会は、地域住民への民生委員活動の周知を図り、様 々な地域団体との協力関係を築きます。 ・町民生児童委員協議会は、研修内容を充実したものとし、民生児童委員 の資質向上を図ります。 《公助》 ・町広報やホームページを活用し、民生児童委員活動を広く周知します。 ・町民生児童委員協議会が実施する研修が充実した内容になるよう支援を 行い、民生児童委員としての資質向上を支援します。 【主な施策等】 福祉行政推進活動 民生児童委員協議会活動補助金 民生委員・児童委員の日 民生児童委員定例会・研修会 - 30 - (3) 福祉サービス情報提供体制の充実 【現状と課題】 福祉サービス等の提供は、これまでの措置制度から、住民が自らサービス を選択し、契約して利用する制度に変わってきており、住民が福祉サービス を適切に選択し、利用するための必要な情報の充実が求められています。 福祉サービスの入手状況について、情報を入手できていない人が多く、今 後情報が必要な人に必要な情報が届くよう、情報提供体制の改善が求められ ています。 【施策の方向】 福祉サービスに関する情報が、必要な方に届くように、多様な提供・発信 方法の充実を図ります。 《自助》 ・日頃から必要な情報収集に努めます。 ・福祉サービスの利用等について、わからないことは、町や町社会福祉協 議会、民生児童委員等に相談します。 《共助》 ・関係機関は、支援する人への最新の情報・幅広い情報の収集に努め、情 報を必要とする人を見つけたら、必要な情報を伝えたり、窓口での相談 を勧めます。 《公助》 ・広報誌をはじめ各種パンフレットやホームページなど、広報媒体ごとの 利用特性に配慮した情報提供手段の充実に努めます。 ・関係機関と情報交換等を推進し、提供情報の質的向上に努めます。 【主な施策等】 平泉町ホームページ 広報ひらいずみ 平泉町社会福祉協議会ホームページ 社協だより 子育て支援センターだより - 31 - (4) 相談支援体制の充実 【現状と課題】 役場の各担当課窓口をはじめ、子育て相談窓口の子育て支援センター、高 齢者等からの相談窓口の地域包括支援センター、障害者からの相談窓口の地 域生活支援センターにおいて相談業務を実施しています。しかし、相談内容 は多様化してきており、相談窓口を分かりやすくすること、また、関係機関 等と連絡調整しながら必要な支援やサービスにつながるよう、より効果的な 体制の整備が求められています。 【施策の方向】 生活における多様化する相談に対応し、必要なサービスの利用や支援へつ なぐことのできる相談体制の充実を図ります。 各種相談窓口の周知を図るとともに、相談しやすい環境づくりを進めます。 《自助》 ・不安や悩みは一人で抱えずに、隣近所や身近な相談支援機関に相談しま す。 ・日頃から、身近な相談支援機関を知っておきます。 《共助》 ・関係機関は、互いに協力・連携し、困っている人や困っていてどうした らよいか分からない人の支えになります。 《公助》 ・各種相談窓口の周知・充実を図り、利用促進に努めます。 ・各種相談窓口から得られたニーズや相談内容について、関係機関と情報 の共有を図るなど、総合的な対応ができるよう相談支援をめざします。 【主な施策等】 なやみごと解決センターふくし相談所 基幹相談支援センター設置 障がい福祉サービス相談支援事業 介護予防に関する相談会 ことばの相談・発達相談 こころの相談窓口 - 32 - (5) 利用者の権利擁護の推進 【現状と課題】 認知症高齢者や知的障がいのある人の中には、財産の管理や日常で生じる 契約など、判断を求められる行為を行う時に、不利益を被る人がいます。こ うした人たちの権利を守るため、成年後見制度※1や日常生活支援事業※2があ ります。しかし、これらの制度や事業の認知度は低く、利用は必ずしも進ん でいる状況とはいえないため、周知を図っていく必要があります。 今後は、高齢化の進行に伴い認知症高齢者の増加が見込まれることから、 成年後見制度や日常生活支援事業の利用促進を図っていく必要があります。 【施策の方向】 だれもが自分らしく暮らすために、町民一人ひとりの人権を尊重し、早期 発見、解決に取り組みます。 《自助》 ・一人ひとりが人権尊重の意識を醸成し、すべての人に思いやりを持って 接するようにします。 ・成年後見制度と日常生活自立支援事業についての正しい知識を身に付け、 適切に利用します。 《共助》 ・地域で人権を侵害するような状況を発見した際は、関係機関と連携し、 迅速かつ適切に対応します。 《公助》 ・地域で行う見守り活動を充実させ、早期通報体制を強化します。 ・成年後見制度や日常生活支援事業の普及に努め、制度を必要とする人へ の権利が守られるよう、関係機関と連携しながら、制度や事業の周知と 利用促進を図ります。 【主な施策等】 成年後見制度 ※1 認知症がある方や知的障害者・精神障害者など、意志決定能力が十分で ない方々が、日常生活における不利益を受けないよう、本人の権利や財 産を守り、契約などの支援を行う制度です。 日常生活支援事業 ※2 認知症がある高齢者や知的障害者・精神障害者など、十分な意志決定能 力を持たない方々を対象に、福祉サービス利用手続に関する相談・援助、 日常的金銭管理等を行う制度です。 - 33 - (1) 安全・安心対策の充実 【現状と課題】 東日本大震災により、自然災害に対する日常的な備えはもちろんのこと、 災害発生時の迅速な被災者や要援護者への支援などの重要性が改めて認識さ れました。一方、近年では子どもや高齢者が巻き込まれる犯罪が多発するな か、防犯に対する関心も高くなっています。 また、高齢者や障がい者をはじめ、あらゆる人が安心して地域社会の中で 生活できる環境が形成されていることは、支援の必要な方が自立や社会参加 を果たすうえで重要となることから、バリアフリー化やユニバーサルデザイ ンの推進が求められています。 【施策の方向】 地域の安全は地域で守るという意識を高め、日頃からの付き合いと情報の 共有によって、地域の防犯力を高めます。 安心して生活できる地域を目指し、防災意識の高揚を図るとともに、日頃 から災害時を想定した防災体制の充実を図ります。 《自助》 ・防犯・防災意識を高めます。 ・日頃から地域の要援護者の状況を把握し、いざというときに助け合える 関係を築いていきます。 ・避難時に支援が必要な人は避難行動要支援者名簿に登録し、名簿提供に 同意するようにします。 《共助》 ・地域全体で協力し合い、地域の防犯力・防災力を高めます。 《公助》 ・地域における防犯意識を高めるため、広報誌等での啓発活動に努めるほ か、警察や関係機関と連携のもと、防犯パトロール等、自主防犯活動を 支援します。 ・避難行動要支援者の把握と、関係機関との情報の共有を強化します。 【主な施策等】 避難行動要支援者名簿作成 避難行動要支援者避難支援計画推進 災害弱者緊急通報システム事業 平泉町防災行政無線 - 34 - (2) 社会的に支援を必要としている人を支えるネットワークの構築 【現状と課題】 少子高齢化や核家族化の進展により、ひとり暮らし高齢者の増加や、孤立 死問題の深刻化、子育て家庭の孤立化、孤立化から生じる不安感や精神的な 負担感などを背景とする高齢者虐待や児童虐待の表面化など福祉課題は多様 化・複雑化しています。 また、生活面での複数の問題を重ねて抱え、福祉制度ごとで行う支援だけ では問題を解消することが難しいなど、制度の狭間や複合的な問題で悩む人 も多くいます。支援を必要とする本人との信頼関係の構築が何より重要であ り、日頃から何らかのつながりをもっていることが求められています。 【施策の方向】 支援が必要な人に、家族、隣近所、学校など身近な人が早期に気づき、確 実に支援につなげるとともに、住民、地域、学校、関係機関、行政など、さ まざまな主体が連携したネットワークで早期発見・早期対応を行い、継続的 ・重層的な支援を行います。 また、複雑多様化する住民の生活課題に応えるため、一人ひとりの生活全 体に着目し、相手の気持ちや状況に配慮した個別的・包括的な支援を行いま す。 《自助》 ・一人ひとりが近隣を温かく見守り、声かけ、気づきに努めます。 ・支援が必要な人の情報把握に努めます。 《共助》 ・地域で横のつながりを密にして、見守りを行います。 ・各関係機関は連携し、ネットワークの構築に努めます。 《公助》 ・支援を必要とする人が抱える多様な課題の状況把握に努めます。 ・多様な課題を抱えた人に、安心・安全に暮らせるよう、関係機関と連携 を図り、必要な支援につなげます。 【主な施策等】 地域福祉推進委員会設置 地域ケア会議 子どもすこやかネットワーク会議 - 35 - 第5章 計画の推進 - 36 - 地域住民一人ひとりが地域における支え合いやふれあいの重要性、地域福 祉の重要性を理解し、本計画に掲げる取り組みを実践し、継続していけるよ う町の広報やホームページ上で計画内容を公表するとともに、町民や関係機 関への周知を図ります。 地域福祉に関わる施策分野は、福祉のみならず、保健、医療、教育、就労、 住宅、交通、環境、まちづくり等、多岐にわたっているため、庁内関係各部 門との連携を図りながら、計画を推進していきます。 また、地域福祉推進の中心的な担い手である町社会福祉協議会との連携は もとより、地域、民生児童委員、福祉事業者、学校、幼稚園、保育所、その 他各種団体と連携を図りながら、協働の地域福祉推進に努めるとともに、地 域福祉ネットワークの構築を支援します。 庁内の関係課等との施策の調整等を行うなど、横断的な連携による一体的 な計画の推進に努めます。 また、計画の着実な推進を図るため、計画の進捗状況の点検・評価を行う 「(仮称)地域福祉推進委員会」の設置についても検討していきます。 - 37 -
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